BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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あした道内えらい降るんやて?
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 このまえ、
 まだ知り合ったばかりの釣りともだち数人と話していたとき、
 釣行の際立ち寄るコンビニでかならず購入する昼ごはんはなにか?という話題になった。

 純粋にお好みの味としても、
 はたまたジンクス的縁起担ぎでもどちらでも可。

 まあオレもさ、
 赤飯のオニギリだギョニソ(魚肉ソーセージ)だカニカマだなんだとイロイロ渡り歩いたクチなんだけど、
 ここ近年、
 ハタと気づいてみればもはやコレがないと、
 ちゅーのがあるんやけど……、

 それ、
 言っちゃう?熱いよ語るよ、
 みたいな満を持した気分のときに、

 スキンヘッドに半そでが似合いまくりのオトコマエが毅然と言ったんだよ、

 「わたし、なによりもまずはマジックパールです」

 ちょいふるえがきた。
 ビシーッとキマってた。
 
 このヒト、
 タマゴわかってはる。

 長い旅路の果てに、
 ようやく同志に出会えた。

 そんな気持ちになりました。


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 我が家のご近所のおばあちゃんが、
 おうちの庭先で丹精込めて作られたイチゴ。

 まるで農作物でつくった庭園のようなキレイなお庭。
 「摘みたいだけ摘んでいくといいよ、なんせこんなにあるからねえ」
 とのお言葉に甘えて、
 大きなざるに摘みたいだけ摘んだら、
 そこにおばあちゃんが摘んだやつも山盛りドサーッと入れてくださって狂喜乱舞。

 「食べきれなかったらジャムにするといいよ」
 「そうします」
 
 余裕のよっちゃんで完食。

 メチャメチャメチャメチャメチャおいしかった。

 まだこんなにいっぱいあるのに、
 さいしょはこの皿にマッターホルンのようにイチゴが積みあがっていた。
 じぶんとしてははやすでにほとんど食べ終わって寂しいかんじ。

 それでハタと気がついて記念に写真に撮ったのだった。

 恍惚としながら夢見心地でむさぼった。

 イチゴたべてハイ。

 今年の夏はイチゴからはじまった。
 
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 そして今年のドライフライはイリジスティブルからはじまった。

 川通いの毎日、
 ニンフやウエットやソフトハックルな水面下の釣りの日々から、
 ある日いきなりハルゼミに切り替わった印象。

 かとおもいきや、
 その一方で、
 荒瀬を転がり流れる4番のイリジスティブル・ハルゼミ・カラーにドッバーンッとは対極の、
 えらいシリアスでディープな極上のマッチ・ザ・ハッチがひっそりと展開されており、
 どっちも狙うサカナはもちろん絶品ワイルドすぎてもうメロメロ。

 どないせえゆうねん。

 このあたりから、
 釣り呆けで日々のモロモロはもはやグデグデ。

 そんなわけでさいきん、
 独りで釣りに行くときは自分で簡単な弁当をこしらえて持参するようになった。

 前夜、
 ほんのり柔黄身に茹でたゆでタマゴを、
 ジップロックにしいたけの戻し汁とめんつゆ入れたやつに浸しておいて、
 それを河原で昼ごはんに食うとメチャうまい。

 なんちゃって煮抜きタマゴ。
 だいぶまえに函館の友人に教わったのだった。
 
 べつにコンビニでもいいし、
 というよりむしろコンビニでチャチャッと済ませたい。
 にもかかわらずなんで手弁当持参なのかというと、
 現在の我が家から釣り場に行くまでコンビニに寄っていると、
 えっらい遠回りになってしまうのだ。
 
 つまり、
 コンビニよりか釣り場のほうが家からずっと近い、
 それがいいのかわるいのか……。

 ちゅ~か、
 それがこのグデグデのすべての原因なのは明白だ。

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 齢50を越えてからの合言葉は「もう時間が経つのが早すぎて恐ろしい」

 もちろん、
 いまもその実感はなんらかわらないけれど、
 その一方で、
 もはやすでにしみじみ思い出すお盆のころの賑わいの懐かしさから、
 かんがえてみればまだ一カ月も経っていないのが不思議だ。
 わかるこのかんじ?

 こんな感覚は、
 ここに越してくるまで感じたことがなかった。

 日々、
 いろんな出来事とめまぐるしい変化と新たな発見があることの証だなとおもう。
 ヒトもサカナも土地も水辺も自然も濃ゆくて豊かだ。

 なので、
 いつも一日はあっというまだが、
 とても長い。

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 ゲンザイトテモシアワセ。



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 現在の我が家は、
 立地条件からして24時間大音量でぶっぱなそうが誰にも迷惑がかからない。

 そのうえ、
 もともと雑貨屋さんだった我が家の土間は構造的にレゲエに向いた重低音対応。
 クリアなベースの臨場感に満足が止まらない。

 THE IN CROWD Back a yard + version (1978 Cactus)

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 クロクマ・ウーリーワーム。

 これねえ……、


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 70年代アメリカ東部を代表するプロタイヤー、
 故ポール・ジョーゲンセンの「フェザーエクステンド・ガガンボ」と、
 フィリス・ディロン「人生は一回」
 ボクの持ってるのはコクソン・ミュージックシティのDist の80年代後半の再発盤。

 秘めやかな羽音を震わせながら、
 夏の水辺の草陰で群れ躍っていたガガンボが消え、
 夏の空気にかすかに秋の気配がそこはかとなく背後から、
 というころに台風がきてムシッと湿度があがったころ、
 やつらが空から降って来た。
 水辺にいると、
 ときとしてもう顔やら腕やら耳元でカサカサたかられて拷問…釣りどころやあらへんがなと退散したこともあった、
 無数の翅アリの集団飛行ならびに集団流下もおわり、
 家のまえの木々がいつのまにかほんのり色づいて……、

 あしたも釣りにいこかとおもたら天気予報は雨。
 ホンマやろなあ、
 いつもあてにして気にしてるけど、
 肝心なときいっこもあてになれへんやんけドナイシテクレルネンいつもご苦労様です。

 これから、
 今日の夕方摘んだばかりの枝豆をサッとゆがいて塩振っていただきます。




逢魔がとき
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 暮れなずむマドラー4番。

 が、
 こうしたマグナム・サイズがドライフライとして活躍するのは、
 ワタシのばあい断然ドピーカン真昼間。

 しかし夕暮れまえの大場所にて、
 いつも期待をこめて、
 まずはどでかいのをぶっといティペットに結んで、
 いまや遅しとヤツとの決戦を夢見るのですが、

 いよいよ陽が暮れてきて、
 あたりが薄暗がりになってきたころ、
 まずは20センチから30センチくらいのがそこらじゅうに出てきてワーッと元気にバンバンライズ。

 もしかしたらこのチビッコたちの晩餐のあと、
 とっぷりと陽が暮れた夕闇にまぎれて、
 真打ちであらせられる海千山千の「主」がようやく食事に出てくるのかもしれない。

 かのペンシルバニア大学フライ学科(でしたっけ?)ジョー・ハンフリーズ教授もいわく「主は夜やで……」

 でもさ薄暗がりの水面そこかしこでバチャバチャ水飛沫あがると、
 アタイもう「主」登場まってらんない。

 そそくさとフライをしかるべきサイズに交換して、
 夕ご飯に夢中のピチピチたちを次から次にたぶらかし、
 てごめにしまくりたい。

 これがまた素晴らしく楽しい。

 そして、
 かろうじてライトなしでもクルマまで戻れるくらいの時間にはとっとと川からあがる、
 どんどん暗くなると寂しいし侘しいし怖いし。

 と、
 そんなヘタレでナマクラな姿勢でイブニングに臨んでいるワタクシ的、
 若ニジマス入れ食い向けイブニング用ドライフライズ4選。

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 最強。

 あざとさ満点見映え気にしません釣りたい欲全開。

 ハックルはまずヒーバート・ネックのクリームをブワッとハックリングして、
 そのあとパルド・グリズリーの超ロング・ファイバーなサドルを3回転。

 なんせ白い面積が広いので、
 薄暗がりで見えまくる。

 そのくせボディはアウルのクイルを太めに巻いて適度に繊細ナチュラル・カラー仕様。

 そういえばお盆のころ、
 小雨交じりのどんよりした日の夕暮れ直前、
 ものすごい量の翅アリが川面を覆いつくすように流下した。

 ピチピチたちもう大ハッスルでフラットな水面の平瀬にでてきてバッチャバチャ。

 流下している翅アリ・サイズのアント系フライ、
 フライボックスにありまんがな入れ食いでんがなムハハ……とおもいきや、
 自信満々のいつものアント系にも出るには出るけど……、

 ライズの数や頻度からしたら、
 なんかパンチが足りない。

 で、
 ものはためしと、
 液状フロータントに浸したこのフライのボディに、
 シェイクの粉をハケでガシガシ擦り込んで、
 ボディがポカッと水面に乗るように細工して投げてみたところ、
 何匹か釣ってボディが完全に水を吸ってしまうまでは、
 投げるたびに「あ~もうこれツボにはいってんねんな~」とたまらんカイカンだった。

 ビッシバシだったウハハ。

 なんでかというとこのとき、
 びっしり浮いていた本物の翅アリはすべて、
 おそらくイッピキ残らずボディもなにもかも水面に乗ってポカッと浮いていたのでした。
 そして、
 弱い陽の光に反射している透明な翅がザワザワふるえており、
 それもまたすごく印象的に映った。

 で、
 そのような姿勢で水面に浮いてるアリンコのなかには、
 数匹かたまって団子状になっている状態でブルブル翅を震わせているのがあって、
 そんなアリンコの塊りがいくつもいくつも転がるように水面を流れては、
 バシャッと水飛沫のなかに消えていきました。

 きっとおそらくこの「恥知らずなパラシュート」、
 サカナの反応から察するにアリンコのクラスターに映っていたのだろうなと推測されます。

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 桃のケイヒルTied on TMC9300 の10番も月にかわってお仕置きよ。

 ヘビーワイヤの重めドライフライ・フックに、
 ヒーバートのヘンネックをハックリングしたキャッツキル系ドライフライ。

 重量のあるフックとソフトな質感のヘンハックルのバランスがあいまって、
 水面にようやく浮いているようなフワッとした低い姿勢の浮き方や、
 そのくせヘンハックルなのに水切れがよくずっと浮いてるかんじ、
 重いフック&ヘンハックルゆえに空気抵抗も適度で投げやすく、
 アプローチが雑だと時々ひっくり返って着水するイライラはあるけれど、

 この組み合わせとてもいいです。

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 ゴマシオ・カディス10番。

 砂漠キツネの背中の毛をダウンウイングに、
 ハックルはバンタムのグリズリー・ネックと黒のヒストリック。

 グリズリーと黒の組み合わせ、
 夕暮れ前の西日ビカビカに反射しているギラギラ逆光の水面でおススメ。

 逆光のなかで黒~くよく見える。
 狙う角度や向きで急に順光になっても黒っぽいハックルに囲まれたグリズリーの白がうきあがってよく見える。

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 ここ2~3日くらいのマイブーム。

 夕暮れのバイビジブル。

 ボディハックルにはやはりヒーバートのヘンネックのファーネスを3枚。
 フロントハックルもヒーバート・ヘンネックのクリーム2枚で計5枚のハックルをグリグリとハックリング。

 このフライについてもイロイロお話したいところですが、

 ここ一週間ほど、
 どんどんイブニングが侘しくさびしくなってきて、
 おとついからはとうとう、
 渇水しまくった河原の藻くさいすえた泥の匂いをかぎながら、
 シーンと静まり返った川面にむかって、
 バイビジブル遠投しまくりキャスティング練習でおしまい。

 ヘンハックルで巻いたバイビジブルはまず投げるのがけっこうカイカンであるなと、
 そんなことをおもいながら帰宅いたしました。

 秋……なんですか?

 それとも台風のあと……今年こそほどほどの恵みの雨…期待して……いいですか?
    
THE PERFECT" FLY REEL Size 2 7/8"
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 この春の引っ越しの直前、
 およそ9年住んだ函館生活最後の独創フルドレスサーモンフライと交換した。

 「なんだ~、そんなにこのリール憧れてたんですか。それならそう言ってくれればお餞別でプレゼントしたのに」
 たいへんありがたいけど、
 このリールだけはそれだとほんとに自分のものにならない。

 このリールは自分のものにしたかった。

 さいしょは、
 おっかなびっくり恐る恐る、
 まるで腫れ物に触るようにハンドルを回していた。

 けれどいつしか……、

 棚の奥に仕舞われたまま、
 長い眠りから目覚めたリールは、

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 ぼくのザ・パーフェクト。
 フライロッドをにぎる手元に視線がいくたびに満足。

 完璧。
 
雨乞い
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 昨年の今ごろ、
 例の道内各地に甚大な被害をもたらした台風によって、
 この川は渦巻くような土色の濁流が轟々響きながら、
 河原の木々をなぎ倒し土を削って流れていた。
 
 ことしは、
 おしめり程度の雨では減水とまらず、
 いまや傍目にも川は枯れ枯れ。

 釣りができるだけ渇水のほうがなんぼかマシですが……、

 農家の皆さんも釣り人も、
 なによりサカナがよろこぶ程よい天気はないんですか?
 
 ここにきて、
 なんとも無力感いっぱいの苦しい釣りの日々、
 確実におるのが身に染みてよく分かっているだけに切ないところ。

 でも、
 この川で釣りと~て釣りと~て……連日きょうこそはと……。

 いいかげんちょっぴり疲れました。

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 また今日もダメであったかと足取り重く河原を歩くアンニュイな午後、
 立派な鹿の角が転がっていた。

 ひろって、
 流木に叩きつけたりして、

 これメッチャ殺れるやん、
 とおもった。

 そして本日のいっぽん。
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 名づけてブラッククリケットヘッド・ラバーレッグ・チッチフルーティ・ベンフランクリン・レッドタグ
  のウエットフック2番。

 ラバーレッグの位置を、
 コオロギ型に刈り込んだマドラーヘッドの先端ギリギリにセットした。

 通常、
 このテのタランチュラ系やバッタにラバーレッグを取り付ける場合、
 おもにデザイン的にヘッドとウイングの付け根付近に巻き止めるのが「いつものスタイル」
 それで充分実績もあるのでまったく文句も不満もないけれど、
 水面に浮かぶフライを見ていると、
 意外なほどにゴム足うごいてない。
 この位置にラバーレッグを巻き止めると、
 どうしたってウイングの素材やハックル・ファイバーまたはボディのくぼみなどにラバーレッグが触れて、
 そのぶんラバーのうごきが制限されてしまう。
 なので、
 フライに「水面で妖しくゆらめくラバーレッグ」なアクションをこそ期待すると「アレ?」となる。

 このようなボサボサヘアーのマドラー・タイプのフライでも、
 ラバーレッグを水面で激しくブランブラン揺らし動かしなびかせたい。
 ラバーレッグならではの「うごき」を最大限活かしたいのじゃ、

 という目的で、
 ラバーレッグ・ブラッククリケットヘッド・チッチフルーティ・ベンフランクリン・レッドタグは誕生した。

 単純に、
 もっとも水流の抵抗を受けやすいヘッド付近にラバーレッグを搭載。
 そうすることでラバーレッグが流れになびいたとき、
 ラバーレッグ・ブラッククリケットヘッド・チッチフルーティ・ベンフランクリン・レッドタグにどっさり巻き止めたディアヘア・ウイングの下側からラバーレッグが伸びているのではなく、
 ラバーレッグ・ブラッククリケットヘッド・チッチフルーティ・ベンフランクリン・レッドタグのヘッド前方に水平に巻き止めているので、
 流水になびくとラバーが大きく広がったまま弓なりになる。
 ので、
 ラバーレッグ・ブラッククリケットヘッド・チッチフルーティ・ベンフランクリン・レッドタグのウイングやボディ本体にラバーが触れることなく、
 ウイングの外側でボディ周囲を取り囲むような感じでラバーが震える
 ラバーのうごきを制限するものがないので、
 そりゃあもうゴムあしド派手にプルンプルン。

 ラバーレッグ・ブラッククリケットヘッド・チッチフルーティ・ベンフランクリン・レッドタグ・プルプル

 略してチッチにおまかせよ……。

 ちなみにワタシの知られざる自慢は、
 小学生のころから「じゅげむじゅげむ」をフルネームでしかも早口で言えることだ。
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 南国の爬虫類の足みたいなド迫力のヒレに生つばを飲み、



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 アクリル絵の具をホッペにぶちまけて、
 真っ赤なバラのでっかい花びらをヒレにしたような筋肉ママに魂を抜かれる。

 こうして自慢げにマイ・メモリアル・スイート晒してますけど、
 徒労と苦労と疲労の果てにようやく……ってところくれぐれもヨロシク。

 
 川幅いっぱいに流れる長い平瀬。
 ライズしようとナニしようと、
 出ないときは徹底的に無反応なくせに、
 なにがどうなったのか?
 なぜスイッチがはいったのか?
 な~んもわからんけど、
 出るときはいつも着水とほぼ同時。
 しかも巨大なチッチ完全丸飲み。

 いまさらいうまでもなくバーブレス必須。

 で、
 「今日はイケるで」と調子こいてもぜったいあとがつづかない。
 
 なので、
 わけもわからないままにひたすら奇跡を期待して、
 日々やみくもに投げ続けるしか、
 いまのところサクセスの道はない。

 指針や目安がなく、
 予想が出来ない釣りの日々というのはメンタルにきますね。

 まいにちまいにち翻弄されまくり、
 「アタシ、疲れちゃった……ちょっと……距離置いてみない?」
 
 そのような面持ちで「あしたから別の川いこかな~」とかおもった頃合いを見計らったかのように……、

 水面に浮かぶチッチがジュボッと吸い込まれるのはなんでか?

 それもいつも着水直後すぐなのはなんでか?
 そして、
 ダッバーンと水飛沫をあげることはまずなくて、
 フライがゴボンッと水中に引きずり込まれるように出るのはなんでか?
 ひょっとして、
 ラバーレッグの位置を変えたことでフライの着水音も関係しているのか?

 それよりもなによりも、
 水量豊富なころはマシュマロ系などのソフト素材でファジーなフライのほうが明らかに効果的だった。
 が、
 ハタと気がついてみれば「渇水でキビシーッ」との愚痴が出るようになってから以降、
 幸運に恵まれてメモリアルなニジマスが釣れたのは、
 友人が釣りあげたのも含めてぜんぶ、
 かっちりしたシルエットのマドラー系だったのはなんでか?

 というかはたして、
 このようなフライで、
 このようなアプローチがこの時期のベストなのか?
 
 いろ~んなこと試して、
 コレでしか釣れたことないからコレばっかやってるけど、
 この決定打に欠ける心許ないかんじ……なんでか?

 そ・し・て
 なんでか?なんでか?と自らに問いながら、
 あしたこそ別の川でリフレッシュ…とおもいながらも、
 来る日も来る日もこの川に来てしまうのは……なんでか?

 それはもうじゅうじゅうわかってまんがなサカナ写真参照。
 あんな流れでこんなサカナにメチャクチャにされたい。
 そして無事取り込んだときのあの達成感と征服感、
 あれはシャブ的中毒感あるんとちゃうか?

 すいませんシャブ打ったことないくせにわかったようなこと言って。

 なんか、
 ニジマスを釣りに行くというよりも、
 魔性の美熟女の手の平のうえで踊らされに行ってるような気分。
  
 切ないです振り向いてほしい。

 修行やね。
オホーツク便り
 本日の一本。
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 グレイフォックス・ヴァリアント Tied on TMC9300の10番。

 まず最初にホワイティング・ヒストリックのゴールデン・バジャーをノーマルサイズにハックリングしておいて、
 そこにコック・デ・レオンのサドルをフックのゲイプ幅の倍くらいの長さでハックリングしている。

 このように、
 複数のハックルをブレンドしてスタンダード・ハックリングするとき、
 意図的にそれぞれのハックル・ファイバーの長さを変えてハックリングすると、
 空気抵抗の軽減や着水時のバランス、
 水面に浮かんだときの安定感などなど、
 機能面でのメリットが多々あるだけでなく、
 ハックル・ファイバーが自律的に震えるような「絶妙な自然なうごき」や「ファジーな質感」
 それにハックルの透過光を誇張表現することができる。

 なにかといいことずくめ。

 むかしむかしの駆け出し時代、
 もっともらしい教科書やマニュアルを鵜呑みにして、
 二枚のハックル・ファイバーの長さを揃えるために、
 いちいちハックルゲージで測っていたころが微笑ましくも懐かしい。

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 と、
 そんな私家版グレイフォックス・ヴァリアントを一日中投げ倒していて、
 何匹かのニジマスを釣り、
 しとどに濡れそぼり、
 サカナのヌルなんかもこびりついたフライを、
 フロータントを何回も塗布しなおすのではなく、
 イッピキ釣るごとにフライをジャババとゆすいで軽く洗ったあと、
 ピッピと強めのフォルスキャストでフライの水気を切りながら、
 ハックルの表面張力だけでフライを水面に浮かべて釣りながら、
 水面に浮かぶフライを見て、
 「おっコレおもしれ~」とおもうことがあった。

 それがこの写真。

 レオンのファイバーが十二分に水を吸うことで、
 ファイバー同士がまとまって束になり、
 レオンのファイバーだけがまるでバンチウイングのようになって二股にわかれて突き立っているではないか。

 で、
 そのまわりをヒストリックスのノーマルなハックルがフワ~ッとひろがっていて、
 それらのファイバーがやさしく水面を抑えることで、
 たまらない姿勢とフォルムで浮いておるではありませんか……。

 これがまたメチャクチャいい感じ。

 くしくも、
 レオンのハックルがその特徴的なゴマダラ模様だけでなく、
 質感や特性の面でも、
 ノーマルなほかのニワトリのハックルとはまるで異なっていることを示唆する良い例になった。

 話が長くなるので割愛するけれど、
 「レオンのハックルは水を弾くのではなく水馴染みがすごく良い」
 というのを知っておくと、
 このハックルの旨味をさらに活かして活用することができる、
 というわけです。

 ハックルってすごい。
 これだけ自他ともに認めるハックル漬けの生活を送っていてもなお、
 新たな発見が泉のごとく湧いてくる。

 というウンチクはさておき、

 で、
 聞いてくれる?

 当地では久々の晴天夏空となったおとつい、
 こんな日はぜひともこのようなお洒落ドライフライズで釣りまくりたいなと、
 友人と二人して釣りに出かけたときのこと。

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 キレイな渓流でしょ?
 深い森のなかを流れているけれど、
 周囲は開けていてフライも投げやすく、
 上流を見上げれば釣りごころが浮き立つような「おいしそうなポイント」がず~っと連続している。

 「これはイケそう」と期待も膨らんだ。

 ところが、
 イザはりきってまいろうぞ、
 と川に下りて、
 とるもとりあえず目の前の「もういかにもなチャラ瀬」に立ち込んで、
 はやる気持ちでフライを数投してみて……、

 イヤ~な予感がした。

 川が砂利で埋まっている。
 傍目には絶好のポイントに見えても、
 近寄ってみればほぼ砂利底で埋まっている。

 このあたりの昨年の台風による水害が尋常ではなかったことがうかがえる。

 そして、
 肝心のサカナの反応がまったくない。
 なんにもない。
 パチャともこない。
 生命の気配がまるでない。

 ダーメだこりゃ……ってかんじ。

 で!
 これまででもっとも水深があって、
 かつ川底におおきな石が転がっていて、
 岩盤の割れ目なんかもあるポイントにさしかかった。

 明らかに、
 ここで反応がなかったらもうアカンやろこの川、
 というかんじの好ポイント。

 そのポイントに友人がフライを投げ入れて、
 たしか二投目だった。

 「来た!」
 バシッと竿が立てられてグイッと曲がった。

 川の規模からかんがえて、
 20~30センチほどの若ニジマスが掛ったのかとおもって、
 気楽な気分で「おお~やっぱココにはおったかあ」なんて友人の背後から声をかけたところ、

 グワーッと暴力的にのされまくり根元からグイーッと曲がる友人の竿、
 「え?なに?なんなの?」

 そしてふたりが見たものは、
 ジンクリアな浅い流れのなかでグワングワンと首を振る巨マスの雄々しきお姿。
 なんとお美しく神々しいことか。
 
 こ~れはでかい!!

 バレるな切れるなバレるな切れるなバレるな切れるなバレるな切れるな……、
 心のなかで念じるだけでは飽き足らず、

 そっちに走らせたらアカ~~~ン!
 竿をこっちがわに寝かせてひっぱるんや~~~!!
 サカナのアタマこっちに向けるんや~~~~~~~!!
 

 わたくし渾身の絶叫。

 もう大騒ぎ。

 かくしてサカナが無事に川岸に横たわったときには、
 なんでか自分までヒイヒイハアハア肩で息をしていた。

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 「やったあ~~!!」 

 すっっっばらしいベッピンさんの雌のニジマス。
 この川の中流下流にいるニジマスは、
 目の覚めるような深紅色のぶ厚いヒレが特徴なんだけど、
 そしてそれがたまらないんだけど、

 このベッピンさんの肉厚で幅広いヒレを彩る、
 楚々とした淡いピンク色のヒレもまたなんとも眩しく味わい深い。

 品が良いというか上品というか、
 なんなのこの完璧な美しさ。
 吐息がもれちゃう。

 で、
 数枚の写真を撮らせてもらって、
 まだまだ元気いっぱいのベッピンさんとお別れして、
 ホッペタがユルユルにゆるみまくっている友人に、

 「この上流のポイントも良さげだから、やんなよ」
 というと、

 「いや、ちょっとこの余韻に浸りたいんで、ぼく休憩します」
 だって。

 「ウハハハハハ、それは大事な時間やでえ」

 「じつは昨夜、きょうのためにバッタのフライを巻いてみたんですけど、
 それで釣れたので喜びと感動もひとしおなんですよ~」
 だって。

 「マジかよ~、そりゃなおのこと最高やんけ~」

 じつはこの釣りに向かう車中で、
 友人からこのところ仕事の対人関係に悩んでいて、
 夜あまり眠れなくなってしまって……、
 なんて話を聞いていて、
 それはしんどいなあと身につまされていた。

 それだけに、
 きょうはふたりで良い釣りしてとびっきりの一日を過ごしたかった。

 たったイッピキのニジマスによって、
 そのささやかな願いは見事かなえられて成就した。

 この一幕のあと、
 しばらくふたりで熱心に釣りのぼったけれど、
 やはりまったく生命反応はなかった。

 不思議な川だった。

 とうぜん帰りの車中では、
 この状況で釣れてくれたこのニジマスのことでおおいに盛りあがった。

 「それにしても、どうしてあのニジマスだけ釣れてくれたんですかね?」

 「それはやな~、あの子まいにち一生懸命がんばってるからきょうはご褒美あげるわよって、
 あのニジマスがおもってくれたんとちゃうか?」

 「まさにそんな釣れ方でしたねウハハ」
 
 「そやろ?」

 この一幕にはまだちょっとしたオチというか続きがあって、

 ちょうどこのとき、
 我が家の近所のべつの友人が、
 激務がつづいている最中に、
 不幸にもギックリ腰やらかしてしまって、
 まさしくふんだりけったり状態だった。

 で、
 それが気になっていたので、
 この夜お見舞いと様子うかがいの電話をしてみた。

 電話のむこうで「もう聞いてよ~最悪だよ~」なんて愚痴を聞いたあと、
 きょうの釣りのことを、
 おもしろおかしくチョッピリ盛って話した。

 「もうね~自分が釣るよりはるかに興奮しちゃって……ほんと最高の一日でした」

 すると、
 ウハハと笑いながら話しを聞いていた友人が、
 しみじみ言った。

 「いや~、さっきまで気分が腐ってたんだけど、いい話し聞けて、なんだか元気出てきた。ありがとね」
 だって。

 たったイッピキのニジマスが、
 3人のオッサンをハッピー気分の1日にしてくれた。

 これだよな、
 この気分だよな、
 ってつくづくおもった。
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