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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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ロイヤルファミリー濡れる純白の三姉妹ウエットフライ編
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 ナチュラルのダッククイル・ウイングをアップライトに立てたペールウォータリーダン風。
 ホワイティング・ヒーバートの明るいダン色のヘンネックを二枚ハックリング。
 ヒーバート・ヘンネックによくある和紙みたいな半透明な質感のうす~いダン色を厚めにハックリングすると、
 まるでタバコのケムリのようだ。

 Ukadan - Smokin' Boogie ←きょうの一曲。

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 ブラックナットの私家版ヴァリエイション。
 
 全身真っ黒づくめに一筋、
 真っ白なクイルウイングがスックと立ちあがっております。

 ちなみにボディは庭で拾ったカラスのセカンダリークイル捩じり巻き。

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 私的見解ですが、
 ロイヤルコーチマンのウエットフライにかぎらず、
 スタンダードなクイルウイングのウエットフライを釣りにつかうなら、
 ウイングの厚みやフォルム、
 そしてなによりボディ上部に覆いかぶさっているようなウイングの角度など、
 こんな体裁が機能的に理想かな~。

 スイングさせたり引っ張ったりするならとくに。



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 が、
 ロイヤルコーチマンに、
 ロイヤルコーチマンらしい華やかでバタくさいファンシーを求めるならば、
 ウイングのカタチをこのように巻いてみると……、

 ウイング末端のエッジの角度を緩やかにするとアラ不思議。
 それだけで虫っぽさが希薄になる。
 ヘンな言い方だけど、
 このように巻くと鋭さがなくなってよりニセモノっぽくなって、
 そんなフォルムと雰囲気もまたロイヤルコーチマンにはよく似合う。

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 豊満だべ?

 こんなボッテボテのロイヤルコーチマンの6番くらいのを、
 ぶっといティペットに結んで、
 テレストリアルたけなわのハイシーズンに、
 アップストリームに投げながら釣りのぼってゴツイの掛けたら、
 たまんね~だろ~な~。

 ウイングをテンコ盛りに盛りに盛って膨らませているけれど、
 ビコーンとナナメに突き立つのではなく、
 ウイングはあくまでもボディ真上にのっているようにテント型で末広がりに立っているところ、

 えらい苦労しましてん。

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 ダッククイルの特徴は、
 なんといってもクイルのファイバー先端がクルンッと外側にカールしているところ。
 そのうえで、
 ファイバーには弾力を感じさせる厚みがある。
 白のダッククイルはこの傾向がさらに強い。

 と、
 そんな白いダッククイルをクイルウイングに巻くばあい、
 いちばんうえのロイヤルコーチマンのウイングの幅だと、
 この特徴がうまく活かされて、
 クイルウイング材として非常に扱いやすい素材になる。

 と・こ・ろ・が・

 ウイングの幅をひろくボテッとすればするほどに、
 カールしたファイバー先端のところが……牙を剥きよるんですわ
 ズルンズルン滑りまくってクイルを左右対称にピタッと合わせるのがも~たいへん。
 
 そういえばここ近年、
 ハタと気がついてみれば羽根とか毛とかをツリバリに縛りつけていて、
 あまりにも思い通りにいかなさ過ぎてイラッとすることなくなっていたよな~……、

 な~んつって、
 積年の知らず知らずの積み重ねの賜物に想いをよせ、
 しみじみ感慨にひたってふけるほどに、

 白いダッククイルのボテボテ・ウイング巻き止め作業はひっさびさに、
 めちゃくちゃ、
 イラッとしました。

 なんだけど、
 苦心惨澹ようやく出来あがったのを眺めて、
 ものすごい、
 ムラッときて満足しました。

 白のダッククイルは、
 ファイバーの繊毛密度が濃厚で厚みがありマットな質感で、
 なおかつ光をよく反射して光沢感があるからか、
 幾多の白い羽根のなかでも、
 とくに真っ白だな~とホワイト感をかんじさせる白い羽根。
 
Fanwing Royal Coachman etc
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 ファンウイング・ロイヤルコーチマン

 クイルゴードンやヘンドリクソンといったブルーダンなカゲロウ・カラーな路線とは、
 またちょっと異なる表情のファンシー・キャッツキル・ドライフライを象徴する一本ですね。
 
 二対対称で垂直に立てた小羽根のウイングはオシドリの白い胸羽根。
 ファイバーは幅広く、
 ストークが曲線を描くように湾曲している。
 そのような風圧計さながらの形状のものがプロペラ状に突き立っているという構造。
 ティッペットに結んで軽くひと振りしただけで、
 すさまじい空気抵抗を受けて竹トンボのように空中回転するでありましょう。

 現在の釣りイト事情からふり返れば、
 まるでタコ糸の太さのハリガネのように見えるだろうガットリーダーと、
 風を切るシルクライン、
 胴調子の長くて重い竹竿、
 という道具の時代だからどうにかつかえたフライ。
 その時代でさえ、
 「このフライ投げると回る」のが難として挙げられていた。

 にもかかわらず、
 この時代にこのフライが一世を風靡したのは、
 なんといっても「どこに投げても白い大きなウイングがよく見えたから」

 「ダン色のクイルゴードンはカゲロウそっくりだけど……、
 水面に浮かぶとさっぱり見えんのじゃ」

 それよりも高い視認性、
 安心感をもたらす視認性、
 いつの世も、
 ドライフライに求められる命題のひとつ……ですね。
 
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 可憐なんだよね、
 ロイヤルファミリーのなかでもとくに。

 クルンッて反り返っているウイングの曲線が萌えポイント。

 ロイヤルファミリーはドライもウエットもぜんぶ、
 基本ショートシャンクのフックに巻くのがオツで好み、
 なんですけれど、
 ファンウイングだけは断然ロングシャンクが気分なのが、
 フライのちょっとしたビミョーなところ。

 ヘビーワイヤのロングシャンクの8番と10番。
 2Xフロロでダヨ~ンと投げてどうにかいけるかんじ。

 ま、
 そのようなハンデも愉しみのうち、
 なんつって。

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 イリジスティブル風というか、
 ハリー・ダービーのラットフェイス・マクドゥガル風の、
 フレアさせたディアヘアを刈り込んでボディを成形したファンウイング・スタイル。

 エゾジカの濃いダン色のヘアーと、
 淡い小麦色のヘアーを交互にフレアさせて刈り込んで、
 ボディの縞々感を表現してみた。

 ディアヘアーを剃刀で削ぎ切るサクサクサクーッとくるカイカンが久々で新鮮で、
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 おおいに興が乗ってがっつりフレアさせて……、

 













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 え?なんで?

 と思ってくださった方がおられたらウレシイな。

 セミでも刈るのか、
 はたまたバスバグか?

 とおもっていたら……、

 まるで、
 メンチカツや~おもって一口食ったらアジフライやったやんけ~、
 おいしいからそのまま食うけど腑におちんやんけ~、
 みたいな。

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 フレアさせたディアヘアーを刈り込んでいくと、
 ヘアーの色調の濃淡が模様のように浮き出てくるのが、
 ちょっとおもしろいな~とおもって。
 
 
 
クイルウイング・ラプソディ (ものすごく遠まわしにしつこく2019年カレンダー販売のご案内)
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 お馴染みのターキーをクイルウイングにした私家版マーチブラウン風パラシュート仕様。

 教科書に倣えば、
 ターキークイルのウイングにはつかえない側、
 通常なら破棄している、
 ファイバーの先端が逆向きにビコーンと湾曲してそっくり反っているほうの、
 その反り返りを逆に利用してクイルウイングを巻いた。

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 ディーウイング・スタイルで巻いたサイズ5番 for ライトタックル仕様。

 レオンのサドルスキンの後方に生えているウェヴ状のハックルをパーマボディに巻いて、
 ウイングにはやはりターキークイルの反り返っているほうをバーチカルなディー・スタイルに巻き止めた。

 スイングさせるとマラブー状のハックルがユラユラなびくだけでなく、
 反り返ったウイング先端もまた流水の抵抗を受けてバタバタにぎやかに揺れうごくという寸法。

 スロートハックルにもご注目を。
 このテのディーウイング定番ハックル素材となるティールやウィッジョンといったカモ類のフランクフェザーだと、
 白地のファイバーに黒いゼブラ模様なんだけど、
 ここではそんな定番素材とは正反対の色調と模様のスロートハックルをつかってみた。
 黒地ファイバーに散りばめられた白い細かな斑点のハックルに「あれ、なんだコレ?」とおもっていただけますと超うれしい。
 これもカモの仲間のフランクフェザー。
 なので、
 ファイバーの質感はティールなどとまったくおなじ。
 
 というのはさておき、

 ターキークイルは、
 やり方とアイディアと応用次第でクイルのファイバーの両側ぜ~んぶ、
 根元から先端までくまなくおいしく有効につかえますよ…という作例。

 律義に教科書に忠実に盲目的にマニュアルに従うことなんかおまへん、
 古典のレシピ指定だってあくまでも目安というか参考までに…くらいのもんやと思いなはれ。
 おそれることはありません。
 タイイングは自由にやりなはれ~、
 という、
 僭越ながらささやかなメッセージではありますけれど……、

 そのかわり、
 教科書から逸脱して自由になろうとおもったら、
 徹底的に基礎と基本をやり倒してアタマで理解してカラダで習得してからモノ言わないと、
 とっても恥ずかしく説得力に欠けて痛々しいのは、
 なんの世界でもおなじことですね。

 日々これ精進。
 なんだけど、
 その修行がまた世界をより奥深く広げてくれる源泉にもなり、
 おおきな喜びと愉しみになるってところが趣味の世界ですね。

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 やっぱフライタイイングは、
 どうしようもなく、
 ロイヤルコーチマンにはじまり、 
 ロイヤルコーチマンにおわる……のだろうか?

 なんて戯言が脳裏をかすめたりした2019年の年初め。

 「ロイヤル一家総ざらえ」プロジェクト、
 ぜひともドサッとまとめたいものです。

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 そして、
 数年来の課題でもある、
 「セイランの逆襲ふたたび」プロジェクト。
 何年もかけてコツコツちんたらやってまいりましたが、
 いよいよ期は熟した感あり。
 かならずや……、

 という今年の目標はさておき、

 年が明けるのを待ちかねたように、
 我が2019年カレンダーの表紙をビリビリッと切り開いたわけですが、

 表紙が、
 表紙が、
 もったいなくって……、

 そんなわけで、
 我が家のいちばんVIPな壁はいま、
 このようになっております。

 で!
 ひとえに皆々様のおかげをもちまして、
 すっかり残り少なくなったカレンダーの在庫ですが、
 まだあとすこしだけ在庫あります。

 毎度毎度これでもかと宣伝ばっかで恐縮至極ではありますが、
 B4サイズのオールカラーで、
 2018年に活躍した我が追憶のフライたちと思い出のニジマスたちの写真を、
 季節ごとにこれでもかと並べて1800円です。

 こんなにしつこいんやから、
 もう根負けして買ったろかと思ってくださった方は、

 ぜ~ひとも!

 bizen-m@olive.plala.or.jp まで、
 お気軽にご注文くださいませ。
 ただちに、
 速やかに発送させていただきます。

 どうかよろしくお願いいたします。

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 そんなわけで、
 昨年末から年始にかけて、
 多くの皆様に2019年カレンダーをご購入いただいて、
 ひたすらありがたく、
 そしてなによりも気持ちがググッと盛りあがりまくり、
 そんなハイテンションのまま、 
 年始の初仕事として「おもしろマテリアル仕入れ活動」に走り回っておりました。

 久々に感動の超ハイクオリティ定番素材から、
 じぶんにとってははじめてとなる珍品まで、
 「ソレも買いますコレも買いますソレぜんぶ買います」と、
 調子こきまくって買います買います連呼しちゃってお財布すっかりすっからかん。
 しかし!
 これでまた今シーズンもやりがいのある課題が盛りだくさん。
 熱く愉しく過ごせそうです。

 右のフライは私家版ブルーダンのウエットフライ。
 名づけて「銀幕のブルーダン」

 ホワッと膨らんだボディのダビングがキモ。
 このダビングファー、
 しとどに濡れると艶っぽい銀色がかって見えんの。
 空気膜による反射とかそういうのではなく。

 ちなみに、
 このブルーダンはTMC107SP の6番に巻いたんだけど、
 それってけっこうなビッグサイズなんやけど……、

 それとくらべると、
 隣のフライどんだけモンスターやねん?ちゅう話しですね。

 このフライは2019年カレンダーには載せてないけど、
 「セイランの逆襲ふたたび」プロジェクトにて、
 またいずれかならず舐めるように仔細見せびらかしたいので見てネ。

 カレンダーもぜひ買ってネ、
 しつこくてゴメンなさいね。

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 というかんじで、
 たったいまのマイブーム的フライズのほんの氷山の一角を取り上げてみましたが、
 なかでもサイコウにナウなかんじでトキメいておるのがこのフライ。

 ダッククイル・ウイングの、
 ファー・ハックルなドライフライ。
 金色のオーバルティンセルのボディのうえにも、
 パーマハックル状にファーをハックリングしてある。

 テイルはパッと見ムースメーンのような質感で、
 存在感のあるバリッとした太さなんだけど、
 まるでハックルのように繊細に陽の光を透過する。
 
 で、
 金色のオーバルティンセル以外は、
 テイルもファーハックルもウイングもぜ~んぶ北海道産の素材。

 地産池消とか、
 どうせなら身近な地元の素材でまにあわせようとか、
 そのような安易な考え方ではなく、
 あくまでもメッチャ最高の唯一無二の素材として、
 北海道ならではの動物や鳥だからこその素材の特徴と旨味を活かして、
 巻いて愉しく、
 かつ実践的で、
 そしてなによりものすごく効く、
 そんな北海道発のフライタイイングのアプローチ。

 「エゾ素材フライズ」プロジェクト。

 知らん間に、
 気がついてみれば、
 これこそ我がライフワークになっちゃってます。
 
 ぜひともやりたいことがもういっぱい。

 そんなわけで、
 2019年カレンダーのご注文まだまだお待ちしております~。

 なにとぞよろしくお願いいたします。




 
とんでとんでとんでとんでまわってまわってまわる
 元旦から二日ほど、
 関西の実家に帰省した。

 久々の里帰り。

 実家で、
 両親ととりとめもない世間話をしていたとき、
 かけっぱなしになっていたラジオから、
 夏目漱石の学生時代の成績表が見つかった…という話題が流れた。

 女性アナウンサーが「成績優秀だったそうですよ」
 と話しをひろげると、
 男性パーソナリティが「なんやあ、普通やったらおもしろかったのにね」
 と言った。

 そのとき、
 ぼくらはラジオとはまったく関係ない話しをしていたけれど、
 父も母もじぶんも同時にハハハとしばし笑って、
 さっきまでの話しのつづきに戻った。

 ついついおもわず言っちゃう余計な一言が憎めない。

 つくづくじぶんは浪速の子。

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 年が明けて最初の土日、
 和歌山県は紀伊田辺という海辺の小さな街にあるプロショップにタイイングデモに呼んでもらって、
 よろこび勇んではりきって出かけていった。

 ご挨拶がすっかり遅れてしまいましたが、
 当日お集まりくださった皆さま、
 呼んでくださったオーナーさま、
 本当にありがとうございました。

 で、
 そのデモのとき、  

 「このビートルはねえ、
 ココのところがこうなっていて、
 コレをこうしてこうやって巻くと、
 このようなフォルムとバランスになって、
 いまのところ自分的に中小型サイズでは必殺中の必殺ビートル・フライになってます」

 「そんなわけで、
 コガネムシ大国の我が北海道では、
 いまやこのフライはまさにビートル革命や~なんちゅうて、
 2年ほどまえから空前の大ブームになってんですよ」

 なんつって、
 煽りまくっといて、

 「ぼくをいれて、いまのところ約3名のあいだで……」

 とオチつけて、
 そして皆さんでワハハと笑っていると、

 デモにご参加くださった方のひとりが、
 「おしいなあ、4人やったらビートルズ革命やったのにねえ」
 と誰にいうともなくボソッとおっしゃった。

 うまい!お見事!脱帽です。

 いまだに、
 どうかしたときにクククと思い出し笑い。

 ダジャレはしょうもなければしょうもないほどにオシャレ。
 センスいりまっせ。

 つくづくじぶんは浪速のオッサン。

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 実家から出発するとき、
 父の本棚から失敬してきた。

 今回の帰省と出張では、
 飛行機、
 長距離バス、
 ローカル線などなど、
 乗りモノに乗り継いだり、
 喫っ茶店などでの待ち時間がたくさんあった。

 なので、
 この二冊をめくって時間をつぶした。
 有意義な時間になった。


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 紀伊田辺に滞在していたときのホテルの入り口にて。

 毎朝、
 人影まばらな正月の商店街を眺めながら、
 ここで珈琲を飲んで、
 プロショップの店主さんが迎えに来てくださるのを待った。
 その時間がちょっといいかんじで……。

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 無事にデモが終わって、
 次の目的地にむかう日の朝、
 商店街をブラブラ歩いて、
 紀伊田辺の駅前からそう遠くない漁港に来てみた。

 よく晴れた冬の朝。
 寒いには寒いんだけど、
 和歌山の空気はぬるかった。

 パリッと凍てついた空気がキーンと身体に突き刺さるかんじがしない。
 それがなんだか違和感。

 もはやじぶんはつくづく北海道のヒト。

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 じつはこの場所に来るの、
 はじめてじゃない。

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 1998年の早春号となる「フライの雑誌」第41号から……。

 21年前のちょうどいまごろの深夜、
 まさにこの場所に立ってフライロッドを振っているじぶんの後ろ姿が載っている。

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 この当時、
 じぶんは飛騨高山にすんでいた。

 タチウオが釣りたくてはるばる紀伊田辺まで来て、
 4日間だったか5日間だったか、
 夜行性のタチウオを狙って、
 夜な夜なひたすら釣りつづけたんだけど、
 とうとうイッピキも釣ることができなかった。

 そのうえ、
 未曾有の寒波がやってきて、
 散々な目にあった。

 その紀行文をフライの雑誌に載せてもらったのだ。

 やたらと長いのに、
 ただのイッピキも釣れなかった釣り紀行。

 華々しさのカケラもない。

 カケラもないけど、
 いや、
 カケラもないからこそなのか、
 いまも忘れていない記事のひとつ。

 打算や計算とは無縁のところで、
 ただ「書きたい!」という衝動に駆られて書いたものだからだ。

 まさか、
 またここに来るとは、
 しかもこのようなカタチで再訪するとは、
 あのころ、
 よもやおもいもしなかった。

 もちろん感慨深くもあったし、
 懐かしいな甘酸っぱいな、
 ともおもった。
 けれど、
 「あのころはよかった」
 というのとはちょっとちゃうねんな。

 だって、
 いまがサイコウなんだもん。

 と、
 言ってしまいたい。

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 和歌山から大阪に戻って来て、
 次の目的地までいく飛行機の時間まで、
 まだちょっと余裕があった。

 ので、
 この際センチメンタル・ジャーニーのつづきを、
 としゃれこんだ。

 むかしむかしの大昔、
 オレ、
 この界隈でブイブイいわせとったんやで。

 スイマセンうそつきました。

 この街がかつて少年時代の遊び場のひとつだった。
 が、
 こうしてまともに再訪したのはいつ以来だったのか、
 もはや定かではない。

 そしていま、
 あたりまえだけど街はすっかり様変わりしていた。
 なにもかもかわっている。
 右も左もわからない。

 オホーツク在住の浦島太郎参上。

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 所在なげにしばらくウロウロして、
 真新しいビルの隙間にスッポリはさまって、
 ものすごく肩身せまそうな佇まいの食堂にはいった。

 「肉うどん」450円。
 すさまじい価格。

 年配のご主人が独りでお店を切り盛りしておられるようだ。
 エプロン姿で、
 熱いお茶と冷たいお冷の両方を運んできて、
 目のまえのテーブルに置くやいなや、
 開口一番「あけましておめでとうございます」と挨拶された。

 意表をつかれた。

 おもわず「肉うどんください」と言ってしまって、
 あわてて「あけましておめでとうございます」と返した。

 御主人は意にも介さず、
 「ハイ、肉うどんですね」
 と言って奥の調理場にひっこんだ。

 ほどなくして出てきた肉うどんは、
 玉ねぎと生姜で一緒に炒めた豚肉がチョロッとのっているだけ。
 うどんは箸で持ち上げるとたちまちブツッと切れそうなコシのなさ。
 オツユはひたすら薄い。
 そこにダシの深い旨味やコクがあるのでなくストレートにただ薄い。

 そんな、
 昭和の関西の大衆食堂のお手本のような安もんの肉うどん。

 はっきりゆうてこのご時世、
 意識高い系の高級うどんなんかそこらじゅうに溢れとる。
 こんな安もんのうどんの古典、
 探したってなかなかあれへんでえ。

 オレは心のなかで喝采をあげた。
 「そうなんや、オレはいま、こんなうどんをこそ求めてたんや!」

 満足して、
 「ごちそうさまでした」
 といって、
 御主人に500円玉を差し出すと、
 「ありがと~」
 といって50円玉を返してくださった。
 それを財布に仕舞って、
 じぶんも「ありがと~」といって、
 ガラガラッと戸をあけ暖簾をくぐって店の外に出た。
 その背中に、
 もういちど「ありがと~」と、
 やわらかな関西なまりの御主人の声が、
 やさしく染みわたるように届いた。

 そやねん、
 こどものころ、
 こんな大人の「ありがと~」を聞いて、
 オレはおおきなってん。

 ああ、
 やっぱエエなあとおもった。

 つくづくじぶんは浪速の子。

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 すっごい遠くまで来ちゃったけど。

 流れ者の浪速の子。

 円広志 夢想花

2019年スペシャル・カレンダーまだまだ精力的に販売中!の新年のご挨拶
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  自撮り



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  恍惚の自撮り



190101 (3)3
  至福の影撮り




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  満たされてギョ 撮り

 
 みなさま、
  あけましておめでとうございます。


 さあ、
 ことしも元気いっぱい妄想いっぱい釣欲ムンムン初巻きいくよ~。

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 ロングシャンク2番の特大フックはさんでグイグイいっちゃうZO。


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 まずは、
 モッサモサの特大オストリッチ黒と焦げ茶を数本バサッと束にしたら、
 二つ折りにしたギッラギラの極太オーバルティンセル金でまとめて、

 それを、
 福を呼び込む「しめ縄」ねじりでグリグリッとねじりあげてボディに巻いて……、

 焦げ茶と黒がグラデーションがかったモッフモフ・ボディの下地とすきまから、
 チラチラッと金色がマダラ模様に見え隠れしてるモッコモコの極太バディを、
 しばしニッッタアァァとほくそ笑みつつ眺めたら……、

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 あらかじめドサッと巻き止めておいたアンダーウイングのヒグマの金毛を、
 ことしも「末広がり」な巨鱒とのご縁をひたすら念じつつ、
 グワッと折り返してブワッとひろげてVの字状に巻き止めて、

 蛍光灯の明かりにギランギラン生々しく反射してる金毛を、
 指先でやさし~く撫でまわしたりなんかして悦にひたって……、

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 正月や正月や~めでたいど~大盤振る舞いや~、
 なんつって、
 日ごろチビチビつかっていた、
 とっておきの貴重な特大ターキークイルをザックリぶあつくカット、
 そしてVの字アンダーウイングのあいだにガッツリ骨太肉厚に巻き止めて、

 巻き止めたクイルウイングを、
 フェザータッチでクイックイッとやさしく触れつつカタチ良く整えたら……、

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 商売繁盛で笹ふりまくるエベっさんもビックリのヴォリュームで、
 ガバアッとディアヘアーの束ざっくり切り出して、
 それをまあ~るくま~るく福々し~くフレアさせて、

 フックのアイが塞がるくらいギリギリまでフレアさせて、
 爪先でアイをキュッと挟んでヘアーをグイグイ後方に押し込んで、
 ディアヘアーをこれでもかといわんばかりにフレアさせて、

 ことしも濃密で濃厚で密度の濃ゆ~いヘッドで、
 ポッカアッと水面高く軽々浮きまくるホップステップジャンプな充実の一年にしたいと願いつつ……、
 
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 仕上げは今年もスパーッと切れ味よく景気よく無病息災でヘッドをキリリと小粋に刈り込んで……、
  2019年 元旦





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 道産子マドラーミノー・スペシャルのお正月 

 本年もまた ガバッ !! っと。



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 汚れなき初雪ならぬ純白のポーラーベアーを添えて。
 そして今年もまた、
 世知辛くなるばかりの世情の荒波をフライロッド片手にのり越えたい……切なる願いを込めて。

 昨年にひきつづき、
 テムズ35周年&B's Fly Works25周年記念カレンダー熱烈販売中です。 
  
 2019年の招福御多幸好釣巨鱒祈願めいっぱい注入済みです。
 また、
 目には見えませんがフライロッド振りまくりボビン回しまくりの「釣福の神さま」も、
 もれなく同封させていただいております。

 フルカラーB4サイズで、
 価格は1800円です。

 なんですが、
 ほんとに申し訳ありませんが、
 私が本日から講習会および仕入れ出張のため、
 しばらく出かけております。

 なので、
 ご注文は随時ものすごく熱烈大歓迎で受け付けておりますが、
 発送できるのが1月15日からになってしまいます。

 それでもよろしければ、
 送り先を明記のうえ、
 bizen-m@olive.plala.or.jp
 まで、
 ご注文をお待ちいたしております。

 帰宅しだいすぐに返信対応させていただきます。

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 そして!
 
 札幌「テムズ」でも店頭にてカレンダー販売いたしておりますが、
 こちらは3日から15日までテムズ新春恒例ドドン!と「初売り」期間になります。

 期間中、
 お買い得商品盛りだくさん、
 しかもお買い上げごとにプレゼントもあり、
 さらにデモロッド初振りコーナーなど、
 お楽しみ企画盛りだくさんで皆様のご来店をお待ちしているそうです。

 それで、
 あの、
 なんていうか、
 えっと、
 ボクがいうとハズカシイっていうか、
 じぶんでいうのはとってもナニなんで・す・が…………

 あの、
 なんか、
 お楽しみ企画のひとつで、
 テムズ初売り期間中に20,000円以上お買い上げのお客様に、
 不肖ワタシのグチャグチャッとした直筆サイン入りカレンダー(グワッはずかしすぎてしぬ)を限定プレゼントだそうでえす。

 新年早々もうどうにでもしてくれ~開き直ってまあす。

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 みなさま、
  本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 
 
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