札幌の老舗プロショップ「テムズ」が、
このほどオープン40周年を迎えられた。
で、
先週の土曜日と日曜日、
記念すべき40周年イベントの第一弾として、
タイイングデモをやらせていただいた。
なんと光栄なことでしょう。
そんなテムズにて、
初めてタイイングデモをやらせていただいたのは、
たしか2001年だったか2002年だったか、
もはやすでにかれこれ20年以上もまえのこと。
なんと感慨深いことでしょう。
と、
ちょうどそのころ、
ものすごく感化されてハマっていたフライのひとつがゲーリー・ラフォンテーンの「モホーク」だった。
なので、
テムズでのはじめてのタイイングデモでも喜々としてこのフライを語って巻いた。
しかも、
まだまだ若かった当時の自分流にアレンジして改良しまくった我が私的「モホーク」を。
なんと怖れ知らずなことでしょう。
そんな当時の思い出を、
先週のデモの真っ最中に突然ハタと思い出して、
「そういえばあのときも……」
なんて、
今回ご参加いただいた皆さんにもその話しをした。
しかも、
あれから時を経て現在たった今の自分流にアレンジして改良しまくった我が私的「モホーク」を喜々として巻きながら……、
なんと因果なことでしょう。

昨年と今年、
2シーズンを通して、

がっつりバンバン使い倒して釣りまくったあとの私的モホーク Tied on TMC102Y 9番。
何度も何度も水面に叩きつけられて、
何度も何度もマスたちの歯にスレて噛みくだされて、
おかげでディアヘアーを刈り込んで成形したスパン・ボディはささくれ乱れ、
見た目はすっかりヤレヨレくたびれた風情。
だが、
インジケーター・ポストとして据えたエアロドライ・ヤーンは依然バラけることなく、
きちんと束状にまとまった状態を維持してスックと屹立しながらクッキリハッキリ視認性を確保。
そして、
ハックルに巻いたヒョロ長いコック・デ・レオンのファイバーは酷使の果てにも抜け落ちることなく、
かつパラッと放射状に拡がった状態を維持してヒラヒラユラユラと微風に揺れなびいている。
なので、
まだまだ現役。
むしろこれから本領発揮。
そして、
フレアさせて刈り込んだエゾシカの毛ボディはもちろん、
エゾジカの脇腹に生えている、
濃淡ダン色のテカッと艶っぽい質感のディアヘアー。
この部位のエゾジカのディアヘアーが、
たとえばこのモホークやイリジスティブルのような、
ディアヘアーをフレアさせて刈り込んだボディのドライフライにぴったりでお気に入り。

そんな、
枯れた葦のような色合いのエゾジカ脇腹ヘアーで巻いたボディ下側を、
黒のマーカーで真っ黒に着色したオサムシ・カラーのモホーク。
このエゾジカ脇腹ヘアーもまた、
今回のタイイングデモにて、
細長く刈り込むと羽化したてのヒゲナガ・アダルトのボディの色そっくりだとか、
幅広に刈り込んでお腹をオレンジのマーカーで着色するとハルゼミ風に見えますよ、
などなど、
イロイロ語ってアレコレ巻いたけど、

今回のデモではとくに、
エゾジカのお腹やオシリのまわりに生えている、
真っ白なディアヘアーを熱心に紹介してみた。
なぜなら現在たった今ものすごくハマっているから。
じぶんのお腹をさすって撫でながら、
「エゾジカのここらへんに生えている毛なんですけど……」
とか、
「オシリが、オケツが、ケツまわりの毛が……」
など、
何度も何度も連呼しながら、
白い毛の束をフックシャンクに縛りつけて刈り込んだ。

そんな白い毛をフレアさせたのち、
フックシャンク下側をカミソリで、
シャンクぎりぎりのところをスパッと水平にカットしたところ。

つぎに、
ボディ側面を斜めにスパッと刈り込んで……、

正面から見るとこんなかんじ。
このV字型のカット形状で、
ボディを水面下にめりこませるように浮かせる。
というか、
ボディを速やかに水に馴染ませて、
流水にユラユラ揺らせるためのカタチ。
まるで流れに揉まれて揺れながら、
かろうじて浮いている小舟のように。

そして刈り込みの最後の仕上げとして、
ボディ上面を斜めにカット。
イメージはモヒカン刈りで。
なんちゅうても「モホーク」ですから。
ちなみに、
ボディ末端フックベンド付近にチラッと覗いている、
下巻きがてらスレッドで巻き止めた、
タグとなる真っ赤なアクセントはオプション。

ボディの刈り込みが終了したら、
ボディ下側を黒のマーカーで着色。
ボディ全体を着色するのではなく、
このように白い部分を縁取りのように残しておくのがミソ。

フックのアイ直後、
刈り込んだヘアーの根元ギリギリのところに、
コック・デ・レオンのサドルハックルを巻き止めて、
フライのフロント部分にレッツ・ハックリング。

ココめちゃめちゃ大事なポイントです!
ハックルはフックのアイ付近にのみハックリングするのではなく、
画像のように刈り込んだヘアーのなかに挟み込むようにしながら一回転ハックリング。
これがコツ。
このとき、
こうしてフライ前面のヘアーを指先で軽く押しながらヘアーのあいだにハックルを巻くと、
作業しやすいだけでなく、
ボディのなかにハックルが深くめり込んでフライが丈夫に仕上がる。

こんなかんじ。

そして、
フライ前面にもハックルを一回転して巻き止め、

余分のハックルをカットしたあと、
クシをつかってヘアーごとハックルを梳くように撫でつける。
すると、
ハックル・ファイバーの一本一本がよりバラけてフワッと拡がり、
さらにフレアさせたディアヘアーのあいだに絡みつくようにしっかり挟まれることになる。
このように、
ハックルがディアヘアーの隙間から生えているような構造に細工してハックリングすると、
ディアヘアーがあることでファイバーが水に濡れて吸水しても不自然な束状にまとまることなく、
常に理想的にパラッと拡がった状態を維持できる。
なので、
このフライの生命感の源になるロング・ファイバーなハックルの繊細な揺れ動きが損なわれない。
さらに、
フライのフロントとやや後方に計二回転させたハックルの間隔がわずかに開いているので、
ハックルの動きだけでなくファイバーが水面にはりついたときの光の透過性やファジー感も強調される。
かつ、
ディアヘアーのあいだにハックルを挟むことで、
ストーク付近のファイバー根元の強度が脆弱ゆえに、
使用中にファイバーが抜け落ちてしまいがちなレオンのハックルをディアヘアーがガードすることになり、
フライの耐久性も飛躍的にアップする。
ほんのちょっとした細工で、
フライの機能性や効果がまるでちがってくる典型的な作例というわけ。

そしていよいよ最終工程。
インジケーターの巻き止め。
オリジナルのモホークにはとくに目印の類は装着されてはいないけれど、
個人的にこのフライにはインジケーター必須。
なぜなら、
エゾジカのヘアーにかぎらずディアヘアー全般に言えることだけど、
このテのスパン・ボディなドライフライは使いはじめの乾いた状態では水面にポッカリ浮いてよく見える。
けれど、
ピックアップを繰り返したり波をかぶったりしてヘアボディの隙間に水が浸透すると、
たちまちフライが水に馴染んで重くなり、
中空ヘアー自体の浮力のみで頼りなく水面にかろうじて浮いている、
なんならまるでフローティングニンフのように水面膜の下にぶら下がるように浮いている、
という状態になる。
けして水中に沈下してしまうわけではないけれど、
水面高く浮いているわけでもなく、
いわば水面ギリギリでサスペンドしている、
という浮き方。
で、
そんな浮き方こそがこのフライの本領発揮でもあり目的なんだけど、
こうなるともうフライのサイズがいくら大きくてもまるで見えない。
なので、
フライ全体が水面膜の下にはりつくように浮いているけれど、
たとえばパラシュート・スタイルのポストのように、
インジケーターだけが水面から高めに突き出ていて視認性を確保している、
というスタイルに巻きたい。
そこで、
まずは常套手段としてフライ前面にエアロドライウイングなどの化繊系素材を直立させるわけだが、
化繊の束をそのまま巻き止めただけだと、
こうした素材はしばらくつかって水に濡れて吸水すると、
まるで腰が抜けたようにヘニャッとなって化繊がすぐにバラけてしまう。
モノによっては化繊がクシャッと縮んでしまう。
そしてバラけた繊維がディアヘアーの隙間に入り込んでしまって、
たちまちインジケーターとしての用をなさなくなってしまう。
繊維がバラけた化学繊維系インジケーターは視認性がガタ落ちしてしまう。
そこで、
こうした素材を、
このようなフライにどのように巻き止めているかというと、
まずはフライの前面、
ディアヘアーのギリギリのところにヤーンの束を巻き止めて、
数回スレッドをまわして固定したら……、

ヤーンを指先でつまんでかるく引っ張りながら、
パラシュート・スタイルのハックルスペースを巻く要領で、
写真のようにヤーンにスレッドを巻きあげていく。
巻きあげる高さは、
だいたいフライ前面のヘアーの高さの半分よりちょい短いくらいが目安。

で、
スレッドで巻きあげていって、
ほど良い高さまで巻きあげたら、
こんどは逆に巻き下げるのではなく、
スレッドをフライの後方、
ヤーンの後ろ側にまわしながら、
そのままかるくテンションをかけながら真下にひっぱるようにスレッドを降ろして、
ヘッドを巻きがてらスレッドを数回巻く。
すると、
スレッドで巻きあげられることで一点集中で強引に細い束状にまとめられたヤーンが、
テンションがかかりながらフライ前面のディアヘアーにめりこむように直立する。
これで、
酷使にも耐えいつまでも直立して水面から高く立ちあがり、
きもちよく見えてくれるインジケーターが仕上がる。

そして完成。
「このようにディアヘアーをフレアさせて刈り込んだりとか、タイイングの過程もゆっくり愉しみたいフライは、
釣行の直前とか前夜にパパッと巻くのは気ぜわしいし大変なので、やっぱこういうフライこそ冬の間にコツコツ巻き貯めとくのが良いフライが巻けるし、なによりオフシーズンお慰みの楽しみになりますよね~」
なんてこともデモの最中にしゃべりながら、
この白黒モホークをつかった釣りの思い出語りも少々。
っていうか、
すいません、
ウソつきました。
ものすごいたくさん語った。
たとえば、
お陽さまがカッカと照りつける真夏の減水期の厳しい状況にて、
色調もフォルムもサイズもいかにもビートル的なまともフライを、
「ここぞ」という一級大物ポイントに投じて流したけれど、
ヤツはやる気なく浮上して微かに反応しただけであっさりUターンされてしまった。
そしてそのあと!
この白黒モホークの各サイズが引き起こしてくれた、
ミラクルな衝撃場面のいくつかをこそ、
恍惚の表情で、
喜々として、
身振り手振りで、
両手ひろげまくりで、
皆さんのまえで自慢しまくったった。

ちなみにこのウルトラ美麗ビッグママを、
サイズ6番の白黒モホークでいわしたったのも、
しばらく雨の降らない期間がつづいて、
流れが日々急速に勢いをなくしつつあった初夏のころ。
その日、
ものすごく期待していた超一級ポイントをまさにいまから狙おうとしていた矢先、
じぶんが釣っていた区間のはるか上流から、
ガシャ~ンガシャ~ンという不快音が響いてきた。
どうやら、
流域の牧場主のおじさんがユンボを川で洗うかなにかしはじめたイヤな予感。
案の定しばらくすると、
上流から泥水が流れてきて、
いきなりうっすら泥濁り。
そしてますますどんどん泥濁り。
「ええ~、そんなあ……」
というとき、
バンク際の岩盤をかすめるようにしながら、
水面膜に浸って半沈みで流れる白黒モノトーンの塊に、
水面をユランッと揺らして静かに出たのだった。
まるで、
水面から立ちあがっている白いインジケーターが、
スッとウキが消し込まれるように消えたのだった。
そして丁々発止の必死の攻防戦のすえ、
元気回復したママを流れに戻すころには、
川はもうドロドロ真っ茶の泥濁り。
もはや釣りにはなりません。
ガシャ~ンガシャ~ンと響いてくる不快音うらめしく、
川を下って土手をのぼって帰路についたのだった。
それにしても、
なにゆえにこのような悪条件で、
一度二度ならず何度も、
この白黒に巨マスたちが反応してしまったのだろう?
しかも、
このフライに巨マスが出るときは、
かならず決まったようにモワンッと波紋をひろげるだけで、
静かに落ち着いた仕草でフライを吸い込むように出る。
なんで?
おもうに、
陽の光が燦燦と水中に降り注いでいる状況で、
この真っ白な縁取りの真ん中にある、
それっぽいフォルムの真っ黒が、
なにかほかのフライとはひと味ちがうアピールをしているのではないか?
クエスチョンマークがいっぱいの、
ミステリーなフライだけど、
冬の間に妄想と夢とロマンの風呂敷をいっぱいひろげながら巻いておくと、
ハイシーズンになってから忘れがたい物語を体験できるかもしれません。
騙されたとおもって、
ぜひぜひ試してみてください。
なんて語った、
タイイングデモの翌日のことだった。
ひと仕事終えて緊張した気持ちも落ち着いて、
すっかりリラックスしながら、
「テムズ」スタッフの田口くんと、
どうでもいいような無駄話しに華が咲いていた昼下がり。
そういえば……と、
彼が満面の笑みを浮かべながら語ったのだった。
「いや~ボク、だいぶまえに友人たちに連れられて、付き合いでススキノのディスコにはじめて行ったとき、
えらい目にあったことがあるんですよ」
「ちょうどそのとき、ボク真っ白な長袖のTシャツ着てたんですけど、その白いシャツがディスコのあのビカビカした照明にモロに反射してビカビカ光って、なんだかもうボク自身がビッカビカ光ってるみたいになって。
とにかくもう、ボクだけビッカビカ光ってものすごく目立ってんですよ」
「まわりのヒトはみんな黒い服とか着てるのにボクだけ真っ白で、それがもうビッカビカ光ってて。
知らないヒトからも、君すごく光ってるねえ…とか言われて笑われるくらいビッカビカで、もう恥ずかしいのなんのって、
いたたまれなかったです」
ススキノのディスコよりも、
北の大地の原野の水辺こそが良く似合うオトコが語った「ビッカビカの晒し者」の思い出。
そんな田口くんの羞恥の記憶は、
くしくも、
この白黒モホークのミステリーを解くカギのひとつを示唆しているかもしれないと、
ヒイヒイ爆笑しながらおもった。
陽の光をいっぱい浴びて、
真っ白なエゾジカの毛がビッカビカに反射しながら水面に浮かぶモホーク。
そんな、
ビッカビカしてる真っ白なボディのお腹には、
そこだけクッキリした輪郭で浮かびあがるように見えているはずの、
真っ黒いムシのカタチ。
そしてその周囲には、
フワッと拡がって水面にはりつきユラユラゆらめく長いハックル。
その様子ははたして、
マスの目から見てどのように映っているんだろう?
どのような刺激になっているんだろう?
フライフィッシングって、
クエスチョンマークがいっぱいあればあるほど濃ゆくてたのしい。
40周年を迎えて、
ますます熱く未来志向、
そして意気盛んな「テムズ」にて。
現在の社訓は「積極思考」だそうです。
負けてられへんがな、
とおもった。
このほどオープン40周年を迎えられた。
で、
先週の土曜日と日曜日、
記念すべき40周年イベントの第一弾として、
タイイングデモをやらせていただいた。
なんと光栄なことでしょう。
そんなテムズにて、
初めてタイイングデモをやらせていただいたのは、
たしか2001年だったか2002年だったか、
もはやすでにかれこれ20年以上もまえのこと。
なんと感慨深いことでしょう。
と、
ちょうどそのころ、
ものすごく感化されてハマっていたフライのひとつがゲーリー・ラフォンテーンの「モホーク」だった。
なので、
テムズでのはじめてのタイイングデモでも喜々としてこのフライを語って巻いた。
しかも、
まだまだ若かった当時の自分流にアレンジして改良しまくった我が私的「モホーク」を。
なんと怖れ知らずなことでしょう。
そんな当時の思い出を、
先週のデモの真っ最中に突然ハタと思い出して、
「そういえばあのときも……」
なんて、
今回ご参加いただいた皆さんにもその話しをした。
しかも、
あれから時を経て現在たった今の自分流にアレンジして改良しまくった我が私的「モホーク」を喜々として巻きながら……、
なんと因果なことでしょう。

昨年と今年、
2シーズンを通して、

がっつりバンバン使い倒して釣りまくったあとの私的モホーク Tied on TMC102Y 9番。
何度も何度も水面に叩きつけられて、
何度も何度もマスたちの歯にスレて噛みくだされて、
おかげでディアヘアーを刈り込んで成形したスパン・ボディはささくれ乱れ、
見た目はすっかりヤレヨレくたびれた風情。
だが、
インジケーター・ポストとして据えたエアロドライ・ヤーンは依然バラけることなく、
きちんと束状にまとまった状態を維持してスックと屹立しながらクッキリハッキリ視認性を確保。
そして、
ハックルに巻いたヒョロ長いコック・デ・レオンのファイバーは酷使の果てにも抜け落ちることなく、
かつパラッと放射状に拡がった状態を維持してヒラヒラユラユラと微風に揺れなびいている。
なので、
まだまだ現役。
むしろこれから本領発揮。
そして、
フレアさせて刈り込んだエゾシカの毛ボディはもちろん、
エゾジカの脇腹に生えている、
濃淡ダン色のテカッと艶っぽい質感のディアヘアー。
この部位のエゾジカのディアヘアーが、
たとえばこのモホークやイリジスティブルのような、
ディアヘアーをフレアさせて刈り込んだボディのドライフライにぴったりでお気に入り。

そんな、
枯れた葦のような色合いのエゾジカ脇腹ヘアーで巻いたボディ下側を、
黒のマーカーで真っ黒に着色したオサムシ・カラーのモホーク。
このエゾジカ脇腹ヘアーもまた、
今回のタイイングデモにて、
細長く刈り込むと羽化したてのヒゲナガ・アダルトのボディの色そっくりだとか、
幅広に刈り込んでお腹をオレンジのマーカーで着色するとハルゼミ風に見えますよ、
などなど、
イロイロ語ってアレコレ巻いたけど、

今回のデモではとくに、
エゾジカのお腹やオシリのまわりに生えている、
真っ白なディアヘアーを熱心に紹介してみた。
なぜなら現在たった今ものすごくハマっているから。
じぶんのお腹をさすって撫でながら、
「エゾジカのここらへんに生えている毛なんですけど……」
とか、
「オシリが、オケツが、ケツまわりの毛が……」
など、
何度も何度も連呼しながら、
白い毛の束をフックシャンクに縛りつけて刈り込んだ。

そんな白い毛をフレアさせたのち、
フックシャンク下側をカミソリで、
シャンクぎりぎりのところをスパッと水平にカットしたところ。

つぎに、
ボディ側面を斜めにスパッと刈り込んで……、

正面から見るとこんなかんじ。
このV字型のカット形状で、
ボディを水面下にめりこませるように浮かせる。
というか、
ボディを速やかに水に馴染ませて、
流水にユラユラ揺らせるためのカタチ。
まるで流れに揉まれて揺れながら、
かろうじて浮いている小舟のように。

そして刈り込みの最後の仕上げとして、
ボディ上面を斜めにカット。
イメージはモヒカン刈りで。
なんちゅうても「モホーク」ですから。
ちなみに、
ボディ末端フックベンド付近にチラッと覗いている、
下巻きがてらスレッドで巻き止めた、
タグとなる真っ赤なアクセントはオプション。

ボディの刈り込みが終了したら、
ボディ下側を黒のマーカーで着色。
ボディ全体を着色するのではなく、
このように白い部分を縁取りのように残しておくのがミソ。

フックのアイ直後、
刈り込んだヘアーの根元ギリギリのところに、
コック・デ・レオンのサドルハックルを巻き止めて、
フライのフロント部分にレッツ・ハックリング。

ココめちゃめちゃ大事なポイントです!
ハックルはフックのアイ付近にのみハックリングするのではなく、
画像のように刈り込んだヘアーのなかに挟み込むようにしながら一回転ハックリング。
これがコツ。
このとき、
こうしてフライ前面のヘアーを指先で軽く押しながらヘアーのあいだにハックルを巻くと、
作業しやすいだけでなく、
ボディのなかにハックルが深くめり込んでフライが丈夫に仕上がる。

こんなかんじ。

そして、
フライ前面にもハックルを一回転して巻き止め、

余分のハックルをカットしたあと、
クシをつかってヘアーごとハックルを梳くように撫でつける。
すると、
ハックル・ファイバーの一本一本がよりバラけてフワッと拡がり、
さらにフレアさせたディアヘアーのあいだに絡みつくようにしっかり挟まれることになる。
このように、
ハックルがディアヘアーの隙間から生えているような構造に細工してハックリングすると、
ディアヘアーがあることでファイバーが水に濡れて吸水しても不自然な束状にまとまることなく、
常に理想的にパラッと拡がった状態を維持できる。
なので、
このフライの生命感の源になるロング・ファイバーなハックルの繊細な揺れ動きが損なわれない。
さらに、
フライのフロントとやや後方に計二回転させたハックルの間隔がわずかに開いているので、
ハックルの動きだけでなくファイバーが水面にはりついたときの光の透過性やファジー感も強調される。
かつ、
ディアヘアーのあいだにハックルを挟むことで、
ストーク付近のファイバー根元の強度が脆弱ゆえに、
使用中にファイバーが抜け落ちてしまいがちなレオンのハックルをディアヘアーがガードすることになり、
フライの耐久性も飛躍的にアップする。
ほんのちょっとした細工で、
フライの機能性や効果がまるでちがってくる典型的な作例というわけ。

そしていよいよ最終工程。
インジケーターの巻き止め。
オリジナルのモホークにはとくに目印の類は装着されてはいないけれど、
個人的にこのフライにはインジケーター必須。
なぜなら、
エゾジカのヘアーにかぎらずディアヘアー全般に言えることだけど、
このテのスパン・ボディなドライフライは使いはじめの乾いた状態では水面にポッカリ浮いてよく見える。
けれど、
ピックアップを繰り返したり波をかぶったりしてヘアボディの隙間に水が浸透すると、
たちまちフライが水に馴染んで重くなり、
中空ヘアー自体の浮力のみで頼りなく水面にかろうじて浮いている、
なんならまるでフローティングニンフのように水面膜の下にぶら下がるように浮いている、
という状態になる。
けして水中に沈下してしまうわけではないけれど、
水面高く浮いているわけでもなく、
いわば水面ギリギリでサスペンドしている、
という浮き方。
で、
そんな浮き方こそがこのフライの本領発揮でもあり目的なんだけど、
こうなるともうフライのサイズがいくら大きくてもまるで見えない。
なので、
フライ全体が水面膜の下にはりつくように浮いているけれど、
たとえばパラシュート・スタイルのポストのように、
インジケーターだけが水面から高めに突き出ていて視認性を確保している、
というスタイルに巻きたい。
そこで、
まずは常套手段としてフライ前面にエアロドライウイングなどの化繊系素材を直立させるわけだが、
化繊の束をそのまま巻き止めただけだと、
こうした素材はしばらくつかって水に濡れて吸水すると、
まるで腰が抜けたようにヘニャッとなって化繊がすぐにバラけてしまう。
モノによっては化繊がクシャッと縮んでしまう。
そしてバラけた繊維がディアヘアーの隙間に入り込んでしまって、
たちまちインジケーターとしての用をなさなくなってしまう。
繊維がバラけた化学繊維系インジケーターは視認性がガタ落ちしてしまう。
そこで、
こうした素材を、
このようなフライにどのように巻き止めているかというと、
まずはフライの前面、
ディアヘアーのギリギリのところにヤーンの束を巻き止めて、
数回スレッドをまわして固定したら……、

ヤーンを指先でつまんでかるく引っ張りながら、
パラシュート・スタイルのハックルスペースを巻く要領で、
写真のようにヤーンにスレッドを巻きあげていく。
巻きあげる高さは、
だいたいフライ前面のヘアーの高さの半分よりちょい短いくらいが目安。

で、
スレッドで巻きあげていって、
ほど良い高さまで巻きあげたら、
こんどは逆に巻き下げるのではなく、
スレッドをフライの後方、
ヤーンの後ろ側にまわしながら、
そのままかるくテンションをかけながら真下にひっぱるようにスレッドを降ろして、
ヘッドを巻きがてらスレッドを数回巻く。
すると、
スレッドで巻きあげられることで一点集中で強引に細い束状にまとめられたヤーンが、
テンションがかかりながらフライ前面のディアヘアーにめりこむように直立する。
これで、
酷使にも耐えいつまでも直立して水面から高く立ちあがり、
きもちよく見えてくれるインジケーターが仕上がる。

そして完成。
「このようにディアヘアーをフレアさせて刈り込んだりとか、タイイングの過程もゆっくり愉しみたいフライは、
釣行の直前とか前夜にパパッと巻くのは気ぜわしいし大変なので、やっぱこういうフライこそ冬の間にコツコツ巻き貯めとくのが良いフライが巻けるし、なによりオフシーズンお慰みの楽しみになりますよね~」
なんてこともデモの最中にしゃべりながら、
この白黒モホークをつかった釣りの思い出語りも少々。
っていうか、
すいません、
ウソつきました。
ものすごいたくさん語った。
たとえば、
お陽さまがカッカと照りつける真夏の減水期の厳しい状況にて、
色調もフォルムもサイズもいかにもビートル的なまともフライを、
「ここぞ」という一級大物ポイントに投じて流したけれど、
ヤツはやる気なく浮上して微かに反応しただけであっさりUターンされてしまった。
そしてそのあと!
この白黒モホークの各サイズが引き起こしてくれた、
ミラクルな衝撃場面のいくつかをこそ、
恍惚の表情で、
喜々として、
身振り手振りで、
両手ひろげまくりで、
皆さんのまえで自慢しまくったった。

ちなみにこのウルトラ美麗ビッグママを、
サイズ6番の白黒モホークでいわしたったのも、
しばらく雨の降らない期間がつづいて、
流れが日々急速に勢いをなくしつつあった初夏のころ。
その日、
ものすごく期待していた超一級ポイントをまさにいまから狙おうとしていた矢先、
じぶんが釣っていた区間のはるか上流から、
ガシャ~ンガシャ~ンという不快音が響いてきた。
どうやら、
流域の牧場主のおじさんがユンボを川で洗うかなにかしはじめたイヤな予感。
案の定しばらくすると、
上流から泥水が流れてきて、
いきなりうっすら泥濁り。
そしてますますどんどん泥濁り。
「ええ~、そんなあ……」
というとき、
バンク際の岩盤をかすめるようにしながら、
水面膜に浸って半沈みで流れる白黒モノトーンの塊に、
水面をユランッと揺らして静かに出たのだった。
まるで、
水面から立ちあがっている白いインジケーターが、
スッとウキが消し込まれるように消えたのだった。
そして丁々発止の必死の攻防戦のすえ、
元気回復したママを流れに戻すころには、
川はもうドロドロ真っ茶の泥濁り。
もはや釣りにはなりません。
ガシャ~ンガシャ~ンと響いてくる不快音うらめしく、
川を下って土手をのぼって帰路についたのだった。
それにしても、
なにゆえにこのような悪条件で、
一度二度ならず何度も、
この白黒に巨マスたちが反応してしまったのだろう?
しかも、
このフライに巨マスが出るときは、
かならず決まったようにモワンッと波紋をひろげるだけで、
静かに落ち着いた仕草でフライを吸い込むように出る。
なんで?
おもうに、
陽の光が燦燦と水中に降り注いでいる状況で、
この真っ白な縁取りの真ん中にある、
それっぽいフォルムの真っ黒が、
なにかほかのフライとはひと味ちがうアピールをしているのではないか?
クエスチョンマークがいっぱいの、
ミステリーなフライだけど、
冬の間に妄想と夢とロマンの風呂敷をいっぱいひろげながら巻いておくと、
ハイシーズンになってから忘れがたい物語を体験できるかもしれません。
騙されたとおもって、
ぜひぜひ試してみてください。
なんて語った、
タイイングデモの翌日のことだった。
ひと仕事終えて緊張した気持ちも落ち着いて、
すっかりリラックスしながら、
「テムズ」スタッフの田口くんと、
どうでもいいような無駄話しに華が咲いていた昼下がり。
そういえば……と、
彼が満面の笑みを浮かべながら語ったのだった。
「いや~ボク、だいぶまえに友人たちに連れられて、付き合いでススキノのディスコにはじめて行ったとき、
えらい目にあったことがあるんですよ」
「ちょうどそのとき、ボク真っ白な長袖のTシャツ着てたんですけど、その白いシャツがディスコのあのビカビカした照明にモロに反射してビカビカ光って、なんだかもうボク自身がビッカビカ光ってるみたいになって。
とにかくもう、ボクだけビッカビカ光ってものすごく目立ってんですよ」
「まわりのヒトはみんな黒い服とか着てるのにボクだけ真っ白で、それがもうビッカビカ光ってて。
知らないヒトからも、君すごく光ってるねえ…とか言われて笑われるくらいビッカビカで、もう恥ずかしいのなんのって、
いたたまれなかったです」
ススキノのディスコよりも、
北の大地の原野の水辺こそが良く似合うオトコが語った「ビッカビカの晒し者」の思い出。
そんな田口くんの羞恥の記憶は、
くしくも、
この白黒モホークのミステリーを解くカギのひとつを示唆しているかもしれないと、
ヒイヒイ爆笑しながらおもった。
陽の光をいっぱい浴びて、
真っ白なエゾジカの毛がビッカビカに反射しながら水面に浮かぶモホーク。
そんな、
ビッカビカしてる真っ白なボディのお腹には、
そこだけクッキリした輪郭で浮かびあがるように見えているはずの、
真っ黒いムシのカタチ。
そしてその周囲には、
フワッと拡がって水面にはりつきユラユラゆらめく長いハックル。
その様子ははたして、
マスの目から見てどのように映っているんだろう?
どのような刺激になっているんだろう?
フライフィッシングって、
クエスチョンマークがいっぱいあればあるほど濃ゆくてたのしい。
40周年を迎えて、
ますます熱く未来志向、
そして意気盛んな「テムズ」にて。
現在の社訓は「積極思考」だそうです。
負けてられへんがな、
とおもった。
たとえば、
スレッスレのサカナがしきりとライズしていて、
ずっと狙ってるけど、
なんとしてもフライには反応してくれないという、
ありがちな場面にて。
アレコレ試した末に、
もはやじぶんの持ち駒は尽きました。
もう手も足も出ませんってとき、
…どうして釣れないんだろう?…
って、
誰でも考えるし悩むでしょ。
でも、
サカナの気の迷いなのか、
それともマグレなのか、
どうかした拍子にそんなサカナが釣れちゃったりするときも稀にあったりするじゃん。
狙って釣ったというよりも、
たまたま釣れちゃってくれたサカナ。
このような偶然の幸運に対して、
…このサカナはなぜ釣れてしまったのだろう?…
と考えるのはとても大事なこと。
釣れないサカナを目の前にして、
…なぜ釣れないんだろう?…
と、
釣れないことばかりクヨクヨ悩んでいるよりも、
運良くたまたま釣れちゃったときに、
…どうして釣れたんだろう?…
という考え方のほうが、
ずっと前向きで、
今後の糧として示唆するものがたくさん見つかる。
そしてなによりも精神衛生上に良い。
ということを、
もうずっとずっとむかし、
いま還暦まえのじぶんがまだ20代はじめだったころ、
里見栄正さんが雑誌のインタヴューで話しておられたのを読んで、
すごく納得して感銘を受けた。
以来、
この考え方は、
物事に対する捉え方とそのアプローチってところで、
たんに釣りだけにはおさまらず、
日々の暮らしのなかでこそ、
とても役に立っている。
で、
じぶんがいまの仕事をするようになって、
不遜にもタイイングデモなど人前で巻いたり語ったりとか、
柄にもなくコッパズカシイ機会が多々あるわけですけど、
そんなときはもう開き直って、
わかってもないくせにわかったようなことを、
したり顔で語りまくるわけですけど、
そんなとき、
興が乗ってくると、
かならずこの話しをしてしまう。
アッと気がつけばもう30年ちかくも飽きることなく同じことを話してる。
むしろ、
無駄に年齢を重ねれば重ねるほどに、
そして経験を重ねれば重ねるほどに、
身につまされてこの話しの本質が身に染みて、
すると、
自分のなかでますますこの話しの重みと深みが増してきて、
さらに真実味を増して人前で熱弁をふるい、
この話しは、
もはやワタシの定番中の定番の十八番になっちゃって幾年月……。
それで、
さらに時は流れて、
ちょうどコロナ禍直前の4年前に行われたとあるイベントにて、
ようやく憧れの里見さんに初対面のご挨拶をさせていただける機会が巡ってきた。
いまこそチャ~ンス。
「じつは、里見さんのあのお話しを、無断で長年にわたって人前でしゃべり過ぎて、いまやまるで自分の話しのようになってしまっているのです。それがなんとも後ろめたくて……」
なんて、
勇気ふりしぼって切り出しましたがな。
「その旨しかと了承いたしました。お好きなように、もう自由に、ぜひ語ってください」
と、
優しくほがらかな微笑をうかべられた里見さん。
うれしかった。
長年にわたる胸のつかえのひとつがとれた。
かくして、
ありがたくも、
ご本人からの御墨つきをいただいたので、
こうして、
公の場でも語ってみたというわけです。

画面左寄り中央の岩盤のエグレの際に、
サカナが定位しているの、
わかる?

このサカナは、
切り立った岩盤の奥深いエグレの入り口、
絶好の隠れ家のまえに陣取っていたこともあってか、
周囲をさほど警戒する様子もなく、
ほとんど真上からワタシがのぞき込んでいるというのに、
水中でさかんに流下物を漁っていた。
深みからスーッと浮上して岩盤のうえに出てくると、
そこでパフッパフッと口を開けて、
二度三度なにか小さなものを吸い込んでは、
また深みに戻っていくのを繰り返していた。
バカチョンカメラでさえ、
そんな様子が激写できてしまうほど、
流れは澄みわたり、
そして目と鼻の先の至近距離。
正座しているような体勢で姿勢を低くして、
竿下の流れをのぞきこみながら、
ほとんどチョウチン釣りのていで小さな黒いニンフを何度か流し込んだ。
けれど無視された。
サカナがわりと深みに定位しているので、
ニンフもそこまで沈めようとしていた努力が無駄だと気がつくまで、
けっこう時間がかかった。
ティペットに噛ませていたオモリを外して仕掛けを軽くして、
軽くウエイトのはいったニンフだけで、
岩盤のうえをかすめるようなつもりでサーッと流してみると、
サカナは待ってましたとばかりにスーッと岩盤のうえに泳ぎ出て来て、
そして迷いなくパクッと喰った。
水中で白い口がパフッと開いた瞬間、
サカナと目が合ったような気さえするほど、
その様子が手にとるようによく見えた。
「よっしゃ!」
水中に見えていたサカナをまんまとハリに掛けると、
かならず声が出てしまうのは…なんでか?
あの瞬間、
脳から全身をかけめぐるカイカンの濃度があまりにも濃ゆくて熱くて、
瞬間的に沸騰するからだろう。
掛かったサカナは、
驚き慌てふためいて魚体をくねらせよじらせしたあと、
岩盤のエグレに潜り込もうとグイグイ突っ込んだ。

ほどなく、
水際の岩盤に横たわらされて観念したアメマス。
丸まる太った良いアメマス。
ひいき目に見て45~46センチってところか。
とりあえず、
そのまま適当にパシャッと記念撮影して、
さあ、
それじゃ~サカナの横に我が愛竿を添えて麗しのお姿を撮ろうかなと、
正座したような姿勢から「よっこらせ」と立ちあがったら、
いつのまにやら足がビリビリしびれていて、
「おっとっと……」
と、
そのとき、
サカナの口からポロッとハリが外れて、
脱兎のごとくサカナは深みに消えた。
といってもすでにもはや、
まんまとフッキングに成功した時点で我がカイカンのための目的はほぼ果たされているので、
さほど惜しいともおもわず、
ウェーダーのうえからジンジンしびれるフクラハギを揉んだ。
これがたとえば、
ドライフライでもニンフでもウェットでもなんでもジャンルを問わず、
ブラインドで見えないサカナを探って釣り歩くような釣りだったら、
「ああっ!」
とおもったかもしれない。
ここが、
サカナの姿を見ながら釣るサイトフィッシングと、
ブラインドの釣りの決定的なちがい、
なのかもしれない。
どっちの釣りが好きだとか高尚だとか、
そんな比較にならない無意味なことを言いたいのではないので、
くれぐれも念のため。
それぞれの釣りで、
どこで完結するか、
とか、
どこで達成感をかんじるか、
など、
じぶんはその釣りのどこにカイカンを求めているか、
という、
きわめて根源的な快楽の欲求の話しです。

そんなわけで、
下巻きを施したTMC102Y 13番のシャンク前半分に、
.015径の鉛線を巻いて、
ワックスを効かせたスレッドでグルグル巻きにして固定したのち、
鉛線をペンチで軽く挟んでフラットな形状に細工したところ。
これから、
ずんぐりむっくりズン胴寸詰まりフォルムの、
黒褐色のマダラカゲロウ的な私的ニンフを、
チョイチョイッと巻いてみようとおもいます。

ブロンズ・マラードのファイバーを3本短めに、
そしてパカッと開かせて巻き止めたら、
ただいま販売中のツキノワグマのアンダーファーを、
フツ~にスレッドによりつけて、
そのままフツ~にダビングして、
ずんぐりむっくりコロッと太めで急テーパーのダビング・ボディを巻いて、
茶色の極細コッパーワイヤを二重縒りにしたものを、
ダビング・ボディを巻いた方向とは逆向きに巻きながらリビングを施す ←ココ重要。
このように逆巻きリビングをすると、
とうぜんダビング・ボディとリビング材がクロスしながら交差して巻かれることになる。
すると、
リビング材がダビング・ボディのなかに埋もれてしまうことなく、
ワイヤーがボディの表面にのって、
モコモコボサボサの毛羽立ちダビング・ボディのうえに、
写真のようにくっきりキレイな体節が表現できる。
しかもさらに、
ワイヤーが単線ではなく二重縒りなので、
そのキラメキがより自然かつ派手に乱反射して拡散する、
という特典つき。
この逆巻きリビングとワイヤー二重縒りテクは、
もうずいぶんむかしむかし、
ワタシがまだ20代半ばのころ、
フライフィッシャー誌に掲載された、
島崎憲司郎さんのタイイング・コラム的な特集記事のなかで、
ゴールドリブド・ヘアーズイヤーのようなファジー・タイプのニンフを作例にして紹介されたテクニックのひとつ。
当時、
毛羽立たせたダビング・ボディのニンフに、
教科書通りにワイヤーやオーバル・ティンセルをリビングすると、
それがボディの隙間に埋もれてしまって、
ほとんど見えなくなるのが釈然としないというか、
これでいいのか?
なんて……かるく悶々としていた駆け出し時代のワタシ。
で、
その記事を熟読して「なるほどな~」と感じ入って、
そして実際に試してみたとき、
こんなちょっとした工夫で、
フライの見映えも効果もなにもかもが劇的に変わるなんて……。
という深い感動と感銘は、
いまにしておもえばこそ、
つくづく現在のワタシの「フライタイイングの面白がり方」の原点でした。

というわけで、
クロマダラカゲロウのニンフちっくな黒褐色系の私的ユニバーサル・ニンフの完成。
ツキノワグマのアンダーファーをダビングしたボディとソラックスの前端に、
エゾリスのアンダーファーとガードヘアーをマルチグルーでスレッドに貼りつけて、
グルッとひと巻きファー・ハックリング。
こうしてみると、
エゾリスのガードヘアーがまるでパートリッジのようなマダラ模様のレッグに見える。
しかもこのガードヘアーが見た目リアルなだけでなく、
とてもソフト質感なので、
サイズ13番以下の小型サイズであっても、
流水のなかで自律的にユランユラン揺れなびきうごく生々しさ。
そして、
ガードヘアーとともにハックル状に拡がっているアンダーファーもミソ。
水馴染みが良すぎて、
水中で消えてとろけるようになって存在感が希薄になるエゾリスのアンダーファーが、
艶々テカテカ硬質な質感で存在感バツグンのツキノワグマの毛羽立ちボディにまとわりつく。
すると、
このフワフワテレテレのアンダーファーが、
まるでニンフの皮膜のような、
はたまた体側の鰓のような質感に映る。
これがまた、
えもいわれぬ生命感。
ちなみに、
羽化直前も黒く盛り上がったカゲロウのニンフのウイングケースを表現するためにつかった素材は、
黒く染めたチカブーのファイバー先端を一束巻き止めただけ。
これがエゾリスのユラッとファジーな質感とよく馴染んでとてもリアル。
チカブーが手元になければ、
黒いハックルのウェヴの部位でもいいし、
マラブーをちぎって巻き止めてもいいし、
工夫次第でいろいろな羽毛素材がつかえる。
と、
そんな羽毛を束ねて巻き止めただけの、
シンプルだけど真に迫ったウイングケースのアイディアは、
モンカゲやフタオカゲロウやカワゲラなどなどのニンフを模した、
ポーリー・ロズボロ考案の一連のシンプル・ニンフ群から学んだ。
さらにいえば、
ニンフのみならず、
ドライフライだろうとウェットだろうとストリーマーだろうとフライのジャンルを問わず、
いまや我がフライタイイングには絶対に欠かせない核となる手法になった、
ファーや羽毛をスレッドに挟んでボディやハックルを巻く、
ループ・ダビングやファー・ハックリングのテクニックもまた、
元をただせば、
若き駆け出し時代に夢中で眺めて読んでいたポーリー・ロズボロやポール・ジョーゲンセンといった、
60年代~70年代のニンフ・フライの巨匠たちの名著を見て学んだテクニックがその源泉。
時代は脈々と紡がれ、
そして継承されております。

この本メッチャクチャおもしろいよ。
今月のはじめ、
お馴染みの東さんからこの本を送ってもらってからというもの、
たった今のワタシのモチベーションをメラメラ燃えあがらせてくれる火元になってるフライの本。
偉大な先人たち御本人自らが巻いた一本のフライ写真から、
ひとりの釣り人の釣り人生を垣間見て感じることができる稀有なフライの本。
アメリカのフライフィッシング文化に息づく豊かな人物録に、
この釣りの深淵を覗き見るような、
静かに深く、
そして熱いフライの本。
ぜひとも、
ぜひとも翻訳されて世に出てほしいと熱望しています。
その暁には、
またもや臆面もなくでしゃばってしゃしゃり出てきてアレコレ語りまくらせてもろても……いいですか?

この本には、
もちろんこのお方も登場しておられます。
…フライフィッシングたるものかくあるべき…
という保守層からの痛烈な批判をサラリとかわし、
獣毛素材をふんだんに用いた浮力絶大かつ存在感満点のドライフライを考案して、
さらに、
不利を承知のうえであえて軽いショートロッドをつかって、
果敢に大物に挑んだ御大リー・ウルフ。
その掟破りだったアメリカ・フライフィッシング革命スピリットもまた、
遠く離れた島国ニッポンの最北の、
そのまたはしっこのほうの川で、
そのマインドとスタイルはしっかり受け継がれております。
我が国が世界に誇るべき、
最高の最上のクマの毛素材を貴方が考案されたドライフライに用いて、
ガンガン釣りながら、
お慕い申し上げております。
TMC905BL 8番2Xロングシャンクに、
先日販売させていただいた極上プレミアム・グレードのヒグマの金毛を、
惜しみなくウイングとテイルにあしらったゴールデンなスペシャル・ドライフライ。


転じてコチラもまた、
先日販売させていただいた、
ヒグマの栗金毛をつかったウルフ・スタイル Tied on TMC102Y 9番。
ハックルはナチュラル・ブラックのヒーバート・コックハックル。
フライ全体が黒っぽくて、
ウイングの先っちょだけ赤みがかった栗色の金色になっているところが、
たまらなくシャレオツなムードで悦に入ってる。
だけでなく、
ウルフ・スタイルにかぎらず、
このような全身黒艶フライのウイング先端だけ、
濃いめの金色に反射してるドライフライをアトラクターとしてつかっていると、
なんだか妙に大物たちにご縁があるなとおもった、
晩春から初夏にかけての今季ドライフライ・ハイシーズンだった。
それはなぜなのか?
なにゆえ、
このタイプの先っちょ金色ウイングな黒ドライフライがでっかいのに好まれるのか?
それって偶然?
ヒグマの毛はつくづくミステリー。
つぎからつぎへとそそられる課題と新発見が湧き出てくる。
興味が尽きる気配がない。

そしてさらにコチラ、
ウイングとテイルにはツキノワグマの漆黒のガードヘアーをあつらい、
ボディはそのアンダーファーを細身にダビングした、
ハックル以外すべてツキノワグマの毛で巻いたウルフ・スタイル Tied on 102Y 9番。
ハックルにはシルバーバジャーをパラッと薄くハックリングして、
ツキノワグマの特徴でもある胸のところの白い月の輪模様を表現した月の輪スタイルなウルフ。
ところで、
全身クマの毛で巻いてるのに名前はウルフとはこれいかに?
という戯言はさておき、
今シーズン6月のはじめ、
モンカゲのスピナーが静かに流下している夕暮れ時。
ひらけた水面に陰りはじめた陽の光が西陽となって燦燦とふりそそぎ、
水面はまるで鏡のようになって陽の光を反射している。
水面を見つめる目がシバシバと痛いほどに、
ギラギラとギラついたキッツイ鏡面逆光。
投じたドライフライはどれもこれもみんな逆光のなかに溶け込んで、
もうまったくな~んにも見えない。
というとき、
このフライだけが、
水面のうえにスックと立ちあがって、
不気味なほどにハッキリクッキリよく見えて……、
しかも、
フライの全体的なフォルムと色調が、
暗褐色なモンカゲ・スピナー的な印象で……、
薄暗がりのギラギラ逆光のなか、
フラットな水面にポツーンと浮かんで流れる真っ黒なドライフライに、
サカナの頭が何度もニョキッと突き出て……ドスンッときてドバドバドバッッと激しい水飛沫。
嗚呼、
狂乱のスピナーフォール興奮しすぎて過呼吸寸前。
という、
今シーズンのモンカゲ・スピナーフォール自慢はさておき、
このとき、
この月の輪ウルフだけではなく、
とうぜんヒグマの黒毛をつかった、
おなじような体裁のフライも投げないわけがないんだけど、
これがまた逆光のなかに馴染むように溶け込んでしまって、
おなじ黒毛でありながら、
ツキノワグマとヒグマの毛を比較すると水面での見え方がぜんぜんちがう。
それはなんでなのか?
ヒグマとツキノワグマの毛の、
光の透過性のちがいを、
まざまざと感じた一幕でございました。

左がツキノワグマのガードヘアーをダウンウイングに巻き止めた、
レッドタグ仕様のカディス・スタイル Tied on TMC102Y 11番。
アンタ…どんだけレッドタグ好きなんや?
ちゅう話しですね。
だって釣れるんだもの。
ハックルはホフマンのダイド・コーチマンブラウンとダイド・ブラックのコックハックルのミックス。
この染物2色ハックルも今シーズンのワタシのマイブームのひとつ。
テレストリアル的なパラシュート・スタイル各種やらなんやらイロイロこればっかハックリングしまくって大活躍だった。
そして右が、
コック・デ・レオンのサドルのハックルストークをクイルボディに巻いて、
ツキノワグマのガードヘアーをパラッとダウンウイングに巻き止めて、
バジャーのハックルをフロントにハックリングした、
月の輪フラッタリング・カディス Tied on TMC102Y 13番。
さっきの本のなかに、
エリック・ライザーという人物も登場されるんだけど、
アメリカ東部にて70年代フライフィッシング・シーンのなかでとても重要なお仕事をされた立役者のおひとり。
で、
その方の巻かれたフライ写真を見ていたら、
なんだか胸がつまってたまらなくなって……久々何十年ぶりかで巻いたフラッタリング・カディス。
やっぱカッコよろしでシャレオツでっせ、、
かの熱き血潮の時代のドライフライは……、

と、
そんなわけで、
ツキノワグマのガードヘアーだけではなく、
アンダーファーもダビングして、
当ブログではすでに何度か紹介している、
お馴染みのドライフライを月の輪風でアレンジしてみます。
北海スパイダー進化版2023年アレンジ・新ヴァージョンいってみます。
ツキノワグマのファーもあれから数個体のファーを使い倒しまくり、
以前よりずっと経験も重ねてより理解も深まり、
だいぶまえにとりあげたものより、
さらにグッとポテンシャル・アップしてる現時点でのお気に入りヴァージョンです。
まずは、
いつものごとくファーを揉んでほぐしてスレッドで挟んで捩じって、
ゆるめのダバダバでボディ後半にダビング。

そうしたらこのダビングの塊を、
ブラシで左右上下ゴシゴシ擦ってモッサモサに毛羽立たせて……、

こんどはこの毛羽立たせたファーを、
ハサミでアリやクモのお腹のカタチっぽく刈り込む。
このとき、
毛羽立ったファーを根元からキレイに刈り込むのではなく、
なんていうかスポーツ刈り?八分刈り?
みたいなかんじで毛先の毛羽立ちをちょい残して刈り込むのがミソ。
水馴染みが良いというかファーが水をはらむような質感のツキノワグマの毛をこのように刈り込むと、
ボディが濡れたときニュルッと艶っぽく、
ちょうどテレストリアル各種に肉薄するボディ質感になる。
あと、
このように処理すると、
半沈みのボディに微細な水泡がまとわりついて、
さらにリアル感が増す。
また、
こうしておくとファーがより水分を含んで保持しやすくなるので、
ボディが水面に対して平行姿勢を保ったまま、
半沈みのバランスを保ちやすくなる。
つまり、
フライが水面に浮かんだとき、
ボディがほど良く水をはらむような構造に細工している、
というわけ。
そして、
このまえ取りあげた月の輪モジャモジャ・カディスのタイイングでも触れたように、
こうした毛羽立ち構造にダビングしておくと、
濡れたボディが重くなってもフォルスキャストした時点でフライから水気が弾け飛ぶので、
フライが重くなり過ぎず投げやすい。
さらに、
この刈り込みボディはつかえばつかうほどに、
ダビングが絶妙なかんじでほつれてきて、
どんどんムシっぽさが増してくるお楽しみ構造。

で、
まずはポストに普通サイズのファイバー長のコックハックルを厚めにパラシュート・ハックリング。
コックハックルはいつもパラシュート・スタイルのハックルにつかっている、
愛用のお好みのハックル各種各色なんでもつかえる。
ちなみに、
テレストリアル系のイメージで黒やコーチマン・ブラウンなどの暗色系ハックルをつかうなら、
ファイバーが太く艶があってマットな質感で存在感を強調できるダイドもののハックルが断然おススメ。
ナチュラル系にこだわることなく、
自由にあれこれハックリングしてみてネ。

そして、
最終的に先にハックリングしておいた普通サイズ・ファイバーのハックルの間に挟み込むように、
超ロングなファイバーのコック・デ・レオンのサドル各種各色を1回転多くても2回転。
と、
ここらへんのハックル処理の工程などは、
旧ヴァージョンとまったく変わらないので、
ツキノワグマの毛と北海スパイダー&ツキノワグマのファー販売促進活動おもしろタイイング情報など。
この過去記事とか参照してみてください。


と、
そんなわけで、
目下熱烈に販売中のツキノワグマ・ヘアーのスキンですが、
ガードヘアーが長くて細くてストリーマーのウイングなどにも素敵なタイプの1番sold outと、
ガードヘアーが短めでドライフライ各種のウイングやテイル素材につかえて、
アンダーファーの密度濃厚でダビングに素晴らしいタイプの2番sold outが、
もはや数えるほどの在庫になってしまいましたが、
まだまだ販売中です。
完売ひたすら御礼
bizen-m@olive.plala.or.jp まで、
ぜひぜひ、
ご注文お待ちしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
スレッスレのサカナがしきりとライズしていて、
ずっと狙ってるけど、
なんとしてもフライには反応してくれないという、
ありがちな場面にて。
アレコレ試した末に、
もはやじぶんの持ち駒は尽きました。
もう手も足も出ませんってとき、
…どうして釣れないんだろう?…
って、
誰でも考えるし悩むでしょ。
でも、
サカナの気の迷いなのか、
それともマグレなのか、
どうかした拍子にそんなサカナが釣れちゃったりするときも稀にあったりするじゃん。
狙って釣ったというよりも、
たまたま釣れちゃってくれたサカナ。
このような偶然の幸運に対して、
…このサカナはなぜ釣れてしまったのだろう?…
と考えるのはとても大事なこと。
釣れないサカナを目の前にして、
…なぜ釣れないんだろう?…
と、
釣れないことばかりクヨクヨ悩んでいるよりも、
運良くたまたま釣れちゃったときに、
…どうして釣れたんだろう?…
という考え方のほうが、
ずっと前向きで、
今後の糧として示唆するものがたくさん見つかる。
そしてなによりも精神衛生上に良い。
ということを、
もうずっとずっとむかし、
いま還暦まえのじぶんがまだ20代はじめだったころ、
里見栄正さんが雑誌のインタヴューで話しておられたのを読んで、
すごく納得して感銘を受けた。
以来、
この考え方は、
物事に対する捉え方とそのアプローチってところで、
たんに釣りだけにはおさまらず、
日々の暮らしのなかでこそ、
とても役に立っている。
で、
じぶんがいまの仕事をするようになって、
不遜にもタイイングデモなど人前で巻いたり語ったりとか、
柄にもなくコッパズカシイ機会が多々あるわけですけど、
そんなときはもう開き直って、
わかってもないくせにわかったようなことを、
したり顔で語りまくるわけですけど、
そんなとき、
興が乗ってくると、
かならずこの話しをしてしまう。
アッと気がつけばもう30年ちかくも飽きることなく同じことを話してる。
むしろ、
無駄に年齢を重ねれば重ねるほどに、
そして経験を重ねれば重ねるほどに、
身につまされてこの話しの本質が身に染みて、
すると、
自分のなかでますますこの話しの重みと深みが増してきて、
さらに真実味を増して人前で熱弁をふるい、
この話しは、
もはやワタシの定番中の定番の十八番になっちゃって幾年月……。
それで、
さらに時は流れて、
ちょうどコロナ禍直前の4年前に行われたとあるイベントにて、
ようやく憧れの里見さんに初対面のご挨拶をさせていただける機会が巡ってきた。
いまこそチャ~ンス。
「じつは、里見さんのあのお話しを、無断で長年にわたって人前でしゃべり過ぎて、いまやまるで自分の話しのようになってしまっているのです。それがなんとも後ろめたくて……」
なんて、
勇気ふりしぼって切り出しましたがな。
「その旨しかと了承いたしました。お好きなように、もう自由に、ぜひ語ってください」
と、
優しくほがらかな微笑をうかべられた里見さん。
うれしかった。
長年にわたる胸のつかえのひとつがとれた。
かくして、
ありがたくも、
ご本人からの御墨つきをいただいたので、
こうして、
公の場でも語ってみたというわけです。

画面左寄り中央の岩盤のエグレの際に、
サカナが定位しているの、
わかる?

このサカナは、
切り立った岩盤の奥深いエグレの入り口、
絶好の隠れ家のまえに陣取っていたこともあってか、
周囲をさほど警戒する様子もなく、
ほとんど真上からワタシがのぞき込んでいるというのに、
水中でさかんに流下物を漁っていた。
深みからスーッと浮上して岩盤のうえに出てくると、
そこでパフッパフッと口を開けて、
二度三度なにか小さなものを吸い込んでは、
また深みに戻っていくのを繰り返していた。
バカチョンカメラでさえ、
そんな様子が激写できてしまうほど、
流れは澄みわたり、
そして目と鼻の先の至近距離。
正座しているような体勢で姿勢を低くして、
竿下の流れをのぞきこみながら、
ほとんどチョウチン釣りのていで小さな黒いニンフを何度か流し込んだ。
けれど無視された。
サカナがわりと深みに定位しているので、
ニンフもそこまで沈めようとしていた努力が無駄だと気がつくまで、
けっこう時間がかかった。
ティペットに噛ませていたオモリを外して仕掛けを軽くして、
軽くウエイトのはいったニンフだけで、
岩盤のうえをかすめるようなつもりでサーッと流してみると、
サカナは待ってましたとばかりにスーッと岩盤のうえに泳ぎ出て来て、
そして迷いなくパクッと喰った。
水中で白い口がパフッと開いた瞬間、
サカナと目が合ったような気さえするほど、
その様子が手にとるようによく見えた。
「よっしゃ!」
水中に見えていたサカナをまんまとハリに掛けると、
かならず声が出てしまうのは…なんでか?
あの瞬間、
脳から全身をかけめぐるカイカンの濃度があまりにも濃ゆくて熱くて、
瞬間的に沸騰するからだろう。
掛かったサカナは、
驚き慌てふためいて魚体をくねらせよじらせしたあと、
岩盤のエグレに潜り込もうとグイグイ突っ込んだ。

ほどなく、
水際の岩盤に横たわらされて観念したアメマス。
丸まる太った良いアメマス。
ひいき目に見て45~46センチってところか。
とりあえず、
そのまま適当にパシャッと記念撮影して、
さあ、
それじゃ~サカナの横に我が愛竿を添えて麗しのお姿を撮ろうかなと、
正座したような姿勢から「よっこらせ」と立ちあがったら、
いつのまにやら足がビリビリしびれていて、
「おっとっと……」
と、
そのとき、
サカナの口からポロッとハリが外れて、
脱兎のごとくサカナは深みに消えた。
といってもすでにもはや、
まんまとフッキングに成功した時点で我がカイカンのための目的はほぼ果たされているので、
さほど惜しいともおもわず、
ウェーダーのうえからジンジンしびれるフクラハギを揉んだ。
これがたとえば、
ドライフライでもニンフでもウェットでもなんでもジャンルを問わず、
ブラインドで見えないサカナを探って釣り歩くような釣りだったら、
「ああっ!」
とおもったかもしれない。
ここが、
サカナの姿を見ながら釣るサイトフィッシングと、
ブラインドの釣りの決定的なちがい、
なのかもしれない。
どっちの釣りが好きだとか高尚だとか、
そんな比較にならない無意味なことを言いたいのではないので、
くれぐれも念のため。
それぞれの釣りで、
どこで完結するか、
とか、
どこで達成感をかんじるか、
など、
じぶんはその釣りのどこにカイカンを求めているか、
という、
きわめて根源的な快楽の欲求の話しです。

そんなわけで、
下巻きを施したTMC102Y 13番のシャンク前半分に、
.015径の鉛線を巻いて、
ワックスを効かせたスレッドでグルグル巻きにして固定したのち、
鉛線をペンチで軽く挟んでフラットな形状に細工したところ。
これから、
ずんぐりむっくりズン胴寸詰まりフォルムの、
黒褐色のマダラカゲロウ的な私的ニンフを、
チョイチョイッと巻いてみようとおもいます。

ブロンズ・マラードのファイバーを3本短めに、
そしてパカッと開かせて巻き止めたら、
ただいま販売中のツキノワグマのアンダーファーを、
フツ~にスレッドによりつけて、
そのままフツ~にダビングして、
ずんぐりむっくりコロッと太めで急テーパーのダビング・ボディを巻いて、
茶色の極細コッパーワイヤを二重縒りにしたものを、
ダビング・ボディを巻いた方向とは逆向きに巻きながらリビングを施す ←ココ重要。
このように逆巻きリビングをすると、
とうぜんダビング・ボディとリビング材がクロスしながら交差して巻かれることになる。
すると、
リビング材がダビング・ボディのなかに埋もれてしまうことなく、
ワイヤーがボディの表面にのって、
モコモコボサボサの毛羽立ちダビング・ボディのうえに、
写真のようにくっきりキレイな体節が表現できる。
しかもさらに、
ワイヤーが単線ではなく二重縒りなので、
そのキラメキがより自然かつ派手に乱反射して拡散する、
という特典つき。
この逆巻きリビングとワイヤー二重縒りテクは、
もうずいぶんむかしむかし、
ワタシがまだ20代半ばのころ、
フライフィッシャー誌に掲載された、
島崎憲司郎さんのタイイング・コラム的な特集記事のなかで、
ゴールドリブド・ヘアーズイヤーのようなファジー・タイプのニンフを作例にして紹介されたテクニックのひとつ。
当時、
毛羽立たせたダビング・ボディのニンフに、
教科書通りにワイヤーやオーバル・ティンセルをリビングすると、
それがボディの隙間に埋もれてしまって、
ほとんど見えなくなるのが釈然としないというか、
これでいいのか?
なんて……かるく悶々としていた駆け出し時代のワタシ。
で、
その記事を熟読して「なるほどな~」と感じ入って、
そして実際に試してみたとき、
こんなちょっとした工夫で、
フライの見映えも効果もなにもかもが劇的に変わるなんて……。
という深い感動と感銘は、
いまにしておもえばこそ、
つくづく現在のワタシの「フライタイイングの面白がり方」の原点でした。

というわけで、
クロマダラカゲロウのニンフちっくな黒褐色系の私的ユニバーサル・ニンフの完成。
ツキノワグマのアンダーファーをダビングしたボディとソラックスの前端に、
エゾリスのアンダーファーとガードヘアーをマルチグルーでスレッドに貼りつけて、
グルッとひと巻きファー・ハックリング。
こうしてみると、
エゾリスのガードヘアーがまるでパートリッジのようなマダラ模様のレッグに見える。
しかもこのガードヘアーが見た目リアルなだけでなく、
とてもソフト質感なので、
サイズ13番以下の小型サイズであっても、
流水のなかで自律的にユランユラン揺れなびきうごく生々しさ。
そして、
ガードヘアーとともにハックル状に拡がっているアンダーファーもミソ。
水馴染みが良すぎて、
水中で消えてとろけるようになって存在感が希薄になるエゾリスのアンダーファーが、
艶々テカテカ硬質な質感で存在感バツグンのツキノワグマの毛羽立ちボディにまとわりつく。
すると、
このフワフワテレテレのアンダーファーが、
まるでニンフの皮膜のような、
はたまた体側の鰓のような質感に映る。
これがまた、
えもいわれぬ生命感。
ちなみに、
羽化直前も黒く盛り上がったカゲロウのニンフのウイングケースを表現するためにつかった素材は、
黒く染めたチカブーのファイバー先端を一束巻き止めただけ。
これがエゾリスのユラッとファジーな質感とよく馴染んでとてもリアル。
チカブーが手元になければ、
黒いハックルのウェヴの部位でもいいし、
マラブーをちぎって巻き止めてもいいし、
工夫次第でいろいろな羽毛素材がつかえる。
と、
そんな羽毛を束ねて巻き止めただけの、
シンプルだけど真に迫ったウイングケースのアイディアは、
モンカゲやフタオカゲロウやカワゲラなどなどのニンフを模した、
ポーリー・ロズボロ考案の一連のシンプル・ニンフ群から学んだ。
さらにいえば、
ニンフのみならず、
ドライフライだろうとウェットだろうとストリーマーだろうとフライのジャンルを問わず、
いまや我がフライタイイングには絶対に欠かせない核となる手法になった、
ファーや羽毛をスレッドに挟んでボディやハックルを巻く、
ループ・ダビングやファー・ハックリングのテクニックもまた、
元をただせば、
若き駆け出し時代に夢中で眺めて読んでいたポーリー・ロズボロやポール・ジョーゲンセンといった、
60年代~70年代のニンフ・フライの巨匠たちの名著を見て学んだテクニックがその源泉。
時代は脈々と紡がれ、
そして継承されております。

この本メッチャクチャおもしろいよ。
今月のはじめ、
お馴染みの東さんからこの本を送ってもらってからというもの、
たった今のワタシのモチベーションをメラメラ燃えあがらせてくれる火元になってるフライの本。
偉大な先人たち御本人自らが巻いた一本のフライ写真から、
ひとりの釣り人の釣り人生を垣間見て感じることができる稀有なフライの本。
アメリカのフライフィッシング文化に息づく豊かな人物録に、
この釣りの深淵を覗き見るような、
静かに深く、
そして熱いフライの本。
ぜひとも、
ぜひとも翻訳されて世に出てほしいと熱望しています。
その暁には、
またもや臆面もなくでしゃばってしゃしゃり出てきてアレコレ語りまくらせてもろても……いいですか?

この本には、
もちろんこのお方も登場しておられます。
…フライフィッシングたるものかくあるべき…
という保守層からの痛烈な批判をサラリとかわし、
獣毛素材をふんだんに用いた浮力絶大かつ存在感満点のドライフライを考案して、
さらに、
不利を承知のうえであえて軽いショートロッドをつかって、
果敢に大物に挑んだ御大リー・ウルフ。
その掟破りだったアメリカ・フライフィッシング革命スピリットもまた、
遠く離れた島国ニッポンの最北の、
そのまたはしっこのほうの川で、
そのマインドとスタイルはしっかり受け継がれております。
我が国が世界に誇るべき、
最高の最上のクマの毛素材を貴方が考案されたドライフライに用いて、
ガンガン釣りながら、
お慕い申し上げております。
TMC905BL 8番2Xロングシャンクに、
先日販売させていただいた極上プレミアム・グレードのヒグマの金毛を、
惜しみなくウイングとテイルにあしらったゴールデンなスペシャル・ドライフライ。


転じてコチラもまた、
先日販売させていただいた、
ヒグマの栗金毛をつかったウルフ・スタイル Tied on TMC102Y 9番。
ハックルはナチュラル・ブラックのヒーバート・コックハックル。
フライ全体が黒っぽくて、
ウイングの先っちょだけ赤みがかった栗色の金色になっているところが、
たまらなくシャレオツなムードで悦に入ってる。
だけでなく、
ウルフ・スタイルにかぎらず、
このような全身黒艶フライのウイング先端だけ、
濃いめの金色に反射してるドライフライをアトラクターとしてつかっていると、
なんだか妙に大物たちにご縁があるなとおもった、
晩春から初夏にかけての今季ドライフライ・ハイシーズンだった。
それはなぜなのか?
なにゆえ、
このタイプの先っちょ金色ウイングな黒ドライフライがでっかいのに好まれるのか?
それって偶然?
ヒグマの毛はつくづくミステリー。
つぎからつぎへとそそられる課題と新発見が湧き出てくる。
興味が尽きる気配がない。

そしてさらにコチラ、
ウイングとテイルにはツキノワグマの漆黒のガードヘアーをあつらい、
ボディはそのアンダーファーを細身にダビングした、
ハックル以外すべてツキノワグマの毛で巻いたウルフ・スタイル Tied on 102Y 9番。
ハックルにはシルバーバジャーをパラッと薄くハックリングして、
ツキノワグマの特徴でもある胸のところの白い月の輪模様を表現した月の輪スタイルなウルフ。
ところで、
全身クマの毛で巻いてるのに名前はウルフとはこれいかに?
という戯言はさておき、
今シーズン6月のはじめ、
モンカゲのスピナーが静かに流下している夕暮れ時。
ひらけた水面に陰りはじめた陽の光が西陽となって燦燦とふりそそぎ、
水面はまるで鏡のようになって陽の光を反射している。
水面を見つめる目がシバシバと痛いほどに、
ギラギラとギラついたキッツイ鏡面逆光。
投じたドライフライはどれもこれもみんな逆光のなかに溶け込んで、
もうまったくな~んにも見えない。
というとき、
このフライだけが、
水面のうえにスックと立ちあがって、
不気味なほどにハッキリクッキリよく見えて……、
しかも、
フライの全体的なフォルムと色調が、
暗褐色なモンカゲ・スピナー的な印象で……、
薄暗がりのギラギラ逆光のなか、
フラットな水面にポツーンと浮かんで流れる真っ黒なドライフライに、
サカナの頭が何度もニョキッと突き出て……ドスンッときてドバドバドバッッと激しい水飛沫。
嗚呼、
狂乱のスピナーフォール興奮しすぎて過呼吸寸前。
という、
今シーズンのモンカゲ・スピナーフォール自慢はさておき、
このとき、
この月の輪ウルフだけではなく、
とうぜんヒグマの黒毛をつかった、
おなじような体裁のフライも投げないわけがないんだけど、
これがまた逆光のなかに馴染むように溶け込んでしまって、
おなじ黒毛でありながら、
ツキノワグマとヒグマの毛を比較すると水面での見え方がぜんぜんちがう。
それはなんでなのか?
ヒグマとツキノワグマの毛の、
光の透過性のちがいを、
まざまざと感じた一幕でございました。

左がツキノワグマのガードヘアーをダウンウイングに巻き止めた、
レッドタグ仕様のカディス・スタイル Tied on TMC102Y 11番。
アンタ…どんだけレッドタグ好きなんや?
ちゅう話しですね。
だって釣れるんだもの。
ハックルはホフマンのダイド・コーチマンブラウンとダイド・ブラックのコックハックルのミックス。
この染物2色ハックルも今シーズンのワタシのマイブームのひとつ。
テレストリアル的なパラシュート・スタイル各種やらなんやらイロイロこればっかハックリングしまくって大活躍だった。
そして右が、
コック・デ・レオンのサドルのハックルストークをクイルボディに巻いて、
ツキノワグマのガードヘアーをパラッとダウンウイングに巻き止めて、
バジャーのハックルをフロントにハックリングした、
月の輪フラッタリング・カディス Tied on TMC102Y 13番。
さっきの本のなかに、
エリック・ライザーという人物も登場されるんだけど、
アメリカ東部にて70年代フライフィッシング・シーンのなかでとても重要なお仕事をされた立役者のおひとり。
で、
その方の巻かれたフライ写真を見ていたら、
なんだか胸がつまってたまらなくなって……久々何十年ぶりかで巻いたフラッタリング・カディス。
やっぱカッコよろしでシャレオツでっせ、、
かの熱き血潮の時代のドライフライは……、

と、
そんなわけで、
ツキノワグマのガードヘアーだけではなく、
アンダーファーもダビングして、
当ブログではすでに何度か紹介している、
お馴染みのドライフライを月の輪風でアレンジしてみます。
北海スパイダー進化版2023年アレンジ・新ヴァージョンいってみます。
ツキノワグマのファーもあれから数個体のファーを使い倒しまくり、
以前よりずっと経験も重ねてより理解も深まり、
だいぶまえにとりあげたものより、
さらにグッとポテンシャル・アップしてる現時点でのお気に入りヴァージョンです。
まずは、
いつものごとくファーを揉んでほぐしてスレッドで挟んで捩じって、
ゆるめのダバダバでボディ後半にダビング。

そうしたらこのダビングの塊を、
ブラシで左右上下ゴシゴシ擦ってモッサモサに毛羽立たせて……、

こんどはこの毛羽立たせたファーを、
ハサミでアリやクモのお腹のカタチっぽく刈り込む。
このとき、
毛羽立ったファーを根元からキレイに刈り込むのではなく、
なんていうかスポーツ刈り?八分刈り?
みたいなかんじで毛先の毛羽立ちをちょい残して刈り込むのがミソ。
水馴染みが良いというかファーが水をはらむような質感のツキノワグマの毛をこのように刈り込むと、
ボディが濡れたときニュルッと艶っぽく、
ちょうどテレストリアル各種に肉薄するボディ質感になる。
あと、
このように処理すると、
半沈みのボディに微細な水泡がまとわりついて、
さらにリアル感が増す。
また、
こうしておくとファーがより水分を含んで保持しやすくなるので、
ボディが水面に対して平行姿勢を保ったまま、
半沈みのバランスを保ちやすくなる。
つまり、
フライが水面に浮かんだとき、
ボディがほど良く水をはらむような構造に細工している、
というわけ。
そして、
このまえ取りあげた月の輪モジャモジャ・カディスのタイイングでも触れたように、
こうした毛羽立ち構造にダビングしておくと、
濡れたボディが重くなってもフォルスキャストした時点でフライから水気が弾け飛ぶので、
フライが重くなり過ぎず投げやすい。
さらに、
この刈り込みボディはつかえばつかうほどに、
ダビングが絶妙なかんじでほつれてきて、
どんどんムシっぽさが増してくるお楽しみ構造。

で、
まずはポストに普通サイズのファイバー長のコックハックルを厚めにパラシュート・ハックリング。
コックハックルはいつもパラシュート・スタイルのハックルにつかっている、
愛用のお好みのハックル各種各色なんでもつかえる。
ちなみに、
テレストリアル系のイメージで黒やコーチマン・ブラウンなどの暗色系ハックルをつかうなら、
ファイバーが太く艶があってマットな質感で存在感を強調できるダイドもののハックルが断然おススメ。
ナチュラル系にこだわることなく、
自由にあれこれハックリングしてみてネ。

そして、
最終的に先にハックリングしておいた普通サイズ・ファイバーのハックルの間に挟み込むように、
超ロングなファイバーのコック・デ・レオンのサドル各種各色を1回転多くても2回転。
と、
ここらへんのハックル処理の工程などは、
旧ヴァージョンとまったく変わらないので、
ツキノワグマの毛と北海スパイダー&ツキノワグマのファー販売促進活動おもしろタイイング情報など。
この過去記事とか参照してみてください。


と、
そんなわけで、
目下熱烈に販売中のツキノワグマ・ヘアーのスキンですが、
ガードヘアーが長くて細くてストリーマーのウイングなどにも素敵なタイプの1番sold outと、
ガードヘアーが短めでドライフライ各種のウイングやテイル素材につかえて、
アンダーファーの密度濃厚でダビングに素晴らしいタイプの2番sold outが、
もはや数えるほどの在庫になってしまいましたが、
まだまだ販売中です。
完売ひたすら御礼
bizen-m@olive.plala.or.jp まで、
ぜひぜひ、
ご注文お待ちしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
今回は金毛のヒグマ4頭分の頭部スキン販売のご案内です。
変化に富んだ頭部のスキンなので、
いずれもこれっきりの一点モノになります。
たくさんあります。
ひたすら淡々と挙げていきたいとおもいます。
まずはこの個体から……、
冬毛成獣ヒグマの栗金毛。

迫力の大型成獣の頭部スキン。
金毛というよりも、
ほんのり茶色がかった栗色のヘアーです。
大型の成獣個体なので、
全体的にどうしても毛先の欠損が目立ちます。
また、
ヘアー一本一本が太くて硬く存在感があります。
そして、
冬毛ですがアンダーファーの密度は薄いというか、
ストレートなガードヘアーと縮れたアンダーファーが混然一体となって密集している、
という印象です。
なので、
パックされた状態で見るとすごく地味なガッカリ印象に映るとおもいます。
が、
パックから出して太陽光もしくは蛍光灯の明かりにかざして透かして見ていただくと、
まるで手品のよう。
感動するほどガラッと印象が変わるとおもいます。
黒みがかった無機質なヘアーが、
光を透かすと赤紫色のガラス質で透明感のあるヘアーに変化。
そしてその隙間から、
鮮やかな栗色の金毛が密集しながらギラギラ金色に輝いて反射しています。
なんていうかもう、
たとえようなく複雑で、
一律ではない変化に富んだ色調で光を透過して輝いています。
たまらんで。
この色調というか、
全体的に暗い色だけど金毛が鮮烈に光を透過しているヘアーを、
6番サイズ以上の特大サイズのカディスや、
マシュマロ・ビートルはじめ大型のビートル類、
あるいはセミやバッタなどのスペント・ウイングにつかったフライは、
いずれも実績度数特大のきわめつき大物キラー。
さらに好都合なことに、
そんな大型サイズにこそ向いている、
がっつり太めの剛毛質感。
特大サイズのドライフライ中毒の方にこそ、
「これすごいよ!」
とビックリマークをつけておススメしたい栗金毛です。

1、額部位の栗金毛 sold out
適度な縮れ具合のややストレート気味なヘアーが密集している部位。
剛毛感を残したまま、
ヘアーの太さはこの個体のなかでももっとも細目なので、
上記に挙げた特大サイズなテレストリアル系ドライフライのほかに、
熱烈におススメしたいのが、
モンカゲ・スピナーのスペントウイング。
また同様に、
8番サイズ前後のスペントウイング型アトラクター・ドライフライとしても素晴らしいです。
さらに、
12番~16番前後のサイズに、
このヘアーを3~4本まとめてクイルボディとして巻くと、
濃厚なビール瓶色のガラス質なボディが巻けます。
オオユスリカなどの羽化直前のピューパやフローティングニンフなどなど最高。

2、額部位の栗金毛 sold out
1番とまったくおなじヘアーです。

3、額部位の栗金毛 sold out
1番とまったくおなじヘアー。
ですが、
額の両脇頬にちかい部位なので、
ヘアー全体はやや短め。
といっても特大サイズなドライフライには充分な長さです。
が、
中型サイズのクイルボディは巻きにくいです。
そして、
アンダーファーの密度がより細目でやや密集気味。
また、
ヘアー先端の金色がわずかですがキレイに揃っているところがあります。
なので、
そうしたヘアーを上記おススメ・フライズのほか、
特大サイズ・マドラーのアンダーウイングなんかにつかうと最高の必殺になります。

4、頬左側の栗金毛 sold out
全体的により金毛がかった栗色のヘアー。
アンダーファーの密度は薄く、
より剛毛感を感じる縮れた金色のヘアーが生えている部位です。
ヘアーの縮れ方がもっとも強い部位なのと、
色調がより金色がかっているので、
光を透過したときの金色の複雑なキラメキがより強調されています。
特大サイズなテレストリアル系のスペントウイングに素晴らしく最高。
また、
金色地の発色の良いヘアーを数本ボディに巻いて、
透明感のある濃い黄褐色を表現したフタバコカゲロウやヒメヒラタなどのイマージャー系、
あるいはキャッツキル系のクラシック風など、
中小型サイズの繊細なクイルボディにも、
独特のムードなボディが美しいです。

5、頬右側の栗金毛 sold out
4番とまったくおなじです。
が、
こちらのスキンは金毛が強い部分がやや少ないです。
そのかわり、
アンダーファーが密集した1番と同様のヘアーも生えているので、
このスキンで両方つかえます。

6、額中央の栗金毛 sold out
まさにこの個体の真骨頂。
これぞ栗色に輝くマロンで浪漫な金毛。
スキン前方のヘアーはやや短めながら、
ヘアー中央部がカールしており、
やはり6番サイズ以上のフライに適合ですが、
ヘアー先端は比較的キレイに揃っていて、
栗色に煌めく特大カディスの威風堂々のダウンウイングが巻けます。←メッチャ大物キラー!
ただ、
スキン後方の黒毛の多い部位は毛先が欠損しており、
またヘアーの剛毛感が強めで太目。
なので、
4番サイズ以上の特大サイズのビートル系スペントウイング向き。
で、
特筆はこの部位のヘアー。
ぜひともスキンを折り曲げて光に透かして見てください。
ガラスのような黒毛とギラッギラの栗金毛の絶妙なグラデーションにクラクラッときます。

7、額中央の栗金毛 sold out
6番とまったくおなじ、
重厚かつ神々しい栗金毛の部位。

8、左耳周辺の栗金毛 sold out
1番とまったく同じ質感の栗金毛がドサッと密集している部位。
しかも、
剛毛感はあるもののヘアーの太さもほどよく、
6番サイズ以上の特大はもちろん、
8番サイズ前後までならムリなくカディス系のダウンウイングにつかえる、
毛先の揃った美しい栗金毛が生えている、
ものすごくレアな部位。
また、
ヘアー先端の金色と、
ヘアー中央から根元部分の黒毛のコントラストが強烈なので、
カディス・スタイルなダウンウイングにつかうとヘアー先端の栗金毛が素晴らしく映えます。
もちろん、
マシュマロ・ビートルや各種テレストリアル系、
はたまたモンカゲ・スピナーなどのスペントにも最適。
またさらに、
ヘアーの太さもほどほどなので、
マドラーのアンダーウイングはもちろん、
ヘアウイングのストリーマーやサーモンフライにも、
金毛を散らしたブラックなアトラクター系としても最高。

9、右耳周辺の栗金毛 sold out
8番とまったくおなじ、
さまざまなフライにつかえる最高の栗金毛。
ですが、
写真に見るように耳の根元周辺にヘアーが剥げてしまって、
スキン全体で見ると見栄えの点でやや残念なところがあります。
とはいえ、
肝心の「つかえる部位のヘアー」は8番と遜色なくドサッと密に生えています。
そしてつぎの個体は、
最高峰!絶句必至まっキン金の金毛若ヒグマ

もはや子熊とはいえないけれど、
まだ若さの残る青年ヒグマの冬毛個体の頭部スキン。
濃厚で深みのある、
鮮烈で鮮明な金色の発色。
まるで、
フライを巻くためにあるような、
絶妙にちょうど良いヘアーの太さ長さ、
そしてストレート気味の質感。
乱れの全くないヘアーには、
毛先の欠損などまったく見られない完全体。
これぞパーフェクトな金毛の最高峰。
と、
声高にいいたい完全無欠の金毛。
手にとった瞬間、
ヒグマの妖気にあてられて、
絶句して時間が止まってしまうような、
これが金毛のプレミアム・グレードです。
レアというよりミラクル。

10、額中央の金毛 sold out
もうとにかくスゴイ。
スキン先端部分には、
中型サイズのカディスのダウンウイング、
ウルフのアップライトウイングに最高のヘアーみっちり密集。
そしてそこからスキン後方にむかうにつれて、
ヘアーの長さが徐々に長くなり、
中大型の各サイズどんなフライにも最適のヘアーがどっさり。
ヘアー根元の暗色部分とヘアー中央部から先端にかけてのコントラスト、
そして色のバランスがまた絶妙で、
ただでさえ、
滴り落ちてくるような金色がより鮮烈に浮きたってみえます。

11、額後方中央寄りの金毛 sold out
10番よりもややヘアーが長め、
かつヘアー根元の暗色部分がひろめ。
とはいえ、
こちらもまた中大型サイズの各種各パターンにばっちりつかえる、
もう素晴らしく最高の金毛。
さらに、
スキン後方の暗色部と金毛のバランスが絶妙なので、
ストリーマーやヘアウイングサーモンなどにつかうと、
たまらないとおもいます。

12、たてがみ周辺の金毛 sold out
ヘアー根元の暗色部分がより濃く黒みがかっているので、
ヘアー中央部から先端にかけての金色がさらに濃厚に映る、
スキンを眺めているだけでも満足してしまう部位。
もちろん、
10番などと同様、
ヘアーの太さや質感も絶妙。
なので、
いかようにもお好みのフライが巻けます。

13、額中央からたてがみにかけての金毛 sold out
自然界が創り出した天然の「金の延べ棒」
10番と12番を1枚のスキンにカットした、
2枚組セット的な大判サイズのスキン。
ウルフやカディスの中大型サイズに向いた金毛から、
特大サイズのテレストリアル系フライ各種、
マドラーやストリーマーなどなどなどなど、
質感も色調もうってつけのヘアーがこれでもかと生えています。
もうぜ~んぶまっキンキンで巻けます。

14、額前方中央の金毛 sold out
額のやや先端方向にある短い金毛のスキン。
通常この部位のヘアーは硬くて短すぎて、
発色は鮮明だけどフライにはつかえない部位ですが、
この個体の場合はヘアーの質感と太さが、
まるでフライのために狙って生えているような絶妙加減。
10番サイズ前後からスキン後方だと6~8番サイズまでの、
カディス系ダウンウイングなどに最適最高のヘアーが、
ちいさめのスキンすべてにどっさり。
この短さと質感を活かして、
ループダビングによるヘアハックリングなども素晴らしいです。

15、頬左側の金毛 sold out
額付近の金毛と比較すると、
ヘアーがやや疎ら気味ですが、
金色の発色はもちろん最高。
また、
ヘアー中央から先端の金色部分は太目でガラス質、
なのにヘアー根元の暗色部分はやや細目でしなやか、
というタイイングにおあつらえ向きの構造。
なので、
そんな質感を活かして、
マシュマロ・ビートル系のスペントを筆頭に各種テレストリアル系のウイングに最高。

16、頬右側の金毛 sold out
15番とまったくおなじですが、
こちらはスキンの面積が倍近くあるお徳用版。
かつ、
ヘアーの長さも長短いろいろ生えているので、
小型サイズのカディス系ダウンウイングにも素晴らしい金毛が生えています。

17、頬と額の境目の金毛左右両側 sold out
この部位も14番同様に、
通常だとヘアーが硬くて短すぎて使えない部位ですが、
この個体だと逆にそれが中小型のカディスのダウンウイングや、
ヘアハックリングなどなど、
とてもおいしい金毛になっています。
ただ、
スキン面積がちいさいので、
スキンの左右両側の二枚組にしてみました。
使い方の目安として、
スキンの両端のややカール気味の硬めで太目のヘアーをカディスなどのウイングに、
そして反対側の細めで長めのヘアーを8番前後のマシュマロ・ビートル系スペントやヘアハックルにすると、
ちょうど良いかとおもいます。

18、左耳と周辺の金毛 sold out
10番から13番までの金毛とまったくおなじヘアーがびっしり生えているほか、
耳の根元にはウルフのアップライトウイングや中型カディスのダウンウイングに最高に素晴らしい、
短めで太さ手ごろでややカール気味のまっキンキンに濃厚な金毛が生えています。
さらに!
耳には非常に繊細な細くてストレートなヘアーなのに、
金色がくっきり鮮明にのっているヘアーがビッシリ!
16番くらいのカディス系ダウンウイングまで余裕で巻けます。
ウルトラ・メガトン・レア!
さあ、
それではつぎの個体を……、
ド迫力の冬毛成獣の金毛個体

黒毛の個体はべつとして、
頭部スキンがここまで鮮烈な金毛になっている大型成獣は、
個人的にこれがはじめてのビッグワン。
ヘアーは太くて硬くバリッとした質感で、
一本一本がものすごい存在感です。
ほんとにガラスでできているような金色の透明感。
それだけに、
光を透過したときのギラつきはじつに強烈。
しかし残念ながら、
成熟した大型個体なので、
もうどうしようもなく金毛の毛先欠損がかなり目立ちます。
また、
そんな金毛は全体がクセ毛になっていてカールしています。
なので、
たとえば特大サイズのカディスなどのウイングに巻き止めると、
勝手にヘアーが左右バラバラに散ってしまうような雑然としたフォルムになってしまいます。
しかし、
サイズ4番以上を中心に、
なんなら2番とかそれ以上のドライフライでいっちょやったるで、
という巨マス志向な夢追い人な方には、
この、
グチャッとヘアーがばらけたファジーな体裁に仕上がる剛毛フライ、
熱烈におススメ。
なんといっても、
どのようなタイプのフライに巻いても、
アピール度数はそのフォルムといい光の透過加減といい、
ハンパないものがあります。

19、額中央たてがみ付近の金毛 sold out
スキン面積12×12センチ、
特大サイズなフライにガンガン使い倒すための特盛大判スキン。
こうして写真で見ると金毛が美しいですが、
非常に残念ながら毛先はすべて擦り切れたように欠損しています。
が、
陽の光を透過して反射したときのギラつきはキョーレツ。
フライの見映えとかどうとかよりも、
巨大マドラーやサーモン・サイズなストーンフライなどなど、
マグナム・サイズのドライフライを量産してぶっこみたい漢のための金毛スキンお徳用パック。

20、額中央の金毛 sold out
スキン面積13×13センチ、
20番とまったくおなじ「巨マス夢追い人」のための漢の金毛スキン超特盛。
ただ、
こちらのほうはヘアーのカールはきつめながら、
奇跡的に毛先がそろった太目硬めの金毛も生えていて、
19番とおなじような使い方のほかにも、
6番サイズ前後のカディス系ダウンウイングにもつかえます。
もちろん、
成獣ならではの重厚な金毛の存在感ハンパなく、
大物キラーな質感と色調になっています。

21、額右側中央寄りの金毛 sold out
スキン面積19×11センチの爆盛り特大スキン。
19番の金毛とまったくおなじです。

22、左耳から左頬にかけての金毛 sold out
スキン面積19×15センチくらいの爆烈特番盛り、
しかもヘアーの先っちょが金色になっている黒毛が生えている耳つき。
スキン面積がどうとかこうとかこまけ~こたあイイんだよ、
それよりギランギランで目立つ金毛バッサ~とフックに縛りつけて、
バーンと投げてドンブラコッコと浮かべて流して、
超どでかいのドッカーンと一発仕留めて~んだよ、
という、
ほんとは心根シャイだけど、
こと巨マスに関しては荒ぶってるアナタにこそ、
採算度外視で諸手を挙げて賛同しつつご奉仕したい、
そんな金毛のスキンです。
荒ぶってるアナタも素敵だけど、
スキンの耳のところには8番~10番サイズくらいにもつかえる、
黒金の可愛いヘアーもドサッと生えてるので、
ドッカーン狙いに気持ちが折れそうになったときには、
そんな金黒ヘアーで巻いたマイルドな金毛カディスなんかも、
シレッとこっそり結んでネ。
というのはさておき、
この個体のなかでも、
この部位がもっとも濃厚かつ重厚な金毛がどっさり特盛で生えています。

23、右耳から右頬にかけての金毛 sold out
22番とまったくおなじです。
が、
スキン面積はさらにひと回り大きめサイズ。
そしてさらに、
耳の根元付近からやや上方にかけて、
ストレート気味で毛先先端の揃った金黒ヘアーがかなり生えていて、
8番~6番サイズのウルフ系のアップライトウイングやカディス系ダウンウイングにも素晴らしいヘアーが生えているお得版スキン。
さあ、
そして今回の金毛フェア締めの個体は……、
ヒグマ金毛入門にも最適なバンバンつかえる冬毛若ヒグマの金毛

フライの素材としてはちょうど良い年齢の若いヒグマの冬毛かつ金毛の個体です。
典型的な若ヒグマの金毛クオリティの個体です。
グレード分けするなら、
ヘアーの質感はシルバー・クラスもしくは甘めに見てAグレード。
この年齢のヒグマとしてはきわめて一般的で平均的なクオリティ。
どうしても毛先の欠損がやや目立ちます。
しかし、
この個体の素晴らしいところは、
なんといっても金色の発色が素晴らしく鮮明かつフレッシュ感いっぱいなところ。
金色の発色と色調だけを見れば、
文句なし自信満々でAAAグレードつけたいところです。
また、
毛先の欠損がほんとに残念ですが、
質感に関しては硬くもなく、
また柔らかすぎず、
アンダーファーの密度とガードヘアーのバランスも良好。
なにより、
ヘアーの太さが各種各サイズのフライにちょうどほど良いかんじなので、
使い勝手はすこぶる良いです。

24、額中央の金毛 sold out
スキン前面には8番サイズ中心に最小10番サイズまで巻けるヘアーが密集、
そしてスキン後方に向かうにしたがって、
ヘアーが徐々に長くなっている、
中型サイズから特大サイズまで幅広くつかえる金毛が生えているスキンです。
ヘアーの太さも絶妙で、
カディス系ダウンウイング、
ウルフ系アップライトウイング、
マシュマロ・ビートル系スペント、
さらにはストリーマーまで、
さまざまなフライが自在に巻けます。
また、
金色の発色が鮮明で毛先がキレイに揃ったヘアーがビシッと生えているので、
疎らにみられる毛先の欠損が、
フライに巻いてしまえばあまり気にならない部位でもあります。

25、左耳周辺の金毛 sold out
金色の鮮やかな発色、
ヘアーの太くなく細くなく絶妙に使いやすい質感、
耳の部位の繊細な金黒の細いヘアー、
どれをとっても巻きやすく使いやすく、
またどのようなタイプのフライにも最適な金毛ヘアーが密集していますが、
なんとも残念ながら、
毛先の欠損が目立ちます。
ただ、
これくらいの欠損なら、
多少の見映えが気にならなければ、
フライとして十二分にバッチリ使えます。
まずはヒグマの金毛でアレコレ巻きまくって、
そして実際に使いまくって釣りまくってみたい、
と思われる方にはすごくおススメ。
カディス系のダウンウイングや、
マシュマロ・ビートル系スペントウイングなど、
とくにすばらしく最適です。
また、
スキン後方には毛先のビタッとそろった長めヘアーの美しい金毛もかなりたくさん生えていますので、
ストリーマーや大型ウェットフライなどのウイングがばっちり美しく巻けます。

26、右耳周辺の金毛 sold out
コチラも25番とまったくおなじです。
とにかく、
どんどんガンガン金毛を使って、
その効果や魅力を実感してみたい方におススメ。

27、左頬周辺の金毛 sold out
残念ながら、
金毛のガードヘアー先端はほぼ擦り切れたように欠損しています。
しかし、
鮮明な金毛ガードヘアーとともに、
真っ黒に見えるけど光にかざすと濃淡のダン色に変化するアンダーファーが濃密で、
ヒグマのヘアーの透過光マジックを堪能するには素晴らしいヘアーが生えているスキン。
モンカゲやセミなどの大型サイズから、
12~14番サイズのアトラクター的スペント・パターン各種、
さらには繊細な16番以下のマッチ・ザ・ハッチ系各種のスペント・ウイングなど、
各種各サイズを問わず、
スペント・ウイングなフライにつかうと最高。
そしてさらに、
金毛のガードヘアーにソフト感があるので、
ガードヘアーごとアンダーファーをグチャグチャに丸めてほぐして、
北海スパイダーやテレストリアル系などのファジーなダビング・ボディに巻くと、
ダークな色調のモジャモジャから金色がチラチラとシャープに煌めいて素晴らしいファジー・ボディが巻けます。

28、右頬周辺の金毛 sold out
27番とまったくおなじ、
スペント・ウイング系の各種各サイズ、
あるいはファジーなモジャモジャ・ダビングボディなどに最適のヘアーがびっしり生えているスキン。
しかも特盛大判サイズ。
というのは、
いつもは毛先が欠損していてつかえない、
頬の部位の端っこの金毛が珍しくキレイに揃っていたので、
その部分も含めて一枚のスキンに切り分けました。
この部位でアンダーファーが濃密なまま、
ソフトで細い金色のガードヘアーが美しく生え揃っているのは非常に珍しいです。
金毛をアンダーファーごと巻き止めてウイングにしたストリーマーのウイングや、
大型サイズのマシュマロ・ビートル系スペント・ウイングなどに素晴らしいです。
以上、
合計28点の一点もの、
一期一会となる金毛スキンのラインナップとなります。
ご注文の際には、
お名前と送り先を明記のうえ、
bizen-m@olive.plala.or.jp まで、
ご注文お待ちしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
変化に富んだ頭部のスキンなので、
いずれもこれっきりの一点モノになります。
たくさんあります。
ひたすら淡々と挙げていきたいとおもいます。
まずはこの個体から……、
冬毛成獣ヒグマの栗金毛。

迫力の大型成獣の頭部スキン。
金毛というよりも、
ほんのり茶色がかった栗色のヘアーです。
大型の成獣個体なので、
全体的にどうしても毛先の欠損が目立ちます。
また、
ヘアー一本一本が太くて硬く存在感があります。
そして、
冬毛ですがアンダーファーの密度は薄いというか、
ストレートなガードヘアーと縮れたアンダーファーが混然一体となって密集している、
という印象です。
なので、
パックされた状態で見るとすごく地味なガッカリ印象に映るとおもいます。
が、
パックから出して太陽光もしくは蛍光灯の明かりにかざして透かして見ていただくと、
まるで手品のよう。
感動するほどガラッと印象が変わるとおもいます。
黒みがかった無機質なヘアーが、
光を透かすと赤紫色のガラス質で透明感のあるヘアーに変化。
そしてその隙間から、
鮮やかな栗色の金毛が密集しながらギラギラ金色に輝いて反射しています。
なんていうかもう、
たとえようなく複雑で、
一律ではない変化に富んだ色調で光を透過して輝いています。
たまらんで。
この色調というか、
全体的に暗い色だけど金毛が鮮烈に光を透過しているヘアーを、
6番サイズ以上の特大サイズのカディスや、
マシュマロ・ビートルはじめ大型のビートル類、
あるいはセミやバッタなどのスペント・ウイングにつかったフライは、
いずれも実績度数特大のきわめつき大物キラー。
さらに好都合なことに、
そんな大型サイズにこそ向いている、
がっつり太めの剛毛質感。
特大サイズのドライフライ中毒の方にこそ、
「これすごいよ!」
とビックリマークをつけておススメしたい栗金毛です。

1、額部位の栗金毛 sold out
適度な縮れ具合のややストレート気味なヘアーが密集している部位。
剛毛感を残したまま、
ヘアーの太さはこの個体のなかでももっとも細目なので、
上記に挙げた特大サイズなテレストリアル系ドライフライのほかに、
熱烈におススメしたいのが、
モンカゲ・スピナーのスペントウイング。
また同様に、
8番サイズ前後のスペントウイング型アトラクター・ドライフライとしても素晴らしいです。
さらに、
12番~16番前後のサイズに、
このヘアーを3~4本まとめてクイルボディとして巻くと、
濃厚なビール瓶色のガラス質なボディが巻けます。
オオユスリカなどの羽化直前のピューパやフローティングニンフなどなど最高。

2、額部位の栗金毛 sold out
1番とまったくおなじヘアーです。

3、額部位の栗金毛 sold out
1番とまったくおなじヘアー。
ですが、
額の両脇頬にちかい部位なので、
ヘアー全体はやや短め。
といっても特大サイズなドライフライには充分な長さです。
が、
中型サイズのクイルボディは巻きにくいです。
そして、
アンダーファーの密度がより細目でやや密集気味。
また、
ヘアー先端の金色がわずかですがキレイに揃っているところがあります。
なので、
そうしたヘアーを上記おススメ・フライズのほか、
特大サイズ・マドラーのアンダーウイングなんかにつかうと最高の必殺になります。

4、頬左側の栗金毛 sold out
全体的により金毛がかった栗色のヘアー。
アンダーファーの密度は薄く、
より剛毛感を感じる縮れた金色のヘアーが生えている部位です。
ヘアーの縮れ方がもっとも強い部位なのと、
色調がより金色がかっているので、
光を透過したときの金色の複雑なキラメキがより強調されています。
特大サイズなテレストリアル系のスペントウイングに素晴らしく最高。
また、
金色地の発色の良いヘアーを数本ボディに巻いて、
透明感のある濃い黄褐色を表現したフタバコカゲロウやヒメヒラタなどのイマージャー系、
あるいはキャッツキル系のクラシック風など、
中小型サイズの繊細なクイルボディにも、
独特のムードなボディが美しいです。

5、頬右側の栗金毛 sold out
4番とまったくおなじです。
が、
こちらのスキンは金毛が強い部分がやや少ないです。
そのかわり、
アンダーファーが密集した1番と同様のヘアーも生えているので、
このスキンで両方つかえます。

6、額中央の栗金毛 sold out
まさにこの個体の真骨頂。
これぞ栗色に輝くマロンで浪漫な金毛。
スキン前方のヘアーはやや短めながら、
ヘアー中央部がカールしており、
やはり6番サイズ以上のフライに適合ですが、
ヘアー先端は比較的キレイに揃っていて、
栗色に煌めく特大カディスの威風堂々のダウンウイングが巻けます。←メッチャ大物キラー!
ただ、
スキン後方の黒毛の多い部位は毛先が欠損しており、
またヘアーの剛毛感が強めで太目。
なので、
4番サイズ以上の特大サイズのビートル系スペントウイング向き。
で、
特筆はこの部位のヘアー。
ぜひともスキンを折り曲げて光に透かして見てください。
ガラスのような黒毛とギラッギラの栗金毛の絶妙なグラデーションにクラクラッときます。

7、額中央の栗金毛 sold out
6番とまったくおなじ、
重厚かつ神々しい栗金毛の部位。

8、左耳周辺の栗金毛 sold out
1番とまったく同じ質感の栗金毛がドサッと密集している部位。
しかも、
剛毛感はあるもののヘアーの太さもほどよく、
6番サイズ以上の特大はもちろん、
8番サイズ前後までならムリなくカディス系のダウンウイングにつかえる、
毛先の揃った美しい栗金毛が生えている、
ものすごくレアな部位。
また、
ヘアー先端の金色と、
ヘアー中央から根元部分の黒毛のコントラストが強烈なので、
カディス・スタイルなダウンウイングにつかうとヘアー先端の栗金毛が素晴らしく映えます。
もちろん、
マシュマロ・ビートルや各種テレストリアル系、
はたまたモンカゲ・スピナーなどのスペントにも最適。
またさらに、
ヘアーの太さもほどほどなので、
マドラーのアンダーウイングはもちろん、
ヘアウイングのストリーマーやサーモンフライにも、
金毛を散らしたブラックなアトラクター系としても最高。

9、右耳周辺の栗金毛 sold out
8番とまったくおなじ、
さまざまなフライにつかえる最高の栗金毛。
ですが、
写真に見るように耳の根元周辺にヘアーが剥げてしまって、
スキン全体で見ると見栄えの点でやや残念なところがあります。
とはいえ、
肝心の「つかえる部位のヘアー」は8番と遜色なくドサッと密に生えています。
そしてつぎの個体は、
最高峰!絶句必至まっキン金の金毛若ヒグマ

もはや子熊とはいえないけれど、
まだ若さの残る青年ヒグマの冬毛個体の頭部スキン。
濃厚で深みのある、
鮮烈で鮮明な金色の発色。
まるで、
フライを巻くためにあるような、
絶妙にちょうど良いヘアーの太さ長さ、
そしてストレート気味の質感。
乱れの全くないヘアーには、
毛先の欠損などまったく見られない完全体。
これぞパーフェクトな金毛の最高峰。
と、
声高にいいたい完全無欠の金毛。
手にとった瞬間、
ヒグマの妖気にあてられて、
絶句して時間が止まってしまうような、
これが金毛のプレミアム・グレードです。
レアというよりミラクル。

10、額中央の金毛 sold out
もうとにかくスゴイ。
スキン先端部分には、
中型サイズのカディスのダウンウイング、
ウルフのアップライトウイングに最高のヘアーみっちり密集。
そしてそこからスキン後方にむかうにつれて、
ヘアーの長さが徐々に長くなり、
中大型の各サイズどんなフライにも最適のヘアーがどっさり。
ヘアー根元の暗色部分とヘアー中央部から先端にかけてのコントラスト、
そして色のバランスがまた絶妙で、
ただでさえ、
滴り落ちてくるような金色がより鮮烈に浮きたってみえます。

11、額後方中央寄りの金毛 sold out
10番よりもややヘアーが長め、
かつヘアー根元の暗色部分がひろめ。
とはいえ、
こちらもまた中大型サイズの各種各パターンにばっちりつかえる、
もう素晴らしく最高の金毛。
さらに、
スキン後方の暗色部と金毛のバランスが絶妙なので、
ストリーマーやヘアウイングサーモンなどにつかうと、
たまらないとおもいます。

12、たてがみ周辺の金毛 sold out
ヘアー根元の暗色部分がより濃く黒みがかっているので、
ヘアー中央部から先端にかけての金色がさらに濃厚に映る、
スキンを眺めているだけでも満足してしまう部位。
もちろん、
10番などと同様、
ヘアーの太さや質感も絶妙。
なので、
いかようにもお好みのフライが巻けます。

13、額中央からたてがみにかけての金毛 sold out
自然界が創り出した天然の「金の延べ棒」
10番と12番を1枚のスキンにカットした、
2枚組セット的な大判サイズのスキン。
ウルフやカディスの中大型サイズに向いた金毛から、
特大サイズのテレストリアル系フライ各種、
マドラーやストリーマーなどなどなどなど、
質感も色調もうってつけのヘアーがこれでもかと生えています。
もうぜ~んぶまっキンキンで巻けます。

14、額前方中央の金毛 sold out
額のやや先端方向にある短い金毛のスキン。
通常この部位のヘアーは硬くて短すぎて、
発色は鮮明だけどフライにはつかえない部位ですが、
この個体の場合はヘアーの質感と太さが、
まるでフライのために狙って生えているような絶妙加減。
10番サイズ前後からスキン後方だと6~8番サイズまでの、
カディス系ダウンウイングなどに最適最高のヘアーが、
ちいさめのスキンすべてにどっさり。
この短さと質感を活かして、
ループダビングによるヘアハックリングなども素晴らしいです。

15、頬左側の金毛 sold out
額付近の金毛と比較すると、
ヘアーがやや疎ら気味ですが、
金色の発色はもちろん最高。
また、
ヘアー中央から先端の金色部分は太目でガラス質、
なのにヘアー根元の暗色部分はやや細目でしなやか、
というタイイングにおあつらえ向きの構造。
なので、
そんな質感を活かして、
マシュマロ・ビートル系のスペントを筆頭に各種テレストリアル系のウイングに最高。

16、頬右側の金毛 sold out
15番とまったくおなじですが、
こちらはスキンの面積が倍近くあるお徳用版。
かつ、
ヘアーの長さも長短いろいろ生えているので、
小型サイズのカディス系ダウンウイングにも素晴らしい金毛が生えています。

17、頬と額の境目の金毛左右両側 sold out
この部位も14番同様に、
通常だとヘアーが硬くて短すぎて使えない部位ですが、
この個体だと逆にそれが中小型のカディスのダウンウイングや、
ヘアハックリングなどなど、
とてもおいしい金毛になっています。
ただ、
スキン面積がちいさいので、
スキンの左右両側の二枚組にしてみました。
使い方の目安として、
スキンの両端のややカール気味の硬めで太目のヘアーをカディスなどのウイングに、
そして反対側の細めで長めのヘアーを8番前後のマシュマロ・ビートル系スペントやヘアハックルにすると、
ちょうど良いかとおもいます。

18、左耳と周辺の金毛 sold out
10番から13番までの金毛とまったくおなじヘアーがびっしり生えているほか、
耳の根元にはウルフのアップライトウイングや中型カディスのダウンウイングに最高に素晴らしい、
短めで太さ手ごろでややカール気味のまっキンキンに濃厚な金毛が生えています。
さらに!
耳には非常に繊細な細くてストレートなヘアーなのに、
金色がくっきり鮮明にのっているヘアーがビッシリ!
16番くらいのカディス系ダウンウイングまで余裕で巻けます。
ウルトラ・メガトン・レア!
さあ、
それではつぎの個体を……、
ド迫力の冬毛成獣の金毛個体

黒毛の個体はべつとして、
頭部スキンがここまで鮮烈な金毛になっている大型成獣は、
個人的にこれがはじめてのビッグワン。
ヘアーは太くて硬くバリッとした質感で、
一本一本がものすごい存在感です。
ほんとにガラスでできているような金色の透明感。
それだけに、
光を透過したときのギラつきはじつに強烈。
しかし残念ながら、
成熟した大型個体なので、
もうどうしようもなく金毛の毛先欠損がかなり目立ちます。
また、
そんな金毛は全体がクセ毛になっていてカールしています。
なので、
たとえば特大サイズのカディスなどのウイングに巻き止めると、
勝手にヘアーが左右バラバラに散ってしまうような雑然としたフォルムになってしまいます。
しかし、
サイズ4番以上を中心に、
なんなら2番とかそれ以上のドライフライでいっちょやったるで、
という巨マス志向な夢追い人な方には、
この、
グチャッとヘアーがばらけたファジーな体裁に仕上がる剛毛フライ、
熱烈におススメ。
なんといっても、
どのようなタイプのフライに巻いても、
アピール度数はそのフォルムといい光の透過加減といい、
ハンパないものがあります。

19、額中央たてがみ付近の金毛 sold out
スキン面積12×12センチ、
特大サイズなフライにガンガン使い倒すための特盛大判スキン。
こうして写真で見ると金毛が美しいですが、
非常に残念ながら毛先はすべて擦り切れたように欠損しています。
が、
陽の光を透過して反射したときのギラつきはキョーレツ。
フライの見映えとかどうとかよりも、
巨大マドラーやサーモン・サイズなストーンフライなどなど、
マグナム・サイズのドライフライを量産してぶっこみたい漢のための金毛スキンお徳用パック。

20、額中央の金毛 sold out
スキン面積13×13センチ、
20番とまったくおなじ「巨マス夢追い人」のための漢の金毛スキン超特盛。
ただ、
こちらのほうはヘアーのカールはきつめながら、
奇跡的に毛先がそろった太目硬めの金毛も生えていて、
19番とおなじような使い方のほかにも、
6番サイズ前後のカディス系ダウンウイングにもつかえます。
もちろん、
成獣ならではの重厚な金毛の存在感ハンパなく、
大物キラーな質感と色調になっています。

21、額右側中央寄りの金毛 sold out
スキン面積19×11センチの爆盛り特大スキン。
19番の金毛とまったくおなじです。

22、左耳から左頬にかけての金毛 sold out
スキン面積19×15センチくらいの爆烈特番盛り、
しかもヘアーの先っちょが金色になっている黒毛が生えている耳つき。
スキン面積がどうとかこうとかこまけ~こたあイイんだよ、
それよりギランギランで目立つ金毛バッサ~とフックに縛りつけて、
バーンと投げてドンブラコッコと浮かべて流して、
超どでかいのドッカーンと一発仕留めて~んだよ、
という、
ほんとは心根シャイだけど、
こと巨マスに関しては荒ぶってるアナタにこそ、
採算度外視で諸手を挙げて賛同しつつご奉仕したい、
そんな金毛のスキンです。
荒ぶってるアナタも素敵だけど、
スキンの耳のところには8番~10番サイズくらいにもつかえる、
黒金の可愛いヘアーもドサッと生えてるので、
ドッカーン狙いに気持ちが折れそうになったときには、
そんな金黒ヘアーで巻いたマイルドな金毛カディスなんかも、
シレッとこっそり結んでネ。
というのはさておき、
この個体のなかでも、
この部位がもっとも濃厚かつ重厚な金毛がどっさり特盛で生えています。

23、右耳から右頬にかけての金毛 sold out
22番とまったくおなじです。
が、
スキン面積はさらにひと回り大きめサイズ。
そしてさらに、
耳の根元付近からやや上方にかけて、
ストレート気味で毛先先端の揃った金黒ヘアーがかなり生えていて、
8番~6番サイズのウルフ系のアップライトウイングやカディス系ダウンウイングにも素晴らしいヘアーが生えているお得版スキン。
さあ、
そして今回の金毛フェア締めの個体は……、
ヒグマ金毛入門にも最適なバンバンつかえる冬毛若ヒグマの金毛

フライの素材としてはちょうど良い年齢の若いヒグマの冬毛かつ金毛の個体です。
典型的な若ヒグマの金毛クオリティの個体です。
グレード分けするなら、
ヘアーの質感はシルバー・クラスもしくは甘めに見てAグレード。
この年齢のヒグマとしてはきわめて一般的で平均的なクオリティ。
どうしても毛先の欠損がやや目立ちます。
しかし、
この個体の素晴らしいところは、
なんといっても金色の発色が素晴らしく鮮明かつフレッシュ感いっぱいなところ。
金色の発色と色調だけを見れば、
文句なし自信満々でAAAグレードつけたいところです。
また、
毛先の欠損がほんとに残念ですが、
質感に関しては硬くもなく、
また柔らかすぎず、
アンダーファーの密度とガードヘアーのバランスも良好。
なにより、
ヘアーの太さが各種各サイズのフライにちょうどほど良いかんじなので、
使い勝手はすこぶる良いです。

24、額中央の金毛 sold out
スキン前面には8番サイズ中心に最小10番サイズまで巻けるヘアーが密集、
そしてスキン後方に向かうにしたがって、
ヘアーが徐々に長くなっている、
中型サイズから特大サイズまで幅広くつかえる金毛が生えているスキンです。
ヘアーの太さも絶妙で、
カディス系ダウンウイング、
ウルフ系アップライトウイング、
マシュマロ・ビートル系スペント、
さらにはストリーマーまで、
さまざまなフライが自在に巻けます。
また、
金色の発色が鮮明で毛先がキレイに揃ったヘアーがビシッと生えているので、
疎らにみられる毛先の欠損が、
フライに巻いてしまえばあまり気にならない部位でもあります。

25、左耳周辺の金毛 sold out
金色の鮮やかな発色、
ヘアーの太くなく細くなく絶妙に使いやすい質感、
耳の部位の繊細な金黒の細いヘアー、
どれをとっても巻きやすく使いやすく、
またどのようなタイプのフライにも最適な金毛ヘアーが密集していますが、
なんとも残念ながら、
毛先の欠損が目立ちます。
ただ、
これくらいの欠損なら、
多少の見映えが気にならなければ、
フライとして十二分にバッチリ使えます。
まずはヒグマの金毛でアレコレ巻きまくって、
そして実際に使いまくって釣りまくってみたい、
と思われる方にはすごくおススメ。
カディス系のダウンウイングや、
マシュマロ・ビートル系スペントウイングなど、
とくにすばらしく最適です。
また、
スキン後方には毛先のビタッとそろった長めヘアーの美しい金毛もかなりたくさん生えていますので、
ストリーマーや大型ウェットフライなどのウイングがばっちり美しく巻けます。

26、右耳周辺の金毛 sold out
コチラも25番とまったくおなじです。
とにかく、
どんどんガンガン金毛を使って、
その効果や魅力を実感してみたい方におススメ。

27、左頬周辺の金毛 sold out
残念ながら、
金毛のガードヘアー先端はほぼ擦り切れたように欠損しています。
しかし、
鮮明な金毛ガードヘアーとともに、
真っ黒に見えるけど光にかざすと濃淡のダン色に変化するアンダーファーが濃密で、
ヒグマのヘアーの透過光マジックを堪能するには素晴らしいヘアーが生えているスキン。
モンカゲやセミなどの大型サイズから、
12~14番サイズのアトラクター的スペント・パターン各種、
さらには繊細な16番以下のマッチ・ザ・ハッチ系各種のスペント・ウイングなど、
各種各サイズを問わず、
スペント・ウイングなフライにつかうと最高。
そしてさらに、
金毛のガードヘアーにソフト感があるので、
ガードヘアーごとアンダーファーをグチャグチャに丸めてほぐして、
北海スパイダーやテレストリアル系などのファジーなダビング・ボディに巻くと、
ダークな色調のモジャモジャから金色がチラチラとシャープに煌めいて素晴らしいファジー・ボディが巻けます。

28、右頬周辺の金毛 sold out
27番とまったくおなじ、
スペント・ウイング系の各種各サイズ、
あるいはファジーなモジャモジャ・ダビングボディなどに最適のヘアーがびっしり生えているスキン。
しかも特盛大判サイズ。
というのは、
いつもは毛先が欠損していてつかえない、
頬の部位の端っこの金毛が珍しくキレイに揃っていたので、
その部分も含めて一枚のスキンに切り分けました。
この部位でアンダーファーが濃密なまま、
ソフトで細い金色のガードヘアーが美しく生え揃っているのは非常に珍しいです。
金毛をアンダーファーごと巻き止めてウイングにしたストリーマーのウイングや、
大型サイズのマシュマロ・ビートル系スペント・ウイングなどに素晴らしいです。
以上、
合計28点の一点もの、
一期一会となる金毛スキンのラインナップとなります。
ご注文の際には、
お名前と送り先を明記のうえ、
bizen-m@olive.plala.or.jp まで、
ご注文お待ちしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
さて、
前回記事にてとりあげたツキノワグマのアンダーファーをつかったタイイング入門編につづいて、
今回はヒグマの金毛いってみます。
あの魅惑の金毛をいかにしてドライフライのウイング材に活用するか、
についての私的タイイング入門編をご紹介してみようとおもいます。

まずはなんといってもこのフライ。
マシュマロ・エクステンション・ボディのうえに、
ヒグマの金毛を、
扇子のような半円状にブワッと拡げてデルタ・ウイング状に巻き止めた、
ハルゼミや大型のビートル類を意識して巻いたテレストリアル系マキシ・サイズ4番。
大型サイズのアトラクター的ドライフライとしても、
シーズンを問わずフル活躍している、
もはや定番中の定番の必殺中の必殺。

この、
ブワッと金毛ウイングが拡がっているところが最大のキモ。
そんな、
ブワッと拡げた金毛をヒタヒタ~ッと水面膜に浸らせて、
ビタ~ッと水面にはりつかせて、
ビカビカと陽の光を乱反射しながら透過させてこそ、
ヒグマの金毛ならではの魔力的効果をいかんなく発揮させることができる。
と、
身に染みて理解してからというもの、
金毛をつかったドライフライは、
この硬い毛をいかにしてブワッと拡げて巻き止めるか、
というところに腐心しております。
たとえばエルクへアやディアヘアなどの鹿毛とおなじように、
ヒグマの金毛を束状にまとめて単純に巻き止めてしまうと、
スレッドで縛られた硬質な毛が棒のようにまとまってしまう。
それだと、
金毛の透過光マジックも、
浮力やフライのバランスといった機能的にも、
さらにフライの見映え的にも、
せっかくの金毛が活かしきれない。
ヒグマの金毛だけではなく、
カーフテイルやポーラーベアなどもそうだけど、
鹿毛のように、
スレッドで巻き止めると毛が圧縮される中空構造ではない獣毛素材は、
ここが最大の難関。
では、
そんなヒグマの金毛を、
ドライフライのウイング材として、
どのように巻いているのか?
ワタシはこんなアプローチで巻いてますよ。
ってところが今回のテーマでございます。
またもやクドクドクドクド長いです。
いつものごとく、
延々スクロールよろしくお願いいたします。
で、
長いついでに、
いきなり冒頭から話しは横道にそれて、
まずは私的マシュマロ・ビートルに関する私見も少々、
っていうかクドクドクドクド言わせてください。

この金毛ウイングの、
エゾハルゼミ型マシュマロ・シケイダ・サイズ6番のアンダーボディにご注目を。
コレは、
オレンジのエアロドライウイングのヤーンをドサッと一束に、
オレンジのオストリッチ・ハール数本を絡めて、
グルグルッと捩じり巻きしたスタイル。
吸水ししてテカッと艶っぽくなったエアロドライのヤーンのうえに、
濡れたオストリッチがフワフワまとわりつくと、
ホンモノのハルゼミのお腹の、
ジューシーなかんじで透けているような質感に酷似している。
とても生命感があってリアル。
アピール度数もきわめて高めのようで、
とくにセミの流下時期のシーズン初期のころ、
まだウブなマスたちが浮かれて我を忘れてガッポンガッポンやっているときなど、
水面に浮いてブルブル翅を震わせているホンモノをさしおいて、
すぐ横で浮かんでいるこのニセモノに、
迷いなくバッコーンと出たことも何度かあった。
な・ん・だ・け・ど、
このエアロ&オストリッチ・ボディの急所というか泣き所、
ぶっちゃけ欠点は、
決定的に水切れが悪く、
フライが水分を保持してしまって、
このボディが水をたっぷり吸うと、
フライが途端にドンと重くなるところ。
そうなると、
フォルスキャストの際にカックンカックンして、
ものすご~く投げにくくなる。
とはいえ、
空気抵抗絶大の巨大なドライ・マドラーとか、
マグナム弾のようなフォーム製フライなどなどを、
しかるべきヘビーなタックルにモノをいわせて、
勇ましく投げまくっているビッグサイズ・ドライフライ侍の猛者な方々からすれば、
こんなのぜんぜん余裕じゃん、
というレベルではあるんだけど……、
ショートロッド・ライトタックル中毒なワタシとしては、
6~7フィート前後の5番程度の軽くて短い竿で、
もっともっと軽快に投げたい ←ココ重要。
そして本来、
大型サイズに巻くマシュマロ・エクステンションの真骨頂のひとつは、
ヴォリュームのあるフットボール型フォルムでありながら、
つかう素材とフライの構造上、
フライを軽く仕上げることができるところ。
そのうえさらに、
フライのフォルムや構造にムリが一切なく、
質量のおおきなフライを軽く仕上げても、
キャスト時の空気抵抗バランスも秀逸ってところ。
なので、
「こ~んなにでっかくてボテッとしたヴォリューム満点フライなのに、投げるのがものすご~く快適」
という痛快なところこそが、
マシュマロ・エクステンションの醍醐味。
なので、
さっきのエアロ&オストリッチ・ボディの造作は、
リアルさを求めた見た目的にはすばらしく満足。
そして、
どうやらマスたちにもすこぶる好評の様子。
なんだけど、
フライの機能や使い勝手としては……う~ん……惜しい……、
ってところ……かも?

私的マシュマロ・ビートルに関しては、
とくにアンダーボディにつかう素材について、
このように失敗というかアイディア倒れは数知れず。
アレやコレや、
セミとかカナブンのどてっぱら表現の試行錯誤いとおかし。
失敗したからこその学びがまた得るもの多く。
そんなわけで今回は、
あくまでもヒグマの金毛ウイングをいかにして巻き止めるか、
を主題にしつつも、
マシュマロ・ビートルなど大型テレストリアル系につかっているアンダーボディについても、
いくつかの作例をご紹介。
この二本立てでいってみたいとおもいます。
またさらに、
マシュマロ・パターンのような、
効果保証済みのお馴染みのスタンダード・パターン…(もはやそのようにカテゴリー分けしたいニッポン発スタンダード)…
に、
ヒグマの金毛をどのように組み合わせるか、
という応用と合わせ技のアレンジもまた、
見どころになろうかとおもいます。
なんて、
小難しいこと言ってるけど、
タネがわかれば簡単簡潔単純、
ってところもおおきなミソ。
ああ…前置き長いなクドいなオレって……、
さあ、
それでは……、
1、レッドタグ・マシュマロビートル・ハネオチ金翅 TMC9300 8番を巻いてみる。

まずは、
ワックスを充分に塗布したスレッドで、
シャンク全体にしっかり下巻きを施しておくのは、
丈夫なフライ作りの基礎。
いわばこの作業はフライの土台作りです。
で、
そのあと紅色か橙色のウール(エッグヤーンも最適)をかるく一束、
タグとしてシャンクにしっかり巻き止めて……、
ちなみに、
この部分にフロータントを擦り込んでおくと、
ウール素材がフロータントをしっかり保持するので、
フライがポカッと水平姿勢で浮く高浮力バランスに貢献。
また逆に、
この部分を濡れた指で良く揉んでおくと、
ウール素材がベチャッと水分を含むので、
フライのアンダーボディがかるく半沈みな溺れ姿勢バランスを保持。
水面膜のうえに乗るように浮かせることも、
水面膜に浸るように浮かせることも、
自在にコントロールできる、
というわけ。
つまり、
このタグ部分はアピール力に期待したアクセントなだけではなく、
フライの水面でのバランス調整としても便利なパーツとなる。
そしてさらにいうと、
マシュマロ・ヤーンの絡み防止にも役立つことになる。

ピーコックハールを数本、
ボディ末端に巻き止めたところ。
ここでつかっているピーコックハールは、
特大ストリーマーのトッピング用として、
ひょろ長いピーコックハールを紐で結わえて、
ひとパックにぎっちりパックされて安価で売られているやつ。
イワシやサバを模した、
どでかいデシーバーなんかの背中にはピッタリ素材だけど、
本来、
ドライフライには向いていない貧弱で微細な毛羽立ちの貧祖なピーコックハールの束。
だがしかし、
大型サイズなマシュマロ・ビートルのボディにピーコックハールを巻くなら、
もう断然コレがおススメ。
単純にハールの長さが充分あるので、
以下のタイイング手順に見るように、
捩じりたおしてボディに巻いても、
フックシャンクに余裕でいっぱい巻けるから。

もちろんここで、
いつものようにワックスべたべたのスレッドにハールを捩じりつけて、

ヒゲナガのラーバのボディを巻いたときのように、
捩じったハールをさらに二つ折りにして、
シャンク後方に巻き止めて……、
巻き止めたらギリリーッと捩じって……、

ボディに巻くと、
フリューが微細で細くて輝きも貧相だったヒョロ長いピーコックハールが、
捩じられ折り曲げられてまた捩じられて……、
全長がどんどん短くなりつつ、
フリューが強制的にビンビン立ちあげられて、
なんだかとってもキラキラ反射してるかんじ。
さらに、
こうして巻くとフリューが短いのが逆にメリットにもなり、
ボディに甲虫類の体節のような、
リアルなデコボコまで表現できる。
そしてこのように巻くことで、
濡れてもピーコックハールが萎むのではなく、
甲虫類のボディのようなゴロッと太いボディと体節が維持される。

そんな捩じりピーコックハールをボディ前方まで巻き進めて、
しっかり巻き止めたら、

ピーコックハールの余りをすべてカットして、
スレッドを巻き重ねるのではなく、
余りをボディの太さほど残した状態で巻き止めて、
爪先で余りの部分をボディに押し込む。
すると、
ボディ前端がこのようなスッキリ絶壁、
みたいな形状になる ←ここコツです。

マシュマロ・ヤーンのボディ末端の結び留め方などは、
詳解した記事動画などたくさんあるので割愛します。
お好みの手慣れた方法で処理していただいて……、
マシュマロ・ヤーンをボディ前端に巻き止めたら、
それを爪先でボディに押しつける。
すると、
絶壁状態のボディ前端にギュッと圧縮されたヤーンがフワッと拡がって、
マシュマロ・ヤーンがこのような甲虫類の上翅のようなフットボール形状に膨らむ。

そんなボディを下側から見てみると、
ボディ全体をヤーンで包むように巻いているのではなく、
ボディの上半分をヤーンで覆った甲羅のような体裁。
甲虫類の上翅のようなフォルムに巻いている。
ピーコックハールのボディを水面にベタッと浸らせたい。

で、
つぎはヘッド部の作例。
マシュマロ・ヤーンの余りの根元に密にスレッドを巻いて、
いったんこのように垂直に立てておいて、
スレッドをやや前方に移動して……、

マシュマロ・ヤーンをクイッとたるませて、
ちいさなコブをつくって巻き止めて、
さらにそこからヤーンをフックのアイ直前まで巻き込んで……、

そしてヤーンを写真のように二股にわけて、
それをコブの後方にたるませつつ巻き止めて……、

こんなかんじに、
フライの両サイドにしっかり巻き止めたら……、

ここでもヤーンの余りを根元からカットするのではなく、
このようにかなり残した状態でカット。
この余りのヤーンが、
マシュマロ・ボディを両側から押さえつけつつ支えることになり、
濡れて萎んだボディのヴォリューム保持、
さらにマシュマロ・ヤーンの絡み防止の役目を果たす。

ボディとヘッドの繋ぎ目となるくぼみに、
お好みのハックルを巻き止めて……、

1~2回転ほどハックリング。
ここでつかったのは、
コック・デ・レオンのダイド・ブラックのサドルハックル。
大型サイズなテレストリアルの「もがく太い脚」を表現するハックルとして、
このブラックを筆頭に、
各色に染めたレオンのサドル・ハックルがものすごく気に入ってる。
染めることでマットな質感になり、
そのぶんハックルの存在感が増しており、
テレストリアルの脚っぽい印象を増していて、
さらに染めたぶん、
ハックルが重くなるというか、
そしてまた、
より水絡みが良くなるというか、
ヒタヒタ~ッと水面に浸って、
超ロングなレオン特有のファイバーが、
デレデレッと水面で揺れる動きが強調されてるかんじ。

そしてここからいよいよ本題。
ヒグマの金毛をウイングとして巻き止める作業になります。
まずはハックルを巻き止めたボディのくびれのところに、
金毛を一束ドサッとダウンウイング状に巻き止めただけの状態。

しつこいようですが、
滑り止めと強固な巻き止めのために、
ワックスをしっかり塗布したスレッドでウイングをがっちり巻き止めたら、
この金毛を巻き止めた部分を、
うえから爪でギュッと圧縮するように押す ←この作業とても重要。
すると、
シャンクのうえで一束にまとまっていた毛が、
ジワッと左右均等にバラけていく。
硬い毛を思惑通りに巻き止めるには、
巻き止めた位置、
つまり毛の根元部分の処理が最重要 ←ココ大事です~。
で、
そうしたら、
こんどは毛の先のほうをつまんで、
さらに左右に毛を拡げる。

ウイングを左右に拡げたら、
余りの毛をカットするのではなく、
写真のように、
毛の余りをウイング方向に折り返して、
そしてしっかり巻き止める。
もちろんここで余りの部分が長すぎたら余分をカットするけど、
大体目安として、
余りの毛をボディよりもやや短いくらいの長さに残してカット。

余った毛を折り返して巻き止めた部分をアップで見ると、
このようなかんじ。
左右にブワッと拡げた金毛の中央真ん中に、
余りの毛がドサッと折り曲げられて巻き止められている。
こうして処理しておくと、
ブワッと拡げた金毛が濡れて、
束状にまとまろうとするのを防いで、
ウイングが拡がった状態を維持してくれる。
だけではなく、
硬い毛でボディを上から抑え込むことになるので、
マシュマロ・ヤーンの絡み防止の役目も果たす。
つまり、
我が私的マシュマロ・ビートル金毛ヴァージョンは、
フライの上からも横からも、
そしてオケツの部分でも、
マシュマロ・エクステンションをしっかり支えている、
というわけです。
大型のマシュマロ・フライのばあいとくに、
酷使すればするほどに、
マシュマロ・ヤーンがフックに絡みがちなんだけど、
こうして巻くと、
あのイライラがかなり軽減されて使い勝手ものすごく良いです。
さらに、
こうして余りの毛を折り返して巻き止めることで、
このあとその部分に巻き止めることになる、
インジケーター兼バランサーの役目を果たすエゾジカの毛を、
一点集中でがっちり巻き止めるための強固な土台にもなる。

で、
エゾジカの毛各種を……、

いつものカディスのダウンウイング状に、
フライの上部中央に一点集中で巻き止める。
ここでコツ。
このパーツはウイングというよりも、
あくまでもインジケーター。
でもあるけど、
フライの空気抵抗バランス向上のためのバランサーの役目のパーツ。
なので、
あまり長くする必要はなく、
写真のようにボディと同じ長さくらい、
もしくは金毛の半分くらいの短さで充分。
というよりも、
あまり長く巻き止めると、
フライのサイズが大きいと使用中に毛がバラけて、
かえって視認性が悪くなりがち。
で、
巻き止めたあと、
エルクヘアカディスのように毛の余りを少し残して余りをカット。

そして、
フライの下側のスレッドが剥き出しになっているところを、
お好みの色のマーカーで着色して……、

完成。

上から見るとこんなかんじ。
ヘッドの目玉ちっくな造作が、
なんていうかいかにもバタ臭くひょうきんな表情でかわいらしく、
マシュマロ・フライの雰囲気やテイストによく合っていてすごく気に入ってんの。
この目ん玉、
我が私的マシュマロ・ビートル群のトレードマークになってま~す。
さ、
それじゃ次いくよ~。
2、アンダーボディのハルゼミ的ヴァリエイション作例 を巻いてみる。

橙色と焦げ茶色のオストリッチ・ハールをドサッと束にして、
それをそのまま一緒くたにスレッドによじってねじって……、

さっきのとおなじようにボディに巻いて、
そして巻き止めて……、
ピーコックハール同様にオストリッチ・ハールもまた、
このように捩じって折り曲げてさらに捩じってボディに巻くと、
濡れて萎んでもソレ風な極太フォルムが維持されるという作例。
そしてなにより、
オストリッチ・ハールのみのボディだと水を吸っても軽い、
というところもポイント高め。

で、
おなじようにヘッドやウイングやインジケなど巻いて、
ハックルのかわりに、
ヘッドとボディのくびれのところに、
ラバーレッグを巻き止めたゴム脚ビラビラ・ヴァージョン。
このように、
キュッとくびれた部分にゴムを巻き止めておくと、
ラバーレッグがボディとヘッドの凹凸に支えられて流水抵抗に負けることなく、
ラバーの揺れ動きがさらに強調されますよ、
という作例。
そしてもういっちょ。
3、ちょっぴり小粒なカメムシ風ヴァージョン・スパイシー添え も巻いてみる。

つかったフックはTMC9300 10番。
タグの部分にはチャートリュースのアイスダブとかアントロンなど、
キラメキ系の化学繊維を一束巻き止めて、
アンダーボディはここではナチュラルのオストリッチ。
そして、
オーバーボディのマシュマロ・ヤーンは明るいタン色。

で、
さっきのとまったく同じ手順で巻きあげて完成。
ハックルは短めファイバーのコック・デ・レオンのパルドなマダラ模様。
普通のコックハックルのバジャー系なんかもピッタリ。
カメムシといいながら、
とくにそれだけを意識しているわけでは全然なくて、
アトラクター系のサーチング・パターンとして、
このサイズに巻いた、
このような淡い色調のやつ、
当地オホーツクではなかなかの当たりフライになってます。
甲虫類を意識した暗色系ばかりではなく、
こんなかんじの明るい色合いのヴァージョンも、
ぜひぜひ試してみてください、
という作例。
そしてさらにダメ押し、
金毛にちょいイタズラしちゃうヴァリエイションも巻くよ~。
4、羽化しかけの金翅ヒゲナガひょうきんフェイス作例 を巻いてみた。

フックはいつものお馴染みの愛用のTMC9300 8番。
まずは何度も何度もしつこいけどワックス塗布スレッドで下巻きののち、
ここでは黒と焦げ茶を混ぜたエアロドライをかるく一束巻き止めて……、

それを折り返して、
このような菱形フォルムにカット。
ヤーンを折り返して巻き止めたのは、
マシュマロヤーンを巻き止める位置に凹凸をつけて、
ヤーンをしっかり巻き止めつつ、
かるく膨らませるための土台作り。

グレイ色のマシュマロ・ヤーンを、
こんどは下地の黒焦げ茶ヤーンを包み込むようにして、
ボディ末端にエクステンドさせて巻き止める。
このボディが濡れると、
オーバーボディの下から黒焦げ茶ヤーンが透け見えるというかチラ見えする。
これが、
ヒゲナガのピューパのウイング・パッド風なアクセントになる。

そしてまたもや、
グレイ色のヤーンの余りを折り返して、
スレッドでギュッとテンションをかけながらしっかり巻き止める。
すると、
余りのヤーンがかるくフワッとフレアするように、
ボディ前端で拡がる。

で、
さらにまたもや、
余りは根元からカットするのではなく、
写真のようにボディにあわせて斜めに刈り込む。
これが、
紡錘形ボディのフォルムを維持する役目も果たし、
かつ、
ヤーンボディの絡み防止にも役立つ。
また、
ヤーンを巻き止めた位置に、
不自然な段差がないことにもご注目を。

そして、
マシュマロ・ヤーンを巻き止めた段差のところに、
レオンのサドルを2~3回転。
フックシャンク中央にハックルの位置があるところもミソ。
エクステンドさせたボディのばあい、
この位置にハックルがあると、
バランスも動きも良くなるようにおもう。
で、
いつものように、
当ブログではもはやぜったいに欠かせない、
ヒグマやエゾジカとともに道産素材御三家のひとつ、
エゾリスのファーをマルチグルー塗布済みのスレッドに貼りつけて……、

スレッドで挟んだのちに、
ファーの余りをカットして……、

ダビングをやりやすく、
またガードヘアーがキレイにそろった状態に巻くため、
さらにこのあとの作業をやりやすくするために、
いったんファーをベチャッと濡らして指で撫でつけて一方方向にむけておいて……、

ソラックス部分をこのようにダビング。
このようにダビングすると、
エゾリスのファーやガードヘアーが、
レオンのファイバーのあいだに挟まるように生えているので、
濡れたレオンのファイバーが束状になるのを防いで、
常にパラッとファイバーが拡がった状態を維持することもできる。
そしてなにより、
しとどに濡れてユラユラヌメヌメと、
ハックルやボディにしなだれかかるエゾリスのファーの生命感。
これがまたなんともいえずリアルでムシっぽい。

そしていよいよ、
ヒグマの金毛の巻き止め方パート2作例。
ちなみにこの方法は、
こうしたタイプのフライだけではなく、
カディス・スタイルなダウンウイングを巻き止めるのにも有効。
こんどは、
さっきまでの方法とは逆に、
余りのほうをボディ後方に向けて、
ヘアーを一束巻き止めている。
で、
ソラックスをダビングした位置からフックのアイ直後まで、
密にスレッドを巻きすすめて毛を巻き止めたら……、

金毛を左右均等に二股に分けて、
フライの両サイドにクルッと折り返して、
毛をフライ後方に向けるわけだが、
このとき写真のように、
ヘッドのところで金毛をチョイ弛ませるように巻き止めて、
ヘッドに玉状のちいさな突起を作っておく。

上方向から見るとこんなかんじ。
フライの背面上部中央には、
余りの毛がソラックス付近までの長さで巻き止められており、
それを挟むようにして、
その両側に折り返したウイングが巻き止められている。

フライの背面上部中央に短い余りの毛があることで、
両サイドの金毛ウイングが半円状にブワッと拡がって巻き止められている。
そして、
ウイングの金毛を折り返すついでに作っておいた、
玉状の毛のたるみのところの根元に、
スレッドを2~3回転ほど巻いて……、

こんなかんじでヘッド付近を巻いたらば……、

玉状の毛のところを黒いマーカーで塗っちゃって、
そしてインジケ兼バランサーのエゾジカの毛を巻き止めて……、
「金色にキラッキラ透過する翅をバタつかせて水面でもがきまくる羽化途上のヒゲナガくっきりキュートな瞳が印象的」スタイル、
の完成。
かつて大昔、
マシュマロ・エクステンション考案者であらせられる我らが島崎憲司郎さんが雑誌の記事にて、
…ヒゲナガのピューパって意外なほど目玉が印象的…とおっしゃっておられたことがあった。
その当時、
水生昆虫が好きでフライやってんのか、
釣りが好きでフライやってんのか、
どっちなんや?
という心境で釣りそっちのけでムシばっか観察していたシロート丸出しのうら若き自分は、
この見解にもうムチャクチャ心底がってんがってん納得して、
むやみやたらと感動したのだった。
そして三つ子の魂百までも。

こんな初老のオッサンになってまでも、
こんなの巻いて無邪気にキャッキャとよろこんでま~す。
というのはさておき、
エルクヘアカディスのヘッドに代表されるように、
こうしたカディス系フライのヘッドのところに、
自然なカタチでなんらかの突起物があると、
それだけで一気にムシっぽく見えてしまうフライタイイング・マジック。
これ、
とても大事におもってます。
さて、
ヒグマの金毛をドライフライにフル活用するための入門編は、
ひとまず以上です。
長々お付き合いありがとうございます。
また折に触れ、
いろんなヒグマ金毛フライ・タイイングのアレコレをご紹介させてください。
前回記事にてとりあげたツキノワグマのアンダーファーをつかったタイイング入門編につづいて、
今回はヒグマの金毛いってみます。
あの魅惑の金毛をいかにしてドライフライのウイング材に活用するか、
についての私的タイイング入門編をご紹介してみようとおもいます。

まずはなんといってもこのフライ。
マシュマロ・エクステンション・ボディのうえに、
ヒグマの金毛を、
扇子のような半円状にブワッと拡げてデルタ・ウイング状に巻き止めた、
ハルゼミや大型のビートル類を意識して巻いたテレストリアル系マキシ・サイズ4番。
大型サイズのアトラクター的ドライフライとしても、
シーズンを問わずフル活躍している、
もはや定番中の定番の必殺中の必殺。

この、
ブワッと金毛ウイングが拡がっているところが最大のキモ。
そんな、
ブワッと拡げた金毛をヒタヒタ~ッと水面膜に浸らせて、
ビタ~ッと水面にはりつかせて、
ビカビカと陽の光を乱反射しながら透過させてこそ、
ヒグマの金毛ならではの魔力的効果をいかんなく発揮させることができる。
と、
身に染みて理解してからというもの、
金毛をつかったドライフライは、
この硬い毛をいかにしてブワッと拡げて巻き止めるか、
というところに腐心しております。
たとえばエルクへアやディアヘアなどの鹿毛とおなじように、
ヒグマの金毛を束状にまとめて単純に巻き止めてしまうと、
スレッドで縛られた硬質な毛が棒のようにまとまってしまう。
それだと、
金毛の透過光マジックも、
浮力やフライのバランスといった機能的にも、
さらにフライの見映え的にも、
せっかくの金毛が活かしきれない。
ヒグマの金毛だけではなく、
カーフテイルやポーラーベアなどもそうだけど、
鹿毛のように、
スレッドで巻き止めると毛が圧縮される中空構造ではない獣毛素材は、
ここが最大の難関。
では、
そんなヒグマの金毛を、
ドライフライのウイング材として、
どのように巻いているのか?
ワタシはこんなアプローチで巻いてますよ。
ってところが今回のテーマでございます。
またもやクドクドクドクド長いです。
いつものごとく、
延々スクロールよろしくお願いいたします。
で、
長いついでに、
いきなり冒頭から話しは横道にそれて、
まずは私的マシュマロ・ビートルに関する私見も少々、
っていうかクドクドクドクド言わせてください。

この金毛ウイングの、
エゾハルゼミ型マシュマロ・シケイダ・サイズ6番のアンダーボディにご注目を。
コレは、
オレンジのエアロドライウイングのヤーンをドサッと一束に、
オレンジのオストリッチ・ハール数本を絡めて、
グルグルッと捩じり巻きしたスタイル。
吸水ししてテカッと艶っぽくなったエアロドライのヤーンのうえに、
濡れたオストリッチがフワフワまとわりつくと、
ホンモノのハルゼミのお腹の、
ジューシーなかんじで透けているような質感に酷似している。
とても生命感があってリアル。
アピール度数もきわめて高めのようで、
とくにセミの流下時期のシーズン初期のころ、
まだウブなマスたちが浮かれて我を忘れてガッポンガッポンやっているときなど、
水面に浮いてブルブル翅を震わせているホンモノをさしおいて、
すぐ横で浮かんでいるこのニセモノに、
迷いなくバッコーンと出たことも何度かあった。
な・ん・だ・け・ど、
このエアロ&オストリッチ・ボディの急所というか泣き所、
ぶっちゃけ欠点は、
決定的に水切れが悪く、
フライが水分を保持してしまって、
このボディが水をたっぷり吸うと、
フライが途端にドンと重くなるところ。
そうなると、
フォルスキャストの際にカックンカックンして、
ものすご~く投げにくくなる。
とはいえ、
空気抵抗絶大の巨大なドライ・マドラーとか、
マグナム弾のようなフォーム製フライなどなどを、
しかるべきヘビーなタックルにモノをいわせて、
勇ましく投げまくっているビッグサイズ・ドライフライ侍の猛者な方々からすれば、
こんなのぜんぜん余裕じゃん、
というレベルではあるんだけど……、
ショートロッド・ライトタックル中毒なワタシとしては、
6~7フィート前後の5番程度の軽くて短い竿で、
もっともっと軽快に投げたい ←ココ重要。
そして本来、
大型サイズに巻くマシュマロ・エクステンションの真骨頂のひとつは、
ヴォリュームのあるフットボール型フォルムでありながら、
つかう素材とフライの構造上、
フライを軽く仕上げることができるところ。
そのうえさらに、
フライのフォルムや構造にムリが一切なく、
質量のおおきなフライを軽く仕上げても、
キャスト時の空気抵抗バランスも秀逸ってところ。
なので、
「こ~んなにでっかくてボテッとしたヴォリューム満点フライなのに、投げるのがものすご~く快適」
という痛快なところこそが、
マシュマロ・エクステンションの醍醐味。
なので、
さっきのエアロ&オストリッチ・ボディの造作は、
リアルさを求めた見た目的にはすばらしく満足。
そして、
どうやらマスたちにもすこぶる好評の様子。
なんだけど、
フライの機能や使い勝手としては……う~ん……惜しい……、
ってところ……かも?

私的マシュマロ・ビートルに関しては、
とくにアンダーボディにつかう素材について、
このように失敗というかアイディア倒れは数知れず。
アレやコレや、
セミとかカナブンのどてっぱら表現の試行錯誤いとおかし。
失敗したからこその学びがまた得るもの多く。
そんなわけで今回は、
あくまでもヒグマの金毛ウイングをいかにして巻き止めるか、
を主題にしつつも、
マシュマロ・ビートルなど大型テレストリアル系につかっているアンダーボディについても、
いくつかの作例をご紹介。
この二本立てでいってみたいとおもいます。
またさらに、
マシュマロ・パターンのような、
効果保証済みのお馴染みのスタンダード・パターン…(もはやそのようにカテゴリー分けしたいニッポン発スタンダード)…
に、
ヒグマの金毛をどのように組み合わせるか、
という応用と合わせ技のアレンジもまた、
見どころになろうかとおもいます。
なんて、
小難しいこと言ってるけど、
タネがわかれば簡単簡潔単純、
ってところもおおきなミソ。
ああ…前置き長いなクドいなオレって……、
さあ、
それでは……、
1、レッドタグ・マシュマロビートル・ハネオチ金翅 TMC9300 8番を巻いてみる。

まずは、
ワックスを充分に塗布したスレッドで、
シャンク全体にしっかり下巻きを施しておくのは、
丈夫なフライ作りの基礎。
いわばこの作業はフライの土台作りです。
で、
そのあと紅色か橙色のウール(エッグヤーンも最適)をかるく一束、
タグとしてシャンクにしっかり巻き止めて……、
ちなみに、
この部分にフロータントを擦り込んでおくと、
ウール素材がフロータントをしっかり保持するので、
フライがポカッと水平姿勢で浮く高浮力バランスに貢献。
また逆に、
この部分を濡れた指で良く揉んでおくと、
ウール素材がベチャッと水分を含むので、
フライのアンダーボディがかるく半沈みな溺れ姿勢バランスを保持。
水面膜のうえに乗るように浮かせることも、
水面膜に浸るように浮かせることも、
自在にコントロールできる、
というわけ。
つまり、
このタグ部分はアピール力に期待したアクセントなだけではなく、
フライの水面でのバランス調整としても便利なパーツとなる。
そしてさらにいうと、
マシュマロ・ヤーンの絡み防止にも役立つことになる。

ピーコックハールを数本、
ボディ末端に巻き止めたところ。
ここでつかっているピーコックハールは、
特大ストリーマーのトッピング用として、
ひょろ長いピーコックハールを紐で結わえて、
ひとパックにぎっちりパックされて安価で売られているやつ。
イワシやサバを模した、
どでかいデシーバーなんかの背中にはピッタリ素材だけど、
本来、
ドライフライには向いていない貧弱で微細な毛羽立ちの貧祖なピーコックハールの束。
だがしかし、
大型サイズなマシュマロ・ビートルのボディにピーコックハールを巻くなら、
もう断然コレがおススメ。
単純にハールの長さが充分あるので、
以下のタイイング手順に見るように、
捩じりたおしてボディに巻いても、
フックシャンクに余裕でいっぱい巻けるから。

もちろんここで、
いつものようにワックスべたべたのスレッドにハールを捩じりつけて、

ヒゲナガのラーバのボディを巻いたときのように、
捩じったハールをさらに二つ折りにして、
シャンク後方に巻き止めて……、
巻き止めたらギリリーッと捩じって……、

ボディに巻くと、
フリューが微細で細くて輝きも貧相だったヒョロ長いピーコックハールが、
捩じられ折り曲げられてまた捩じられて……、
全長がどんどん短くなりつつ、
フリューが強制的にビンビン立ちあげられて、
なんだかとってもキラキラ反射してるかんじ。
さらに、
こうして巻くとフリューが短いのが逆にメリットにもなり、
ボディに甲虫類の体節のような、
リアルなデコボコまで表現できる。
そしてこのように巻くことで、
濡れてもピーコックハールが萎むのではなく、
甲虫類のボディのようなゴロッと太いボディと体節が維持される。

そんな捩じりピーコックハールをボディ前方まで巻き進めて、
しっかり巻き止めたら、

ピーコックハールの余りをすべてカットして、
スレッドを巻き重ねるのではなく、
余りをボディの太さほど残した状態で巻き止めて、
爪先で余りの部分をボディに押し込む。
すると、
ボディ前端がこのようなスッキリ絶壁、
みたいな形状になる ←ここコツです。

マシュマロ・ヤーンのボディ末端の結び留め方などは、
詳解した記事動画などたくさんあるので割愛します。
お好みの手慣れた方法で処理していただいて……、
マシュマロ・ヤーンをボディ前端に巻き止めたら、
それを爪先でボディに押しつける。
すると、
絶壁状態のボディ前端にギュッと圧縮されたヤーンがフワッと拡がって、
マシュマロ・ヤーンがこのような甲虫類の上翅のようなフットボール形状に膨らむ。

そんなボディを下側から見てみると、
ボディ全体をヤーンで包むように巻いているのではなく、
ボディの上半分をヤーンで覆った甲羅のような体裁。
甲虫類の上翅のようなフォルムに巻いている。
ピーコックハールのボディを水面にベタッと浸らせたい。

で、
つぎはヘッド部の作例。
マシュマロ・ヤーンの余りの根元に密にスレッドを巻いて、
いったんこのように垂直に立てておいて、
スレッドをやや前方に移動して……、

マシュマロ・ヤーンをクイッとたるませて、
ちいさなコブをつくって巻き止めて、
さらにそこからヤーンをフックのアイ直前まで巻き込んで……、

そしてヤーンを写真のように二股にわけて、
それをコブの後方にたるませつつ巻き止めて……、

こんなかんじに、
フライの両サイドにしっかり巻き止めたら……、

ここでもヤーンの余りを根元からカットするのではなく、
このようにかなり残した状態でカット。
この余りのヤーンが、
マシュマロ・ボディを両側から押さえつけつつ支えることになり、
濡れて萎んだボディのヴォリューム保持、
さらにマシュマロ・ヤーンの絡み防止の役目を果たす。

ボディとヘッドの繋ぎ目となるくぼみに、
お好みのハックルを巻き止めて……、

1~2回転ほどハックリング。
ここでつかったのは、
コック・デ・レオンのダイド・ブラックのサドルハックル。
大型サイズなテレストリアルの「もがく太い脚」を表現するハックルとして、
このブラックを筆頭に、
各色に染めたレオンのサドル・ハックルがものすごく気に入ってる。
染めることでマットな質感になり、
そのぶんハックルの存在感が増しており、
テレストリアルの脚っぽい印象を増していて、
さらに染めたぶん、
ハックルが重くなるというか、
そしてまた、
より水絡みが良くなるというか、
ヒタヒタ~ッと水面に浸って、
超ロングなレオン特有のファイバーが、
デレデレッと水面で揺れる動きが強調されてるかんじ。

そしてここからいよいよ本題。
ヒグマの金毛をウイングとして巻き止める作業になります。
まずはハックルを巻き止めたボディのくびれのところに、
金毛を一束ドサッとダウンウイング状に巻き止めただけの状態。

しつこいようですが、
滑り止めと強固な巻き止めのために、
ワックスをしっかり塗布したスレッドでウイングをがっちり巻き止めたら、
この金毛を巻き止めた部分を、
うえから爪でギュッと圧縮するように押す ←この作業とても重要。
すると、
シャンクのうえで一束にまとまっていた毛が、
ジワッと左右均等にバラけていく。
硬い毛を思惑通りに巻き止めるには、
巻き止めた位置、
つまり毛の根元部分の処理が最重要 ←ココ大事です~。
で、
そうしたら、
こんどは毛の先のほうをつまんで、
さらに左右に毛を拡げる。

ウイングを左右に拡げたら、
余りの毛をカットするのではなく、
写真のように、
毛の余りをウイング方向に折り返して、
そしてしっかり巻き止める。
もちろんここで余りの部分が長すぎたら余分をカットするけど、
大体目安として、
余りの毛をボディよりもやや短いくらいの長さに残してカット。

余った毛を折り返して巻き止めた部分をアップで見ると、
このようなかんじ。
左右にブワッと拡げた金毛の中央真ん中に、
余りの毛がドサッと折り曲げられて巻き止められている。
こうして処理しておくと、
ブワッと拡げた金毛が濡れて、
束状にまとまろうとするのを防いで、
ウイングが拡がった状態を維持してくれる。
だけではなく、
硬い毛でボディを上から抑え込むことになるので、
マシュマロ・ヤーンの絡み防止の役目も果たす。
つまり、
我が私的マシュマロ・ビートル金毛ヴァージョンは、
フライの上からも横からも、
そしてオケツの部分でも、
マシュマロ・エクステンションをしっかり支えている、
というわけです。
大型のマシュマロ・フライのばあいとくに、
酷使すればするほどに、
マシュマロ・ヤーンがフックに絡みがちなんだけど、
こうして巻くと、
あのイライラがかなり軽減されて使い勝手ものすごく良いです。
さらに、
こうして余りの毛を折り返して巻き止めることで、
このあとその部分に巻き止めることになる、
インジケーター兼バランサーの役目を果たすエゾジカの毛を、
一点集中でがっちり巻き止めるための強固な土台にもなる。

で、
エゾジカの毛各種を……、

いつものカディスのダウンウイング状に、
フライの上部中央に一点集中で巻き止める。
ここでコツ。
このパーツはウイングというよりも、
あくまでもインジケーター。
でもあるけど、
フライの空気抵抗バランス向上のためのバランサーの役目のパーツ。
なので、
あまり長くする必要はなく、
写真のようにボディと同じ長さくらい、
もしくは金毛の半分くらいの短さで充分。
というよりも、
あまり長く巻き止めると、
フライのサイズが大きいと使用中に毛がバラけて、
かえって視認性が悪くなりがち。
で、
巻き止めたあと、
エルクヘアカディスのように毛の余りを少し残して余りをカット。

そして、
フライの下側のスレッドが剥き出しになっているところを、
お好みの色のマーカーで着色して……、

完成。

上から見るとこんなかんじ。
ヘッドの目玉ちっくな造作が、
なんていうかいかにもバタ臭くひょうきんな表情でかわいらしく、
マシュマロ・フライの雰囲気やテイストによく合っていてすごく気に入ってんの。
この目ん玉、
我が私的マシュマロ・ビートル群のトレードマークになってま~す。
さ、
それじゃ次いくよ~。
2、アンダーボディのハルゼミ的ヴァリエイション作例 を巻いてみる。

橙色と焦げ茶色のオストリッチ・ハールをドサッと束にして、
それをそのまま一緒くたにスレッドによじってねじって……、

さっきのとおなじようにボディに巻いて、
そして巻き止めて……、
ピーコックハール同様にオストリッチ・ハールもまた、
このように捩じって折り曲げてさらに捩じってボディに巻くと、
濡れて萎んでもソレ風な極太フォルムが維持されるという作例。
そしてなにより、
オストリッチ・ハールのみのボディだと水を吸っても軽い、
というところもポイント高め。

で、
おなじようにヘッドやウイングやインジケなど巻いて、
ハックルのかわりに、
ヘッドとボディのくびれのところに、
ラバーレッグを巻き止めたゴム脚ビラビラ・ヴァージョン。
このように、
キュッとくびれた部分にゴムを巻き止めておくと、
ラバーレッグがボディとヘッドの凹凸に支えられて流水抵抗に負けることなく、
ラバーの揺れ動きがさらに強調されますよ、
という作例。
そしてもういっちょ。
3、ちょっぴり小粒なカメムシ風ヴァージョン・スパイシー添え も巻いてみる。

つかったフックはTMC9300 10番。
タグの部分にはチャートリュースのアイスダブとかアントロンなど、
キラメキ系の化学繊維を一束巻き止めて、
アンダーボディはここではナチュラルのオストリッチ。
そして、
オーバーボディのマシュマロ・ヤーンは明るいタン色。

で、
さっきのとまったく同じ手順で巻きあげて完成。
ハックルは短めファイバーのコック・デ・レオンのパルドなマダラ模様。
普通のコックハックルのバジャー系なんかもピッタリ。
カメムシといいながら、
とくにそれだけを意識しているわけでは全然なくて、
アトラクター系のサーチング・パターンとして、
このサイズに巻いた、
このような淡い色調のやつ、
当地オホーツクではなかなかの当たりフライになってます。
甲虫類を意識した暗色系ばかりではなく、
こんなかんじの明るい色合いのヴァージョンも、
ぜひぜひ試してみてください、
という作例。
そしてさらにダメ押し、
金毛にちょいイタズラしちゃうヴァリエイションも巻くよ~。
4、羽化しかけの金翅ヒゲナガひょうきんフェイス作例 を巻いてみた。

フックはいつものお馴染みの愛用のTMC9300 8番。
まずは何度も何度もしつこいけどワックス塗布スレッドで下巻きののち、
ここでは黒と焦げ茶を混ぜたエアロドライをかるく一束巻き止めて……、

それを折り返して、
このような菱形フォルムにカット。
ヤーンを折り返して巻き止めたのは、
マシュマロヤーンを巻き止める位置に凹凸をつけて、
ヤーンをしっかり巻き止めつつ、
かるく膨らませるための土台作り。

グレイ色のマシュマロ・ヤーンを、
こんどは下地の黒焦げ茶ヤーンを包み込むようにして、
ボディ末端にエクステンドさせて巻き止める。
このボディが濡れると、
オーバーボディの下から黒焦げ茶ヤーンが透け見えるというかチラ見えする。
これが、
ヒゲナガのピューパのウイング・パッド風なアクセントになる。

そしてまたもや、
グレイ色のヤーンの余りを折り返して、
スレッドでギュッとテンションをかけながらしっかり巻き止める。
すると、
余りのヤーンがかるくフワッとフレアするように、
ボディ前端で拡がる。

で、
さらにまたもや、
余りは根元からカットするのではなく、
写真のようにボディにあわせて斜めに刈り込む。
これが、
紡錘形ボディのフォルムを維持する役目も果たし、
かつ、
ヤーンボディの絡み防止にも役立つ。
また、
ヤーンを巻き止めた位置に、
不自然な段差がないことにもご注目を。

そして、
マシュマロ・ヤーンを巻き止めた段差のところに、
レオンのサドルを2~3回転。
フックシャンク中央にハックルの位置があるところもミソ。
エクステンドさせたボディのばあい、
この位置にハックルがあると、
バランスも動きも良くなるようにおもう。
で、
いつものように、
当ブログではもはやぜったいに欠かせない、
ヒグマやエゾジカとともに道産素材御三家のひとつ、
エゾリスのファーをマルチグルー塗布済みのスレッドに貼りつけて……、

スレッドで挟んだのちに、
ファーの余りをカットして……、

ダビングをやりやすく、
またガードヘアーがキレイにそろった状態に巻くため、
さらにこのあとの作業をやりやすくするために、
いったんファーをベチャッと濡らして指で撫でつけて一方方向にむけておいて……、

ソラックス部分をこのようにダビング。
このようにダビングすると、
エゾリスのファーやガードヘアーが、
レオンのファイバーのあいだに挟まるように生えているので、
濡れたレオンのファイバーが束状になるのを防いで、
常にパラッとファイバーが拡がった状態を維持することもできる。
そしてなにより、
しとどに濡れてユラユラヌメヌメと、
ハックルやボディにしなだれかかるエゾリスのファーの生命感。
これがまたなんともいえずリアルでムシっぽい。

そしていよいよ、
ヒグマの金毛の巻き止め方パート2作例。
ちなみにこの方法は、
こうしたタイプのフライだけではなく、
カディス・スタイルなダウンウイングを巻き止めるのにも有効。
こんどは、
さっきまでの方法とは逆に、
余りのほうをボディ後方に向けて、
ヘアーを一束巻き止めている。
で、
ソラックスをダビングした位置からフックのアイ直後まで、
密にスレッドを巻きすすめて毛を巻き止めたら……、

金毛を左右均等に二股に分けて、
フライの両サイドにクルッと折り返して、
毛をフライ後方に向けるわけだが、
このとき写真のように、
ヘッドのところで金毛をチョイ弛ませるように巻き止めて、
ヘッドに玉状のちいさな突起を作っておく。

上方向から見るとこんなかんじ。
フライの背面上部中央には、
余りの毛がソラックス付近までの長さで巻き止められており、
それを挟むようにして、
その両側に折り返したウイングが巻き止められている。

フライの背面上部中央に短い余りの毛があることで、
両サイドの金毛ウイングが半円状にブワッと拡がって巻き止められている。
そして、
ウイングの金毛を折り返すついでに作っておいた、
玉状の毛のたるみのところの根元に、
スレッドを2~3回転ほど巻いて……、

こんなかんじでヘッド付近を巻いたらば……、

玉状の毛のところを黒いマーカーで塗っちゃって、
そしてインジケ兼バランサーのエゾジカの毛を巻き止めて……、
「金色にキラッキラ透過する翅をバタつかせて水面でもがきまくる羽化途上のヒゲナガくっきりキュートな瞳が印象的」スタイル、
の完成。
かつて大昔、
マシュマロ・エクステンション考案者であらせられる我らが島崎憲司郎さんが雑誌の記事にて、
…ヒゲナガのピューパって意外なほど目玉が印象的…とおっしゃっておられたことがあった。
その当時、
水生昆虫が好きでフライやってんのか、
釣りが好きでフライやってんのか、
どっちなんや?
という心境で釣りそっちのけでムシばっか観察していたシロート丸出しのうら若き自分は、
この見解にもうムチャクチャ心底がってんがってん納得して、
むやみやたらと感動したのだった。
そして三つ子の魂百までも。

こんな初老のオッサンになってまでも、
こんなの巻いて無邪気にキャッキャとよろこんでま~す。
というのはさておき、
エルクヘアカディスのヘッドに代表されるように、
こうしたカディス系フライのヘッドのところに、
自然なカタチでなんらかの突起物があると、
それだけで一気にムシっぽく見えてしまうフライタイイング・マジック。
これ、
とても大事におもってます。
さて、
ヒグマの金毛をドライフライにフル活用するための入門編は、
ひとまず以上です。
長々お付き合いありがとうございます。
また折に触れ、
いろんなヒグマ金毛フライ・タイイングのアレコレをご紹介させてください。
せっかく久々のマテリアル販売の告知にもかかわらず、
まず最初にとても重い話題からお話しさせてください。
現在、
ヒグマもツキノワグマも併せて、
日々のニュースなどでは、
クマ関連の深刻な被害報告を見ない日はないくらいの異常な事態になっていますね。
痛ましい事故や被害を見聞するたび気持ちが暗くなり、
またその付近に暮らす方々の不安や恐怖、
そして損害などいかばかりかと、
その胸中をお察しするばかりです。
そしてもうひとつ、
そのような映像のなかのクマを見るたびに、
私感ながら思うことがあります。
いつも、
クマたちの姿を見るたびに、
ワタシはどうしてもその体毛が気になります。
そのうえで、
あえて下種な言い方をします。
大きな話題となったOSO18 を筆頭に、
ヒグマもツキノワグマも問わず、
今年になってテレビやインターネット画面で見た多数のクマたちのなかで、
「このクマの毛すばらしいな、美しいな、つかってみたいな」
とおもったクマは一頭もいません。
ワタシは、
フライの素材として最高の最上級のクマの毛がひたすら欲しいという手前勝手な欲望から、
ことヒグマの毛皮に関しては、
性別年齢季節場所を問わず、
もはや数えきれないほどの個体を実際に見て触ってきた自負があります。
これぞ最高!
という毛皮から、
逆に最悪のものまで、
さまざまな状態のものをたくさん見ています。
クマたちの毛の良し悪し、
そのクオリティばかり気にして見ています。
その視点で、
偉そうなことを言います。
どのクマたちも、
テレビの画面で一瞬見ただけでもよくわかる体毛の荒れ具合。
そしてそこからうかがえる芳しくない健康状態。
どの個体も洩れなく、
その体毛から彼らの荒んだ厳しい暮らしの様子がヒシヒシうかがえる。
この異常な事態、
一体全体なにが起こっているのでしょうか?
そしてなにより、
これから先どうなっていくのでしょうか?
不安です。
ほんとスイマセン、
実情など何もわかってないくせに、
安全なところからクッソ偉そうにわかったようなこと言ってしまって。
フライの素材として、
汲めども汲めどもまったく尽きることがない、
クマたちの毛の魅力と魔力に、
頭の先まで浸ってしまっている者として、
この異常事態への不安が、
ワタシの杞憂におわることを、
心の底から、
切に切に願っております。

そしてこのツキノワグマの毛皮が、
そんなワタシの知るかぎり、
文句なし最高!
とおもえた個体です。
今年の春、
ヒグマもしくはツキノワグマの黒毛を仕入れたくて、
数十頭の毛皮を選別させていただいたなかでも、
この一頭だけ光り輝いておりました。
たいへん幸運な出会いでした。
今回はこのツキノワグマの各部位のスキンを販売です。
が、
そのまえに、
このツキノワグマの毛を有効につかいまくるための参考として、
タイイング解説やフライ作例などなど、
ぜひとも、
アレコレねちゃこくみっちり解説させてください。
説明めちゃくちゃ長いよ~。
延々スクロールしまくらないと販売画面に到達しない勢いでございます。

まずは左が典型的なヒグマの黒柔毛スキン。
そして右がこのツキノワグマのスキン。
蛍光灯のわずかな光にさえ反射しているヒグマの透明感あふれる毛に対して、
このツキノワグマの毛はもっとマットなかんじ。
光に透かし見ると、
ウールのような薄ぼんやりした印象です。
そして決定的な違いは、
なんといっても毛の質感。
バリッとしたコシとハリが感じられる剛毛感のあるヒグマに対して、
このツキノワグマの質感もまたウールのようにソフトです。
そのくせ、
やはりクマの毛ならではのゴワッと粗い繊維質な印象。
では、
そんなツキノワグマの柔毛をどのように活用するかというと、
このツキノワグマの毛ならではの特性をもっとも引き出せるフライとして、
今シーズンを通して破竹の勢いで活躍してくれたのが、
ファジーなシンプル系カディス・スタイルのタイイング編

以前、
ヒグマの黒柔毛のタイイング作例でも紹介したモジャモジャ・ボディのカディス風の進化版となります。
まずは、
いつものようにアンダーファーをループダビングにて捩る。
このとき、
ヒグマの場合は硬いアンダーファーを揉んで処理してダビングしやすしていましたが、
このツキノワグマの毛のばあいは非常にソフトなので処理の必要はなく、
スキンからファーを切り出したら、
そのまま軽く揉んでストレートなファーをクシャクシャにしただけで、
簡単にダビングできます。
コツは、
ループしたスレッドをあまり捩じりすぎないで、
ファーがフワッとした状態でボディに巻くこと。

ここでは、
フックサイズTMC102Y 9番とやや大型サイズに巻いているので、
このツキノワグマの腹側に生えている、
長いファーが密集している部位の柔毛をダビングしています。
とはいえ、
9番サイズくらいまでなら、
他の部位のファーでも問題なくダビングできます。
ただ、
6番以上のサイズだと、
この部位のファーが扱いやすいです。

このように、
ダバダバにダビングしておいて……、

ボディ上部を、
ダビングブラシでガッサガサに擦って毛羽立たせる。
一方向にだけ擦るのではなく、
ガシガシとおもいきりブラシを左右に動かしつつボッサボサに。

いいだけ毛羽立たせたら、
こんどはそのファーを指先でつまんで、
後方になびかせて……、

ファーの後方を指先でつまんだまま、
まずはファー末端をハサミでスパッとカット。

ココ重要です。
ファー末端をカットしたら、
こんどはファーの上部を写真のように斜めにカット。
そのため、
あとでインジケ兼ウイングとなるエゾジカ・ヘアーを巻き止める位置のファーは、
写真のようにものすごく短くなりますが、
それがコツ。
この部分のファーを極力短くして、
そのうえにウイングを載せると、
水切れが良くなって浮力が増し、
またバランスも向上します。

つぎに、
ハックルというかレッグをハックリング。
つかうのは、
このツキノワグマの背中とお腹に生えている、
漆黒艶々のガードヘアー。
弾力性に富んでいるけれどバリッと硬く、
ヘアーの太さもまるで誂えたかのように絶妙。
そして先端が急テーパーで鋭く、
しかもスキンの状態から毛先がほぼ揃っている美しいガードヘアーが、
スキン全体にびっしり生えています。

このガードヘアーを、
根元のアンダーファーをほんの少量だけ残してヘアスタッカーに入れてヘアー先端を揃えると、
アンダーファーがちょうど良い位置にズレるので、
そこを写真のように、
マルチグルーを塗布したスレッドに貼りつけて……、

スレッドでしっかり挟んだのちに、
余りのヘアーをカットしたらギリギリ捩じりまくって……、

このように指先でヘアーを挟んだスレッドを押し付けるようにしながら、
ヘアーを片側に撫でつけておいて、

それをボディより心持ち前方にグルグルッとハックリング。

そのあと、
フライの下方向にあるヘアーをピンセットですべて抜き去りながら、
ハックルの量などを調節。
フライ下側にヘアハックルが残っていると、
キャスト時にフライが回転してしまうことがあるので注意。
なので、
ヘアハックルをやや多めにハックリングしておいて、
あとからこのように調整すると良い。
そしてこのあと、
エゾジカ・ヘアー各種でインジケーター兼ウイングを、
ボディよりも心持ち短めに巻き止めて……、

完成したフライを上から見ると、
このようなフォルム。
この、
ボッサボサに膨らんだボディ付け根から扇状に拡がるガードヘアハックルの存在感が、
いかにもテレストリアル各種の太い脚やヒゲナガのピューパやアダルトなどの脚を連想させてくれるところ、
たまらないものがあります。
またさらに、
水面でのバランサーにもおおいに役立ち、
かつ流水の抵抗をさらに増してドラッグヘッジの役目も果たしてくれるので、
フライの見た目も機能面からも、
このヘアハックルすごく気に入っています。

あっけないほど簡単にスピーディに、
あれよというまに巻けちゃうシンプル・フライです。
この9番サイズが、
今シーズンの地獄の酷暑の朝イチ、
大型のビートルなどに緩慢に反応している良型狙いの必殺として君臨。
そして左が、
ヘアハックルはオミットして、
その代わりにお好みのハックル素材をパラッとハックリングした、
TMC9300 16番に巻いた小型サイズ。
このツキノワグマのファーの醍醐味でもあり旨味でもあるのが、
そのソフトかつ細めの質感を活かして、
このような小型サイズに巻いてもきわめて巻きやすく、
効力を発揮してくれるところ。
今シーズン秋のシビアなライズ狙いの釣りでは、
ちいさなカメムシやビートル、
はたまたアワフキムシ、
さらにオナシカワゲラやアオヒゲナガトビケラなどにライズしているマスたちに、
このスタイルの16番と18番が、
様子見の万能型サーチングパターンとしても、
はたまた「ここぞ」の場面でも大活躍でした。
すっかりハマちゃって、
来シーズン盛期の山岳渓流で、
12番~14番前後のレギュラーサイズをつかってみるのが待ち遠しいところ。
で、
このフライが水面でどのような体制で浮くかというと……、

このように、
毛羽立たせたボディ全体がヒターッと水面膜に浸るように浮く。
しかも、
ここが重要なんだけど、
ファーが水面張力によってまとまりなくバラけてしまうのではなく、
かといってファーが束状にまとまって棒のようになるのでもなく、
ボディ全体がフットボール型になって、
なんだかものすごくムシっぽい生命感ムンムンの印象で、
ファーが絶妙にまとまって、
水面にベタッとはりついている。
で、
これを水面下から覗き見ると、

こんなかんじ。
おもわず、
銘針マシュマロ・エクステンションやイマージェント・カディスピューパなんかの浮き方を思い出してワクワク。
しかも、
フライが着水するたびに、
ボディ全体に微細な気泡がまとわりついてチラチラ反射しちゃってもう……。
そんなボディのジューシーかつボクシーなフォルムと、
硬質で存在感のあるヘアハックルのムシの脚的な見た目と印象もあいまって、
そりゃ~釣れるわけだわ、
みたいな……キャハ。
また、
このフライを紹介したちょいまえの記事でも力説しましたが、
フライが着水してボディが水面にはりつくと、
ファーが水分を含んでズシッと重量が増して、
それが並々ならないドラッグヘッジ効果をもたらしてくれるけど、
フライの構造上、
ピックアップしてフォルスキャスト一発で水気が弾け飛んでフライが軽くなるので、
キャスト時の負担も最低限、
快適です。
この機能性もとても重要。
そしてこれもまたこのツキノワグマの毛の特性で、
いったん水に馴染んだこのフライは、
フォルスキャストで水気が弾け飛んだ軽いフライが着水すると同時に、
またスッと水を含んで思惑通りに浮いてくれるところも特筆もの。

こうしてサカナの口許に刺さったフライを眺めてみると、
存外に印象的で目立つのは。
扇状に拡がった漆黒のガードヘアのヘアハックル。
マットな質感なので存在感はハンパない印象。
月の輪ヘアーウイング・ストリーマー編

そんなわけで、
このツキノワグマの黒毛ガードヘアーを、
ヒグマの金毛で挟んだ小型サイズ8番のクラウザーミノー作例。
ナチュラルなピュア天然の「キンクロ」のストリーマーとしても、
ヘアーのストレート加減や太さなどなどピッタリの素材。
そしてさらに、
月の輪ヘアーを活用したイマージャー&フローティングニンフ編

TMC212TR 15番に巻いた、
フタバコカゲロウやヒメヒラタカゲロウなど黄褐色の繊細な細身ボディ・フライのリビング材として、
このガードヘアーをリビングした作例。
リビングがグッと引き立って見える。
しかもすこぶる丈夫。

で、
ソラックス部分に、
このツキノワグマのアンダーファーをダビングしているところ。
このようなサイズの小型フライに、
繊細なダビングを施すことができるのも、
このツキノワグマのアンダーファーの特徴となります。

そしてソラックスをダビングしてハックリングして完成の、
ノーマルスタイルなパラシュート・フローティングニンフ。
ちなみにここで巻いたボディは、
フックの下地が透けないように色留めを施して、
白のスレッドにパントーン・マーカーのハニー色を着色している。
で、
右が素材はそっくりそのまま同じものをつかった、
ソフトハックル・スタイルなイマージャーTMC102Y 15番。
こうしてみると、
パラッと巻いたハックルがグリズリーのヘンハックルのようにも見えるけど……、
じつはコレ、
エゾリスの毛をアンダーファーをガードヘアーごとパラッとタッチダビングしただけ。
そうするとアラ快感。
エゾリスのガードヘアーがまるでハックルのように、
絶妙なパラけ具合で立ちあがるのだった。
しかも、
そのガードヘアーには夏毛や冬毛それぞれに、
様々な濃淡模様があって、
どれもソレっぽい色調なだけでなく、
ソフトで動きの良い絶妙な質感。
なので、
エゾリスのファーをつかった、
16番以下のサイズに巻いたこのテの繊細ソフトハックル系には、
いつのころからかハックル素材をほとんどつかわなくなってしまいました。
と、
ツキノワグマ・ファーのタイイングから、
話しがどんどん逸れていってるので軌道修正。
いっちょ、
このソフトハックルも巻いてみるっけ。

まずは、
下巻きを施しながら、
リビング材となるツキノワグマのガードヘアーを一本巻き止めつつ、
フックシャンクにフラットシルバーティンセルをシャンクいっぱい巻き込んでいく。
これがフック下地の色を透けさせない色止めの役目を果たす。

ウエイトの代わりに、
フック全体に下巻きをしたあと、
薄いゴールドワイヤをソラックス部分にグルグルッと巻いて……、
さらに、
ボディとしてスレッドを緩やかにテーパーかけつつ重ね巻きして……、

で、
ソラックスに巻いたワイヤーのうえに、
ツキノワグマのアンダーファーをごく少量、
フワッとルーズにダビング。
このとき、
ファーを絡めつけたスレッドをワイヤーにめり込ませるくらいの力加減でギュッとダビングするのがコツ。
すると、
ワイヤーに挟まったツキノワグマのアンダーファーがさらにボサッとなって、
かすかに下地のワイヤーがのぞき見えて、
つかえばつかうほど絶妙な生命感が醸し出される。

で、
ヘッド付近にハックルとしてエゾリスのファーを、
いつものようにタッチダビングして一回転~二回転。
そして完成。
と、
ここでようやく、
今回のツキノワグマ・スキン販売のご紹介になだれ込む予定でしたが、
も~調子にのってきたので、
もう一本、
お気に入りの小型イマージャーの万能型ユニバーサル・タイプもご紹介です。
このフライはこの秋からつかいはじめたので、
まだまだ日が浅いので、
あくまでもプロトタイプですが、
とくに水面直下もしくはそのやや下層を狙うサイトフィッシングにて、
すでにちょっとした必殺になってます。

フックはTMC9300 16番。
まずは金色の極細ワイヤーをフェザントテイル型に、
シャンク全体にビッシリ巻いて、
ボディ末端で巻き止めたら、

ツキノワグマのアンダーファーをスレッドに薄くダビングして、

ワイヤーのうえにラフにフワッとダビング。
ボディのところはリビング状に段巻きして、
下巻きにしたワイヤーもろ見え、
みたいな体裁で巻いて、
ソラックスの部分だけファーを厚巻き密にダビング。
このとき、
ファーごとスレッドをワイヤーにめり込ませるテンションで巻いておいて……、

さっきのファジー・カディスの要領で、
ソラックスを中心にフライ全体をブラシでガシガシ擦って毛羽立たせて、
ボッサボサのファーを指先で上方向に摘まんでおいて、

短めにハサミでバサッとカット。
これだけ。

陽の光に透かすと、
このような質感になる。
黒っぽく見えていたツキノワグマのファーが、
全体的にミディアムダン色基調に透ける。

そして濡れるとさらに色調と質感が変化。
ファーのまとわりついているボディは、
下地のゴールドワイヤーと調和して、
ダンダラ模様のグラデーションがかった濃いオリーヴ色に見える。
コカゲロウのニンフやイマージャーのような色調と質感。
そしてそんなボディから、
ダン色のケバケバがピンピン突き出ている、
という体裁。
フェザントテイル・ニンフやグレイグース・ニンフなどとおなじようにつかって、

シビアなライズ狙いにて、
さっきのファジー系モジャモジャ・カディス風の16番18番があまりに良かったのと併せて、
フェザントテイル・ニンフなど小型ニンフを駆使して、
良型のニジマスを狙い撃ちするサイトフィッシングがあまりにエキサイティングだったこの秋、
お戯れにこの月の輪ニンフをむりくり捏造してシャレでつかってみたところ……、
来シーズン盛期には、
このニンフを各サイズに巻いて真剣につかってみよかなとおもった作例です。
と、
このツキノワグマのフライについて、
ぜひ紹介したいパターンやトピックスなど、
まだいくつかあるのですが、
あとはまた追々ご紹介させていただくとして、
さあそれではいよいよ、
ツキノワグマ黒毛ファー各種販売のご案内です。
スキンの面積は、
いずれもだいたい最小サイズで7センチ×10センチ前後です。
ヘアーの量や状態によって不公平のないよう調整して各部位をカットしているので、
面積は一律ではない点どうぞお含みおきください。
スキンの大きさよりもヘアーの内容を重視しています。

1、身体後方の腹側ロング・ガードヘアー sold out
漆黒のガードヘアーは部位のなかでもっとも長くて細め。
またストレート気味のヘアーがびっしり生えています。
ヘアーの先端切れなどはまったくなくて美しいです。
中小型サイズのストリーマーのウイング素材にうってつけ。
アンダーファーはほかの部位と比較するとやや密度は薄め。
ですが、
ファーの全長は長くてソフト。
9番~18番サイズのみならず、
8番以上の特大サイズのドライフライにも対応できます。
ただ、
密度がやや薄いので、
がんがんつかうと減りが早いです。

2、身体後方の背中側ショート・ガードヘアー sold out
ガードヘアーは各部位のなかでもっとも短め。
といってもドライフライのハックル材としては充分すぎる全長です。
そして、
ガードヘアーの径は各部位のなかでもっとも太くて存在感満点。
9番以上の大型サイズのハックル材として最高。
アンダーファーの密度が濃いめ。
フライのサイズを問わず、
これならガンガンつかってもだいぶ巻けます。

3、身体前方の腹側ショート・ガードヘアーAAA sold out
最高。
ガードヘアーの長さはミディアム・レンジでストレート。
ヘアー先端欠損などほぼ見られず、
そればかりか先端がほどよくビシッと揃ってます。
ヘアー径は太からず細からず、
9番以下のドライフライのハックルにもつかえます。
小型ストリーマーのウイング材としてもイケてます。
そして肝心のアンダーファーの密度は各部位のなかでも厚めの濃いめ。
スキンのうえから触れるとミチッとしてます。
フライのサイズを問わず巻きまくれます。
ガンガンつかってもなかなか減らないかんじです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そしてここからは、
胸部から顔周辺のスキンのご案内になります。
いずれも一点モノのコレクターズ・アイテム。

4、左胸 月の輪マーク付き sold out
ガードヘアーの長さや太さ、
アンダーファーの質感や密度は、
2番と3番の混合といったかんじ。
どちらも使い勝手の良いヘアーがテンコ盛りぎっちり生えています。
そしてこの部位の最大の特徴は、
ツキノワグマのトレードマークでもある月の輪模様が、
ほんとに少しですが生えているところ。
この部位の色調は、
淡くピンクがかった人肌色の薄いアンダーファーに、
ほとんど透明無色の産毛のようなガードヘアーが生えています。
これをアンダーファーとガードヘアーともども、
指先で丸めてダビングしやすくして、
エゾリスのファー少々、
黄色とオリーブのシールスファー少々、
そして赤のシールズファーをほんとにごく少量(フライ一本につきファー繊維3本くらい)、
ブレンドして……あのタップス・インディスペンサブルのソラックスにダビングすると、
夢見心地のクラシック・テイストなタップスが巻けます。
マニアックにもほどがある部位。

5、右胸 月の輪マーク付き sold out
4番とまったくおなじです。
素晴らしいです。

6、左耳周辺のガードヘアー sold out
漆黒のガードヘアーがもっとも充実している部位。
1番2番3番すべてのガードヘアーがどっさり生えているほか、
耳周辺には未成熟の細くソフトなガードヘアーが生えていて、
12番以下の小型サイズなドライフライにもハックリングできます。
もちろん、
中小型サイズのストリーマーのウイングに向いたヘアーもどっさり生えています。
また、
ヘアーの状態もすこぶる良好、
先端切れなどほとんどないのがすごいです。
ただ、
アンダーファーはやや薄め。
なので、
1番2番3番のアンダーファーと併用するのをお勧めします。

7、右耳周辺のガードヘアー sold out
6番とまったく同じです。
ハイクオリティなガードヘアー各種各サイズがみっしりです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回は以上のラインナップになります。
ご注文の際には、
御希望の番号と、
お名前と送り先を明記のうえ、
bizen-m@olive.plala.or.jp
まで、
ご注文お待ちしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
まず最初にとても重い話題からお話しさせてください。
現在、
ヒグマもツキノワグマも併せて、
日々のニュースなどでは、
クマ関連の深刻な被害報告を見ない日はないくらいの異常な事態になっていますね。
痛ましい事故や被害を見聞するたび気持ちが暗くなり、
またその付近に暮らす方々の不安や恐怖、
そして損害などいかばかりかと、
その胸中をお察しするばかりです。
そしてもうひとつ、
そのような映像のなかのクマを見るたびに、
私感ながら思うことがあります。
いつも、
クマたちの姿を見るたびに、
ワタシはどうしてもその体毛が気になります。
そのうえで、
あえて下種な言い方をします。
大きな話題となったOSO18 を筆頭に、
ヒグマもツキノワグマも問わず、
今年になってテレビやインターネット画面で見た多数のクマたちのなかで、
「このクマの毛すばらしいな、美しいな、つかってみたいな」
とおもったクマは一頭もいません。
ワタシは、
フライの素材として最高の最上級のクマの毛がひたすら欲しいという手前勝手な欲望から、
ことヒグマの毛皮に関しては、
性別年齢季節場所を問わず、
もはや数えきれないほどの個体を実際に見て触ってきた自負があります。
これぞ最高!
という毛皮から、
逆に最悪のものまで、
さまざまな状態のものをたくさん見ています。
クマたちの毛の良し悪し、
そのクオリティばかり気にして見ています。
その視点で、
偉そうなことを言います。
どのクマたちも、
テレビの画面で一瞬見ただけでもよくわかる体毛の荒れ具合。
そしてそこからうかがえる芳しくない健康状態。
どの個体も洩れなく、
その体毛から彼らの荒んだ厳しい暮らしの様子がヒシヒシうかがえる。
この異常な事態、
一体全体なにが起こっているのでしょうか?
そしてなにより、
これから先どうなっていくのでしょうか?
不安です。
ほんとスイマセン、
実情など何もわかってないくせに、
安全なところからクッソ偉そうにわかったようなこと言ってしまって。
フライの素材として、
汲めども汲めどもまったく尽きることがない、
クマたちの毛の魅力と魔力に、
頭の先まで浸ってしまっている者として、
この異常事態への不安が、
ワタシの杞憂におわることを、
心の底から、
切に切に願っております。

そしてこのツキノワグマの毛皮が、
そんなワタシの知るかぎり、
文句なし最高!
とおもえた個体です。
今年の春、
ヒグマもしくはツキノワグマの黒毛を仕入れたくて、
数十頭の毛皮を選別させていただいたなかでも、
この一頭だけ光り輝いておりました。
たいへん幸運な出会いでした。
今回はこのツキノワグマの各部位のスキンを販売です。
が、
そのまえに、
このツキノワグマの毛を有効につかいまくるための参考として、
タイイング解説やフライ作例などなど、
ぜひとも、
アレコレねちゃこくみっちり解説させてください。
説明めちゃくちゃ長いよ~。
延々スクロールしまくらないと販売画面に到達しない勢いでございます。

まずは左が典型的なヒグマの黒柔毛スキン。
そして右がこのツキノワグマのスキン。
蛍光灯のわずかな光にさえ反射しているヒグマの透明感あふれる毛に対して、
このツキノワグマの毛はもっとマットなかんじ。
光に透かし見ると、
ウールのような薄ぼんやりした印象です。
そして決定的な違いは、
なんといっても毛の質感。
バリッとしたコシとハリが感じられる剛毛感のあるヒグマに対して、
このツキノワグマの質感もまたウールのようにソフトです。
そのくせ、
やはりクマの毛ならではのゴワッと粗い繊維質な印象。
では、
そんなツキノワグマの柔毛をどのように活用するかというと、
このツキノワグマの毛ならではの特性をもっとも引き出せるフライとして、
今シーズンを通して破竹の勢いで活躍してくれたのが、
ファジーなシンプル系カディス・スタイルのタイイング編

以前、
ヒグマの黒柔毛のタイイング作例でも紹介したモジャモジャ・ボディのカディス風の進化版となります。
まずは、
いつものようにアンダーファーをループダビングにて捩る。
このとき、
ヒグマの場合は硬いアンダーファーを揉んで処理してダビングしやすしていましたが、
このツキノワグマの毛のばあいは非常にソフトなので処理の必要はなく、
スキンからファーを切り出したら、
そのまま軽く揉んでストレートなファーをクシャクシャにしただけで、
簡単にダビングできます。
コツは、
ループしたスレッドをあまり捩じりすぎないで、
ファーがフワッとした状態でボディに巻くこと。

ここでは、
フックサイズTMC102Y 9番とやや大型サイズに巻いているので、
このツキノワグマの腹側に生えている、
長いファーが密集している部位の柔毛をダビングしています。
とはいえ、
9番サイズくらいまでなら、
他の部位のファーでも問題なくダビングできます。
ただ、
6番以上のサイズだと、
この部位のファーが扱いやすいです。

このように、
ダバダバにダビングしておいて……、

ボディ上部を、
ダビングブラシでガッサガサに擦って毛羽立たせる。
一方向にだけ擦るのではなく、
ガシガシとおもいきりブラシを左右に動かしつつボッサボサに。

いいだけ毛羽立たせたら、
こんどはそのファーを指先でつまんで、
後方になびかせて……、

ファーの後方を指先でつまんだまま、
まずはファー末端をハサミでスパッとカット。

ココ重要です。
ファー末端をカットしたら、
こんどはファーの上部を写真のように斜めにカット。
そのため、
あとでインジケ兼ウイングとなるエゾジカ・ヘアーを巻き止める位置のファーは、
写真のようにものすごく短くなりますが、
それがコツ。
この部分のファーを極力短くして、
そのうえにウイングを載せると、
水切れが良くなって浮力が増し、
またバランスも向上します。

つぎに、
ハックルというかレッグをハックリング。
つかうのは、
このツキノワグマの背中とお腹に生えている、
漆黒艶々のガードヘアー。
弾力性に富んでいるけれどバリッと硬く、
ヘアーの太さもまるで誂えたかのように絶妙。
そして先端が急テーパーで鋭く、
しかもスキンの状態から毛先がほぼ揃っている美しいガードヘアーが、
スキン全体にびっしり生えています。

このガードヘアーを、
根元のアンダーファーをほんの少量だけ残してヘアスタッカーに入れてヘアー先端を揃えると、
アンダーファーがちょうど良い位置にズレるので、
そこを写真のように、
マルチグルーを塗布したスレッドに貼りつけて……、

スレッドでしっかり挟んだのちに、
余りのヘアーをカットしたらギリギリ捩じりまくって……、

このように指先でヘアーを挟んだスレッドを押し付けるようにしながら、
ヘアーを片側に撫でつけておいて、

それをボディより心持ち前方にグルグルッとハックリング。

そのあと、
フライの下方向にあるヘアーをピンセットですべて抜き去りながら、
ハックルの量などを調節。
フライ下側にヘアハックルが残っていると、
キャスト時にフライが回転してしまうことがあるので注意。
なので、
ヘアハックルをやや多めにハックリングしておいて、
あとからこのように調整すると良い。
そしてこのあと、
エゾジカ・ヘアー各種でインジケーター兼ウイングを、
ボディよりも心持ち短めに巻き止めて……、

完成したフライを上から見ると、
このようなフォルム。
この、
ボッサボサに膨らんだボディ付け根から扇状に拡がるガードヘアハックルの存在感が、
いかにもテレストリアル各種の太い脚やヒゲナガのピューパやアダルトなどの脚を連想させてくれるところ、
たまらないものがあります。
またさらに、
水面でのバランサーにもおおいに役立ち、
かつ流水の抵抗をさらに増してドラッグヘッジの役目も果たしてくれるので、
フライの見た目も機能面からも、
このヘアハックルすごく気に入っています。

あっけないほど簡単にスピーディに、
あれよというまに巻けちゃうシンプル・フライです。
この9番サイズが、
今シーズンの地獄の酷暑の朝イチ、
大型のビートルなどに緩慢に反応している良型狙いの必殺として君臨。
そして左が、
ヘアハックルはオミットして、
その代わりにお好みのハックル素材をパラッとハックリングした、
TMC9300 16番に巻いた小型サイズ。
このツキノワグマのファーの醍醐味でもあり旨味でもあるのが、
そのソフトかつ細めの質感を活かして、
このような小型サイズに巻いてもきわめて巻きやすく、
効力を発揮してくれるところ。
今シーズン秋のシビアなライズ狙いの釣りでは、
ちいさなカメムシやビートル、
はたまたアワフキムシ、
さらにオナシカワゲラやアオヒゲナガトビケラなどにライズしているマスたちに、
このスタイルの16番と18番が、
様子見の万能型サーチングパターンとしても、
はたまた「ここぞ」の場面でも大活躍でした。
すっかりハマちゃって、
来シーズン盛期の山岳渓流で、
12番~14番前後のレギュラーサイズをつかってみるのが待ち遠しいところ。
で、
このフライが水面でどのような体制で浮くかというと……、

このように、
毛羽立たせたボディ全体がヒターッと水面膜に浸るように浮く。
しかも、
ここが重要なんだけど、
ファーが水面張力によってまとまりなくバラけてしまうのではなく、
かといってファーが束状にまとまって棒のようになるのでもなく、
ボディ全体がフットボール型になって、
なんだかものすごくムシっぽい生命感ムンムンの印象で、
ファーが絶妙にまとまって、
水面にベタッとはりついている。
で、
これを水面下から覗き見ると、

こんなかんじ。
おもわず、
銘針マシュマロ・エクステンションやイマージェント・カディスピューパなんかの浮き方を思い出してワクワク。
しかも、
フライが着水するたびに、
ボディ全体に微細な気泡がまとわりついてチラチラ反射しちゃってもう……。
そんなボディのジューシーかつボクシーなフォルムと、
硬質で存在感のあるヘアハックルのムシの脚的な見た目と印象もあいまって、
そりゃ~釣れるわけだわ、
みたいな……キャハ。
また、
このフライを紹介したちょいまえの記事でも力説しましたが、
フライが着水してボディが水面にはりつくと、
ファーが水分を含んでズシッと重量が増して、
それが並々ならないドラッグヘッジ効果をもたらしてくれるけど、
フライの構造上、
ピックアップしてフォルスキャスト一発で水気が弾け飛んでフライが軽くなるので、
キャスト時の負担も最低限、
快適です。
この機能性もとても重要。
そしてこれもまたこのツキノワグマの毛の特性で、
いったん水に馴染んだこのフライは、
フォルスキャストで水気が弾け飛んだ軽いフライが着水すると同時に、
またスッと水を含んで思惑通りに浮いてくれるところも特筆もの。

こうしてサカナの口許に刺さったフライを眺めてみると、
存外に印象的で目立つのは。
扇状に拡がった漆黒のガードヘアのヘアハックル。
マットな質感なので存在感はハンパない印象。
月の輪ヘアーウイング・ストリーマー編

そんなわけで、
このツキノワグマの黒毛ガードヘアーを、
ヒグマの金毛で挟んだ小型サイズ8番のクラウザーミノー作例。
ナチュラルなピュア天然の「キンクロ」のストリーマーとしても、
ヘアーのストレート加減や太さなどなどピッタリの素材。
そしてさらに、
月の輪ヘアーを活用したイマージャー&フローティングニンフ編

TMC212TR 15番に巻いた、
フタバコカゲロウやヒメヒラタカゲロウなど黄褐色の繊細な細身ボディ・フライのリビング材として、
このガードヘアーをリビングした作例。
リビングがグッと引き立って見える。
しかもすこぶる丈夫。

で、
ソラックス部分に、
このツキノワグマのアンダーファーをダビングしているところ。
このようなサイズの小型フライに、
繊細なダビングを施すことができるのも、
このツキノワグマのアンダーファーの特徴となります。

そしてソラックスをダビングしてハックリングして完成の、
ノーマルスタイルなパラシュート・フローティングニンフ。
ちなみにここで巻いたボディは、
フックの下地が透けないように色留めを施して、
白のスレッドにパントーン・マーカーのハニー色を着色している。
で、
右が素材はそっくりそのまま同じものをつかった、
ソフトハックル・スタイルなイマージャーTMC102Y 15番。
こうしてみると、
パラッと巻いたハックルがグリズリーのヘンハックルのようにも見えるけど……、
じつはコレ、
エゾリスの毛をアンダーファーをガードヘアーごとパラッとタッチダビングしただけ。
そうするとアラ快感。
エゾリスのガードヘアーがまるでハックルのように、
絶妙なパラけ具合で立ちあがるのだった。
しかも、
そのガードヘアーには夏毛や冬毛それぞれに、
様々な濃淡模様があって、
どれもソレっぽい色調なだけでなく、
ソフトで動きの良い絶妙な質感。
なので、
エゾリスのファーをつかった、
16番以下のサイズに巻いたこのテの繊細ソフトハックル系には、
いつのころからかハックル素材をほとんどつかわなくなってしまいました。
と、
ツキノワグマ・ファーのタイイングから、
話しがどんどん逸れていってるので軌道修正。
いっちょ、
このソフトハックルも巻いてみるっけ。

まずは、
下巻きを施しながら、
リビング材となるツキノワグマのガードヘアーを一本巻き止めつつ、
フックシャンクにフラットシルバーティンセルをシャンクいっぱい巻き込んでいく。
これがフック下地の色を透けさせない色止めの役目を果たす。

ウエイトの代わりに、
フック全体に下巻きをしたあと、
薄いゴールドワイヤをソラックス部分にグルグルッと巻いて……、
さらに、
ボディとしてスレッドを緩やかにテーパーかけつつ重ね巻きして……、

で、
ソラックスに巻いたワイヤーのうえに、
ツキノワグマのアンダーファーをごく少量、
フワッとルーズにダビング。
このとき、
ファーを絡めつけたスレッドをワイヤーにめり込ませるくらいの力加減でギュッとダビングするのがコツ。
すると、
ワイヤーに挟まったツキノワグマのアンダーファーがさらにボサッとなって、
かすかに下地のワイヤーがのぞき見えて、
つかえばつかうほど絶妙な生命感が醸し出される。

で、
ヘッド付近にハックルとしてエゾリスのファーを、
いつものようにタッチダビングして一回転~二回転。
そして完成。
と、
ここでようやく、
今回のツキノワグマ・スキン販売のご紹介になだれ込む予定でしたが、
も~調子にのってきたので、
もう一本、
お気に入りの小型イマージャーの万能型ユニバーサル・タイプもご紹介です。
このフライはこの秋からつかいはじめたので、
まだまだ日が浅いので、
あくまでもプロトタイプですが、
とくに水面直下もしくはそのやや下層を狙うサイトフィッシングにて、
すでにちょっとした必殺になってます。

フックはTMC9300 16番。
まずは金色の極細ワイヤーをフェザントテイル型に、
シャンク全体にビッシリ巻いて、
ボディ末端で巻き止めたら、

ツキノワグマのアンダーファーをスレッドに薄くダビングして、

ワイヤーのうえにラフにフワッとダビング。
ボディのところはリビング状に段巻きして、
下巻きにしたワイヤーもろ見え、
みたいな体裁で巻いて、
ソラックスの部分だけファーを厚巻き密にダビング。
このとき、
ファーごとスレッドをワイヤーにめり込ませるテンションで巻いておいて……、

さっきのファジー・カディスの要領で、
ソラックスを中心にフライ全体をブラシでガシガシ擦って毛羽立たせて、
ボッサボサのファーを指先で上方向に摘まんでおいて、

短めにハサミでバサッとカット。
これだけ。

陽の光に透かすと、
このような質感になる。
黒っぽく見えていたツキノワグマのファーが、
全体的にミディアムダン色基調に透ける。

そして濡れるとさらに色調と質感が変化。
ファーのまとわりついているボディは、
下地のゴールドワイヤーと調和して、
ダンダラ模様のグラデーションがかった濃いオリーヴ色に見える。
コカゲロウのニンフやイマージャーのような色調と質感。
そしてそんなボディから、
ダン色のケバケバがピンピン突き出ている、
という体裁。
フェザントテイル・ニンフやグレイグース・ニンフなどとおなじようにつかって、

シビアなライズ狙いにて、
さっきのファジー系モジャモジャ・カディス風の16番18番があまりに良かったのと併せて、
フェザントテイル・ニンフなど小型ニンフを駆使して、
良型のニジマスを狙い撃ちするサイトフィッシングがあまりにエキサイティングだったこの秋、
お戯れにこの月の輪ニンフをむりくり捏造してシャレでつかってみたところ……、
来シーズン盛期には、
このニンフを各サイズに巻いて真剣につかってみよかなとおもった作例です。
と、
このツキノワグマのフライについて、
ぜひ紹介したいパターンやトピックスなど、
まだいくつかあるのですが、
あとはまた追々ご紹介させていただくとして、
さあそれではいよいよ、
ツキノワグマ黒毛ファー各種販売のご案内です。
スキンの面積は、
いずれもだいたい最小サイズで7センチ×10センチ前後です。
ヘアーの量や状態によって不公平のないよう調整して各部位をカットしているので、
面積は一律ではない点どうぞお含みおきください。
スキンの大きさよりもヘアーの内容を重視しています。

1、身体後方の腹側ロング・ガードヘアー sold out
漆黒のガードヘアーは部位のなかでもっとも長くて細め。
またストレート気味のヘアーがびっしり生えています。
ヘアーの先端切れなどはまったくなくて美しいです。
中小型サイズのストリーマーのウイング素材にうってつけ。
アンダーファーはほかの部位と比較するとやや密度は薄め。
ですが、
ファーの全長は長くてソフト。
9番~18番サイズのみならず、
8番以上の特大サイズのドライフライにも対応できます。
ただ、
密度がやや薄いので、
がんがんつかうと減りが早いです。

2、身体後方の背中側ショート・ガードヘアー sold out
ガードヘアーは各部位のなかでもっとも短め。
といってもドライフライのハックル材としては充分すぎる全長です。
そして、
ガードヘアーの径は各部位のなかでもっとも太くて存在感満点。
9番以上の大型サイズのハックル材として最高。
アンダーファーの密度が濃いめ。
フライのサイズを問わず、
これならガンガンつかってもだいぶ巻けます。

3、身体前方の腹側ショート・ガードヘアーAAA sold out
最高。
ガードヘアーの長さはミディアム・レンジでストレート。
ヘアー先端欠損などほぼ見られず、
そればかりか先端がほどよくビシッと揃ってます。
ヘアー径は太からず細からず、
9番以下のドライフライのハックルにもつかえます。
小型ストリーマーのウイング材としてもイケてます。
そして肝心のアンダーファーの密度は各部位のなかでも厚めの濃いめ。
スキンのうえから触れるとミチッとしてます。
フライのサイズを問わず巻きまくれます。
ガンガンつかってもなかなか減らないかんじです。
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そしてここからは、
胸部から顔周辺のスキンのご案内になります。
いずれも一点モノのコレクターズ・アイテム。

4、左胸 月の輪マーク付き sold out
ガードヘアーの長さや太さ、
アンダーファーの質感や密度は、
2番と3番の混合といったかんじ。
どちらも使い勝手の良いヘアーがテンコ盛りぎっちり生えています。
そしてこの部位の最大の特徴は、
ツキノワグマのトレードマークでもある月の輪模様が、
ほんとに少しですが生えているところ。
この部位の色調は、
淡くピンクがかった人肌色の薄いアンダーファーに、
ほとんど透明無色の産毛のようなガードヘアーが生えています。
これをアンダーファーとガードヘアーともども、
指先で丸めてダビングしやすくして、
エゾリスのファー少々、
黄色とオリーブのシールスファー少々、
そして赤のシールズファーをほんとにごく少量(フライ一本につきファー繊維3本くらい)、
ブレンドして……あのタップス・インディスペンサブルのソラックスにダビングすると、
夢見心地のクラシック・テイストなタップスが巻けます。
マニアックにもほどがある部位。

5、右胸 月の輪マーク付き sold out
4番とまったくおなじです。
素晴らしいです。

6、左耳周辺のガードヘアー sold out
漆黒のガードヘアーがもっとも充実している部位。
1番2番3番すべてのガードヘアーがどっさり生えているほか、
耳周辺には未成熟の細くソフトなガードヘアーが生えていて、
12番以下の小型サイズなドライフライにもハックリングできます。
もちろん、
中小型サイズのストリーマーのウイングに向いたヘアーもどっさり生えています。
また、
ヘアーの状態もすこぶる良好、
先端切れなどほとんどないのがすごいです。
ただ、
アンダーファーはやや薄め。
なので、
1番2番3番のアンダーファーと併用するのをお勧めします。

7、右耳周辺のガードヘアー sold out
6番とまったく同じです。
ハイクオリティなガードヘアー各種各サイズがみっしりです。
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今回は以上のラインナップになります。
ご注文の際には、
御希望の番号と、
お名前と送り先を明記のうえ、
bizen-m@olive.plala.or.jp
まで、
ご注文お待ちしております。
どうぞよろしくお願いいたします。