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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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アカムシ脳
220805 (1)1

 いや~~ほんとにまったくもう……、

 釣りボケ初老人アブラビレX 参上こんにちは。

 現在たったいま、
 今シーズンもまた、
 当地では血のような色をしたアカムシ型ユスリカが羽化期のピークをむかえています。

 いつもおもうけど、
 この完全無欠のマッチ・ザ・ハッチな釣りにおいて発揮される我がねちこい集中力。
 この集中力と熱意と情熱としつこさと諦めの悪さを、
 公私ともどもの生活において常にいかんなく発揮できればどんなにか……と我が身を想う季節です。

 すべてを捧げてのぞみたいアカムシの日々。

220805 (2)2

 そして本日朝イチのイッピキ。

 40センチちょいってとこ?

 苔のような水草が点々と茂る砂底の浅場…水深50センチくらい。
 水は嫌味のように透明ジンクリアで波ひとつないドフラット。
 流れはひたすらスロー…流れるというより水が動いてるかんじ。

 浸水した学校のグラウンドか、
 はたまた田植え前の田んぼか、
 見渡すかぎりのだだっぴろい空間、
 そのくせ、
 広大な砂底の浅場には、
 遮蔽物や隠れ家などなにもない。

 そんな無味乾燥な砂漠に、
 水面もしくは水面直下をジワ~ッと漂い流下する、
 無数のちいさなユスリカやハネアリを求めて、

 どこからともなく、
 彼らはやってくる。

 しかも団体で。

 群れになったり、
 単独行動だったり、
 自由気ままにクルージングしながら、
 ビランビロンと尾ビレや背ビレを水面から突き出して、
 水面を流下する虫たちを次々に吸い込こんでいく団体さん。

 川の中央まで立ち込んでいるワタシの360度全方向で、
 もういかにも……なライズ・シーンひっきりなし。

 が、
 この状況、
 お察しのとおり、
 釣るの容易でない。

 そして掛けてからも容易でない。

 このくらいのサカナでも、
 サカナのコンディションと浅場の環境あいまって、
 ひと走りバッキングまで数秒で一気。

 まるでドクター・スランプのアラレちゃんみたいに、
 砂煙けたてて一瞬で彼方に爆走…もうなんていうか心底おみごと感服です。

 オレの愛リール「ザ・パーフェクト」がジジ~ッというドラグ音を通り越して、
 キーンて金属音たてて高速逆転するねんで。

 そんな筋肉アスリートたちの荒技はバッキング大放出からの、
 ドッパンドッパン跳ねまくりながらいきなりの方向転換。
 フライラインがブワ~と湾曲しながら、
 ものすごい勢いでジュババババーッと水を切りながら走っていくところ、
 ヒイヒイいいもって必死のパッチでリールをキリキリキリキリ延々巻きながら体験すると、
 6Xのティペットって案外ものすごく強いな~とつくづくおもう。

 まあ、
 障害物がないからこそできることであって、
 あの勢いでなにかにイトが擦れたら一触即発一瞬一発アウトですね。

 そして、
 昨シーズンのおなじ状況で、
 あれほど猛威をふるったオレ様の必勝ユスリカ戦法とフライは、
 なにがどうなったのかなんでなのか?
 今シーズンはまあそれでもなんとか釣れるには釣れることもあるけど、
 これぞ決定打という会心の手応えにはほど遠く……、

 これならイケる!という必殺ワザをいまだ見いだせず、
 ゆえに釣り気分の拠り所を欠いたまま、
 サカナに対してどこか気持ちが負けてるような切ない気分で、
 日々ああだろうかこうだろうかと暗中模索の真っ最中。
 
 連日くりだされる新作ユスリカと新戦法のアレコレは、
 まあどうかした拍子に釣れることもあるけど…通常は見向きもされない、

 という、
 揺れるユスリカゴコロをさらにかき乱し混乱させる刺客、
 やっかいな存在が、
 ハネアリ軍団のおっきいのやらちっさいの。

 気まぐれなサカナたちは、
 ユスリカに集中してほかに視界が向かない状態ばかりではなく、
 なんだったらハネアリも食うよ…でも糸のついてるニセモノは丸わかりだけど…みたいのから、
 超散発たまにしかライズしないけど…オレやる気満々なんで出るときドバッといっちゃうよ…みたいな神出鬼没のイケイケから、
 サカナの個体によって、
 それぞれいろんな姿勢と行動と嗜好でライズしてる、
 ときとしてバコバコで。

 ので、
 それらにふりまわされて、
 深読みしすぎて無駄にフライ交換ばっかしてる悪循環に陥ると、
 これがまた自己嫌悪つのらせ無力感はひとしお。

 そんな、
 水面に浮かぶちいさな虫けらと向き合いながら終わりなき禅問答、
 そして、
 狂おしいほど悩ましい姿態をさんざん見せつけられながら下心破裂寸前であの手この手のアプローチ、
 その果てに、
 ようやく奏でることができるザ・パーフェクトの狂気のような金属逆転音。

 たまらないんですよ究極ですか?。

 オレの脳からアカムシが羽化エブリデイ。

220804 (1)1

 うえのニジマスは、
 釣りはじめてすぐ、
 この写真の右側のサイズ18番のアカムシ風半沈パラシュートをフワッと吸い込んだ。

 半信半疑で探り探りやってるので、
 おっこれは…とおもうやん。

 ところが今年はいつもぜったい、
 あとがつづかないねんな~これがまた。

 まだいっぱいライズしてるねんで、
 なんでやねん?

 と、
 水面に浮かぶ6Xのフロロのティペットの影が、
 川底の砂地にくっきり黒い線になって映ってるの見ながら、
 切ないばかり。
 

 この写真は、
 パラシュート・スタイルで巻いたフローティング・ニンフについて、
 雑談めいた話しをしようとおもったのと、
 本当は左側のフローティングニンフ風パラシュートのサイズ11番が本命、
 このフライについて、
 なんやかんやイロイロ紹介したくて、
 ユスリカの羽化が本格化する数日まえに撮った。

 だったんだけど、

 この写真を撮ったときは、
 まだ気持ちに余裕もありましたけど、

 いまや、
 私の釣り気分のすべてが羽化寸前のアカムシで水面直下にぶらさがっている状態……、

 アカムシ型ユスリカのパラシュート・スタイルなフローティング・ピューパは、
 ヒーバートのライト・タンダンとかダン・グリズリーとか、
 ハックリングするとケムリのような色調と印象になるハックルをパラッと一回転。
 このかんじが、
 アカムシ・アダルトの肢や翅の印象にそっくりでさ~、

 という話題しか出てこない……。

 脳がアカムシに犯されてるんとちゃうやろか?

 220804 (2)2

 と、
 そんなユスリカが羽化する条件の良い日にしか関心がなくなっている渦中に届いた、
 フライの雑誌の最新125号。

 これに掲載されていた、
 「みんなで語ろうゲーリー・ラフォンテーン」という座談会の記事を読んでいて、
 「ドライフライに定義はあるか」という深淵が語られた項にて、

 島崎憲司郎さんが不肖ワタシの名前を出して語ってくださっていた箇所を読んで、
 なんだかジーンとしてしまいました。

 その内容は雑誌を読んでいただくとして、
 ワタシにとっては、
 いろいろと報われたような気持ちで読みました。

220804 (3)3

 畏れながら、
 「ありがたい」というもったいないお言葉は、
 そっくりそのままワタシの気持ちとしてお返しさせていただきたいです。

220804 (4)

 そしてもうひとつ、
 6月から販売しているツキノワグマの柔毛と北海スパイダー・セットですが、
 たくさんの方々からご注文をいただき、
 あらためて本当にありがとうございました。

 じつは、
 もうだいぶまえに当初の販売分はすべて完売しておりましたが、
 それでsold out としてしまうのが今回はなんともしのびなく、
 そこで窮余の策。
 公私ふくめての目的で、
 自分用にドサアッと確保していた毛皮を裁断してパックして販売しておりましたが、
 現在はそれももう数えるほどの在庫になってしまいました。

 そんなわけで、
 あとちょっとしかないけど、
 まだまだ販売中です。

 「大将、北海スパイダーの9番と11番ダブルでおねがい」

 「あいよ!9番と11番いっちょー」

 なんつって、
 この一カ月半ほど、
 ご注文をいただいてその場で握る板前さんのごとく、
 連日連夜、
 ギンギンで釣りしたあとに、
 北海スパイダーをガンガン巻いて、
 バンバン発送する生活はとても健康的…そしてお財布おおよろこび。

 しかも!
 それにもまして、
 柔毛ボディに各社各色いろんなハックルを組み合わせながら(←ココ重要)、
 おなじフライを毎日ひたすら巻きつづけさせてもろたおかげで、

 ツキノワグマの柔毛を活用するさらなるアイディアとか、
 ハックリングのあたらしいアイディアとか、
 アレコレいろんなアイディアがドバドバ湧きでてきて、
 さっそくユスリカやハネアリの釣りにも応用したりとかして……

 220804 (5)

 これはちょっとしたイタズラ。

 北海スパイダーのハックルの構造上、
 多少の無理をしてもフライの着水時にひっくり返りにくい特徴を活かして、

 インジケーター・ポストをどれくらいの高さまで立てても使えるか、
 という実験。

 インジケーターの視認性の高さは、
 ヤーンの量ではなくて、
 インジケが水面高く突き出ているほど良く見える。

 写真の北海スパイダー・ブラック8番黄緑インジケーターは、

 ヤーンの量はスカスカだけど、
 長さはボディより気持ち長いくらいにセット。
 これくらいに巻き止めると、
 フライの見た目もナニだけど、
 水面に浮かべると、
 ちょっと恥ずかしいかんじで良く見える。

 そしてこれくらいなら全然ひっくり返らない。

 見た目がナニでアレでも、
 とにかくフライの視認性重視な方、
 ぜひお試しください。

220804 (6)

 ホワイティングのダイド・ライトダンをノーマルサイズなハックルに4回転ほど、
 そして、
 レオンのパルド・グリズリーのオーバーサイズなサドル・ハックルを一回転して余分はむしったサイズ15番。

 ボディはもちろんツキノワグマの柔毛ファーをダンゴ・ダビング。

 北海スパイダーのハネアリ仕様。

 シビアなライズ狙いにはもっと繊細なのをチョイスしてしまうけど、
 ハネアリの時期に流れを探る、
 あるいは止水に浮かべて出るのをひたすら待つ、
 というような状況のとき、
 プクッと小さくまとまったボディから伸びているレオンのハックルが、
 ヒターッと水面にはりついていると、
 ちょうど良いアピールになってんだな~とおもったこと度々。

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 いろいろ混乱させてくれて、
 いつも翻弄されるので、
 私にとっては目のうえのコブのような存在のハネアリですが……、

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 早朝と午後おそく、
 突如としてはじまったいきなりの派手目なライズ数発。
 これもハネアリの特徴か?

 北海スパイダーのダン色ハックル仕様のサイズ11番にて、
 釣りたてホヤホヤの快心の二匹を見せびらかしたりとかして。

 そして、
 今シーズンのハネアリの流下状況、
 切れ目なく長期間ダラダラと流下していて、
 ときとしてよく喰われているこの状況、
 きっと、
 ここんとこの湿度高めでネチャッとした曇りがち、
 晴れたり降ったりめまぐるしく変化する天候と、
 密接に関係しているんだろうな~とおもってます。

 いいんだか悪いんだか、
 水辺で水面で、
 虫たちの動向をただ眺めているだけでも、
 昨今の不穏で異常な気象状況が垣間見られるようだ。

 みなさま、
 酷暑くれぐれもご自愛ください。
 
 
水も滴る無能の釣り人
 ちょっとお、
 聞いてくれはる?

 昨日はひさしぶりの快晴。
 こんなの何日ぶり?、

 しかもこれぞ道北の夏、
 溢れんばかりの陽の光のした、
 しかもカラッと乾いた空気の快適空間。

 気持ちも身体も釣り気分パンパンにふくらんで、
 朝から晩まで釣りに集中して没頭することができたのだった。

 今年もまた春から現在までイロイロアレコレ野暮用かさなり、
 個人的なオトナの事情に翻弄されて気がかり心配は絶えず、
 そのうえ、
 コロナに戦争に世界の世情にも心を乱し、
 そしてこの、
 異常な天候不順に翻弄されて萎えまくる昨今の日々、
 地球規模の心配までせんとアカンこの時代にあって、

 こんな一日
 いつ以来のことでしょうか?
 ひょっとして、
 今シーズンはじめてとちゃうやろか?

 とにかくもう、
 貪るように釣って、
 水辺を歩きまくって、
 あ~きょうは抜きまくったったで~、
 満たされた至宝の一日だった。

 明けてきょう、
 身体はもうクッタクタであちこちギシギシいうてるねんけど、

 早朝、
 目覚めれば本日も快晴。
 しかし、
 テレビを点ければ「いまは晴れてるけど、これから天候は荒れます悪化いたします」
 もはやお馴染みのいつもの天気予報の解説。

 晴れてるうちに行かなくっちゃ……。

 昨日の甘美な釣りの余韻にどっぴり浸ったまんま、
 夜明けとともに釣欲ムンムン全開で元気いっぱい飛び出したワ・タ・シ。

 そして、
 馴染みの釣り場に到着して、
 逸る気持ちで準備して、
 「身体はクッタクタなのにウェーダー履くとなんかシャキッとするな~」なんつって、
 藪を漕いでポイントを目指し、
 勝手知ったる水辺をスタスタ歩いて、
 視線は朝イチ期待の好ポイントに注ぎまくったまんま、
 無造作にウェーディングしたその瞬間……、

 ドワッバーン!!

 なんてこともない、
 いつも軽々越えていた水底の流木に足をとられて、
 ツルッと滑って、
 もんどりうって転んだワ・タ・シ。

 ちょうど、
 腰のあたりまで立ち込んでいたので、
 ドッボーンと頭の先まで沈んで仰向けにひっくりかえって流されガボガボガボッとエキノコックス一気飲み。

 ビゼンさんの…ちょっといいとこ見てみたい♪

 ウェーダーてプカッとよう浮くな~なんつっておもいながら、
 逆フローティングニンフやな~なんつっておもいながら、
 しばしナチュラルドリフト。
 そして、
 平泳ぎの要領でグワバッと水を掻いて華麗に態勢を立て直し、
 まるで水中から羽化したかのようにスックと立ちあがると、
 全身からダババババ~ッと水が滴りました。

 なんか、
 どこか、
 この不運、
 心のどこかで、
 あ~やっぱりな~絶対なんかあるとおもったわ……、

 でもまあ、
 このアクシデントをあとで笑い話にしてやろうとおもえるということは、
 不幸中の幸いというよりも、
 ありがたいことだな~ともおもった。

 なんつって納得してるワ・タ・シ。

 そしてたったいま、
 竿ひと振りもせず、
 ずぶ濡れのまんま帰宅して、
 とるもとりあえずイロイロ干して、
 ひと心地ついたので、

 こうしてパソコンをカチャカチャしているところ。

 みなさま、
 いかがお過ごしですか?

220722 (1)1

 ワタシがさいきん萌えまくっているのがコチラ、

 フラミンゴのクイルをボディにねじったライトケイヒルの私的ヴァリエイション「桃のケイヒル」

 火照ったひと肌を連想する、
 ほのかな肌色ピンクの毛羽立ちボディがたまらんねんけど、

 ハックル根元のパステルなピンクから、
 先端にむかってジンジャー色にグラデーションがかってるハックルが愛らしくとてもお気に入り。

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 そしてなんか、
 妙に効いてるんとちゃうん?コレ、
 とおもえるところがもっとお気に入り。

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 でもってコチラ、
 ハマッているというよりも、
 今シーズンの現時点でのぶっちぎりホームラン王。

 モンカゲの羽化失敗型の溺れたダンを表現したつもりだったし、
 そんな場面でもフル活躍していたけれど、
 むしろ、
 モンカゲ・シーズンが終わってアトラクターとしてつかいはじめてから本領発揮、
 みたいな状態になっているシンプルなパラシュート。
 
220722 (3)3

 ヒグマの黒毛の柔毛をデルタ状のスペントウイングに巻いたサイズ9番。
 写真のボテ腹ニジマスを掛けて放したあとの記念撮影。

 濡れそぼっているボディにご注目を。

 当ブログではすでにお馴染みレギュラー定番素材「ワシミミズクのクイル」を、
 かる~く細工して超イージーにボディに巻いてんだけど、
 このボディ造作方法、
 いろんなフライにドンピシャ応用できる幅と、
 そしてヴァリエイションの数がハンパなくなってしまった。
 ので、
 もうすこしして機が熟したらアレコレイロイロぜひとも詳細を紹介させてください。

220722 (5)5

 昨日の良き日、
 このヒグマの金毛のモジャモジャを、
 このように陽の光にかざしてみれば、
 半透明な金色がギラギラ乱反射。

 釣りゴコロが浮かれ踊る高揚感とあいまって、
 「うわ~、金色の陽炎がフックのうえで揺れてるみたい」

 なんつって。

 もうウキウキワクワク。

 「やっぱさ~、ヒグマの金毛のフライが最高に美しく燦然と輝いて、
 そしてこれぞ北海道だな~って感慨深い感動ひとしおで満たされるのは、
 でっかいアメマスの口吻にブッ刺さってるときだよな~」

 なんてつくづく感じ入った。

220722 (6)6

 北海道ならではの野性のサカナを、
 北海道にしかいない野性のケモノの毛で釣る。

 すべてはここに集約される。

 TMC9300 の8番に、
 フライのヴォリューム的にサイズ6番とか4番くらいのボサボサ加減で巻いている。

 ので、
 50センチはあろうかというアメマスの口許に刺さっていても、
 なんか、
 サカナがちいさく見えるのがまたなんとも……。

220722 (7)7

 いままでも、
 これからも、
 もうず~っとワタシのライフワーク筆頭格になるヒグマの金毛部門で、
 
 現在のワタシの筆頭課題がコチラ。

 仔熊の金毛をファーハックリングした、
 シロヒトリという蛾の幼虫、
 つまり毛虫のイミテーション。

 ツボにハマると衝撃的というか、
 アンビリーバブルやでコレ。

 シロヒトリの毛虫は、
 その剛毛モジャモジャ・フォルムを指して、
 愛称「クマケムシ」と呼ばれているそうだ。

 そこで一句、

 クマの毛で
 クマケムシ巻く日々
 世俗の憂さに背を向けたい


 字余りだらけ。

220722 (8)8

 あとねえ、
 ゲーリー・ラフォンテーンの訳本のアレがナニして、
 おもうことイロイロで、
 ここにきて、
 スタンダード・パターンをアレコレ気の向くままに巻くのがちょっとしたマイブーム。

 コチラはエゾジカの毛をつかったロイヤル・ハンピー。
 オレンジとこげ茶のグラデーション・ハックリング仕様となっております。

 というように、
 ただ単純に巻くんじゃなくて、
 いま現在のじぶんの作風でもって、
 さらに凝っている素材を駆使して巻いて、

 ワタクシの色に染めあげたスタンダード・ドライフライパターンせっせと巻いてる。

 そしてなによりも、
 それらを徹底的にズッコンバッコン使い倒してる。

 とまあ、
 そんなこんなの近況のさわりの部分を、
 ザ~ッと並べてみました。

 
 
ツキノワグマの毛と北海スパイダー&ツキノワグマのファー販売促進活動おもしろタイイング情報など。
 道北地方在住のワタシ、
 そして道央地方在住の友人ふたり。

 おたがい遠方に住んでいるので、
 そうそう頻繁には会えないけれど、

 それでも、
 もうず~~っとまえから、
 だれ言うともなく暗黙の了解にて、
 毎年シーズン中かならず3人で釣行を共にする古くからの友人たちと、
 つい先日、
 恒例のおたのしみ釣行会とあいなりました。
 
220615 (1)1

 ヒグマとの遭遇が怖ろしいとか
 ゴルジュ地帯を遡行するのが怖いとか、

 そういうことよりも、
 極度の閉所恐怖症および高所恐怖症のヘタレなワタシにとっては、
 とても独りではいけない、
 見あげるような岩盤の崖と巨岩累々の山岳渓流を、
 3人でキャッキャワイワイと釣りのぼってきました。

 なにせ、
 過去たのしかった釣りの記憶やハプニングにはこと欠かない仲良し3人組。

 なので、

 あのときはこうだったね、
 ああだったね、
 などと、

 3人で会えばかならず出てくる話題がたくさんある。

 そして今年もまた、
 いつものように、
 もう何十回、
 いや何百回も繰り返して話している思い出語りに花が咲いて満開。

 そして、
 毎度おなじ話でおおいに盛りあがり、
 これまたいつものように皆でワハハと笑うんだけど、

 これがもう、
 たのしくってたのしくってたまらない。

 だって友だちだもの。

220615 (2)2

 と、
 そんな気心知れまくった友人たちとともに、
 気持ちが弾みっぱなしのリラックスしきった釣りの一日。

220615 (4)4

 この日は最初から最後まで、
 このフライ一本のみで釣り通してみた。

 北海スパイダーのサイズ11番。

 もはやいつから使いはじめたのか定かではない古くからの相棒。

 そして、
 ハタと気がついてみれば、
 アダムス・パラシュートをはるかに抜いて、
 ゆるぎなき当社一大ベストセラーの座に長年君臨しているフライ。

 じぶんが使う分、
 オーダーをいただいたお客さまにお渡しする分、
 それらあわせて年間何本巻いていることか……、

 という、
 もともとはヒグマの黒毛でボディを巻いていたお馴染みフライのボディを、
 このまえ販売させてもらったツキノワグマの柔毛で巻いてつかってみた。

 ツキノワグマの柔毛を本格的に、
 かつ真剣につかいはじめたのは昨シーズンからのこと。

 まだまだ、
 じぶんでも馴染みの浅い素材を、
 頭ではなく五感で理解して把握するには、
 使い慣れて心身に沁みてるような馴染みの定番フライをそんな素材で巻いて、

 そしてそれを徹底的に使い倒すのがもっとも手っ取り早いのだ。

220615 (3)3

 寒暖の差がはげしい天候不順と、
 急激な渇水。

 条件はけして良くはなかった。

 けれど、
 典型的な山岳渓流の、
 変化に富んだポイントや状況のなか、
 何匹釣ったのか定かではないほどほどにはサカナも釣れてくれて、
 なにより一本のフライを丸一日ず~~っと使い通してみて……、

 このまえ販売したツキノワグマの柔毛、

 メッチャいいよ!

 と言いふらしたい気分。
 
 あのフライにも、
 このフライにも、
 ぜひとも試してみたいイメージがどんどん膨らんで、

 今後、
 このツキノワグマの柔毛をおススメする言葉群に、
 より一層の確信をもって熱がこもるであろうことを確信したのでございました。

 たいへんに有意義かつ有益で、
 情報量の多い釣りの一日だった。

 そこで、
 まさに今回のこの日の釣りにつかったフライを巻いているところも、
 ここでぜひとも紹介してみようとおもいたって……、

220615 (5)5

 TMC102Y の11番に、
 ワックスを塗布したPE系スレッドでシャンク全体に下巻きを施したところ。

220615 (6)6

 で、
 シャンク中央にスレッドをコブ状にグルグル巻いて……、

220615 (7)7

 そこに、
 インジケーター・ポストとなるHI VIS ドライウイングのヤーンをこのように挟んで巻き止める、
 いつものパラシュート・ポストの立て方。
 まずはその根元ギリギリの部分を強めのテンションでスレッドをビンビンにはりつめながら、
 キツ~ク7~8回転ほど巻いて……、

 ここでいきなり話しは飛ぶけれど、
 このようにヤーン素材をシャンクに挟んでポストを立てる方法は、
 ボディ全体にヤーンを巻き込む方法とはちがって、
 ヤーンがボディの下地にはならないので、
 フライが重くならず、
 かつかさばらず、
 細くも太くも調整できるのが利点。

 また、
 フライの突起部分と重い部分をここに集中させることができるので、
 ドライフライの重量配分というかバランス的にも理想的。

 なんだけど、
 最大の泣き所は、
 つかっているうちに知らず知らずポストがズレて斜めに倒れていたり、
 現場でイラッとすることがやたらと多発するところ。

 これをぜひともなんとかしたい。

 ガンガン酷使しても微動だにせず、
 ポストはスックと垂直に立ち続けてほしい。

 というところで、
 現時点での秘密兵器が、
 このスレッドで巻いたコブ状にところにヤーンを挟み込む方法。

 このコブを滑り止めにして、
 ポストを立てているという原理。

 ぜひぜひ試してみてください。
 ものすごい頼もしいから……。

 そして、
 この方法でポストを立てると、
 とうぜんヤーンの根元がふくらむことになる。

 この形状を利用して、
 ここで巻いているフライのみならず、
 フローティングニンフやミッジやなんやのマッチ・ザ・ハッチな繊細系から、
 ぶっとい極太ボディのテレストリアル系まで、
 ほかのいろんなフライにも素晴らしく有効利用できるんだけど、
 そんなこんなはひとますおいといて……、

220615 (8)8

 ポストの根元ギリギリをギッチギチに巻いたら、
 こんどはポストの挟んだ部分全体を、
 スレッドでギリギリと強めテンションで巻いて……、

220615 (9)9

 そしてハックルを巻くスペース分を、
 いつものようにスレッドで巻きあげていく。

 ここまでの手順をキッチリ巻いていれば、
 きっと、
 この巻きあげている最中に、
 ポストがものすごいがっちり固定されている手応えがヒシヒシ感じられるかとおもいます。

220615 (10)10

 そして、
 垂直にがっちり立てたポストをさらに強固に立てるためにダメ押し。

 スレッドを下から上に巻き上げていったわけじゃん?
 そしたらこんどは、
 スレッドを下方向に巻き下げるのではなく、
 ここでポストを指でピーンと上に引っぱりながら、
 最上部まで巻き上げスレッドを写真のようにポストの根元までギューッとひっぱりながら下げていって、
 そしてシャンクに3~4回転スレッドを巻くと、

 ちょうどテントの支柱のように、
 ピーンと張ったスレッドのテンションがポストを上からも支えることになるので、
 ポストをより一層強固に立てることができるという寸法。

220615 (11)11

 で、
 こんどはツキノワグマの柔毛をつかってボディを巻いていくわけですが……、

 後光に包まれるヒグマ柔毛のスペントウイング・フライ・タイイング考察」2022年4月13日の当ブログのこの記事を参照してボディ巻いてください。


220615 (12)12

 ヒグマの剛毛柔毛に慣れた方ならば、
 このツキノワグマ柔毛ダビングのソフト感ならびにファーの細さにおどろくというか、
 違和感すら感じられるかとおもいます。

 そしてさらに、
 それほどまでにダビングしやすい質感にもかかわらず、
 クマの毛ならではのファジーかつ生命感ムンムンの毛羽立ちや、
 光を反射する光沢感があることにドキドキ。

 きっとこれなら、
 ヒグマの剛毛ではどうしても巻けない小型サイズや繊細系パターンが、
 クマの毛の質感や色調を活かしたまんまアレコレ巻けるやんかと、
 妄想とイメージがワクワクふくらまれることとおもいます。

 が、

 ここで注意点。

 あまりにダビングしやすいので、
 手間を省いてスレッドにファーを撚りつけただけでダビングしてもいいのでは?
 とおもうかもしれませんが、

 ここはひと手間のかけどころ。
 
 当ブログでは、
 もはや変わり映えしなさ過ぎて申し訳ないとおもうほどに、
 しつこいほどに提唱しております、
 いつものループダビングにてボディを巻くのが最大のキモでありコツ。

 ヒグマでもツキノワグマでも、
 クマの毛ボディにしか演出できない素晴らしい特性をいかんなく発揮させるためには、
 やはりこのループダビング……合言葉は「挟んで捩じってグルグル」テクが最強。

220615 (13)13

 で、
 ポストを巻き止めた部位を、
 このように剥き出しにしたまんまアント型のボディをダビング。

 ここでご注目は、
 アント型ボディのヘッドとなるコブ状のダビングを、
 フックのアイ方向からポストの根元に向かってダビングしているところ。
 
220615 (14)14

 そして、
 ここでもまた、
 フライの見映え良く、
 またより丈夫に仕上げるためのちょっとしたコツを……。

 コブ状のヘッドをダビングしたら、
 ボビンをグル~ンと回してスレッドに撚りをかけて、
 スレッドを細くしておいて、
 写真のようにスレッドをヘッドにクロスさせてヘッド上部にバッテンを描くように巻いて……、

220615 (15)15

 そして、
 ヘッド後方にスレッドを2~3回転。

 こうしてヘッドをスレッドで補強しておくと、
 酷使に酷使を重ねてもヘッドの小さなダビングのコブ形状が型崩れしない。
 だけでなく、
 ヘッド形状がキュッと締まってフライの見映えもバランスも断然よくなる。

 で、
 ヘッド上部のバッテン状の白いスレッドが、
 この段階ではこのように丸見えだけど気にしない。

 フライが完成すれば自然と気にならなくなります。

 が、
 どうしても気になるようなら、
 こうして巻いたあとに、
 黒のマジックをスレッドにチョンとかる~く染み込ませれば完全に消えます。

220615 (16)16

 そしていよいよハックリング。

 このハックリング過程もまた、
 アレコレ最新のコツとキモ満載で解説しますぞ。

 まず、
 基本のハックルは、
 ノーマルサイズのコックハックル各種と、
 オーバーサイズでロングファイバーなコック・デ・レオンのサドルハックル各種。

 ここでは、
 ホワイティング・ヒストリックスのグリーンウェルのコックハックルと、
 ダイド・ブラックのレオンのサドルハックルをつかった。

 が、
 あとで見るように、
 コックハックルとレオン・サドルの色や組み合わせはものすごく自由。

 ここはもう、
 じぶんの手持ちのものやお好み次第でなんでもイケます。
 経験上、
 このフライを巻くならば、
 たいていどのハックルを組み合わせてもマッチしてしまう。

 と、
 そんなハックルの色調よりもはるかに重要なのは、
 ハックリングの方法と、
 ハックルのバランス。

220615 (17)17

 ポストにハックルを巻き止めたところ。

 コックハックルをハックル・スペースの最上段、
 そしてレオンのサドルをポストの根元付近、
 根元よりも心持ちほんの上に巻き止めているところに注意。

220615 (18)18

 まずはコックハックルを上から下にグルグルとハックリング。

 フライのサイズを問わず、
 目安として、
 レオンのサドルの上側に5~7回転。
 そして、
 レオンのサドルの下側に2回転。

 つまり、
 コックハックルはレオンのサドルを挟むようにハックリングしている。

 また、
 コックハックルは合計で7~9回転と、
 かなり厚めにハックリングしています。

220615 (19)19

 そしてつぎにレオンのサドルを、
 巻き止めた位置に1回転もしくは1回転半。

 ここものすごく重要。

 いっぱいハックリングしたい気持ちをグッとおさえて1回転半まで。

 レオンのサドルは1回転半まで。

 そして、

220615 (20)20

 まずはここまで巻いて、
 ポストの高さを決めてカットして、
 ハックルの余りもカットして、
 ポストの根元ギリギリでスレッドをハーフヒッチして巻き止め、
 スレッドもカットしたところ。

 が、

 ここで完成ではなく、
 フライの性能をより引き出すために、
 また、
 このフライの旨味をいかんなく発揮させるために、
 ここからの工程もすごい大事なコツになります。

220615 (21)21

 まずはレオンのサドルのファイバー全体を、
 このように指先で軽く摘まんで、
 やさしくひっぱって、

 パッと離して、
 ハックルがフワッとひろがったら、
 さらにハックルにフッと息を吹きかけてやると……、

220615 (22)22

 このように、
 レオンのハックルがハックリングしただけの状態よりも、
 ファイバーがさらにまんべんなくひろがって、
 コックハックルのあいだに挟まれるようにひろがる。

 そしたらこんどは……、

220615 (23)23

 ピンセットをつかって、
 レオンのファイバーを一本づつ摘まんで、
 どんどんひっこ抜く。

 ひっこ抜くファイバーは、
 上下ナナメ方向に飛び出ているファイバーや、
 ファイバーどうしがくっついている状態のもののどちらか一本をねらって、

 ピンセットで摘んでいく。

 そして、
 水平にまっすぐ伸びているファイバーだけを残して、
 いらないファイバーはビシバシ摘み取っていく。

 いわば、
 ハックルの剪定作業。

 ここで一服、
 ちょっとしたお役立ち情報ですが、
 ピンセットの先端にかる~くワックスを塗布しておくと、
 それが滑り止めになって、
 こうした作業が格段にやりやすくなります。

 さらに余談だけど、
 おなじようにハックルプライヤーにも薄くワックスを塗布しておくと、
 挟んだハックルの抜けや切れ防止にもなります。

 お試しあれ。

220615 (24)24

 そして、
 余分なレオンのファイバーをすべて摘み終わった状態。

 ここでは合計で13本のファイバーがフライ全体に拡がっている。

 目安として、
 これくらいのファイバーの数を上限として、
 だいたい8~10本前後のファイバーがあれば充分。

 もうなんていうか、
 ハックリングしたばかりのフライを比較すると、
 レオンのロングファイバースッカスカ。

 しかしこれがいいの素晴らしいの。

 この、
 水平方向にスーッと伸びたスッカスカの超ロングなレオンのファイバーが、
 ヒターッと水面膜にへばりついて醸し出す、
 ほんとにムシの肢のようなリアルな雰囲気。

 しかもそれは、
 スッカスカなだけに、
 わずかな振動や揺れにも反応して、
 勝手にユラッと揺れるわブルンッと震えるわ……「うわ~コレ反則~」と言いたい絶妙な動き揺らぎ。

 これぞコック・デ・レオンのファイバーならではの真価を発揮してくれます。

 さらにしかも!
 ノーマルサイズなコックハックルでレオンのファイバーの根元を上下からガシッと挟むようにハックリングして固定しているので、
 常にファイバーが理想的に広がっている状態を維持。
 ほぼ型崩れしない。

 ファイバーの根元周辺がとくにしなやかにソフトなので、
 そのぶん揺れや振動などの動きに敏感なレオンのサドルは、
 それだけにファイバー根元が吸水しやすく、
 かつ変形しやすい。

 なので、
 もしノーマルサイズなハックルがなければ、
 ものの数投でファイバーがフライの後方になびいてしまって変形。
 しかもファイバーが束状にくっついてしまう。

 浮力の向上だけではなく、
 そうしたレオンの弱点をフォローしつつ防いで、
 ハックルの形状維持に貢献してくれるのがノーマルサイズなコックハックルというわけです。

220615 (25)25

 で、
 さいごにポストを巻き止めた部分を着色して……、

220615 (26)26

 そこにヘッドセメントを塗布してコーティング。

 この部分のエナメル質にテカった質感と、
 ツキノワグマでもヒグマでも、
 ゴワゴワと毛羽立ったファジーな質感の対比の妙がまたいかにもムシっぽい印象。
 目下たいへん気に入っているボディ処理になってます。

 また、
 フライのもっとも重量がかかって、
 かつ水に接しやすい構造のポスト部分がフライの中央にあって、
 その両側に水切れが良くて軽い素材のクマの毛がコブ状になっているというシーソー・バランス構造。
 なので、
 パラシュート型のドライフライとしてのバランスが理想的。
 とかく安定した姿勢で浮いてくれる。
 だけでなく、
 視認性の向上を目論んで、
 ポストの長さをかなり長めの高めにカットして、
 かつビシッときつめに荒く無造作に投げても、
 スッカスカのレオンのファイバーの適度な空気抵抗とあいまって、
 ひっくり返って着水してしまうなどのトラブルの記憶が皆無。

 使い勝手すこぶる良好。

220615 (27)27

 幾多の実績と経験にチカラを得て励まされ、
 
 我がフライをこれでもかと褒めちぎっておりますウレシハズカシ自画自賛。

220615 (28)28

 と、
 そんな可愛い自画自賛はおいといて、

 今回の目的でもあるツキノワグマの毛をダビングしたフライを、
 丸一日、
 ビシバシ投げてガンガン流してズッコンバッコン釣ったあとのボディの質感を見てくれトキメキすばらしい。

 いつものループダビングでがっちり強固に巻いてあるので、
 ボディはまったく型崩れしていないばかりか、
 ボディのファーがなんとも良い感じで自然にツンツン毛羽立って、
 陽の光を反射してテッカテカ。

 巻きたてホヤホヤの状態よりも、
 ずっと絶妙に醸し出されてる生命感ムシっぽさ。

 これぞクマの毛ダビングの真骨頂に大満足。

 もはやワタシの最重要ライフワークになってしまったヒグマと並行して、
 今後はツキノワグマも使い倒しまくったろやないかと、
 この写真を見ていると、
 おもわずグッときちゃうのです。

220617 (1)1

 そしてコレは、
 丸一日つかい倒されたあと、
 たいしたケアもされず、
 そのままフライパッチに刺しっぱなしにして、
 そのまま生乾きになっていたフライを取り出して、
 フッと息を吹きかけてハックルを拡げた状態。

 レオンのハックルが狭いフライパッチのなかでひゃげてしまって、
 ファイバーの数本にクセがついてしまっているという有様。

 けれど、
 個人的にはまったく気にせず、
 このまままたずっと使います。

 むしろ、
 クセのついたファイバーが水面膜にはりつくと、
 そのほうがリアルな印象に映る感じ。

 とにかく大事なのは、
 このようにレオンのファイバーがフワッと拡がっている状態を維持していること。

 と、
 もうひとつ忘れちゃいけない重要なのはフロータント。

 ずばり、
 このフライにはスプレー式のやつが最適。
 ワタシはティムコの「ドライディップ・スーパー・スプレイ」というのを、
 フライの下からシュッと軽くひと吹きするだけでつかっています。

 なぜかというと、
 ハックルがフワッと拡がっている状態のままフロータント処理できるから。
 そしてなにより現場で簡単簡潔で手間いらず。

 ジェル状または液状の粘度の高いフロータントだと、
 レオンのファイバーがベタついて、
 ファイバーどうしくっついてしまいがち。

 それは避けたいところ。

 とはいえ、
 この日の釣りの終盤で、
 友人がつかっていた秘蔵の強力なベチャベチャの塗り薬みたいなフロータントが、
 あまりに「これ浮くよ~」というので試したくなって、
 そのような粘度メチャ高めのフロータントもつかってみました。

 案の定、
 塗布するとレオンのファイバーがくっつくんだけど、
 フライを二度三度水面に叩きつけてから、
 指先でレオンのファイバーを撫でるようにして振り分け、
 この部分だけ付着したフロータントを取り除くようなかんじにして、
 そのままつかってもなんら問題なく、
 逆に友人の「コレ、ぼっこり浮くよ~」の言葉どおり、
 数匹のサカナを釣ったあともフライをかるくバシャバシャッと洗う程度のメンテナンスで、
 延々ぼっかり浮きつづけておりました。

 と、
 そのような現場でのひと手間を惜しまなければ、
 逆にどのようなフロータントでも対応可能ということです。

 タイイングには「ひと手間」の労をまったく惜しまないけれど、
 現場ではこうした「ひと手間」が面倒で、
 なにくれ簡潔にしたがるワタシ。

220617 (2)2

 なんだかんだと、
 話したいことがたくさんあり過ぎて、
 寄り道ばかりになっておりますが、

 話しをツキノワグマの柔毛ダビングに戻します。

 写真はTMC102Y の15番サイズに巻いた北海スパイダー各種。
 ノーマルシャンクのフックだと16番にちかいサイズ。

 いろいろあるこの素材の特徴のなかで、
 やはり最大の旨味は、
 このような小型サイズのフライのボディに、
 生命感満点のファジーでゴワゴワした剛毛感のある毛羽立ちと、
 独特の光の反射を兼ね備えた、
 クマの毛にしかないダビング・ボディがきわめて容易に巻ける、
 というところ。

 ただ、
 いかんせんツキノワグマに関しては、
 まだほんの数頭しか見ていないので、
 こうと断言しかねる歯がゆさはあれど、
 現在当社で販売している個体に関しては、
 クマの毛らしい質感でありながらファー繊維が非常にソフトで細くダビングしやすいところは、
 ほんとに素晴らしいなとかんじています。

220617 (3)3

 とはいえ、
 ヒグマの黒毛の剛毛柔毛の魅力は、
 なんら変わることはなく……、

 左はツキノワグマのファーで巻いたサイズ15番。

 右がヒグマ黒毛のファーで巻いたTMC9300 の8番の真っ黒スパイダー。

 これ、
 当地ではこれからの季節の必殺のひとつ。
 とくに、
 ハルゼミ・シーズンがひと段落して、
 ビッグサイズなドライフライで痛い目をみたマスたちが激スレ状態の季節に突入したころ。

 コガネムシから毛虫からクワガタに至るまで、
 巨大な陸生昆虫を飽食しているくせに、
 ホンモノにはうたがいなくガボッといくくせに、
 おなじようなサイズのドライフライは見向きもしてくれなくなって、

 水面のビッグなフライにむかってスーッ浮上してきても、
 ものすごい余裕しゃくしゃくで見切ってUターンしてしまうような、
 ありがちなシーンと状況のとき、
 ヒグマの金毛カディスかこのフライのやはり8番……ものすごい信頼して頼りにして、
 そして報われたこと数え切れず。

 もはやワタシの定番作戦。

 ラバーレッグのド派手なブルブルアクションを鼻で笑ってあしらうように警戒してしまうようになった海千山千のマスも、
 太陽光に反射してボワ~ッと後光がさしているような、
 ヒグマの柔毛独特のダビング・ボディからヒョロッとのびている、
 スッカスカのレオンのファイバーの揺れ動きには、
 ついついフラフラ~っとやられちゃうような場面……いっぱい見てます。

 そして最後のダメ押し作例を……、

220617 (4)4

 赤やオレンジの定番ワンポイントもいいけれど、
 これからの季節、
 ヒグマの黒毛ボディの真ん中に、
 黄色のアクセントもオツなかんじ。

 ハチとかハナアブとか、
 なんなら女郎蜘蛛?とか……似たような色合いのホンモノ多々いるけれど、

 アイディアの源泉はフルドレス・サーモンフライの雄「ジョックスコット」
 サーモンフライ永遠の「効く」と信じられている色調、
 黄色と黒の鮮明なコントラストの伝説にあやかりたいイタズラです。

 そんなわけで、

220617 (5)5

 ツキノワグマの柔毛、
 まだ在庫いっぱいあります。

 1、ショートヘアーなファー 1500円。
 2、ロングヘアーなファー 1500円。
 3、ファーの密度高めのEXグレード sold out

 そして、

220617 (6)6

 ヒグマの黒毛のファーもすこしだけ在庫まだあります。

 4、ヒグマの黒毛 sold out

 ご注文の際には、
 ご希望の番号をお知らせいただいて、

 bizen-m@olive.plala.or.jp

 まで、
 ご連絡お待ちいたしております。

 写真は今じぶんがつかっている、
 すでにハゲちらかしたスキンを掲載しておりますが、
 送らせていただくものは当然フサフサの新品を発送させていただきますので、
 くれぐれも念のため。
 
 そして、
 さらに販売ご案内ですが、
 これらのファーどれでも1パックに900円をプラスしていただいて、
 今回の当記事のフライ写真につかった北海スパイダー1本とセット販売もさせてください。

 ツキノワグマのファーをボディに巻いたTMC102Y のフックサイズ、
 9番、
 11番、
 15番、

 と、
 ヒグマの黒毛ファーをボディに巻いたTMC9300 のフックサイズ、
 8番

 がありますので、
 ご注文いただく際にはご希望のフックサイズをお知らせください。
 ハックルの色などは1本づつすべて異なる配色で巻いています。
 ので、
 どれを選ぶかは僭越ながらおまかせください。

 また、
 フライだけのバラ売りは今回はしておりませんので、
 ほんとに生意気でスイマセンがご了承ください。

 それでは、
 どうぞよろしくお願いいたします。

 
類は友を呼ぶ
 先週の日曜から木曜まで、
 ヒグマやエゾジカの毛皮をはじめ、
 そのほか諸々の仕入れのために出張しておりました。

 ひさしぶりの長距離ドライブに骨の髄から疲労困憊。
 気力をふりしぼって、
 帰宅早々とるもとりあえず、
 パソコンのメールを確認したら嬉しいお便り…フフフと頬が緩んだ。

 昨年の初秋のころ、
 我が家のすぐ目の前を流れる近所の川で出会った、
 ルアー釣りの青年からのメール。

 いわく、
 「来月の後半から一週間ほど、そちらに行く計画です。いつものように車中泊をしながらあの川で釣りたいとおもっています。そのとき、またお会いできますか?」

 できます!
 できますとも!
 ぜひまたお会いしましょう!

 ビックリマークをいっぱいつけて、
 諸手を挙げて歓迎したい旨のメールを返信。

 ささやかな楽しみがひとつできた。

 とはいえ、
 彼とのファースト・コンタクトは、
 内心ものすごく最悪だった。

 心のなかで舌打ちしながら、
 最初の挨拶を交わしたのだった。
 おたがいに……。

220611 (2)2

 彼と会ったのは、
 まさにこの場所。

 明るく開けた河原がひろがり、
 ドーンとえぐれた深みあり、
 水量豊かな荒瀬あり、
 
 見た目は「もういかにも……」なポイントが連続している区間。

 なのだが、
 惜しむらくはサカナがいない。

 もう徹底的にいない。

 いついっても全然釣れない。

 いや、
 いるにはいるけど、
 あまりにも魚影が薄すぎて、
 そうそう釣れない。

 この界隈では、
 これほどまでにサカナの気配を感じさせない流れはないのではないか?

 なのでとうぜん、
 釣り人も来ない。

 まったく会わない。

 これまで他の釣り人に会ったことがない。

 だがしかし、
 そこがいい。

 誰にも会わず、
 いつもたった独りで、
 好きなように水辺を釣り歩けるのはとてもいい。

 釣れようが釣れまいが、
 ここではそんなのどうでもいい。

 この区間は、
 いついってもワタシの独り占め。

 素晴らしい。

 はなから釣れるわけがないとおもっているし、
 釣りたいともおもっていないから、
 ギラギラした欲はない。
 常に余裕がある。

 という穏やかな気持ちで、
 素朴で美しい里川の流れを独りそぞろ歩きながら、
 
 あたらしく試したいフライや素材をつかって、
 未知の素材がどのように浮くのかとか、
 新作フライがどのように流れるのかとか、
 などなど、
 アレコレ実験したり確認したり没頭するには最高の場所。

 そしてなにより、
 だれにも邪魔されず、
 また逆に誰にも迷惑をかけず、
 誰に気をつかうこともなく、
 気をつかわれることもなく、

 イメージを膨らませながら、
 瞑想や妄想を羽ばたかせるための、
 ワタシにとってとても大切な場所。

 といっても、

 ほんとに稀に、
 まるで奇跡のように、
 予期せず唐突に、

 忘れがたいドラマの幕があがる……こともある。

 だから、
 釣れはせずとも、
 釣りゴコロの片隅にはいつも淡い期待も抱いている。

 これもすごく重要。

220611 (3)3

 昨シーズンは、
 早春のころから晩秋にかけて、
 何度も何度もここに通って初秋のころ、
 たった一度だけチャンスがあった。

 流れの見た目だけはいかにもだが、
 いつもなにも気配がない平瀬の流れ込みで、
 なにがどうしたのか、
 ナミトビイロカゲロウの羽化と流下に反応して、
 イッピキのマスがしきりとライズを繰り返していた。

220611 (1)1

 そしてしかも、
 あろうことか、
 一巻入魂で気合を入れて巻いたクラシックなタップス・インディスペンサブルを投じて、
 そのマスをまんまと釣りあげることができたのだった。

 上出来だった。

 完璧だった。

 そのマスを流れに戻し、
 これはひょっとしたら今日はイケルのではないかと、
 はりきって気合を入れて真剣に流れを釣り探りはじめてしばらく、

 なんということか、
 下流のほうからクマ避けの鈴の音がかすかに聞こえてきた。

 えっ?なんやねん?とおもって気持ちがザワついた。

 我が聖域を無遠慮に犯す、
 不穏で無粋な鈴の音。

 ややしばらくして、
 下流からルアー竿を振る不埒な侵略者のヤツがひとり、
 不躾な鈴の音をジャランジャラン鳴らしながら、
 どんどん釣り上ってくるではないか。

 ……えええ~、釣り人いるのかよ~……、

 心底ガッカリした。

 ヤツもまた、
 上流にいるワタシを発見して、
 一瞬「え?」とおどろいたような表情。

 そして、
 おたがい無言で会釈。

 しかも、
 ヤツがなんだか探るような足取りで、
 おずおずとワタシのほうに近寄ってくるではないか。

 しかたがないので、
 「こんちは~」

 それにつられてヤツも挨拶を返しながらペコリとお辞儀をして、
 そして開口一番、

 「あの、このへんって、釣り人よく来ますか?」

 「いや、ここ近所だからよく来るけど、釣り人はアナタに会ったのがはじめて」

 ヤツは明らかにホッとしたように、
 こわばった表情を緩めて、

 「ここって、釣れますか?」

 「いや、めったに釣れないよ」

 「ですよねえ」

 「それでどう?釣れた?」

 「ボク、車中泊しながらこのへん釣って3日目なんですけど、さっきようやく60センチくらいのアメマス掛けて、足元まで寄せたんですけどバラしちゃいました」

 うっそマジでえ?

 すごいじゃん!

 どこで?
 ルアーなに?
 どうやって掛けたの?

 ヤツという呼び方改め、
 彼は、
 ワタシの矢継ぎ早な質問に対して朗らかに、
 そして事細かに答えてくれた。

 教えてくれたポイントは、
 もはや完全にノーマークだった超浅場よもやの小場所。

 しかも、
 彼がつかっていたルアーがまたオトコらしくふるっていた。

 10センチ以上もあるセッパリ型の、
 まるでカラフトマスのミニチュアのようなプラグ。

 しかも自作のプラグだというではないですか興味津々。

 「このルアーで、あんな浅場で、そんなでかいアメマスって……それじゃあルアー追ってくる様子が丸見えでしょ?」

 「そうなんです、すごいんです、それがもうたまらないんです」

 「マジか~。それええね~!」
 「ところでアナタ、どこから来たの?ここはよく来るの?」

 聞けば、
 関東地方の大都会から年に1回、
 2週間ほどの休暇をとって、
 車中泊で道内各地の釣り場をあちこち釣り巡るのを恒例にしていたが、
 3年ほど前からこの場所をいたく気に入って以来、
 貴重な休暇の半分はこの場所で釣り過ごすのだと彼は語った。

 「でもここ、魚影薄いよ」

 「ですよね~。でも、たまに出ればでかいし、すごいサカナだし、それにここって、いつも誰もいないから独りでのびのび釣れるし……」
 
 それを聞いておもわずウハハと豪快に笑った。

 彼もまた、
 独りだけの釣り世界に浸りたくて、
 この場所に吹き寄せられたヒトだった。

 「いや~、オレもさあ、近所だからっていうのもあるけど、ここ、誰も来ないから気に入ってんの。ロケーションもいいし」

 「ぶっちゃけボク、じぶんで作ったプラグを泳がしてるだけでも楽しいんで」

 ほんとにまったくもう、
 なんてステキなことサラッと言ってくれちゃうのアナタ、
 もうちょっとじっくりお話ししようよ……。

 聞けば、
 彼の本筋はブラックバスのトップウォーター専門の釣り師なのだそう。
 それも、
 いつのころからか自作のプラグしかつかわなくなったとのたまった。

 「あっちの釣り場って、どこも競争率高いしスレてるし、トップだとバスもたまにしか釣れないんですけどね。だから釣れないの慣れてるっていうか、当たり前なんすよ」

 「オレもさあ、いまはバス釣りしないけど、もうフライしかやんないけど、古いバスプラグが大好きで、大昔あつめたプラグをいまでも飾ってるよ」

 先ほどまでのおたがいビンビンはりつめた警戒心はもうすっかりどこへやら。

 これが意気投合というやつか。

 夕暮れが近づいてきても、
 アレコレの興味深く愉しい話しは汲めど尽きず、
 すっかり長話し。

 けっきょくこの日は彼も釣りをやめて、
 クルマに戻って着替えたらコンビニに行って食料買って、
 それから道の駅に泊って、
 明日からも数日間、
 このあたりを釣ってみるという。

 じつは、
 彼と話しながら、
 いっそ我が家に泊ればと提案しようかともおもった。
 けれど、
 独りだけのプライム・タイムを愉しみに、
 遠路はるばるここまで来てるんだから、
 それは野暮というもの。
 遠慮した。

 なので、
 おせっかいかなとおもいながら、
 かつて自分がここに引っ越してくるまえ、
 彼とおなじように車中泊で釣り歩いていた時代に見つけた、
 独りでリラックスできるおススメ車中泊ポイントや、
 彼が気に入りそうな、
 釣り人は少ないけれど有望釣り場の入渓点などなどもいくつか伝えた。

 と、
 そんな話しをしながら、
 夕暮れをまえに巣に帰るカラスの群れがカアカア鳴き交わしている河原を、
 ふたりでブラブラ歩きながらの帰路、
 
 「あのさあ、ぶっちゃけたこというけど、最初オレと会ったとき、チェッておもったやろ?」

 「え?いや……あの……」

 「ウハハ、ええねんええねん。正直ゆうてオレはキミが釣りのぼって来たとき、こんな場所まで人が来るのかよ~とおもって、ものすごいガッカリしたから」

 「いや~、そうですね、ボクも最初はガッカリしました。でも、いろんな話しができて、きょうはたのしかったです」

 ウハハハハハハありがとう同感です。
 ますます気に入りました。
 ぜひまたお会いしましょう。

220611 (4)4

 車中泊遠征の旅人に教えてもらったポイントと釣り方を貴重なヒントにして、
 我が家から目と鼻の先の庭のようなこの釣り場での、
 その後の成果やワタシの作戦もぜひ報告したいしウハハハハハハハハハハ。

 べつに、
 ほかの釣り人がイヤというわけでは全然ないし、
 人嫌いでもなんでもない。

 むしろヒトが好き。
 
 いつだって良い出会いを渇望している。

 だけど、
 水辺で独り自由気ままに過ごす時間をとても大切におもっている。

 そんな機微を、
 ともに共感しながら、
 共有しあえるヒトに会えると、
 とてもうれしい。

 またの再会を心待ちにしております。
 
  
インチワーム
220603 (3)3

 例年であれば、
 ちょうど今ごろから水辺でチラホラ見かけるようになって、
 6月の下旬から7月中旬ころをピークに、
 年によっては10月くらいまで頻繁に見かける黄緑色のイモムシ。

 だいたい1、5センチから2センチくらい。
 テキトーにブナムシと呼んでいるけれど、
 正式名称はとくに調べてません。

220603 (1)1

 当地オホーツク地方では、
 とくにブナの森でなくても、
 このように水辺の木々が水面にオーバーハングしているような川では、
 たいていどこでも時期になればいっぱい見かける。
 ので、
 きっとちがう種類かもしれない。

 おりしも、
 ハルゼミを皮切りに種種雑多な大型テレストリアルを意識したビッグなドライフライの最盛期。
 釣りをするうえで、
 けしてメインではないし、
 コレしか効かない…という状況に巡り会ったこともない。

 ただ、
 水辺の木々にいっぱいぶら下がっていて、
 いっぱい水面に落ちて、
 シーズン中ほぼ常時わんさか流下しているということは、
 とうぜんマスたちの常食になっていることは必然。

 フライボックスに忍ばせておいて、
 けして邪魔になるわけでなし、

 むしろ、
 忍ばせておくと、
 濃厚に脂ぎったビッグサイズ・ドライフライのメインディッシュな釣りに胸焼けしたあとのデザートとしては、
 なかなかにスイートさわやか女子力高めキャピキャピな夏の釣りを堪能できるイモムシ・フライ。

 ブナムシ・フライの釣り、
 わたしとっても気に入ってます。

 てゆーか、
 ほんとはヒグマの金毛だ黒毛だツキノワグマだエゾリスだと、
 ここでいっちょガツーンと必殺メインディッシュのどれか紹介しよかなともおもったんだけど、
 
 ここ最近の当ブログに登場するフライたちが、
 あまりにも茶褐色もしくは黒褐色ばっかなので、
 ここはちょっと新緑の季節がら色どりも考慮して、
 今回は黄緑色でいってみよかなと……。

 チュルンとフルーツ・ゼリー感覚なブナムシ、
 ちょっと巻いてみましょう。

220603 (4)4

 用意する材料はコチラ。

 左側がチャートリュースのエッグヤーン。
 そして右側がチャートリュースのハイヴィズ・ドライウイング。

 あとは中小型のビーズ。
 色はゴールドでもコッパーでもなんでも可。

220603 (7)7

 ここでつかったフックはTMC2499SP-BL の12番。

 なんだけど、
 ショートシャンクなフックで、
 これくらいのサイズならなんでも可。

 そして、
 ビーズを巻き止めている位置にご注目を。

 通常のようにヘッド先端に止めるのではなく、
 ヘッドやや後方にスレッドでしっかり巻き止めている。

 この小細工は、
 ブナムシ・フライを水中に沈める際、
 真っ逆さまに沈めるのではなく、
 ヘッドをやや下向きにした斜め姿勢を維持させたほうが、
 沈下速度もバランスもホンモノっぽい。
 だけでなく、
 明らかにフッキングが良いから。

220603 (5)5

 フライの全体的なフォルム構造は、
 このテのイモムシ・フライにありがちな、
 ヤーンを撚ってエクステンド・ボディに巻き止める方法なんだけど、
 
 ワタシがやっているのは、
 まずハイヴィズ・ドライウイングのヤーンとエッグヤーンの束をあわせて、
 マシュマロ・ボディのようにボディ末端をスレッドで結んでおいて……、

220603 (6)6

 コレをクリクリッと撚り合わせるように捩じると、
 このようにボディ末端が先細りの、
 いかにもイモムシ体形なフォルムになる。

 モノの本にあるように、
 ただ単純に捩じっただけだと、
 ボディ末端が妙に膨らんだフォルムになって、
 水中のサカナがフライに喰いつく様子を観察していると、
 この膨らんだ側をスッと吸い込む傾向があるようにおもえる。

 当然フッキング悪し。

 だけでなく、
 フライがサカナの歯に当たるとたちどころにヤーンがザクザクに千切れてフライが壊れてしまうことになる。
 ボディ末端をスレッドで結わえておくのは見映えだけでなく、
 フライの耐久性アップにもおおいに有効。

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 ボディ末端をスレッドで縛って捩じって、
 大体の長さを決めたら、
 そのヤーンをビーズの後方から、
 ビーズに押しつけるようにしっかり巻き止めておいて、
 さらに、
 写真のようにビーズをヤーンでくるむようにして、
 スレッドを強引にビーズの前方向に移動させて、
 こんどはビーズの前方根元ギリギリをスレッドできつく巻き止めて……、

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 そのままスレッドをフックのアイぎりぎりのところまで、
 巻きすすめていって……、

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 巻きすすめたら、
 ここでヤーンをクルッと折り返し、
 まずビーズの前方にヤーンを巻き止めて、
 つぎにビーズの後方に巻き止めて……、

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 ここでヤーンの余りをスパッとカットして、
 ウィップフィニッシュして完成。

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 フライのヤーンボディが充分に吸水すると、
 このような質感になる。

 マットな毛糸質感のエッグヤーンの周囲に、
 透明感と光沢感のあるハイヴィズ・ドライウイングがまとわりついて、
 黄緑色の芯のうえを半透明の皮膜が覆っていて、
 その皮膜がキラリヌメヌメとテカっているような質感。

 そして、
 ビーズやフックの黒い下地が、
 まるでイモムシの内部器官?のように、
 ほんのり透け見えているような印象。

 と、
 そのような質感の棒状のフライが、
 斜め姿勢でフワ~ッとゆっくり沈みながら、
 流れにモミクチャに揉まれますと……、

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 当地ではちょっとしたヤマメ・キラー。

 イワナやオショロコマやニジマスと混棲している山岳渓流なんかでは、
 とくに狙っているわけでもないのに、
 このフライをつかうと、
 なぜかまず最初に釣れるのが大抵ヤマメなのが印象的。

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 そしてつぎにゴンゴンくるのがヤングなニジマス。

 という、
 ノリノリ陽キャラ・パーマーク・ボーイズ&ガールズたちをいじめたあとも……、

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 しつこく流して……、

 初夏から初秋のマスたちは、
 み~んなイモムシ大好物みたい。

 このフライがおもしろいというか、
 たのしく、
 そしてのちのち他のフライをつかうときにものすごく役に立つのは、

 色合いがこんななので、
 水中に沈んだフライが大概とてもよく見える、
 あるいは着水して沈んでいく様子が手に取るように見える、
 というところ。

 ここんとこ、
 イモムシを模したフライである、
 ということ以上に釣りとして意義深いところ。

 水中に見えるサカナを狙うサイトフィッシングや、
 アップストリームに投げてナチュラルドリフトさせるウエットフライの釣りなど、
 サカナを掛けたときの快感はハンパないものがあるけれど、
 それだけに難易度数高めで、
 あるいみ敷居の高そうなアプローチに慣れるためには、
 またとない最初の第一歩的な練習台になる。

 水中を流れるフライがこのように沈んでいくのかとか、
 このように流れるのかなどなど、
 フライが見えるだけに、
 得られる体感的情報量は素晴らしくたくさんある。

 しかも釣れるし。

 で、
 そうやってまずは見えるフライで何匹か釣って自信も芽生えて、
 体感的に慣れてしまえば、
 まったく見えない、
 視覚に頼れないような、
 ちいさなフライや地味なフライを沈めても、
 知らず知らず不安なく釣れるようになるという寸法です。

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 今夜のオマケ・フライ。

 このブナムシ・フライとまったくおなじ方法で、
 ヤーンの色合いだけ変えてボディを巻いて、
 エゾリスのファーと茶色のマラブー先端を、
 このまえの5月20日付記事でとりあげた同時ループ・ハックリングしたカディス・ピューパ風の、
 大型サイズなソフトボディ&ソフトハックル・スタイル。

 これもいいよ~。

 ソフトハックル的フライのボディとしても、
 このブナムシ・ボディとってもおススメ。




 


 

 
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