BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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郷愁のRenegade浪漫
 20代後半のバブルのころに東京で働いていたとき、
 仕事場の近所のアパレル・ショップのオーナーさんとつるんで、
 よく東北や北関東の渓流に釣りに行っていた。

 その方は、
 良くも悪くも「生まれながらのせっかちさん」で、
 一緒に谷に下りて準備して「さあ釣りはじめましょう」となるやいなや、
 ヨーイドン!と号令がかかったかのように、
 渓流を釣りあがるというよりも駆けあがっていった。
 
 フライを流すというよりも、
 ひとつのポイントをペシペシッと二回くらい叩くと、
 また次のポイント目指してダダダーッと小走りに駆けていった。
 まるでなにかに追われているかのようだった。

 で、
 そんなだから、
 あとからゆっくり釣りのぼってもサカナ残ってんだよね。
 むしろダダダーッといってくれるおかげで、
 その区間は他の人にアタマはねて先行されたりとかしないので、
 コッチは落ち着いてゆっくり釣れるの。

 で、
 あるときその方がなぜかコッソリした口調でこう言っていた。

 「ビゼンちゃん、あのね、ボク、はずかしいんだけどフライはレネゲイドしかつかわないの」

 「え?どして?」

 「だってレネゲイドって浮いてても沈んじゃっても、どっちでもよく釣れるじゃん。
 だからいちいちフロータント塗らなくていいしさ、一回ティペットに結んだらず~っとそれ一本でいけるじゃん」

 このお方は、
 フライの交換はおろか、
 フロータントを塗る手間ヒマさえも惜しんでおったのかと……。

 おもえば、
 その方は仕事も食事も会話もなにもかも、
 「いったいなにをそんなに急かされているの?」
 と問いたいほどにいつも小走りでテキパキしていた。

 なににつけ牛歩の歩みなナメクジ野郎の自分とはまさに対照的。

 そのくせ、
 一緒にいるといつもたのしかった。

 いまも元気でセカセカ走り回ってはるやろか?

 そんなわけで、
 レネゲイドとくれば反射的にその方のことを想う。
 
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 レネゲイド tied on TMC102Y#9

 数ある定番スタンダード・パターンや有名クラシック・パターンのなかで、
 個人的にレネゲイドほどミステリアスなフライはない。

 なんてったって、
 どんなに調べても原作者の名前や詳細がわからない。
 なのでとうぜん、
 その出身地や生まれた背景なども皆目わからない。

 70年代アメリカ中西部を中心に活躍された職業タイヤーのテリー・ヘリクソンによれば、
 「ロッキーマウンテン・エリア」から広がっていったパターンとのことだが、
 それも真偽のほどは定かではない。

 にもかかわらず、
 浮かせても沈めてもイケる万能型アトラクター・フライとして、
 現在でも一部では熱烈な愛好者がいる。
 しかも、
 ピーコック・ボディから容易に連想できるとおり、
 ビートル系テレストリアルとしてだけではなく、
 アメリカ西部などではユスリカが集団もしくは何匹かかたまっている状態を表現したクラスター・パターンとして、
 そのようなハッチ・マッチ・パターンが雑誌や本などで取り沙汰されるずっと以前から、
 知る人ぞ知る必殺クラスター・パターンだったそうな。

 そういえば30数年前の駆け出し時代、
 「レネゲイドは蟻が二匹向かい合わせにくっついて抱き合いながら流れている状態のフライなんだよ」と教えられて、
 なるほどー!といたく納得して感動した思い出がある。

 またさらに!
 NZでは水面膜の下にぶらさがるようにして、
 水面付近を移動しているスネイル(小型の巻貝)のイミテーションとしても紹介されていた。

 そしてまたさらに、
 アメリカ西部の激流の深瀬を釣るためにティペットに重いオモリをかませた、
 超ヘビーウエイト・ニンフをつかったアウトリガー・ニンフィングの伝道者チャック・ファザギルがこよなく愛用したニンフ?
 のひとつにもレネゲイドが取りあげられていた。

 まだまださらに!
 やはりアメリカ中西部のスチールヘッド用ウエットフライのクラシック・パターンにもレネゲイドが挙げられていた。

 このように、
 単によくある万能型アトラクター・フライとしてだけではなく、
 個々の解釈や釣り方やつかわれる状況によって、
 ドライとしてもウエットとしても、
 果てはウエイテッド・ニンフとしても、
 さらにはマッチ・ザ・ハッチ・パターンとしても、
 シークレット・ウエポン的必殺としてつかわれてきたレネゲイド。

 そのキー・ポイントは、
 見たまんまピーコック・ハールのボディと、
 そのボディ両端に茶色と白という対照的な色合いのハックルを配したことだろう。

 そしてレネゲイドの色調を見てハタと気がつくのは、
 そのフォルムはまったく異なるけれど、
 配色はあの不朽の名作フライ永遠のスタンダードの王様コーチマンとおなじではないか。

 いうなれば、
 コーチマンにつかわれた純白のダッククイル・ウイングを、
 きっとおそらくフライの耐久性や使い勝手を向上したい目論みで白いハックルに変更してみたけれど、
 それじゃあ肝心の茶色のハックルはどうすんべ?
 ってことになり、
 そうだイイことかんがえた、
 茶色のハックルはフライのオケツのところに巻きゃあいいじゃん……、

 と、
 そのような単純な思いつきだったのかもしれない、
 巻かれた当初はたんにコーチマンのヴァリエイションのひとつだったかもしれないレネゲイド。

 だが、
 「誰もが効くと認めざるを得ないコーチマンの黄金の配色」
 このフライの本質にさえ迫る不滅の色調を、
 このようにダブルハックルにアレンジしたことで、
 そこに写実的ではなく印象的な虫っぽさファジー感も強調されて……そりゃ釣れるって、
 効かないわけがないでしょ。

 ではなぜ、
 こんなにもシーンに浸透したフライの原作者や出自が不明なのか?

 これはもう「フライフイッシング七不思議」の筆頭としかいいようがない。

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 ちょっと話しは脱線して、
 通常の渓流にてドライやウエットとしてレネゲイドをつかうなら、
 個人的にこのように巻いてますヨ、
 というちょっとしたワンポイントを。

 まずレネゲイドのボディ末端にアクセントとして指定されている
 ゴールド・ティンセルのティップについて。

 オリジナルはフラットもしくはオーバルのティンセルをこの部分に数回巻くのが基本なんだけど、
 そうすると、
 このキラメキがものすごく目立つ。
 それがときとしてすごい違和感に映る。

 なので、
 個人的に安物のビニールなペラッペラのフラットティンセルを、
 フックシャンクにグルグル巻くのではなく、
 このようにスレッドで巻き止めるだけにして、
 その余りをボディ末端にほんのすこしだけ覗かせておく。

 こうすると、
 このヒカリモノが不自然にギラギラ輝きすぎるのではなく、
 あくまでも控えめにチラチラッとキラ見え。
 フライ全体に調和して、
 いかにも虫っぽく映る。

 また、
 ほとんど手間がかからないので巻くうえでの作業効率もあがる。

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 切れやすいピーコックハールの補強を施しているところ。

 ワイヤーやティンセルの類をリビングするのではなく、
 ピーコックのボディを巻きとめたら、
 ナノシルク・スレッドなどの切れにくいPE系スレッドを、
 ボビンをギューンと回して撚りをかけて細くして、
 ピーコックのボディのうえにほとんど無造作に一往復させてリビング状にグルグル巻きにしている。

 写真はスレッドをグル巻きしながらボディのうえを往復させたところだけど、
 こうしてみてもハール・ボディに変化は見えず巻いたことが分からないでしょ。
 しかもピーコックのボディが完全に固定されて最強の補強になっている。

 さらにしかもチョー簡単で手間要らず。

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 浮かせても沈めてもつかいたいレネゲイドのハックルには、
 なんてったって硬すぎず柔らかすぎないホワイティング・ヒーバートのヘンネックがぼくのお好み。

 ボディ末端の上部にほんのかすかに覗いている、
 金色のティンセルにもご注目を。
 こんなにちいさくチョロッとチラッと見えているだけで充分。
 このテのフライはモロ見えよりもチラリズムこそがミソ。

 とまあ、
 そんなレネゲイドなんだけど、
 この名前の意味をひもとくと、

 Renegade(=反逆者、裏切り者)
 とくにキリスト教からイスラム教に転向改宗した背教者を指して、
 「この裏切り者め」と蔑んで呼ぶ言葉ならしい。
 
 モノモノしくも血なまぐさくキケンな響き。
 なんかよくわかんないけどヤバくね?というかんじ。

 で、
 ここからはワタクシ十八番でもあります夢想妄想が飛躍するわけですが、
 名も知らぬ原作者が、
 このフライにこのようなネーミングをしたのには、
 はたしてどのような意図があったのだろう?

 きっとおそらくこのフライが世に知られたであろう1900年代前半の時代、
 フライフイッシングは今とは比べ物にならないくらいに紳士であり名門であり厳格であり格式であり様式であった。
 (それが悪いということではまったくないので念のため)

 「あの由緒正しきコーチマンを、このように改悪するなんてけしからん!まかりならん!」
 という声があったにちがいない。
 ないわけがない。
 
 出る杭は打たれまくる、
 というのは世の常ヒトの常、
 というよりもかの時代はもっと陰険かつ辛辣だっただろうことは想像に難くない。
 それが証拠に歴史をひも解けばそのようなストーリーはいくつも見つかる。

 そしてレネゲイドという名前のフライ。

 「おまえらなあ、クッソ偉そうにくわえパイプでボロカスゆうてくれるけど、
 本家コーチマンよりこっちのほうがよっぽど巻き易くて丈夫でよう釣れるやんけ、
 伝統にがんじがらめに縛られる筋合いはないんじゃ~」

 「オレはなあ、フライフイッシングの反逆者なんじゃ~~!!」

 などという一幕があったのかどうかは知りません。

 しかし、
 巻き人不詳なこのフライに、
 この時代にこのような意味の名前が冠されているという、
 そのことにワタシはグッとくるのです。
 アレコレと想像を膨らませずにはいられないのです。
 浪漫ひとしおなのでございます。

 と、
 いまやお馴染みのフライというよりも、
 もはや時代に取り残されて忘れ去られそうになっている一本のフライ、
 しかしその一本のフライをとおして、
 歴史を知り想いを巡らせ想像を膨らませ、
 そこから創造の喜びや醍醐味をひろげてみれば、

 そのフライでたんにサカナを釣りあげるだけではなく、
 そこに至るまでの過程にも、
 たまらない「お楽しみ」があるということに共感していただける方に、
 ぜひともお勧めしたい本を一冊ご紹介です。

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 私の敬愛して止まないフライフイッシング・ヒストリアンでありイノベーターであり、
 そして今なお他の追従を許さない最高のフライフイッシング・ライターであらせられる、
 ダレル・マーティンの集大成的著書「フライフイッシャーのための図解付き辞典」

 辞典といっても、 
 月並みな底の浅い単語用語集ではありません。

 アルファベット順にさまざまな用語や事象を解説しているので、
 便宜上辞典という表記になっているけれど……、

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 しかしてその内容は、
 ダレル・マーティンおじさんの汲めど尽きない知識と経験の泉から、
 おもしろそうな事柄をランダムにしかし抜け目なく、
 歴史や古典から最新事情までを、 
 簡潔かつ面白く愉しく紹介しながら解説してくれている、
 フライフイッシングのトリビアの泉的な蘊蓄満載の肩の凝らないオモシロ本です。

 これがまたさあ、
 なんちゅうかたまらんくらい示唆に富んでいるしオシャレだし英語表現むずかしくないし、
 単純にめちゃくちゃおもしろい。

 2000年に刊行されて以降、
 もうず~っと手元に置いて愉しんでいるけれど、
 じぶんのそのときの経験や興味に応じていまだにこの本から発見と学びが見つかる。
 きっと、
 これからもず~っと色褪せずイロイロと学ばせてくれることでしょう。

 フライフイッシングの「深さ」をやさしく愉しく伝えてくれる本です。

 
TRINITY Red, Green & Gold
 もうだいぶまえの話、
 細部の記憶はもはや曖昧なんだけど、
 すごく心に残っている。

 とあるラジオ番組に谷村新司さんがゲスト出演していて、
 谷村さんの昔からの大ファンだというリスナーの方からの手紙がとりあげられた。
 いわく、
 「私は谷村新司さんが創られた、あの歌がとても好きです。
 若いころからその歌にどれほど励まされ、また勇気づけられてきたことでしょうか。
 私はこの歌の歌詞の内容を、私なりにこのように解釈して、
 こんな物語を夢想しながら、それをじぶんの人生に重ね合わせつつ、
 いまも変わらず愛聴いたしております。
 そこで谷村さんにご質問です。
 私のこの歌の解釈は正しいですか?それとも間違っていますか?」

 というような質問だったはず。

 そして谷村新司さんいわく、

 「まず素晴らしいお便りをありがとうございます。
 あの歌の歌詞には、もちろん私自身の当時の体験とその想いが投影されています。
 しかしそれは、リスナーさんが語ってくださった解釈とはまったくちがいます。
 でも、だからといって、それが誤りであるかというと、そうではないのです。
 良い歌というものは、多くの方々の耳に触れたとき、
 それぞれの方が、各自それぞれの想いや感性でその歌に共感し、
 それぞれの人生や生き方を重ね合わせることで、
 その歌は作者の手を離れて独り歩きしていくものだとおもいます。
 なので、作者がその歌の歌詞を書いたときの想いや背景と異なっていても、それはそれでまったくかまわないのです。
 むしろ、だからこそ尊いのです。
 つまり、どの解釈が正しいとか間違いとか、そういうことではなく、
 いうなれば音楽というものは、
 その曲に感動したそれぞれの方々がそれぞれにイメージした「美しい誤解」によってこそ、
 輝きを増すのではないでしょうか」

 というようなお話を、
 あのジェントルなドスケベエ・ヴォイスで訥々と語られて……、

 中学生のころ、
 谷村新司さんのエッチなラジオ深夜放送を夢中で聴きながら、
 「性の芽生え」を迎えた世代としては、
 格別の感ありだった。



 
 そして嗚呼グレゴリー・アイザックス、
 このアルバムをはじめて聴いたのはじぶんが浪人生だったころだ。
 もはや、
 30年以上もの月日が流れてしまった。

 にもかかわらず、
 いまだその輝きは失せず、
 というよりも、
 そのまばゆい光は今だからこそますます美しいものとして私の琴線にとどく。

 ホンマ、
 齢50を超えて世の中ナナメにしか見れなくなったオッサンの純情を、
 まるで恋する乙女のように胸焦がしてくれちゃって、
 どないしてくれるねんゆう話しやで。

 それくらい、
 前回とりあげたユーチューブの81年BBCラジオ・ライブレコーディングは衝撃的だった。
 はたしてあの録音はレコードとして発売されていたのだろうか?
 情報を切に望む。
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 アレ若さま、キンケイの頭髪にちいさな虫がたかっておりまする……




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 案ずることはない、羽化寸前のオオマダラカゲロウじゃ……

 黒ずんでパンパンに膨らんだウイングケースは、
 キンケイの首羽根をハサミでV字に切って巻き止めたのじゃ。

 脚が一本ちぎれちゃったのはご愛敬じゃ。


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 「その時」がいつやってくるかはわからない。
 どのようなキッカケでそうなるかもわからない。
 めったにあることではない。

 天空に舞い上がっていくような創作意欲に突き動かされて、
 まるで自分ではないなにかが自分に憑依したかのような集中力で、
 他者の評価や、
 自己顕示欲や、
 見栄やハッタリの俗とはほど遠い高みにのぼって、
 ひたすら自己満足のためだけに、
 そのとき本当に自分が創作したいものに没頭できるあの時間の濃密な至福には、
 「まさにこのときのために生きている」と仰々しく言いたい醍醐味がある。

 そんな蜜の時間に浸りながら巻いた私的フリースタイルな3本。

 突き詰めれば突き詰めるほどに、
 フルドレス・サーモンフライというものはゴールデン・フェザント(キンケイ)のトッピングを映えて魅せるための土台ではないか、
 という僭越かつ生意気な持論をカタチにして表現したかった3本。
 
 フライそれぞれに巻いた年代が異なっており、
 くしくも自分のサーモンフライ・タイイングの足跡の一端をたどる3本にもなった。

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 エメラルド・パイレーツ
 函館に越してきてすぐに巻いたものだから、
 じつに9年前のフライ。

 鮮やかな緑色に輝くヒマラヤ・モナル・フェザントのネック・フェザーを整列させたボディのうえに、
 おなじくモナル・フェザントのクレスト・フェザーを左右合計3ペア、
 ブワッとひろげたトッピングに並べた。

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 さまざまな色が細かく重なったシルクボディは、
 はるかヒマラヤ信仰の象徴でもある「祈りの布」にインスパイヤされた。

 ちなみにこのシルクボディ製法は、
 もう10年以上もまえに思いついて、
 当時喜び勇んで巻き倒していたスタイル。

 ここ数年はおもうところもあって封印していたけれど、
 つい最近になってコレをまたさらに進化前進させたのをおもいついて、
 キャッキャとよろこんで調子に乗っている。

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 ファイヤー・バード

 一昨年のじぶんのフルドレス・タイイングを象徴する一本。

 血のような真紅に染められたキンケイのクレスト・フェザーを計8本、
 ウイングとしてひろげた。

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 で、
 そこに深い紫色に輝くリッフル・バードの首羽根を一輪。

 眺めていると、
 まるでブラックホールのようにこの紫色に吸いこまれていくよう。
 パプア・ニューギニアの至宝の羽根。

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 ゴールデン・パーソン・ヴァリエイション
 昨年のちょうどいまごろに巻いたもの。

 ぶっとい金の延べ棒のうえにキンケイの羽根を飾ったら、
 きっとすごく愉しいだろうナきれいだろうナ、
 という単純明快な思いつきとそれを具現化していく作業の時間は、
 スレッスレのオッサンを無垢の子供時代にタイムスリップさせてくれたのでございました。

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 と、
 そんな自分にとってこそスペシャルなフライたちをとっておきの額におさめて、
 昨年の忍野の美術館でのイベントにて展示させていただいたのだった。
 で、
 こんどはそれを来たる新居お引っ越しの記念に、
 我が家の一番良い場所に飾って毎日眺めようとおもっていたわけです。

 仕事柄、
 じぶんが巻いたフライはどんなものでも、
 もし購入してくださる方がおられれば、
 もうなんでもかんでも喜んで!
 という態勢で待ち構えている。
 けれど、
 これだけは自分の手元に置いておこうと、
 なにせ自分が世界で一番好きな羽根のひとつを題材にした、
 あるいみ自分の歴史でもあるわけだから。
 
 そのようにかんがえておったわけですが……、
 「これは販売しませんから」などと偉そうに公言もしておったわけですが、

 にもかかわらず、

 先日、
 忍野でのイベントでこのフライたちを見てくださった方がご連絡をくださって、
 とても気に入ったので購入を検討しておりますがどうでしょうか?との旨、

 「ありがとうございます。ぜひよろしくおねがいします!!」
 もうねえ、
 即答です。

 ひたすら自己満足で、
 他者の目などなにもかんがえず、
 じぶんの技量と想いのたけを精一杯ぶつけた、
 あまりにも個人的なフライたちを、
 その方の感性で解釈して気に入っていただいて、
 手元に置きたいとおもっていただけるなんて……、

 その奇跡にもおもえる光栄と、
 はてしない喜びのまえでは、
 じぶんのために巻いたじぶんが愉しむためのどうのこうの…なんていうちゃっちい感慨など、
 一瞬にして霧散してしまいました。

 そんなわけで、
 自分の感性を愉しんでくださって、
 それを愛でていただける方がいてくださるという、
 えもいわれぬシアワセに浸っている今日この頃です。

 昨年から事情があって気ぜわしく、
 時間的にも気分的にも、
 なかなか釣り竿片手に水辺にも立てず、
 ともすれば腐りきってしまいそうな沈殿した気分を持て余す日々。

 あともうちょっとだけ、
 このような状態がつづくかとおもわれますが、
 これで耐えられそうです乗り越えられそうです。

 天下一の果報者。

 しつこいようですが、
 本当にありがとうございました。
 
 
Raw RUB A DUB Inna Different Style


 グレゴリー・アイザックスとルーツ・ラディックス 81年の一発録りライブレコーディングat 英BBC。

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 Crucial.

Light Cahill Skank
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 イミテーション・ウッドダックっていうの知ってる?
 
 マラードのフランクフェザーをウッドダックのような色に染めたやつが、
 ドサッとバルクでパックされていて、
 お財布にヒジョ~にやさしい価格だけど、
 たいてい釣り具店の片隅でホコリかぶってるようなやつ。

 アレさあ、
 見た目は色もカタチもいかにもウッドダック風で、
 希少な本物をケチケチつかっている貧乏性としては、
 これで心おきなくバンチウイング巻き放題だと喜び勇んで購入してはみたものの、
 
 いざつかってみれば……、

 ご同好の皆様におかれましては、
 このガッカリ気分おおいに共感していただけるかとおもいますが、

 マラードとウッドダックの羽根の作りと質感はこんなにも違うものなのかと痛感させられるというか、
 「まあコレも勉強やな……」
 と、
 羽根でパンパンのバルク・パックはそのまま使われることは二度となくほったらかし。

 と、
 そんなキャッツキル・ドライフライ・マニアな皆さまにウルトラお役立ち情報です。

 イミテーション・ウッドダックにハックル・セパレーター擦り込んでバンチウイング巻いてみて……、

 なんと痛快なことでしょう。

 あのガッカリだったイミテーションが、
 元はマラードのフランクフェザーゆえにファイバー同士がくっついちゃって、
 ウイング材としてにっちもさっちもいかなかった見映えブチャイクが、

 こともあろうにセパレーター処理してウイングに巻くと、
 ま・る・でマンダリン・ウッドダックのフランクフェザーのような!
 こうなんちゅうか、
 絶妙な肉厚感のあるゴマダラのファイバーがパラッパラにフワ~ッとふくらんじゃってもう……、

 ニッッタァ~~てなりますよ。

 しかも!
 ワタクシと同様、
 きっと貴方のお手元にはほぼ使われていないイミテーションがパックにドサッとそのまんま……キャハ。

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 写真手前左から、
 クイルゴードンTMC5210#10 ウイングはレモン・ウッドダック。
 右、
 マーチブラウン風TMC905BL#10 ウイングはマンダリン・ウッドダック。

 そして、
 そのうしろのどでかいやつのウイングにつかっているのがセパレーター処理したイミテーションTMC905BLの4番。
 このような規格外サイズのキャッツキル風を巻くなら、
 特大サイズのフランクフェザーがたくさんパックされているイミテーション・ウッドダックは、
 もうまさにうってつけ。
 
 で、
 こんなキングコング・キャッツキル・スタイルをやねえ、
 通常サイズのように、
 サーフェイス・フィルムのうえに、
 まるで生まれたばかりのバンビがようやく爪先立っているかのような、
 危なげな、
 はかなげな、
 そんな弱弱しい浮き方で水面に浮かせたい for スレッスレ有名渓流。

 またそんなバランスでありながら、
 鳴門の渦さながらに荒ぶる深瀬に浮かべても、
 大波小波もなんのその、
 まるで水面膜にしがみつくように浮いてます~あの巨マスが喰いつくまでは……、

 みたいな確かな浮力がほしい、

 というところでいろいろナニしてんですが、
 
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 オーシャグネシー・ベンドっていうんだっけ?
 もともとはディーウイングやスペイフライなんかにつかうための、
 ロングシャンク・ラウンドべンドのサーモンフックの4番に巻いたワイの最新ライトケイヒル爆裂サイズ。

 ボディ、
 ムッチムチやろ?
 触ってみるとモッチモチやねんで。

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 で、
 この素材自体が水面に浮くんですわ~。

 キングコングサイズ・ドライフライ・タイイング・アドベンチャーまだまだやりたい放題し放題ですぅぅ~~~。
 
アーガス・セレナーデ
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 レオン雄のコンプリートウイングのセカンダリークイルの根元に生えている、
 ウイングカバー部分を水に濡らして半裂きにしてセパレーター処理したものをボディハックルに巻いた小型ディーウイング。

 つかったフックはTMC202SP の6番。

 バリッというかブルンッというか、
 ハリとコシのある適度な長さのファイバーで、
 タイガーヘロンもかくやの鮮明な霜降りマダラ模様。

 なんちゅうか、
 一歩先行くモダン・ハックル的未来感?


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 そしてジュラシックな妖鳥アーガス・フェザントのセカンダリークイル。
 

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 かつて、
 私の家にはアーガス丸ごと一羽分のセカンダリークイルがありました。
 というか、
 一羽丸ごとおりました。
 それはそれは壮観だった。
 圧倒的でした。
 「こんなん一生かかっても使い切れへんなあ」
 とつくづくおもっていた。
 
 が、
 お世話になった友人にセカンダリーを一組進呈したほかは門外不出。
 後生大事にがっつり抱えておりました。

 そしてあれからもう早10年あまりの時が流れ……、

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 バッツンバッツンてかんじでザクザク切っていると、
 やっぱなくなるんですねアーガスといえども。

 気がついてみれば確実に、
 終わりが見えてきた在庫量。

 が、
 自分のフライタイイングにおいて、
 この羽根との出会いがなければ……、
 くらいに感謝したい勢いで後悔はまったくないんですよ。

 でもヤッパこれからはチョビット計画的にネ。


  
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