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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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2019年カレンダー販売のお知らせ
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 札幌テムズ35周年 & B's fly works25周年 記念カレンダーの販売告知です。

 B4サイズ 両面オールカラー
 
 価格は 1,800円 です。

 bizen-m@olive.plala.or.jp
 までご注文いただければ、
 定型外郵便にて、
 ただちに発送させていただきます。

 そしてもちろん、

 札幌のプロショップ「テムズ」でも店頭販売および通信販売いたしております。

 なにとぞよろしくお願いいたします。

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 この秋、
 もうかれこれ16年ものつきあいになるプロショップ「テムズ」が、
 なんと35周年になると聞いて、
 そりゃすごい…と感動した。

 で、
 転じてじぶんはこの仕事をいったい何年やっているのだろう?
 あらためてふり返ってみればアラまあ来年で25年。

 それじゃ一緒になにか記念になるものでも……、
 カレンダーなんかちょうどいいんじゃない?
 なんつって、

 ほんとにかる~い気持ちでテムズに声をかけて快諾をもらい、
 仲良くしていただいているデザイナーさんの全面協力も得て、
 当初は釣りの合間にチョチョイのチョイと作るつもりだった。

 おりしも、
 そんな計画をおもいついたのが10月の半ばころ、
 巨マス狙いにはシーズン最後にして最高のチャンス。
 季節は晩秋の荒喰いまっただなか。
 ラストスパートをかけるのはまさにいま、
 だったんだけど……、

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 「ビゼンさん、あしたもちろん行くでしょ?」
 「いや、行かない。仕事する」

 「えっ?ウソッ?ほんとに?」

 シーズン中、
 よしなごとのなにもかも放り出して棚上げして後回しにして、
 来る日も来る日もあんなに釣り暮らしていたというのに、
 よりにもよってこの最高のチャンスのときに……仕事って?なにそれ?

 素でおどろかれちゃったがな。 

 
 そんなわけで、
 今シーズンのワタシの釣りは10月半ばでおしまい。
 あとはずっと、
 ひたすらこのカレンダー作りに没頭していた。

 でもそれは、
 責任感とかプレッシャーとか勤労意欲とか締め切りに間に合わせるとか、
 そのようなものではまったくなく……、

 この仕事が、
 もうなんていうか単純に面白すぎて愉しすぎてたまりません。
 もはや釣りどころやあれへんがな、
 というのが正直な気持ち。

 今シーズン中に撮りためていた、
 我がフライの写真、
 そしてそのフライを口に引っ掛けて怒り心頭のマスたちの写真、
 そしてさらに冬の夜長めくるめく羽根世界に浸りきって巻いたフルドレスサーモンフライたちの写真、

 そんな写真のアレコレをひたすら眺め、
 あれやこれや悩みながらとっかえひっかえ並べ、
 そしてまた悩みながらアレかコレかと並べ直し、
 そうやって夢想と妄想を脳内で拡げ、
 その果てにパンパンに膨らませたイメージを短い文章に込める。

 こんな愉しい仕事があったのかあ……

 あらためて、
 つくづくそのようにおもった。

 25年目にして。

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 来たる2019年のカレンダーを作ったんだけど、
 偽らざる心境としては、

 部屋のカベにはりつけて、
 「フライフィッシングの気分」に浸るために、
 自分自身がまいにち眺めたい自分の写真を、
 厳選に厳選を重ねて1年分並べてみました。
 というかんじです。

 北海道のフライショップとして老舗中の老舗「テムズ」35年への最大限のリスペクトの気持ち、
 そして、
 流れ流れて25年…流浪の遊び人タイヤーが辿りついた北海道フライフィッシングへの想いを、
 当地ならではの野性のニジマスたちの個性豊かな表情と、
 僭越ながら我が信頼と実績のフライたちに託して……、

 ご注文、
 お待ち致しております。

 かさねて、
 どうぞよろしくお願いいたします。


 
小春日和な冬の日に脈絡なくタイイングデモ的なことを語ってみるアンニュイな午後のひととき
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 濃淡シマシマ模様な「蚊」を表現したスタンダード・ドライフライ「モスキート」と、
 ウォルト・デットのモンカゲ・スピナーを模したドライフライ「コッフィン・フライ」を、
 足して2で割らないでブラッシーでスモーキーなダン色ハックリングで半透明かつ渋め色味を効かせて、
 どことなく「クイルゴードン」風のクイルボディでもあるけれど、
 そのじつポップでミルキーなダンダラ模様ボディのきつめテーパーはライトケイヒルやグレイフォックス的。
 で、
 バンチウイングにつかったティール・ダックのフランクフェザーの鮮烈シマウマ・ゼブラ模様が、
 ハックルの繊細で枯れた味わいの渋い色調イメージをすっかり台無しにしているヤンチャな存在感。

 そんな、
 私家版キャッツキル・ドライフライの作例。

 というわけで、
 毎年冬のオフシーズンになるとはじまるタイイングデモ講習では、
 いつもクッソエラそうにわかったような能書きとか垂れ流しながら、
 あれこれフライを巻く様子をはばかりもなくご披露させていただくわけですが、
 そのときに巻いたフライはもちろんぜんぶ、
 ご参加してくださった方々にプレゼントというか、
 ジャンケンとかで勝ったモン順で好きなのをお土産にしていただいている。

 なんだけど、
 せっかく参加してくださったのに、
 それだけじゃなんかちょっとさびしい気がして、
 いつのころからか、
 シーズン中につかったフライをつめこんだボックスをいくつか、
 そっくりそのままつかったまんま丸ごと持参して、
 そのなかから気に入ったのや参考になりそうなのを何本かプレゼントさせてもらってる。

  皆さん、
 ワーワーゆうてフライボックスのなか覗きこんでマジ目線で選んで摘まんでいきはる。
 いつも、
 その日いちばんの盛りあがりになる。

 でもねえ、
 テメーのフライボックスを全面開放しちゃうって、
 ぶっちゃけ、
 じぶんにとっては「もうどうにでもな~れ~」完全開き直りの心境です。

 はっきりゆうて、
 これほどコッパズカシイものはありません。

 なんちゅうてもスッピンもスッピン、
 隠し事いっさいなし。

 フライボックスって、
 考えてみれば我々フライフイッシャメンズ&ギャルズにとって、
 そのひとの釣りの嗜好と傾向のみならず、
 性格や生活、
 さらに人間性まで、
 なによりも正直に映し出す鏡のようなもの。

 といいつつ、
 シーズンが終わったこの季節のワイのフライボックスはいつも、
 もはやグッチャグチャしっちゃかめっちゃかのカオス状態。

 ほとんどのフライにはティペットの切れ端が結ばれたまんま。
 ガンガン使い倒されてサカナの歯や障害物に擦り切れボロボロ、
 手入れもされずボックスのなかに無造作に詰め込まれたフライはクッチャクチャ。

 はっきりゆうて、
 シーズンが終わっても、
 こぎれいなフライが一糸乱れずズラ~ッと整然と整理されて並んでるフライボックスなんか、
 ワタシ釣り行ってませんてゆうてるようなもんやんけ、
 これがホンマモンの「リアル」っちゅうもんやで、
 などとうそぶきつつ……、

 なんだけど、
 もしじぶんが逆の立場なら、
 クッソエラそうな能書きとお手並みを長々拝聴拝見したあとに、
 スッピンのとこ見せてもらえたら、
 より「リアル」で、
 ナマナマしく、
 赤裸々なかんじで、
 釣り気分タイイング気分はグッともりあがりイメージはパンパンに膨らむだろうなと、
 そのようにおもうのです。

 有益かつ実用的なタイイング情報や最新テクニックを学び知ることも大事やけど、
 なんちゅうかこう、
 クワ~ッと釣り気分やタイイング気分が盛りあがって、
 これからの長い冬のオフシーズン、
 夜な夜な熱く、
 そして愉しく過ごせるような、
 そんな「気分」もまた持って帰ってもらえたら、
 タイイングデモ冥利に尽きるってもんです。

 そ・し・て・
 これは自分話しですけど、
 タイイングデモが終わって自宅に帰宅するやん、
 そんで、
 もっていった荷物とか道具とか開くやん、
 そのとき、
 おそるおそ~る、
 スッカスカになったフライボックスをそ~っと開くわけですよ、
 恐いもの見たさなかんじで。

 皆さん、
 どんなフライを選んで摘まんでいきはったんやろか?
 なんつって……。

 これ、
 ワタシにとっては、
 フライを巻いたじぶんにしかわからないけど、
 いろんな釣り人の方々のフライの嗜好ってところで、
 ものすごいリアルでナマで雄弁な、
 なによりも得難く貴重な情報源でもあり、
 また「やる気」とモチベーション維持の源にもなっております。

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 今年のシーズンはじめから初夏のころにかけて、
 熱烈マイブームだったラバーレッグなフォーム系フライのひとつ。

 濃緑色の苔のようなボディ末端は、
 ピーコックハールをフォーム材に貼り付けるようにして植え付けた。
 さらに、
 レオンのウイングもラバーレッグもフォーム材に巻き止めるのではなく直接植え込んだ。

 名づけて「盆栽スタイル」
 巻いたというよりも、
 素材を植栽した夏型ハルゼミ?の爆裂4番サイズ。

 このフライも、
 特大ボックスのなかにボロッボロに疲れ果てたようなのが2本残っていたはずですが、
 あとで確認したところ、
 先日のデモにご参加くださった方のお宅にもらわれていっておりました。

 ありがとうございました。

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 そして、
 ことしの初夏のころまでは、
 このようなチェルノブイリ・アント系のミュータントでアバンギャルドなフォームの蟲作りが、
 たしかに破竹の勢いで熱いマイブームだった。

 そのころの当ブログでも何度か、
 そんなような話しもしました。

 にもかかわらず、
 先週おこなわれたタイイングデモにおきましては、
 フォームのフォの字もでてこず、
 ひたすらハックルばっかりいじくって、
 ピーコックハールがものすごい勢いでネジネジ捩られておりました。

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 いままた、
 天然羽根素材が旬。

 ハックルにタックル。

 などとワケわからんことをいいつつ、
 次回のタイイングデモでは、
 シレ~ッとまったくちがうことを熱く語るかもしれません。

 それは自分にもまったくわかりません。

 すべては、
 じぶんのそのときの「釣り気分タイイング気分」に導かれるままに……。

 先週のタイイングデモにご参加くださった皆さん、
 ほんとにありがとうございました。

 そしてこの冬、
 これからのタイイングデモに参加してくださる皆さん、
 どうぞよろしくお願いいたします。


 
フライフィッシング
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 今シーズン、
 ハルゼミの流下時期から夏にかけてつかっていた、
 セミ型テレストリアル系ビッグサイズのひとつ。

 マシュマロ・ボディの内側に高浮力でソフトそしてヴォリュームがあり、
 かつ淡い橙色のセミの腹色をした素材を仕込んである。
 で、
 湾曲したラバーレッグとともに、
 ボディのクビレのところにコック・デ・レオンのチカブーをグルグルッとハックリング。

 なんせ柔毛のフワフワ羽毛なので、

 つかいはじめでボディがポッカリ浮いた状態だと、
 水に接していない羽毛が微風にサッと撫でられただけで、
 まるでセミの翅のようにフワフワブルブル自然に震える。

 そして、
 何度か打ち返して羽毛が水面膜にヘタッとはりつくと、
 水面でセミの脚のように鈍重にウネウネ自然に揺れる。

 そしてさらに、
 フライが水を吸って水中に沈むと、
 流水の抵抗を受けた羽毛がユラユラザワザワ自然になびく。

 という、
 ハックルが水面あるいは水中で勝手にふるえたり揺れたりなびいたりと、
 素材の自律的なうごきの効果に期待した、
 あざとい下心満載のフライの作例。

 そのうえ、
 水面高くポカッと浮いてもいいし、
 逆にベチャッとボディ半沈みでかろうじて浮いててもいいし、
 あるいはユラ~ッと水中に沈んじゃってもいいよ…そのまま流すから、
 というような、
 フライの体裁もアプローチの姿勢も、
 ものすごくファジーなドライフライ?ソフトハックル?ニンフ?……。

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 これがワイの最新最先端のケバリや~。

 ハックルは鉄錆色のコックネックをひと巻き。

 ウイングはレモンウッドダックを数本だけスッカスカに、
 しかしフワ~ッと放射状に開いて拡げて……。

 ボディはトドの毛をコッパーティンセルで捩じってダビング。
 水分をたっぷり吸収するように、
 細身のボディでもファーの量は多めでギッチギチにダビング。
 そして透け濡れるとダビングボディのしたからティンセルが血管のように浮き出て見える。

 ヘッドにもコッパーティンセルをひと巻き。

 銅色に輝くダークヘンドリクソン8番ロングシャンク。

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 フライを水面に浮かせるとか、
 水面のフライが見えるようにとか、
 フライが着水したとき水面でひっくり返らんように巻くとか、

 ドライフライにはそんな制約があるからこそ、
 いろいろ思い悩み考え試すおおきな愉しみがある。

 が、
 その一方で、
 水面に浮いていてもいいし、
 沈んだらなおよし。

 という姿勢で、
 そういう足枷から解放されると、
 やれることや、
 やってみたいことが、
 とめどなくウワ~~~ッと湧いてでてきて収拾がつかない。

 そして、
 もはや古女房のような付き合いだったいつものカタチのフライたちが、
 とても新しく斬新なものに映る。

 巻くたびにときめく。

 そしてそして、
 本来はドライフライを浮かせるための素材だったコックハックルの旨味を、 
 水面膜の下にちょい沈めるだけで、
 これほど濃く深くハックル熱が再燃するとは思いもしなかった。

 とても痛快で健全な皮肉?

 我が家のそこらじゅうに転がっている、
 あったりまえの存在になっていたハックルやダビング材が、
 まるで夢の玉手箱から飛び出してきたピカピカのオモチャのようだ。

 すごく新鮮。
 
 手にとって眺めているだけでイメージが膨らんでウワ~ッとなる。

 まるで、
 見るもの聞くものなんでも目新しくて光り輝いていた、
 夢見る駆け出し時代に戻ってしまったかのようだ。

 しかし、
 あのころとは決定的にちがうことがある。

 若かったころ、
 口から手が出そうなほど焦がれる想いを抱きながらも、
 あのハックルもこの素材も、
 そんなものがどこにあるのかと、
 ただ指をくわえて憧れているだけだったアレコレ、
 だけでなく、
 当時は思いもしなかったような絶品珍品さえも、
 時の流れの魔法のおかげでじぶんが望んだものは、
 いまや溢れんばかりになんでもある。

 そのうえ、
 門前の小僧なんとやら、
 石のうえにも三年なんとやら、
 時は流れ、
 技術の深さも視点の広さもまた、
 あのころとはなにもかもまったくちがう。
 
 どないせえゆうねん?

 フライフィッシングはおそろしい。

 
 

 
レッドタグ
 当地オホーツク地方の4月からゴールデンウィークころにかけて、 
 冬のあいだふりつもっていた雪がすこしづつ溶けて、
 ようやく春の兆しが……、
 という今シーズンのはじめ。

 所用を兼ねて、
 まるで里帰りのような気分ででかけた函館にて、
 いつもの吉田さんといっしょに、
 道南の小渓流でニンフをつかってイワナを釣ったりした。
 はたまた、
 我が家のご近所の木村さんと連れだって、
 カンジキを履いてまだ雪に埋もれた釣り場に偵察に出かけたりもした。

 そうやって、
 早春のころも、
 ちょこちょこたま~に釣りには出かけていた。

 けれど、
 それはどちらかというと「サカナが釣りたくて」というよりは、
 たまにはお外に出かけて気分転換、
 気心の知れた友人と「ペチャクチャしゃべりたくて」というかんじ。

 そうこうするうちに春になって、
 近所の川が雪代水で溢れる直前、
 シーズン最初のチャンスとなる季節の到来。
 にもかかわらず、
 さして釣り気分はうずくこともなく、
 ず~っと家にこもって、
 ひたすらフルドレス・サーモンフライの製作に没頭していた。

 おかげで、
 何日もかけてようやく一本完成、
 というようなエグイのがズラッと机のうえに並んで壮観。
 満足だった。
 そのうちの何本かは、
 額装してオーダーをくださった方の元にお嫁入りした。
 どんなにかありがたかった。
 ますます創作意欲が高まり、
 製作にもさらに熱がこもった。
 
 今年は釣りよりも、
 いっそ修行のような気分でコッチに集中しよう、
 という気分だった。

 この時点までは……、

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 もはや春というより晩春のころ、
 ことしの5月終わりの週に釣りあげた、
 じぶんの釣り気分的に今シーズンの初物。

 ネットのフレームでザクッと計って50センチにすこし足りないニジマス。
 まだまだ痩せているサカナが目立つこの季節にしては珍しく、
 すでにもうはち切れんばかりに丸々太ったムチムチプリンの豊満なメス。

 すこぶるベッピンさん。
 
 文句なしにモロ好み。
 すごくタイプ。

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 こんな浅場にいた。
 いつもならバシャバシャ水飛沫を蹴散らして素通りしてしまうようなチャラ瀬。

 川通しに下流からここまで釣り歩いてきて、
 なんとな~く気配を感じたので、
 枯れ草のバンク際を注視しながらソ~ッと静かに歩いていたら、
 ほんとにいたので逆にビックリした。

 岸際のエグレにぴったり寄り添って川底に定位していた。
 そして、
 ひんぱんにスッとうごいては流れに出てくると、
 水中を流下するなにかをしきりと食っていた。

 澄んだ水を通して、
 その様子が一目瞭然。

 ちょっと近寄りすぎたかもとおもったけれど、
 サカナは食事に夢中で、
 ワタシの存在には全く気付いていないようだ。

 まだそれほど釣り人の往来は頻繁ではないだろうこの季節、
 しかも誰もが無視するようなこんな浅場、
 さらにしかも、
 サカナはなんだかものすごくやる気満々高活性。

 きっと彼女はまだ、
 とってもウブな世間知らず。

 ティペットが太かろうとドラッグがかかろうと、
 適当なフライを目のまえに流し込めば疑うことなくパクッと……ウッシッシ。

 大橋 巨泉もドン引きするんとちゃうかとおもわれる、
 オッサン助平根性丸出しで、
 下品にニッタアとほくそ笑みつつ、
 はやる気持ちをおさえて、
 「これからこのフライであのサカナを釣りますよ~」的な記念撮影までしちゃって。

 余裕ぶっこいちゃった。

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 さっきからずっと使い続けていて、
 イイかんじに水を吸って水馴染みの良くなったレッドタグの8番。
 
 ファーネスのヘンハックルをパーマハックル状にボディに巻いた、
 マイブーム的にお気に入りのやつ。

 しとどに濡れそぼっているのに、
 ピーコックハールのボディが萎んでペタンコになっていないところにご注目いただきたい。

 このフライでこそ釣りたい。
 っていうか、
 このフライで釣るのにピッタリのエモノじゃん。

 な~んつって、

 ワックワクで、
 それこそ一発で食っちゃうかも、
 などと舐めてかかって楽勝気分でフライを流してみたけれど、

 水面下にちょい沈んだだけのフライは、
 まったく気付かれることもなく、
 水中深くにいるサカナの頭上を空しく通過するばかり。

 その間も、
 サカナは右に左に踊るように軽快にうごいては、
 真っ白な口をひらいてパクッパクッと……。

 ここで、
 フライを簡単に手早く深くストンと沈められる、
 重めのウエイテッドニンフに変えようかとおもったけれど……、

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 やっぱシーズン最初のこのサカナは、
 ぜひともこのフライで釣りたい。

 そこで、
 水中での抵抗をすこしでも減らすために、
 ボディに巻いたハックルをバッサリ刈り込んで、
 さらにフロントハックルのファイバーも間引いてスカスカにした。

 そして、
 定位しているサカナのはるか上流にフライを投げて、
 フライがすこしでも深く沈んでいく時間をかせぐ算段。

 フライを遠くに投げれば投げるほどにコントロールは難しく、
 なかなかおもうようにいかない。
 けれど、
 何投目かのアプローチで、
 フライが流れているであろう地点にむかって、
 サカナがスーッとうごいてきてフワッと鰭をひろげてパフッと口が開いて……、

 ビシッ!とあわせて、
 ドスンッときて、
 クリアな水中でサカナがグネグネッと魚体をよじって、
 ギューンと走って、
 グワーンと竿が曲がって、
 グイグイ手ごたえが伝わって、

 してやったり。

 想いのこもった気に入っているフライで、
 思い描いたようにフライを操作して、
 まんまと食わせた嬉しいイッピキ。

 このイッピキでスコーンッと頭の中が抜けちゃった。

 釣り気分がメラメラよみがえった。

 でも、
 もしこのサカナがいとも簡単にあっけなく釣れてしまっていたり、
 あるいは本意ではないフライで釣っていたりしたら、
 きっとおそらく、
 まだまだず~っとフルドレスサーモンフライ・タイイング気分のまま、
 自宅にこもって過ごしていたことでしょう。

 しかし……、
 
 つかったフライも釣れ方も理想と思惑通りだったけれど、
 それよりもなによりも、
 釣れてくれたニジマスはつくづく罪つくりな美魔女でございました。
 ウブなのはアタイのほうだった。
 ほんの一瞬の逢瀬を交わしただけで、
 ワタシの恋心はアナタの色に染められました。

 ココロに虹がかかってしまいました。
 パァ~~ってかんじで。

 そんなわけで、
 あの晩春のよく晴れた日、
 なにからなにまでパーフェクトに満たされたこの良き日の翌日から、
 ひたすらず~~っと釣り呆けて、
 アレと気がついてみれば半年ほどが経ちました。

 昨夜、
 今シーズンの釣行をナニした釣り日記というか釣りメモをひもといてみますと、
 5月終わりのこの日から10月半ばころまでの正味5カ月たらずのあいだで
 釣りに出かけた日数は、
 朝夕だけのチョイ釣りも含めると、
 かるく90日を越えておりました。

 まさにフライロッドをにぎったキリギリス野郎の面目躍如というところ?

 にもかかわらず、
 「やり抜いたったぜ」達成感からはほど遠く、
 むしろ、
 それじゃあ釣りに行かなかった日はオレはなにをやっていたんだろう?
 というか、
 これだけ出かけても、
 やれることなんかたかがしれてる、
 っていうか、
 ああすりゃよかったこうすりゃよかった、
 アレもやりたかったコレも試したかった、
 アソコに行けばよかったアッチもコッチも行きたかった……、

 釣りに行ったら行っただけ、
 いろいろものすごくやり残した感ひとしお。

 ゆえに来シーズンへの課題山積み。

 そんなわけでたったいま、
 本格的な雪の季節を待たずして、
 もはやすでに釣り気分は来年の春からのシーズンに向いております。
 青鬼も赤鬼も苦笑してはります。

 今シーズン活躍したフライたちの進化形とかヴァリエイションとか、
 来シーズン試したいフライとか、
 はたまた私家版スタンダード2019年ヴァージョンとか、
 とかとかとか、
 巻く手は止まらず、
 夢想と妄想ひろがるタイイング・モードなきょうこのごろ。

 そして、
 冬のあいだあれほどズッポリ浸りきっておきながら、
 釣り気分が全開バリバリになったとたん、
 きれいさっぱり忘れてしまったかのように顧みることもなくなっていたフルドレスサーモンフライのタイイング。

 な・ん・だ・け・ど、
 
 さいきんとみに、
 フルドレス用のレア羽根素材を収納している引き出しとか戸棚とか、
 なんかしょっちゅう開けたり閉めたり整理したりとかしちゃったり、
 ムダな創作意欲がムラムラッときちゃったりとかもしちゃったりして。

 そんな、
 じぶんのタイイング気分の移り変わりをかんじて、
 ああ…また冬がやって来たんだなあ……なんて。

 この冬もまた時間足りねえな~なんつって、
 
 冬の到来もまた、
 いろいろと愉し切ないッス。



ダーク・ヘンドリクソン
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 一見すると茶色としか見えないハックル。

 しかしよ~く見ると茶色のようで茶色でない。

 錆びた鉄のような色?

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 そんなハックルを光を透かすとなんかヘン。

 赤茶色っぽいのに灰色っぽいビミョ~な透明感?

 それはまるで陽の光を透かしたマダラカゲロウのダンの翅の色。

 これが純正ダークヘンドリクソンに指定されたハックルの色。

 キャッツキル・ドライフライ花盛りの時代、
 ブルーダンのコックハックルとともに、
 うるさい目利きの好事家たちが血眼になって探し求めたハックルのひとつ。 

 と、
 それはさておき、
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 ダークヘンドリクソンの発案者となるロイ・スティーンロッド御大の巻いたキャッツキル・スタイルは、
 ハックルを二枚裏表にハックリングして、
 わざと放射状にハックルが広がるように巻いているのが写真からもわかる。

 水面でのバランスの向上を目指して、
 このようにハックリングしたのだそうだ。

 そして、
 そのような構造のハックルを、
 ウッドダックのバンチウイングの後方にハックリングしているところも、
 これにかぎらず御大のキャッツキル・ドライフライの特徴のひとつだとおもう。

 対して、
 ここで巻いた不肖ワタクシのダークヘンドリクソンはハックルを一枚のみ、
 しかもウイングの前後に7~8回転パラッと垂直にハックリングしただけ。

 こうしたスタイルのドライフライを、
 水面高く浮かせようなどとは微塵もおもっていないからだ。

 なんて、
 えらそうな講釈もさておき、

 ひっさびさにTMC5210 の 12番!をバイスに挟んで、
 とっておきの秘蔵ハックルとボディ材をつかって、
 これまたひさびさにダークヘンドリクソンを巻いてみましたよ。

 キャッホるんるん みつぐ超ハッピー。

 わざわざ調べてナイスな情報をくださった方、
 そして貴重な手持ちをおすそ分けくださった方、
 格別のお心遣い甘えさせていただきました。

 本当にありがとうございました。

 そ・し・て・
 ダークヘンドリクソンのボディのオリジナルレシピは「茶色がかった灰色キツネの腹の毛」をダビングしなさい、
 と指定されておるわけですが……、

 そんなレシピ指定と、
 このフライのモデルになったマダラカゲロウのボディの色合いなどから推察してみるに、

 もともと本家がダークヘンドリクソンのボディに求められた色調が、
 「ほんのりピンクがかった淡い茶褐色」
 ということであ・れ・ば・

 個人的にはトドの毛のアンダーファーをこそ、
 この名作スタンダードのボディとしてぜひともダビングしたい。

 火照ったヒト肌ピンクをおもわせる小麦色?
 なんとも独特な色合い。
 その繊維はきめ細かく繊細で、
 ダビングすれば繊毛のように微かに毛羽立ち、
 そしてなによりあふれんばかりの透明感……。

 武骨な針のような剛毛ガードヘアーの下に密生している、
 官能的でさえある色調と質感をした柔らかなアンダーファー。

 トドの毛のアンダーファーをダビングするたびに、
 このダビングを当時のロイ・スティーンロッドやプレストン・ジェニングスらが見たら、
 どのようにおもうだろう?

 な~んて、
 浪漫を馳せるわけでございます。
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