BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
201705<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201707
そこで一句
 170624(1)1.jpg
 
  セミしぐれ、
 瀬音けちらす
  水しぶき


170624(2)2.jpg

170624(3)3.jpg

170624(4)4.jpg
 イリジスティブルのサイズ4番。
 
170624(5)5.jpg
 黄緑色の背中にオレンジのお腹。
 そしてバーント・オレンジのグリズリー・ハックル。

 印象派ツートーン・カラーのハルゼミ仕様。

 もともとは戦中戦後のアメリカ東部で抱卵した大型カゲロウのメスを表現して生まれたフライが、
 いま北海道のセミのフライとして活躍しているんだなあ、
 などという感慨を抱きながらつかうと、
 なおいっそうの愛着が芽生え、
 格別の情がはいる。

 そういうのが好き。


 それはさておき、
 好ポイントと好ポイントの間隔がえらい距離があって、
 良いのがいる確率激高なのはわかっているけど、
 そのポイントまでいつもほぼまったく無反応というか釣る場所がないっていうか、
 砂利で埋まったチャラ瀬をヘビの生殺しのように延々20分くらい歩かなければならない川があるのね、
 この流れに逆らって歩くチャラ瀬歩きがまたジミ~に体力気力を奪い、
 いざそのポイントまで行って無反応だったときの徒労と、
 川通しの帰路をおもうと、
 なかなか辛いものがあるわけです。

 が、
 つい先日、
 意を決してそのポイントを目指しジャバジャバ歩いて、
 やれうれしや目的の場所が見えてきた、
 とおもいきや、

 「なんだよ~、やられちゃってんじゃん」
 めっちゃガッカリ。

 砂地の岸辺に真新しい足跡がくっきり。

 パッと見たとき先行者の足跡かと思ったんですが、

 近寄ってよく見れば、
 っていうかよく見ないでも、
 なんか、
 ものすごい野性な足跡。

170624(6)6.jpg

 しかも、
 その足跡をたどってみれば、
 どうも自分と同じルートで瀬を渡り、
 この砂地の岸辺を歩いて、
 さらにそのすぐ上流をまた渡渉して向こう岸の森のなかに行きはったご様子。

 なんか、
 こんなあとを辿れるくらいクッキリした足跡見るのはじめて。
 それに、
 ヒグマも瀬を渡るときはやっぱりいちばん渡りやすそうなところを選んで渡るんやな~と、
 妙に感心してみたり。

 と、
 そんな落ち着いててええのか?
 
 なので、
 ホイッスルくわえて引き返しそうな姿勢のまま、
 いちおう対岸の岩盤際にベチャッとセミ叩きこんでみると、

170624(7)7.jpg
 間髪いれずガボッと出た。

170624(8)8.jpg
 フライをがっぽり飲み込んでガンガン走り回ってサイコウだった。



170624(9)9.jpg
 ちょうしこいてプール頭の流れ込みでもうイッピキ。

 20回くらいしつこく水面を流したあと、
 それまで使い倒し過ぎてヨレヨレのフライが水を吸い、
 流れ込みの波立つ流れに揉まれてフライがたちまち沈んだ。

 ので、
 ピックアップせずそのまま沈めて流すと一発でリーダーがグンッとなって、
 ピピッときてバシッとあわせるとドンッと掛った。

 期せずしてシンキングなセミの釣り。
 じっさいにセミが沈没して流れるのかどうかは知りませんが、
 このズボラな姿勢の釣りのおかげで……って思い出は過去にもたくさんある。

170624(10)10.jpg

170624(11)11.jpg

 「ハックルを巻いた濡れ雑巾」と化した私家版マシュマロ・シケイダの2番。
 
 やつれ果ててポストもグラグラ、
 ラバーレッグの片方が千切れてすでに久しい有様ですけれど、
 まだまだイケますむしろこれから……。

  
近況
170615(1)1.jpg
 フライの名前は「SE TO SE」といいます。
 意味はそのまま「瀬と瀬」

 なんでも、
 アイヌの言葉「セトゥシ」が転訛したそうで、
 その語源は「小鳥の巣がたくさんあるところ」というほどの意味なのだそう。

 なんと美しい語感そして意味なんだろうと、
 すっかり心酔しております。

170615(2)2.jpg
 そして不遜にも、
 コチラに越してきて最初に巻いた記念すべき我がフライに、
 この名前をつけさせていただきました。

 170615(3)3.jpg
 これまで新緑というのは、
 若い緑の芽生えの季節だとおもっておりました。

 だけど、
 この地の新緑はまったくちがっていたのです。
 鮮やかであでやかな色とりどりの草花が渾然一体となって、
 まるで競い合うように、
 まさに咲き乱れ、
 そして日々刻々とその装いを変化させている。

 一歩家の外に出れば、
 ウワ~ッと目と心の琴線に飛び込んでくる豊かな自然の色そして色、
 胸がはずみます。

170615(4)4.jpg
 そんな新緑の色たちを、
 一本のフライにギューッと凝縮させてみたいとおもったのです。

 はちきれんばかり、
 ふくらんでいくばかりの大きな期待と、
 ほんのちょっぴりの不安を抱きながら、
 念願かなってとうとうやって来ることができた新天地への、
 ワタシからのオマージュというわけです。

 ほのかに薄紫色がかったヴァリチェリン・ギニアのスロートハックルの奥ゆかしさが、
 ともすれば支離滅裂になりそうな配色の印象をキリリと引き締めてくれているようです。

170615(5)5.jpg
 そして、
 そのような面持ちで巻いたフライとともに、
 とっておきの道内産ヒグマとエゾジカの毛をつかって巻いた、
 マドラーミノーとヘアウイング・サンダー&ライトニングを添えて、
 雪代水を連想させる淡いブルーの額に納めてみました。

 題して「命あるものすべてが輝く季節」
 といったところでしょうか。

 
 みなさま、
 ちょいの間のご無沙汰でございました。
 おかげさまで、
 滞りなく引っ越しも済ませました。
 函館からコチラに越してきて、
 早や一カ月となりました。
 まだまだ荷物の整理や母屋の手入れ修繕などなどの課題はあるにせよ、
 ようやく日常の生活に支障のないところまできました。

170615(6)6.jpg

170615(7)7.jpg

170615(8)8.jpg

170615(9)9.jpg

170615(10)10.jpg

170615(11)11.jpg
 そして、
 これからご近所づきあいをさせていただく、
 虹色の宝石をまとった野生の皆さまにも、
 新参者としてご挨拶させていただくことができました。

 皆々さまにおかれましては、
 ワタクシ超ウザすぎる輩になるかとおもいますが、
 どうかどうか、
 ひとつよろしくお願いいたします。

 また、
 個人的な連絡になってしまって恐縮ですが、
 ひとかたならぬお世話になって、
 そして今後ともぜひともよろしくお願いしたいダンディ函館クルーの皆さま、
 どうぞサカナたちの脇に置いた竿とリールにご注目くださいませ。

 いろんな物語と想いを経て、
 お餞別という名目でワタシの手元にやってきてくれた竿もリールも、
 すでに ガッツリ 入魂させていただいております。

 なんとありがたいことでしょうか、
 そしてなんとココロ満たされることでしょうか。

170615(12)12.jpg

170615(13)13.jpg
 ながらく函館の自宅にこもりきりで、
 やや鬱屈した気分で巻いては撮って当ブログに掲載しておりましたフライたちも、
 ようやくお外にでかけることができ、
 まるで封印をとかれて解き放たれたかのように活躍してくれております。

 たのもしいことです。

170615(14)14.jpg

 そして私家版キャロットニンフ。

 いつもの函館の吉田さんと昨年末に雑談していて、
 あのとき御大が何気なくおっしゃった「あのさビゼンくん、キャロットニンフってどうよ?」
 の発言がおおきな引き金になったマイブーム、
 ひとよんで「忘れ去られたアメリカン・クラシック・ニンフを現在によみがえらせるZO」プロジェクトも、
 もちろんいまを盛りに進行中ですウハハハハ。

 オレ様のニンジン川虫毛バリを見てくれ。
 まるで天然パーマのようにチリチリモジャモジャしたソラックスは、
 道内産ヒグマの艶っツヤの特選黒毛剛毛にちょっとした細工を施し、
 さらにそこにアレヤコレヤの素材をブレンドした特製です。

 このようなニンフや、
 はたまたテレストリアル系ドライフライにダビングしながら、
 さらなる進化を果たすべく日々愉しみながらコチョコチョやっております。

170615(15)15.jpg
 そして、
 その審査をしてくださるのは、
 もちろん!ご近所つきあいになる無垢の野性の皆さん。

 先方は、
 ワタシと交流するのがイヤでイヤでウザ過ぎてたまらないだろうけど、
 ワタシはアナタ方がいてくれるからこそココで暮らしたいのです。

 しつこいようですが、
 今後とも密接なお付き合いどうぞよろしくお願いいたします。

 追伸:新しいメールアドレスをプロフィール欄に記載しております。
 ので、これまでどおり、なにかありましたらお気軽にご連絡くださいませ。


天上天下唯我独釣
170510(1)1.jpg
 このシャツはレアでしょ~?

 フライの雑誌オフィシャルTシャツ@たぶん20年くらいまえ?

 引っ越しのために梱包作業していたら出てきました。
 さらっぴんなんやで。

 当時は飛騨高山に住んでいて、
 前編集長の故中沢さんに会うたびにいただいていたので、
 10着以上もっててコレばっかり着ていたときがあった。

 そういえば1着だけ封を開けずに保管したんだった。

 その後、
 高山から静岡に移り住み、
 すっかり街に馴染んだころに引っ越したくなって、

 こんどは静岡からここ函館に引っ越してきた9年前にも、
 荷物の梱包をしながらこのTシャツを見つけて…アアそうだった…と甘酸っぱく思い出して、
 そしてまた大事に「開かずの衣装ケース」に仕舞いこんでそのまま忘れて、
 そして今回、
 住み慣れすぎた函館からお引っ越しするときにまた見つけてまた思い出したのだった。

 時をかけるTシャツ。
 よみがえるわ~イロイロと。

 だいたい、
 サラッと20年前てゆうてるけど、
 ゆうてる本人がいちばんビビってるねんで。

 唖然呆然とする早瀬のような時の流れ。

 きょう、
 かねてお願いしていた引っ越し業者の若いお兄さんたちが来てくれて、
 荷物を新居にもってった。

 当初、
 冷蔵庫や洗濯機も持っていくつもりで申告していたけれど、
 家電の類はみんな捨てた。

 本もバッサバサ売らずに捨てた。

 なので、
 小山のように積みあがった荷物は、
 羽根と獣の毛とレコードがほぼ大半を占めた。

 そういえばつい先日、
 まえに我が家に泊りに来てくれたことのある高知のやまひろくんと電話でしゃべっていて、
 「引っ越しの日にち決まってん」
 というと開口一番、
 「レコードたいへんっすね~」
 どうすんのアレ?みたいな口調で労をねぎらってくれたのだった。

 そんなレコードを詰め込んだ小さな段ボールがものごっつい重い。
 グッと腰を入れて気合いも入れて持ち上げないと。
 「重くてごめんね」
 とお兄さんにいうと、
 「だいじょうぶです!」
 とほがらかに言ってレコード箱をグッと持ち上げて、
 さっそうと抱えていった。
 頼もしくて眩しくて安心する。

 反して、
 鳥の羽根をギュウギュウ詰めにしたでっかい段ボールがものごっつい軽い。
 巨大な段ボールが羽根のように軽い。
 拍子抜けの軽さで、
 お兄さんがグッと腰を入れてもちあげておもわずチョッとよろめいて
 「ウオッ!かるっ!」と面くらって皆でわらった。
 とても良い子たち。

 かるく世間話などもしながら、
 しかも常に身体はテキパキ。
 彼らは接客業もしながらヘビーな肉体労働してるんだなと、
 すっごい感心した。

 170510(3)3.jpg

170510(2)2.jpg

 ヒグマの毛、
 蛍光灯でも陽の光でも、
 まずはいろんな角度に光を当てて眺めてみてくださいね。

 お買い上げ本当にありがとうございました。

 函館にいた9年間、
 ず~~っと利用していた近所の郵便局、
 その間、
 窓口のお姉さんは何人か変わりました。

 今いる大きなお姉さんとプチふくよかなお姉さんが一番長いつきあいだ。
 といって、
 なにかしゃべるわけでもなく、
 いつも淡々と発送手続きをこなすだけ。
 ベタベタ慣れ合わないけど、
 長いだけによくわかってる。

 それがええねんな~。
 ものすごい行きやすい。

 いつもガラスの額で額装したフライを発送するときは、
 かならず「コレ、おもいっっっきりワレモン扱いでおねがいします」
 と念を押さずにはいられないねんけど、
 でもそれって、
 自分ではぜんぜん意識してなくて、

 ついこのまえ、
 やはり額装フライを発送したとき、
 さあ一言いおうかというとき、
 プチふくよかなほうのお姉さんが、
 「おもいっっっきりで?」
 と聞いてきて、
 ボクがおもわず「え?」みたいな顔したら、
 「あ、スイマセン」
 とお姉さんが…しまった…みたいな顔をして言った。

 ふたりで笑った。

 あの郵便局でオレさまの認識コードネームは「おもいっっっきり」
 なのか?

 そしてついこのまえですよ、
 もうニヒヒとホッペが緩んじゃうたくさんのご注文をいただいて、
 感謝感謝でひとつひとつスキン眺めながら封をして、
 イザ送らん貴方のタイイング机に…
 みたいな面持ちでヒグマの毛でパンパンにふくらんだトートバッグ抱えて、
 郵便局にルンルンで意気揚々でのりこんだわけですよ、

 (お、「おもいっっっきり」のやつ、きょうはぎょうさん荷物もってきたやんけ…)みたいな顔で、
 「いらっしゃいませ~」
 と業務声で迎えてくれるおおきいほうのお姉さん。

 それで、
 宅配便とかの荷物を載せたり軽量したりする広めのカウンターあるじゃん、
 あそこに、
 「コレ、ダーッてここにひろげちゃってもいいですか?」
 と聞いたら、
 おおきいほうのお姉さんが、
 「ハイ、だいじょうぶです!」
 と言いながら、
 すかさずカウンターのむこう側でちょっと腰を落として、
 まるでキャッチャーがボールを受け止めるようなカッコをした。
 たくさんの荷物があふれてカウンターのむこう側に落ちないよう受け止めてくれるつもりだったのでしょう。

 アンタ…ええひとや。

 でも、
 そこまでしてくれんでも……、
 ということにお姉さんも気がついたようで、
 ちょっと照れたように笑った。

 もちろんぼくも笑った。

 そして淡々と黙々と発送業務をこなした。

 函館は、
 なんだかんだゆうて良いところだった。

 荷物がなにもなくなった部屋は、
 ちょっとした物音でもよく響く。

 ユーチューブの音がいつもより良く聞こえる。
  Gregory Isaacs / Too Late

 お知らせです。
 本日(5月11日)より、しばらくプロフィール欄に記載しているメール・アドレスがつかえなくなります。
 また新しいアドレスが決まり次第お知らせいたします。
 どうぞよろしくお願いいたします。



ロシア産ヒグマ・スキンご注文深謝御礼的フライタイイング・ヒント集
170504(1)1.jpg
 ロシア産ヒグマ・ヘアーの販売週間でございました。
 ご注文いただきまして本当にありがとうございました。

 完売御礼大感謝です。

 というわけで今回はゴールデン・ジンジャーとゴールドティップ・ブラウンのヒグマの毛をボディとウイングに組み合わせて、
 こんなフライを巻いてみました。
 応用次第でいろんなスタイルに巻ける作例です。
 
 170504(2)2.jpg
 まずはファイン・コッパーワイヤにマルチグルーを塗布して、
 それにブラウンのアンダーファーを丸めて挟んで捩じり、
 アント型のボディを巻きつつ、
 クビレのところはコッパーワイヤをグルグル巻き。

 チャパッと着水させたいTMC212Yの15番。

 レオンのサドルは一回転だが、
 ヒストリックのダンをポスト根元に5~6回転ハックリングした、
 赤銅色のアント型ボディのスパイダー。

170504(3)3.jpg

 やはりワイヤーのループダビングで巻いた北海クリーパー。
 十分に水分を含んだヒグマの硬質なファジー感は、
 その透過性とあいまって絶妙の川虫的肌触りにたいへん満足。

 なのだが、
 毛を吸水させるためには濡らした指先でグリグリ揉むなど、
 なかなか時間がかかる。

 反対にいうとものすごく浮く。

170504(4)4.jpg
 さっきのニンフとまったく同じ方法でブラウンのヒグマのアンダー・ファーでダビングボディを巻いて、

170504(5)5.jpg
 そこにゴールデンライトジンジャーのアンダーファーとレオンのサドルのダウンウイングをドサッと載せた、
 「金のヒゲナガ」
 もちろんアトラクターとしてもバツグン。

 写真のフライはフックサイズ10番のややロングシャンク。
 ノーマルシャンクなら8番と同サイズ。

 が、
 ここではヒゲナガ・サイズや巨大ドライフライではなく、
 TMC9300の12番をつかって巻いてみた。

170504(6)6.jpg
 ブラウンのアンダーファーを二重ループにしたスレッドにはさんでループ・ダビング。
 ビカビカ光を透過する剛毛がまるでハックルのように水面に乗るDE。

170504(7)7.jpg
 G・ジンジャーのスキンからガードヘアーごとアンダーファーをカットしたところ。

 ここで大事なひと手間、
170504(8)8.jpg
 アンダーファーから長いガードヘアーを抜きさったところ。
 未成熟な短めのガードヘアーがアンダーファーから突き出ている。
 これがミソ。

 といってもガードヘアーをアンダーファーごと指先でつまんでガードヘアーの先端をつまみ、
 スーッと抜くだけで勝手にこうなる。

 取り去ったガードヘアーはクリップに挟んで保管すると便利。

170504(9)9.jpg
 アンダーファーの根元付近にクシを入れて、
 短いかすのような毛を取り除きつつ、
 アンダーファーをフワッとバラけさせる。

 その後、
 これをスタッカーにいれてしばしトンカントンカン。
170504(10)10.jpg
 スタッカーで叩く目的は、
 未成熟なガードヘアーの先端を揃えることもあるが、
 ガードヘアーの根元付近に密集していたアンダーファーが、
 スタッカーの振動でガードヘアーの先端方向へズレてきて、
 ガードヘアーの中間付近にアンダーファーが密集することになる。

170504(11)11.jpg
 で、
 そのように処理したアンダーファーを、
 エルクヘアカディス型にダウンウイングとして巻き止めてみると、
 ヘアー前方にズレたアンダーファーごとウイングに巻き止めることになるので、
 ヴォリュームのあるウイングになるだけでなく、
 フロータントの効きも飛躍的に高まる。
 またなによりフライのファジー感が強調される。

 わざわざそのような細工をするならば、
 いったんガードヘアとアンダーファーをわけて、
 再度それらの毛を併せてヘアーの長さを調節するほうがよほど効率的ではあるけれど、
 これだとねえ、
 ちょっと不自然なのフワッとしないの。

 ガードヘアーにアンダーファーがまとわりついた状態のまま、
 アンダーファーを先端方向にズラすと、
 ガードヘアーがウイング先端で束状にならず全体に広がっている。
 これで機能的にも虫っぽさ生命感もグッとちがってくる。

170504(12)12.jpg
 んで、
 ウイングに巻きとめたら、
 あまりのアンダーファーをここでカットするのではなく、
 後方に折り返してウイングのうえに巻き止めて、
 あまりはカットしないで、
 ハサミで軽くトリミングしてフォルムを安定させる。

 密集したアンダーファーから、
 未成熟なガードヘアーの毛先がツンツン飛び出している。
 陽の光に反射するヒグマの金毛のキラメキ・マジックを演出する舞台ですぞ。

170504(13)13.jpg
 で、
 ヘッドのところに今回はヘアーズ・フェイス、
 ヘアーズイヤーのスキンの顔の部分のガードヘアーとアンダーファーをループダビング。

 ここではサイズがちいさいのでオミットしたけれど、
 ヘアーズフェイスをダビングするまえにレオンなどハックリングしておくのもオツ。

170504(14)14.jpg
 完成。
 効かないわけがないじゃん…的ファジー系のシンプルなヒグマの毛のカディス型フライ。
 名づけて「ハバロフスク・カディス」もしくは「ゴールデン・オホーツク」
 ジェル状のフロータントをゴシゴシ擦り込んで水面に浮かべてみてください。
 
 いわずもがな、
 沈めてスイングにもサイコウ。

 もちろんこれは基本形。
 こうしたドライフライのウイングに、
 このゴールデン・ジンジャーのクマの毛を活用するための応用例のひとつです。

170504(15)15.jpg
 やや暗めの光を当てて、
 ゴールデン・ジンジャーのヒグマの毛を見た状態。

 金色がかった透明感のある毛が、
 浮き上がるようにキラメいて反射している。

170504(16)16.jpg
 こんどは擦りガラス越しに逆光の状態で見てみれば、

 ヒグマの毛が周囲に溶け込むように存在感をなくし、
 逆にレオンのマダラなハックルファイバーのシルエットが浮き出て見える。

 なんとも極端な変化。

 この光の透過性もまた、
 ヒグマの毛のフライタイイング素材としての面白さとおおきな旨味のひとつ。

 まさに光の透過マジックや~。
 金の毛に陽の光差し込んだとき、
 そこに蟲たちの輝きが映し出されるのや~。

170504(17)17.jpg

 まだまだご注文お待ちしております。

 
 
ロシア産ヒグマの金毛販売のお知らせ
170429(1)1.jpg

 完売いたしました。
 本当にありがとうございました。
 

 きわめて私事ではございますが、
 あっと気がつけば足掛け9年も暮らした函館とも、
 もうあとしばらくでお別れです。

 と、
 そんなきわめて個人的な記念を兼ねて「我が家の秘蔵の毛」
 をいくつか販売させていただきたく一念発起しております。

 で、
 そのブツは北海道産にあらず、
 ロシア産のヒグマのヘアー各種です。

 種を明かしますと、
 これらのヒグマの毛はもともと古い時代に工芸品の材料として輸入されていたものが、
 つかわれないまま冷暗所にて長期保管されていたものです。

 今回ご紹介するすべてのヘアーの最大の特徴は、
 もうなんといってもヘアーの先端の欠損や千切れがほとんどなく、
 毛先が全体的にほぼ美しくそろっているところ。

 これがどんなに素晴らしくアンビリーバブルなことかは、
 すでにヒグマのヘアーをおつかいになったことのある方ならば、
 身に染みてヨ~クわかっていただけるかとおもいます。

 とくにヒグマの場合、
 その行動様式や捕獲される時期などから、
 毛先が欠損していたり荒れていたりというのが普通の状態です。
 
 なので、
 ヒグマの毛自体はとくに珍しいものではありませんが、
 ほんとにタイイングに有効活用できるクオリティと状態のものを見つけるのは、
 いろんなコネクションをもってしても至難の業。

 このロシア産ヒグマの毛は工芸品に利用されるだけあって、
 毛先の欠損がない状態で、
 かつ均一なヘアーがそろって生えているスキンなので、
 色調などはちがいますが良質なポーラーべアーなどとまったく同じ感覚でつかえます。

 なので、
 ヒグマの毛を買ってみたけれど一体全体どう使えばいいのか…とお悩みの方や、
 はじめて使ってみる方にも大変おススメできます。
 
 また、
 毛自体はかなり経年しているとおもわれますが、
 保管状態が非常によかったようでとくに劣化もなく、
 艶も充分にのこっていて悪くない状態だとおもいます。
 
 などと、
 グダグダグダグダ能書きを語り始めると、
 ことヒグマの毛に関してはワタクシもはや語りエンドレスになってしまうので、
 ここはグッとおさえてなるべく簡潔にテキパキいきたい所存ですが……、
 
 さて、
 肝心の色と価格ですが、
 今回は「金毛特集」として金毛のバリエイション各種を以下にズラッとまとめてみました。

170429(4)4.jpg
 
 ① ゴールデン・ライトジンジャー 売り切れ

 全体が金色がかった淡いジンジャー系の色調。
 ガードヘアーはきわめてストレート。
 中小型ストリーマーのウイングやドライフライのボディ材など万能型。
 透明感を感じさせるアンダーファーの枯れた小麦色もそそります。

 羽化したばかりのガガンボやモンカゲロウなどの色合いと質感をイメージしてみてください。



170429(5)5.jpg

 ② ゴールデンティップ・ブラウン 売り切れ

 長いガードヘアーと濃厚で豊かなアンダーファーが特徴。
 ガードヘアーは先端部分がリッチなかんじの金色で、
 ヘアー根元にかけてグラデーションがかかりながら濃い色に変化しています。
 茶灰褐色とでも表現したいブロンズ。ダンのようなアンダーファーはダビング材として、
 当ブログでも散々登場しているヒグマのアンダーファーをボッサボサにダビングしただけの必殺パラシュート(北海バグ)など、
 ドライフライもしくはニンフなどのボディ材としても最高です。

170429(3)3.jpg
 1と2のヘアーをつかって巻いたクラウザーミノーの作例。
 アンダーファーごとウイングに巻き込んでヘッドのヴォリュームを調整して流線形フォルムを表現しています。

 この小麦色がさあ、
 水中で揺れながら陽の光を受けると、
 独特の透明感と金色がかった不規則なキラメキが、
 もうなんともいえずベイトフイッシュのあの脆弱なイメージ。
 たまらないものがあるんやDE。




170429(6)6.jpg
 
 ③ ゴールデン・ダークジンジャー 売り切れ

 質感は1とおなじタイプですが、
 色調がやや濃いジンジャー系で金色が強い毛先の先端部分から、
 根元に向かってダン色がかった色に変化しています。

170429(2)2.jpg
 と、
 そのような色調のガードヘアーをフローティング・ニンフのボディに巻いてみた作例。

 以下に紹介するとおりコッパーワイヤとともにヘアーをねじって巻いてありますが、
 濃い茶色と抜けるように透明な小麦色が入り乱れて巻かれています。
 で、
 これが濡れるとヘアーが透けるので、
 皮膜の下のボディの色合いが複雑にグラデーションがかってナマナマしく変化します。




170429(7)7.jpg
 
 ④ ゴールデンティップ・チョコレートブラウン 売り切れ 
 ⑤ ゴールデン・ジンジャー・ファイン 売り切れ 
 
 4はヘアーの先端が金色で根元に向かって艶のある茶褐色にグラデーションがかっているタイプ。
 5はそのまま色が薄くなって金色色調が強いタイプ。

 おそらく若クマの背中の中央付近とおもわれるヘアー。
 今回のレアなヒグマ・ヘアー群のなかでもこれはかなり激レア度数ぶっちぎり。
 というか個人的にもこのタイプのヘアーはこれ以外では見たことがありません。

 まるでハックル・ファイバーのようなストレートで細いガードヘアーがビッシリです。

 なので!
170429(23)23.jpg
 ヘアーをスキンからカットしてアンダーファーを取り除き、
 ガードヘアーの毛先をスタッカーで揃えて通常通り巻き止めれば、
 このようなスタイルがムリなくしかもカッコヨク巻けてしまいます。

 これはかなり貴重。

170429(24)24.jpg
 4のヘアーをウイングとテイルにつかって、
 ロングシャンク8番のドライフックに巻いたウルフ・スタイルの作例。

 ボディにはコック・デ・レオンのハックル・ストーク、
 ハックルはホワイティング・ハイ&ドライのバーント・オレンジとコック・デ・レオンのサドルのミックス。

 こんな威風堂々のドライフライがさあ、
 夏の陽の光を浴びながら、
 まるで金色の後光をまとっているかのように、
 ボワ~ッと金色に輝きながら荒瀬を流れるわけですよ、
 もうその光景だけでもたまらんものがあるのに、
 そこにグワボンッ!と巨マスのどでかいアタマが水面に突き出てくるわけですよ。
 昇天必至。

170429(26)26.jpg
 転じてこちらは5のヘアーをつかったウルフ・スタイル作例。

 こちらはボディにおなじヘアーのアンダーファーをダビングして、
 ハックル以外はすべてヒグマの毛仕様なフライになっています。

170429(25)25.jpg
 で、
 それを逆光状態で見てみれば、
 ウイングがハックルに溶け込むようになって見えます。
 これがミソ。

 ヘアーの細さというか繊細な質感がわかるかとおもいます。

 ドライフライのみならず、
 とくに小型のヘアウイング・サーモンフライや鮭稚魚などのストリーマー素材にもたまらないものがあります。


 と、
 以上が今回のラインナップです。

 お求めの際にはご希望のヘアーの番号と数量を明記していただいて、

 bsfly@msd.ncv.ne.jp までご連絡ください。
 ご注文お待ちいたしております。
 なにとぞよろしくおねがいいたします。


 さて、
 というわけで、
 販売告知だけで〆るつもりはまったくなく、
 いつものように「このようにつかうと愉しいよ」的タイイング・ティップス基礎編いきます。
 ので、
 またも延々スクロールおねがいします。

170429(9)9.jpg
 ヒグマのヘアーの旨味や面白さ不思議さ醍醐味などなどを、
 もっとも手軽に実感できるフライとして、
 お馴染みのパラシュート・スタイルなフローティング・ニンフのボディにヒグマの毛をつかって、
 そこにちょいと隠し味的な小技を忍ばせてみます。

 まずは下巻きをしたボディ全体をゴールドのフラットティンセル(メタルの高級なのじゃなくて安物のペラペラのがおススメ)で巻き、
 ボディ末端にスレッドをマーカーで着色して紅色のティップをつける。

170429(10)10.jpg
 そのままボディ末端にヒグマの毛を数本とファイン・コッパーワイヤを巻き止めて、
 それらをハックル・プライヤーでつまむ。
 ここでは13番サイズのフックをつかって1のヒグマの毛をつかっている。

170429(11)11.jpg
 プライヤーをグルグル回してヘアーをワイヤーもろともねじる。

 ここで重要なコツは、
 この段階で素材をすべてねじるのではなく、
 ここでは若干余裕をもって緩めにねじる。

 写真ではヘアーといっしょにねじったワイヤーがたわんでしまっているけれど、
 これでよい。

 170429(13)13.jpg
 で、
 ゆるめにあるていど素材をねじったものをボディ末端に一回巻く。

 170429(12)12.jpg
 そしてそのあと、
 ヘアー全体をきっちりねじってヤーン状にする。

 こうすると、
 ヘアーの先端がねじれることで不用意に切れるのを防ぐことが出来る。
 また、
 ボディ末端部分を自然なテーパーに巻くことが出来る。

170429(14)14.jpg
 ボディを巻いて余りのヘアーを巻き止めた状態。

 ここで余りをカットするわけだが、 
 そこでもちょいコツ。
 この余りをすべてカットするのではなく、
 チョイ残しておく。

 そしてそこにポストとなるエアロドライ・ウイングを挟んで、
 ポストの根元を余りのボディ素材ごとスレッドで巻きこんでおくと、
 非常に丈夫なポストが立てられる。

170429(15)15.jpg
 ソラックスをダビングするまえに、
 ここではホワイティング・ヒストリックのハニーダン系ジンジャーをハックルにして巻き止めてみた。

170429(16)16.jpg
 ここからソラックスの処理。
 ソラックス部分には2のアンダーファーをダビングしてみる。

170429(17)17.jpg
 ヒグマのアンダーファーをダビング材としてより良く、
 かつ効能をいかんなく発揮させるための処理。

 このフライにかぎらず、
 またドライでもウエットでもニンフでもすべてこのように処理してダビングしている。

 まずはヘアー全体をガードヘアーごとカットしたら、
 ガードヘアーを引き抜いておいて、
 残ったアンダーファーを濡らした指先でグリグリ揉みながら丸める。

 これでもかといわんばかりにグリグリ丸めて、
 このような状態にする。

 で、
 こんどはこの丸まった毛玉をブッチブチちぎりながらほぐす。

 すると、
170429(18)18.jpg
 アンダーファーが千切れて短くなった状態で、
 さらに良い感じにちじれながら、
 フワ~ッと広がるようにバラける。

 このように処理してダビングすると、
 タイイングが楽でキレイに巻けるだけでなく、
 ダビングボディやソラックスを毛羽立たせたり、
 はたまた使用中に毛羽立ってくると、
 さらにファジー感を増していかにもな質感になる。

 またさらに、
 こうしておくとフロータントを塗布したときの持続力も飛躍的に高まる。
 ということは、
 ニンフやウエットのボディにダビングしても、
 いったん濡れると水の吸いが良いというか水馴染みが良い。
 ので、
 ヒグマの毛の透明感や毛羽立ちのファジー感とあいまって、
 使い勝手が良いだけでなく、
 いかにもな色調と質感に変化。

 ちなみに、
 写真のクリップに留めてあるのは、
 2のヘアーをダビング用にカットしたときに同時にカットしたガードヘアーをスッと抜いたものを、
 クリップで留めてバラけないようにしている。

 このように保管するとヘアー全体が無駄なくつかえる。

170429(20)20.jpg
 普通にダビングしてソラックスを巻き、
 フライの下側をダビングブラシで梳いて毛羽立たせた状態。

 このとき、
 ダビング材に残っているガードヘアーなどが突き出てしまうようなら、
 それをハサミでカットしてフォルムを整える。

170429(21)21.jpg
 で、
 ハックリングしてウイップフィニッシュしたら完成。

 で!
 完成したフライのボディを濡らしてみれば……、
170429(22)22.jpg
 一瞬でこのようなエッチなスケスケ・バディに変化。

 ボディ末端に着色した紅色や、
 下地のゴールドティンセルが、
 ヒグマの毛のうす~いスケスケの皮膜に包まれたような体裁で、
 ほんのりと透け見え。

 もうまんま脱皮殻の皮膜の一枚下側に身のある本体が……といった印象。

 しかも、
 ヒグマの毛の艶っぽいテカリが、
 羽化寸前のカゲロウのニンフやカディスのピューパなどの、
 体表に油でもひいているかのようなテカッとしたキラメキも表現してくれて、
 いつもその微妙で自然なキラメキに、
 ワタシの釣り心はいつもたいへんトキメキ。


 170429(27)27.jpg
 そして2と3のヘアーをアンダーウイングにつかった、
 フラットウイング・ストリーマーの私的アレンジ。
 ウイング用のハックルのウェブ状の部分をヘッドにしているので、
 紡錘形状のベイトフイッシュなフォルムを維持した状態で、
 ハックルのボディを揺らしながら、
 ヘッド付近はさながらマラブーのようにザワザワ常に揺れている作りになっています。

 で、
 そんなハックル多層構造の下側から、
 光が当たると金色の輝きを拡散するヒグマの毛がチラッチラ覗いている、
 という下心炸裂なストリーマーの作例です。 

 と、
 ヒグマの毛の特徴や旨味がもっともわかりやすいので、
 今回はドライフライ中心にお話をすすめてまいりましたが、
 もちろん!
 ヒグマのヘアーの真骨頂はストリーマーにもあり。

170429(28)28.jpg
 とはいえ、
 ドライフライだけでも氷山の一角しか紹介しきれないのに、
 コチラのジャンルまでいくと、
 もう販売なんだか解説なんだかゴッチャゴチャになってしまうのと、

 ヒグマの毛をフライタイイングと釣りに活用する実践については、
 重要なライフワークとして、
 随時紹介しつつも、
 いずれちゃんとまとめたいと目論んでおります。

 ので、
 今回はあくまでも販売のご案内ってことで、
 このヘアーの魅力のアウトラインと基礎中の基本をご紹介させていただきました。

170429(29)29.jpg
 そしてもちろん!
 想いをこめて巻きたいクラシックなフライにも絶妙にマッチ。
 古典的なのにどこか最新に映ってしまうようなスペシャルにもうってつけの素材になります。

 それでは、
 かさねてご注文お待ちしております。
 なにとぞよろしくお願いいたします。
copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.