BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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天上天下唯我独釣
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 このシャツはレアでしょ~?

 フライの雑誌オフィシャルTシャツ@たぶん20年くらいまえ?

 引っ越しのために梱包作業していたら出てきました。
 さらっぴんなんやで。

 当時は飛騨高山に住んでいて、
 前編集長の故中沢さんに会うたびにいただいていたので、
 10着以上もっててコレばっかり着ていたときがあった。

 そういえば1着だけ封を開けずに保管したんだった。

 その後、
 高山から静岡に移り住み、
 すっかり街に馴染んだころに引っ越したくなって、

 こんどは静岡からここ函館に引っ越してきた9年前にも、
 荷物の梱包をしながらこのTシャツを見つけて…アアそうだった…と甘酸っぱく思い出して、
 そしてまた大事に「開かずの衣装ケース」に仕舞いこんでそのまま忘れて、
 そして今回、
 住み慣れすぎた函館からお引っ越しするときにまた見つけてまた思い出したのだった。

 時をかけるTシャツ。
 よみがえるわ~イロイロと。

 だいたい、
 サラッと20年前てゆうてるけど、
 ゆうてる本人がいちばんビビってるねんで。

 唖然呆然とする早瀬のような時の流れ。

 きょう、
 かねてお願いしていた引っ越し業者の若いお兄さんたちが来てくれて、
 荷物を新居にもってった。

 当初、
 冷蔵庫や洗濯機も持っていくつもりで申告していたけれど、
 家電の類はみんな捨てた。

 本もバッサバサ売らずに捨てた。

 なので、
 小山のように積みあがった荷物は、
 羽根と獣の毛とレコードがほぼ大半を占めた。

 そういえばつい先日、
 まえに我が家に泊りに来てくれたことのある高知のやまひろくんと電話でしゃべっていて、
 「引っ越しの日にち決まってん」
 というと開口一番、
 「レコードたいへんっすね~」
 どうすんのアレ?みたいな口調で労をねぎらってくれたのだった。

 そんなレコードを詰め込んだ小さな段ボールがものごっつい重い。
 グッと腰を入れて気合いも入れて持ち上げないと。
 「重くてごめんね」
 とお兄さんにいうと、
 「だいじょうぶです!」
 とほがらかに言ってレコード箱をグッと持ち上げて、
 さっそうと抱えていった。
 頼もしくて眩しくて安心する。

 反して、
 鳥の羽根をギュウギュウ詰めにしたでっかい段ボールがものごっつい軽い。
 巨大な段ボールが羽根のように軽い。
 拍子抜けの軽さで、
 お兄さんがグッと腰を入れてもちあげておもわずチョッとよろめいて
 「ウオッ!かるっ!」と面くらって皆でわらった。
 とても良い子たち。

 かるく世間話などもしながら、
 しかも常に身体はテキパキ。
 彼らは接客業もしながらヘビーな肉体労働してるんだなと、
 すっごい感心した。

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 ヒグマの毛、
 蛍光灯でも陽の光でも、
 まずはいろんな角度に光を当てて眺めてみてくださいね。

 お買い上げ本当にありがとうございました。

 函館にいた9年間、
 ず~~っと利用していた近所の郵便局、
 その間、
 窓口のお姉さんは何人か変わりました。

 今いる大きなお姉さんとプチふくよかなお姉さんが一番長いつきあいだ。
 といって、
 なにかしゃべるわけでもなく、
 いつも淡々と発送手続きをこなすだけ。
 ベタベタ慣れ合わないけど、
 長いだけによくわかってる。

 それがええねんな~。
 ものすごい行きやすい。

 いつもガラスの額で額装したフライを発送するときは、
 かならず「コレ、おもいっっっきりワレモン扱いでおねがいします」
 と念を押さずにはいられないねんけど、
 でもそれって、
 自分ではぜんぜん意識してなくて、

 ついこのまえ、
 やはり額装フライを発送したとき、
 さあ一言いおうかというとき、
 プチふくよかなほうのお姉さんが、
 「おもいっっっきりで?」
 と聞いてきて、
 ボクがおもわず「え?」みたいな顔したら、
 「あ、スイマセン」
 とお姉さんが…しまった…みたいな顔をして言った。

 ふたりで笑った。

 あの郵便局でオレさまの認識コードネームは「おもいっっっきり」
 なのか?

 そしてついこのまえですよ、
 もうニヒヒとホッペが緩んじゃうたくさんのご注文をいただいて、
 感謝感謝でひとつひとつスキン眺めながら封をして、
 イザ送らん貴方のタイイング机に…
 みたいな面持ちでヒグマの毛でパンパンにふくらんだトートバッグ抱えて、
 郵便局にルンルンで意気揚々でのりこんだわけですよ、

 (お、「おもいっっっきり」のやつ、きょうはぎょうさん荷物もってきたやんけ…)みたいな顔で、
 「いらっしゃいませ~」
 と業務声で迎えてくれるおおきいほうのお姉さん。

 それで、
 宅配便とかの荷物を載せたり軽量したりする広めのカウンターあるじゃん、
 あそこに、
 「コレ、ダーッてここにひろげちゃってもいいですか?」
 と聞いたら、
 おおきいほうのお姉さんが、
 「ハイ、だいじょうぶです!」
 と言いながら、
 すかさずカウンターのむこう側でちょっと腰を落として、
 まるでキャッチャーがボールを受け止めるようなカッコをした。
 たくさんの荷物があふれてカウンターのむこう側に落ちないよう受け止めてくれるつもりだったのでしょう。

 アンタ…ええひとや。

 でも、
 そこまでしてくれんでも……、
 ということにお姉さんも気がついたようで、
 ちょっと照れたように笑った。

 もちろんぼくも笑った。

 そして淡々と黙々と発送業務をこなした。

 函館は、
 なんだかんだゆうて良いところだった。

 荷物がなにもなくなった部屋は、
 ちょっとした物音でもよく響く。

 ユーチューブの音がいつもより良く聞こえる。
  Gregory Isaacs / Too Late

 お知らせです。
 本日(5月11日)より、しばらくプロフィール欄に記載しているメール・アドレスがつかえなくなります。
 また新しいアドレスが決まり次第お知らせいたします。
 どうぞよろしくお願いいたします。



ロシア産ヒグマ・スキンご注文深謝御礼的フライタイイング・ヒント集
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 ロシア産ヒグマ・ヘアーの販売週間でございました。
 ご注文いただきまして本当にありがとうございました。

 完売御礼大感謝です。

 というわけで今回はゴールデン・ジンジャーとゴールドティップ・ブラウンのヒグマの毛をボディとウイングに組み合わせて、
 こんなフライを巻いてみました。
 応用次第でいろんなスタイルに巻ける作例です。
 
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 まずはファイン・コッパーワイヤにマルチグルーを塗布して、
 それにブラウンのアンダーファーを丸めて挟んで捩じり、
 アント型のボディを巻きつつ、
 クビレのところはコッパーワイヤをグルグル巻き。

 チャパッと着水させたいTMC212Yの15番。

 レオンのサドルは一回転だが、
 ヒストリックのダンをポスト根元に5~6回転ハックリングした、
 赤銅色のアント型ボディのスパイダー。

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 やはりワイヤーのループダビングで巻いた北海クリーパー。
 十分に水分を含んだヒグマの硬質なファジー感は、
 その透過性とあいまって絶妙の川虫的肌触りにたいへん満足。

 なのだが、
 毛を吸水させるためには濡らした指先でグリグリ揉むなど、
 なかなか時間がかかる。

 反対にいうとものすごく浮く。

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 さっきのニンフとまったく同じ方法でブラウンのヒグマのアンダー・ファーでダビングボディを巻いて、

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 そこにゴールデンライトジンジャーのアンダーファーとレオンのサドルのダウンウイングをドサッと載せた、
 「金のヒゲナガ」
 もちろんアトラクターとしてもバツグン。

 写真のフライはフックサイズ10番のややロングシャンク。
 ノーマルシャンクなら8番と同サイズ。

 が、
 ここではヒゲナガ・サイズや巨大ドライフライではなく、
 TMC9300の12番をつかって巻いてみた。

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 ブラウンのアンダーファーを二重ループにしたスレッドにはさんでループ・ダビング。
 ビカビカ光を透過する剛毛がまるでハックルのように水面に乗るDE。

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 G・ジンジャーのスキンからガードヘアーごとアンダーファーをカットしたところ。

 ここで大事なひと手間、
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 アンダーファーから長いガードヘアーを抜きさったところ。
 未成熟な短めのガードヘアーがアンダーファーから突き出ている。
 これがミソ。

 といってもガードヘアーをアンダーファーごと指先でつまんでガードヘアーの先端をつまみ、
 スーッと抜くだけで勝手にこうなる。

 取り去ったガードヘアーはクリップに挟んで保管すると便利。

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 アンダーファーの根元付近にクシを入れて、
 短いかすのような毛を取り除きつつ、
 アンダーファーをフワッとバラけさせる。

 その後、
 これをスタッカーにいれてしばしトンカントンカン。
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 スタッカーで叩く目的は、
 未成熟なガードヘアーの先端を揃えることもあるが、
 ガードヘアーの根元付近に密集していたアンダーファーが、
 スタッカーの振動でガードヘアーの先端方向へズレてきて、
 ガードヘアーの中間付近にアンダーファーが密集することになる。

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 で、
 そのように処理したアンダーファーを、
 エルクヘアカディス型にダウンウイングとして巻き止めてみると、
 ヘアー前方にズレたアンダーファーごとウイングに巻き止めることになるので、
 ヴォリュームのあるウイングになるだけでなく、
 フロータントの効きも飛躍的に高まる。
 またなによりフライのファジー感が強調される。

 わざわざそのような細工をするならば、
 いったんガードヘアとアンダーファーをわけて、
 再度それらの毛を併せてヘアーの長さを調節するほうがよほど効率的ではあるけれど、
 これだとねえ、
 ちょっと不自然なのフワッとしないの。

 ガードヘアーにアンダーファーがまとわりついた状態のまま、
 アンダーファーを先端方向にズラすと、
 ガードヘアーがウイング先端で束状にならず全体に広がっている。
 これで機能的にも虫っぽさ生命感もグッとちがってくる。

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 んで、
 ウイングに巻きとめたら、
 あまりのアンダーファーをここでカットするのではなく、
 後方に折り返してウイングのうえに巻き止めて、
 あまりはカットしないで、
 ハサミで軽くトリミングしてフォルムを安定させる。

 密集したアンダーファーから、
 未成熟なガードヘアーの毛先がツンツン飛び出している。
 陽の光に反射するヒグマの金毛のキラメキ・マジックを演出する舞台ですぞ。

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 で、
 ヘッドのところに今回はヘアーズ・フェイス、
 ヘアーズイヤーのスキンの顔の部分のガードヘアーとアンダーファーをループダビング。

 ここではサイズがちいさいのでオミットしたけれど、
 ヘアーズフェイスをダビングするまえにレオンなどハックリングしておくのもオツ。

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 完成。
 効かないわけがないじゃん…的ファジー系のシンプルなヒグマの毛のカディス型フライ。
 名づけて「ハバロフスク・カディス」もしくは「ゴールデン・オホーツク」
 ジェル状のフロータントをゴシゴシ擦り込んで水面に浮かべてみてください。
 
 いわずもがな、
 沈めてスイングにもサイコウ。

 もちろんこれは基本形。
 こうしたドライフライのウイングに、
 このゴールデン・ジンジャーのクマの毛を活用するための応用例のひとつです。

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 やや暗めの光を当てて、
 ゴールデン・ジンジャーのヒグマの毛を見た状態。

 金色がかった透明感のある毛が、
 浮き上がるようにキラメいて反射している。

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 こんどは擦りガラス越しに逆光の状態で見てみれば、

 ヒグマの毛が周囲に溶け込むように存在感をなくし、
 逆にレオンのマダラなハックルファイバーのシルエットが浮き出て見える。

 なんとも極端な変化。

 この光の透過性もまた、
 ヒグマの毛のフライタイイング素材としての面白さとおおきな旨味のひとつ。

 まさに光の透過マジックや~。
 金の毛に陽の光差し込んだとき、
 そこに蟲たちの輝きが映し出されるのや~。

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 まだまだご注文お待ちしております。

 
 
ロシア産ヒグマの金毛販売のお知らせ
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 完売いたしました。
 本当にありがとうございました。
 

 きわめて私事ではございますが、
 あっと気がつけば足掛け9年も暮らした函館とも、
 もうあとしばらくでお別れです。

 と、
 そんなきわめて個人的な記念を兼ねて「我が家の秘蔵の毛」
 をいくつか販売させていただきたく一念発起しております。

 で、
 そのブツは北海道産にあらず、
 ロシア産のヒグマのヘアー各種です。

 種を明かしますと、
 これらのヒグマの毛はもともと古い時代に工芸品の材料として輸入されていたものが、
 つかわれないまま冷暗所にて長期保管されていたものです。

 今回ご紹介するすべてのヘアーの最大の特徴は、
 もうなんといってもヘアーの先端の欠損や千切れがほとんどなく、
 毛先が全体的にほぼ美しくそろっているところ。

 これがどんなに素晴らしくアンビリーバブルなことかは、
 すでにヒグマのヘアーをおつかいになったことのある方ならば、
 身に染みてヨ~クわかっていただけるかとおもいます。

 とくにヒグマの場合、
 その行動様式や捕獲される時期などから、
 毛先が欠損していたり荒れていたりというのが普通の状態です。
 
 なので、
 ヒグマの毛自体はとくに珍しいものではありませんが、
 ほんとにタイイングに有効活用できるクオリティと状態のものを見つけるのは、
 いろんなコネクションをもってしても至難の業。

 このロシア産ヒグマの毛は工芸品に利用されるだけあって、
 毛先の欠損がない状態で、
 かつ均一なヘアーがそろって生えているスキンなので、
 色調などはちがいますが良質なポーラーべアーなどとまったく同じ感覚でつかえます。

 なので、
 ヒグマの毛を買ってみたけれど一体全体どう使えばいいのか…とお悩みの方や、
 はじめて使ってみる方にも大変おススメできます。
 
 また、
 毛自体はかなり経年しているとおもわれますが、
 保管状態が非常によかったようでとくに劣化もなく、
 艶も充分にのこっていて悪くない状態だとおもいます。
 
 などと、
 グダグダグダグダ能書きを語り始めると、
 ことヒグマの毛に関してはワタクシもはや語りエンドレスになってしまうので、
 ここはグッとおさえてなるべく簡潔にテキパキいきたい所存ですが……、
 
 さて、
 肝心の色と価格ですが、
 今回は「金毛特集」として金毛のバリエイション各種を以下にズラッとまとめてみました。

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 ① ゴールデン・ライトジンジャー 売り切れ

 全体が金色がかった淡いジンジャー系の色調。
 ガードヘアーはきわめてストレート。
 中小型ストリーマーのウイングやドライフライのボディ材など万能型。
 透明感を感じさせるアンダーファーの枯れた小麦色もそそります。

 羽化したばかりのガガンボやモンカゲロウなどの色合いと質感をイメージしてみてください。



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 ② ゴールデンティップ・ブラウン 売り切れ

 長いガードヘアーと濃厚で豊かなアンダーファーが特徴。
 ガードヘアーは先端部分がリッチなかんじの金色で、
 ヘアー根元にかけてグラデーションがかかりながら濃い色に変化しています。
 茶灰褐色とでも表現したいブロンズ。ダンのようなアンダーファーはダビング材として、
 当ブログでも散々登場しているヒグマのアンダーファーをボッサボサにダビングしただけの必殺パラシュート(北海バグ)など、
 ドライフライもしくはニンフなどのボディ材としても最高です。

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 1と2のヘアーをつかって巻いたクラウザーミノーの作例。
 アンダーファーごとウイングに巻き込んでヘッドのヴォリュームを調整して流線形フォルムを表現しています。

 この小麦色がさあ、
 水中で揺れながら陽の光を受けると、
 独特の透明感と金色がかった不規則なキラメキが、
 もうなんともいえずベイトフイッシュのあの脆弱なイメージ。
 たまらないものがあるんやDE。




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 ③ ゴールデン・ダークジンジャー 売り切れ

 質感は1とおなじタイプですが、
 色調がやや濃いジンジャー系で金色が強い毛先の先端部分から、
 根元に向かってダン色がかった色に変化しています。

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 と、
 そのような色調のガードヘアーをフローティング・ニンフのボディに巻いてみた作例。

 以下に紹介するとおりコッパーワイヤとともにヘアーをねじって巻いてありますが、
 濃い茶色と抜けるように透明な小麦色が入り乱れて巻かれています。
 で、
 これが濡れるとヘアーが透けるので、
 皮膜の下のボディの色合いが複雑にグラデーションがかってナマナマしく変化します。




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 ④ ゴールデンティップ・チョコレートブラウン 売り切れ 
 ⑤ ゴールデン・ジンジャー・ファイン 売り切れ 
 
 4はヘアーの先端が金色で根元に向かって艶のある茶褐色にグラデーションがかっているタイプ。
 5はそのまま色が薄くなって金色色調が強いタイプ。

 おそらく若クマの背中の中央付近とおもわれるヘアー。
 今回のレアなヒグマ・ヘアー群のなかでもこれはかなり激レア度数ぶっちぎり。
 というか個人的にもこのタイプのヘアーはこれ以外では見たことがありません。

 まるでハックル・ファイバーのようなストレートで細いガードヘアーがビッシリです。

 なので!
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 ヘアーをスキンからカットしてアンダーファーを取り除き、
 ガードヘアーの毛先をスタッカーで揃えて通常通り巻き止めれば、
 このようなスタイルがムリなくしかもカッコヨク巻けてしまいます。

 これはかなり貴重。

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 4のヘアーをウイングとテイルにつかって、
 ロングシャンク8番のドライフックに巻いたウルフ・スタイルの作例。

 ボディにはコック・デ・レオンのハックル・ストーク、
 ハックルはホワイティング・ハイ&ドライのバーント・オレンジとコック・デ・レオンのサドルのミックス。

 こんな威風堂々のドライフライがさあ、
 夏の陽の光を浴びながら、
 まるで金色の後光をまとっているかのように、
 ボワ~ッと金色に輝きながら荒瀬を流れるわけですよ、
 もうその光景だけでもたまらんものがあるのに、
 そこにグワボンッ!と巨マスのどでかいアタマが水面に突き出てくるわけですよ。
 昇天必至。

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 転じてこちらは5のヘアーをつかったウルフ・スタイル作例。

 こちらはボディにおなじヘアーのアンダーファーをダビングして、
 ハックル以外はすべてヒグマの毛仕様なフライになっています。

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 で、
 それを逆光状態で見てみれば、
 ウイングがハックルに溶け込むようになって見えます。
 これがミソ。

 ヘアーの細さというか繊細な質感がわかるかとおもいます。

 ドライフライのみならず、
 とくに小型のヘアウイング・サーモンフライや鮭稚魚などのストリーマー素材にもたまらないものがあります。


 と、
 以上が今回のラインナップです。

 お求めの際にはご希望のヘアーの番号と数量を明記していただいて、

 bsfly@msd.ncv.ne.jp までご連絡ください。
 ご注文お待ちいたしております。
 なにとぞよろしくおねがいいたします。


 さて、
 というわけで、
 販売告知だけで〆るつもりはまったくなく、
 いつものように「このようにつかうと愉しいよ」的タイイング・ティップス基礎編いきます。
 ので、
 またも延々スクロールおねがいします。

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 ヒグマのヘアーの旨味や面白さ不思議さ醍醐味などなどを、
 もっとも手軽に実感できるフライとして、
 お馴染みのパラシュート・スタイルなフローティング・ニンフのボディにヒグマの毛をつかって、
 そこにちょいと隠し味的な小技を忍ばせてみます。

 まずは下巻きをしたボディ全体をゴールドのフラットティンセル(メタルの高級なのじゃなくて安物のペラペラのがおススメ)で巻き、
 ボディ末端にスレッドをマーカーで着色して紅色のティップをつける。

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 そのままボディ末端にヒグマの毛を数本とファイン・コッパーワイヤを巻き止めて、
 それらをハックル・プライヤーでつまむ。
 ここでは13番サイズのフックをつかって1のヒグマの毛をつかっている。

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 プライヤーをグルグル回してヘアーをワイヤーもろともねじる。

 ここで重要なコツは、
 この段階で素材をすべてねじるのではなく、
 ここでは若干余裕をもって緩めにねじる。

 写真ではヘアーといっしょにねじったワイヤーがたわんでしまっているけれど、
 これでよい。

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 で、
 ゆるめにあるていど素材をねじったものをボディ末端に一回巻く。

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 そしてそのあと、
 ヘアー全体をきっちりねじってヤーン状にする。

 こうすると、
 ヘアーの先端がねじれることで不用意に切れるのを防ぐことが出来る。
 また、
 ボディ末端部分を自然なテーパーに巻くことが出来る。

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 ボディを巻いて余りのヘアーを巻き止めた状態。

 ここで余りをカットするわけだが、 
 そこでもちょいコツ。
 この余りをすべてカットするのではなく、
 チョイ残しておく。

 そしてそこにポストとなるエアロドライ・ウイングを挟んで、
 ポストの根元を余りのボディ素材ごとスレッドで巻きこんでおくと、
 非常に丈夫なポストが立てられる。

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 ソラックスをダビングするまえに、
 ここではホワイティング・ヒストリックのハニーダン系ジンジャーをハックルにして巻き止めてみた。

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 ここからソラックスの処理。
 ソラックス部分には2のアンダーファーをダビングしてみる。

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 ヒグマのアンダーファーをダビング材としてより良く、
 かつ効能をいかんなく発揮させるための処理。

 このフライにかぎらず、
 またドライでもウエットでもニンフでもすべてこのように処理してダビングしている。

 まずはヘアー全体をガードヘアーごとカットしたら、
 ガードヘアーを引き抜いておいて、
 残ったアンダーファーを濡らした指先でグリグリ揉みながら丸める。

 これでもかといわんばかりにグリグリ丸めて、
 このような状態にする。

 で、
 こんどはこの丸まった毛玉をブッチブチちぎりながらほぐす。

 すると、
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 アンダーファーが千切れて短くなった状態で、
 さらに良い感じにちじれながら、
 フワ~ッと広がるようにバラける。

 このように処理してダビングすると、
 タイイングが楽でキレイに巻けるだけでなく、
 ダビングボディやソラックスを毛羽立たせたり、
 はたまた使用中に毛羽立ってくると、
 さらにファジー感を増していかにもな質感になる。

 またさらに、
 こうしておくとフロータントを塗布したときの持続力も飛躍的に高まる。
 ということは、
 ニンフやウエットのボディにダビングしても、
 いったん濡れると水の吸いが良いというか水馴染みが良い。
 ので、
 ヒグマの毛の透明感や毛羽立ちのファジー感とあいまって、
 使い勝手が良いだけでなく、
 いかにもな色調と質感に変化。

 ちなみに、
 写真のクリップに留めてあるのは、
 2のヘアーをダビング用にカットしたときに同時にカットしたガードヘアーをスッと抜いたものを、
 クリップで留めてバラけないようにしている。

 このように保管するとヘアー全体が無駄なくつかえる。

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 普通にダビングしてソラックスを巻き、
 フライの下側をダビングブラシで梳いて毛羽立たせた状態。

 このとき、
 ダビング材に残っているガードヘアーなどが突き出てしまうようなら、
 それをハサミでカットしてフォルムを整える。

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 で、
 ハックリングしてウイップフィニッシュしたら完成。

 で!
 完成したフライのボディを濡らしてみれば……、
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 一瞬でこのようなエッチなスケスケ・バディに変化。

 ボディ末端に着色した紅色や、
 下地のゴールドティンセルが、
 ヒグマの毛のうす~いスケスケの皮膜に包まれたような体裁で、
 ほんのりと透け見え。

 もうまんま脱皮殻の皮膜の一枚下側に身のある本体が……といった印象。

 しかも、
 ヒグマの毛の艶っぽいテカリが、
 羽化寸前のカゲロウのニンフやカディスのピューパなどの、
 体表に油でもひいているかのようなテカッとしたキラメキも表現してくれて、
 いつもその微妙で自然なキラメキに、
 ワタシの釣り心はいつもたいへんトキメキ。


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 そして2と3のヘアーをアンダーウイングにつかった、
 フラットウイング・ストリーマーの私的アレンジ。
 ウイング用のハックルのウェブ状の部分をヘッドにしているので、
 紡錘形状のベイトフイッシュなフォルムを維持した状態で、
 ハックルのボディを揺らしながら、
 ヘッド付近はさながらマラブーのようにザワザワ常に揺れている作りになっています。

 で、
 そんなハックル多層構造の下側から、
 光が当たると金色の輝きを拡散するヒグマの毛がチラッチラ覗いている、
 という下心炸裂なストリーマーの作例です。 

 と、
 ヒグマの毛の特徴や旨味がもっともわかりやすいので、
 今回はドライフライ中心にお話をすすめてまいりましたが、
 もちろん!
 ヒグマのヘアーの真骨頂はストリーマーにもあり。

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 とはいえ、
 ドライフライだけでも氷山の一角しか紹介しきれないのに、
 コチラのジャンルまでいくと、
 もう販売なんだか解説なんだかゴッチャゴチャになってしまうのと、

 ヒグマの毛をフライタイイングと釣りに活用する実践については、
 重要なライフワークとして、
 随時紹介しつつも、
 いずれちゃんとまとめたいと目論んでおります。

 ので、
 今回はあくまでも販売のご案内ってことで、
 このヘアーの魅力のアウトラインと基礎中の基本をご紹介させていただきました。

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 そしてもちろん!
 想いをこめて巻きたいクラシックなフライにも絶妙にマッチ。
 古典的なのにどこか最新に映ってしまうようなスペシャルにもうってつけの素材になります。

 それでは、
 かさねてご注文お待ちしております。
 なにとぞよろしくお願いいたします。
郷愁のRenegade浪漫
 20代後半のバブルのころに東京で働いていたとき、
 仕事場の近所のアパレル・ショップのオーナーさんとつるんで、
 よく東北や北関東の渓流に釣りに行っていた。

 その方は、
 良くも悪くも「生まれながらのせっかちさん」で、
 一緒に谷に下りて準備して「さあ釣りはじめましょう」となるやいなや、
 ヨーイドン!と号令がかかったかのように、
 渓流を釣りあがるというよりも駆けあがっていった。
 
 フライを流すというよりも、
 ひとつのポイントをペシペシッと二回くらい叩くと、
 また次のポイント目指してダダダーッと小走りに駆けていった。
 まるでなにかに追われているかのようだった。

 で、
 そんなだから、
 あとからゆっくり釣りのぼってもサカナ残ってんだよね。
 むしろダダダーッといってくれるおかげで、
 その区間は他の人にアタマはねて先行されたりとかしないので、
 コッチは落ち着いてゆっくり釣れるの。

 で、
 あるときその方がなぜかコッソリした口調でこう言っていた。

 「ビゼンちゃん、あのね、ボク、はずかしいんだけどフライはレネゲイドしかつかわないの」

 「え?どして?」

 「だってレネゲイドって浮いてても沈んじゃっても、どっちでもよく釣れるじゃん。
 だからいちいちフロータント塗らなくていいしさ、一回ティペットに結んだらず~っとそれ一本でいけるじゃん」

 このお方は、
 フライの交換はおろか、
 フロータントを塗る手間ヒマさえも惜しんでおったのかと……。

 おもえば、
 その方は仕事も食事も会話もなにもかも、
 「いったいなにをそんなに急かされているの?」
 と問いたいほどにいつも小走りでテキパキしていた。

 なににつけ牛歩の歩みなナメクジ野郎の自分とはまさに対照的。

 そのくせ、
 一緒にいるといつもたのしかった。

 いまも元気でセカセカ走り回ってはるやろか?

 そんなわけで、
 レネゲイドとくれば反射的にその方のことを想う。
 
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 レネゲイド tied on TMC102Y#9

 数ある定番スタンダード・パターンや有名クラシック・パターンのなかで、
 個人的にレネゲイドほどミステリアスなフライはない。

 なんてったって、
 どんなに調べても原作者の名前や詳細がわからない。
 なのでとうぜん、
 その出身地や生まれた背景なども皆目わからない。

 70年代アメリカ中西部を中心に活躍された職業タイヤーのテリー・ヘリクソンによれば、
 「ロッキーマウンテン・エリア」から広がっていったパターンとのことだが、
 それも真偽のほどは定かではない。

 にもかかわらず、
 浮かせても沈めてもイケる万能型アトラクター・フライとして、
 現在でも一部では熱烈な愛好者がいる。
 しかも、
 ピーコック・ボディから容易に連想できるとおり、
 ビートル系テレストリアルとしてだけではなく、
 アメリカ西部などではユスリカが集団もしくは何匹かかたまっている状態を表現したクラスター・パターンとして、
 そのようなハッチ・マッチ・パターンが雑誌や本などで取り沙汰されるずっと以前から、
 知る人ぞ知る必殺クラスター・パターンだったそうな。

 そういえば30数年前の駆け出し時代、
 「レネゲイドは蟻が二匹向かい合わせにくっついて抱き合いながら流れている状態のフライなんだよ」と教えられて、
 なるほどー!といたく納得して感動した思い出がある。

 またさらに!
 NZでは水面膜の下にぶらさがるようにして、
 水面付近を移動しているスネイル(小型の巻貝)のイミテーションとしても紹介されていた。

 そしてまたさらに、
 アメリカ西部の激流の深瀬を釣るためにティペットに重いオモリをかませた、
 超ヘビーウエイト・ニンフをつかったアウトリガー・ニンフィングの伝道者チャック・ファザギルがこよなく愛用したニンフ?
 のひとつにもレネゲイドが取りあげられていた。

 まだまださらに!
 やはりアメリカ中西部のスチールヘッド用ウエットフライのクラシック・パターンにもレネゲイドが挙げられていた。

 このように、
 単によくある万能型アトラクター・フライとしてだけではなく、
 個々の解釈や釣り方やつかわれる状況によって、
 ドライとしてもウエットとしても、
 果てはウエイテッド・ニンフとしても、
 さらにはマッチ・ザ・ハッチ・パターンとしても、
 シークレット・ウエポン的必殺としてつかわれてきたレネゲイド。

 そのキー・ポイントは、
 見たまんまピーコック・ハールのボディと、
 そのボディ両端に茶色と白という対照的な色合いのハックルを配したことだろう。

 そしてレネゲイドの色調を見てハタと気がつくのは、
 そのフォルムはまったく異なるけれど、
 配色はあの不朽の名作フライ永遠のスタンダードの王様コーチマンとおなじではないか。

 いうなれば、
 コーチマンにつかわれた純白のダッククイル・ウイングを、
 きっとおそらくフライの耐久性や使い勝手を向上したい目論みで白いハックルに変更してみたけれど、
 それじゃあ肝心の茶色のハックルはどうすんべ?
 ってことになり、
 そうだイイことかんがえた、
 茶色のハックルはフライのオケツのところに巻きゃあいいじゃん……、

 と、
 そのような単純な思いつきだったのかもしれない、
 巻かれた当初はたんにコーチマンのヴァリエイションのひとつだったかもしれないレネゲイド。

 だが、
 「誰もが効くと認めざるを得ないコーチマンの黄金の配色」
 このフライの本質にさえ迫る不滅の色調を、
 このようにダブルハックルにアレンジしたことで、
 そこに写実的ではなく印象的な虫っぽさファジー感も強調されて……そりゃ釣れるって、
 効かないわけがないでしょ。

 ではなぜ、
 こんなにもシーンに浸透したフライの原作者や出自が不明なのか?

 これはもう「フライフイッシング七不思議」の筆頭としかいいようがない。

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 ちょっと話しは脱線して、
 通常の渓流にてドライやウエットとしてレネゲイドをつかうなら、
 個人的にこのように巻いてますヨ、
 というちょっとしたワンポイントを。

 まずレネゲイドのボディ末端にアクセントとして指定されている
 ゴールド・ティンセルのティップについて。

 オリジナルはフラットもしくはオーバルのティンセルをこの部分に数回巻くのが基本なんだけど、
 そうすると、
 このキラメキがものすごく目立つ。
 それがときとしてすごい違和感に映る。

 なので、
 個人的に安物のビニールなペラッペラのフラットティンセルを、
 フックシャンクにグルグル巻くのではなく、
 このようにスレッドで巻き止めるだけにして、
 その余りをボディ末端にほんのすこしだけ覗かせておく。

 こうすると、
 このヒカリモノが不自然にギラギラ輝きすぎるのではなく、
 あくまでも控えめにチラチラッとキラ見え。
 フライ全体に調和して、
 いかにも虫っぽく映る。

 また、
 ほとんど手間がかからないので巻くうえでの作業効率もあがる。

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 切れやすいピーコックハールの補強を施しているところ。

 ワイヤーやティンセルの類をリビングするのではなく、
 ピーコックのボディを巻きとめたら、
 ナノシルク・スレッドなどの切れにくいPE系スレッドを、
 ボビンをギューンと回して撚りをかけて細くして、
 ピーコックのボディのうえにほとんど無造作に一往復させてリビング状にグルグル巻きにしている。

 写真はスレッドをグル巻きしながらボディのうえを往復させたところだけど、
 こうしてみてもハール・ボディに変化は見えず巻いたことが分からないでしょ。
 しかもピーコックのボディが完全に固定されて最強の補強になっている。

 さらにしかもチョー簡単で手間要らず。

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 浮かせても沈めてもつかいたいレネゲイドのハックルには、
 なんてったって硬すぎず柔らかすぎないホワイティング・ヒーバートのヘンネックがぼくのお好み。

 ボディ末端の上部にほんのかすかに覗いている、
 金色のティンセルにもご注目を。
 こんなにちいさくチョロッとチラッと見えているだけで充分。
 このテのフライはモロ見えよりもチラリズムこそがミソ。

 とまあ、
 そんなレネゲイドなんだけど、
 この名前の意味をひもとくと、

 Renegade(=反逆者、裏切り者)
 とくにキリスト教からイスラム教に転向改宗した背教者を指して、
 「この裏切り者め」と蔑んで呼ぶ言葉ならしい。
 
 モノモノしくも血なまぐさくキケンな響き。
 なんかよくわかんないけどヤバくね?というかんじ。

 で、
 ここからはワタクシ十八番でもあります夢想妄想が飛躍するわけですが、
 名も知らぬ原作者が、
 このフライにこのようなネーミングをしたのには、
 はたしてどのような意図があったのだろう?

 きっとおそらくこのフライが世に知られたであろう1900年代前半の時代、
 フライフイッシングは今とは比べ物にならないくらいに紳士であり名門であり厳格であり格式であり様式であった。
 (それが悪いということではまったくないので念のため)

 「あの由緒正しきコーチマンを、このように改悪するなんてけしからん!まかりならん!」
 という声があったにちがいない。
 ないわけがない。
 
 出る杭は打たれまくる、
 というのは世の常ヒトの常、
 というよりもかの時代はもっと陰険かつ辛辣だっただろうことは想像に難くない。
 それが証拠に歴史をひも解けばそのようなストーリーはいくつも見つかる。

 そしてレネゲイドという名前のフライ。

 「おまえらなあ、クッソ偉そうにくわえパイプでボロカスゆうてくれるけど、
 本家コーチマンよりこっちのほうがよっぽど巻き易くて丈夫でよう釣れるやんけ、
 伝統にがんじがらめに縛られる筋合いはないんじゃ~」

 「オレはなあ、フライフイッシングの反逆者なんじゃ~~!!」

 などという一幕があったのかどうかは知りません。

 しかし、
 巻き人不詳なこのフライに、
 この時代にこのような意味の名前が冠されているという、
 そのことにワタシはグッとくるのです。
 アレコレと想像を膨らませずにはいられないのです。
 浪漫ひとしおなのでございます。

 と、
 いまやお馴染みのフライというよりも、
 もはや時代に取り残されて忘れ去られそうになっている一本のフライ、
 しかしその一本のフライをとおして、
 歴史を知り想いを巡らせ想像を膨らませ、
 そこから創造の喜びや醍醐味をひろげてみれば、

 そのフライでたんにサカナを釣りあげるだけではなく、
 そこに至るまでの過程にも、
 たまらない「お楽しみ」があるということに共感していただける方に、
 ぜひともお勧めしたい本を一冊ご紹介です。

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 私の敬愛して止まないフライフイッシング・ヒストリアンでありイノベーターであり、
 そして今なお他の追従を許さない最高のフライフイッシング・ライターであらせられる、
 ダレル・マーティンの集大成的著書「フライフイッシャーのための図解付き辞典」

 辞典といっても、 
 月並みな底の浅い単語用語集ではありません。

 アルファベット順にさまざまな用語や事象を解説しているので、
 便宜上辞典という表記になっているけれど……、

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 しかしてその内容は、
 ダレル・マーティンおじさんの汲めど尽きない知識と経験の泉から、
 おもしろそうな事柄をランダムにしかし抜け目なく、
 歴史や古典から最新事情までを、 
 簡潔かつ面白く愉しく紹介しながら解説してくれている、
 フライフイッシングのトリビアの泉的な蘊蓄満載の肩の凝らないオモシロ本です。

 これがまたさあ、
 なんちゅうかたまらんくらい示唆に富んでいるしオシャレだし英語表現むずかしくないし、
 単純にめちゃくちゃおもしろい。

 2000年に刊行されて以降、
 もうず~っと手元に置いて愉しんでいるけれど、
 じぶんのそのときの経験や興味に応じていまだにこの本から発見と学びが見つかる。
 きっと、
 これからもず~っと色褪せずイロイロと学ばせてくれることでしょう。

 フライフイッシングの「深さ」をやさしく愉しく伝えてくれる本です。

 
TRINITY Red, Green & Gold
 もうだいぶまえの話、
 細部の記憶はもはや曖昧なんだけど、
 すごく心に残っている。

 とあるラジオ番組に谷村新司さんがゲスト出演していて、
 谷村さんの昔からの大ファンだというリスナーの方からの手紙がとりあげられた。
 いわく、
 「私は谷村新司さんが創られた、あの歌がとても好きです。
 若いころからその歌にどれほど励まされ、また勇気づけられてきたことでしょうか。
 私はこの歌の歌詞の内容を、私なりにこのように解釈して、
 こんな物語を夢想しながら、それをじぶんの人生に重ね合わせつつ、
 いまも変わらず愛聴いたしております。
 そこで谷村さんにご質問です。
 私のこの歌の解釈は正しいですか?それとも間違っていますか?」

 というような質問だったはず。

 そして谷村新司さんいわく、

 「まず素晴らしいお便りをありがとうございます。
 あの歌の歌詞には、もちろん私自身の当時の体験とその想いが投影されています。
 しかしそれは、リスナーさんが語ってくださった解釈とはまったくちがいます。
 でも、だからといって、それが誤りであるかというと、そうではないのです。
 良い歌というものは、多くの方々の耳に触れたとき、
 それぞれの方が、各自それぞれの想いや感性でその歌に共感し、
 それぞれの人生や生き方を重ね合わせることで、
 その歌は作者の手を離れて独り歩きしていくものだとおもいます。
 なので、作者がその歌の歌詞を書いたときの想いや背景と異なっていても、それはそれでまったくかまわないのです。
 むしろ、だからこそ尊いのです。
 つまり、どの解釈が正しいとか間違いとか、そういうことではなく、
 いうなれば音楽というものは、
 その曲に感動したそれぞれの方々がそれぞれにイメージした「美しい誤解」によってこそ、
 輝きを増すのではないでしょうか」

 というようなお話を、
 あのジェントルなドスケベエ・ヴォイスで訥々と語られて……、

 中学生のころ、
 谷村新司さんのエッチなラジオ深夜放送を夢中で聴きながら、
 「性の芽生え」を迎えた世代としては、
 格別の感ありだった。



 
 そして嗚呼グレゴリー・アイザックス、
 このアルバムをはじめて聴いたのはじぶんが浪人生だったころだ。
 もはや、
 30年以上もの月日が流れてしまった。

 にもかかわらず、
 いまだその輝きは失せず、
 というよりも、
 そのまばゆい光は今だからこそますます美しいものとして私の琴線にとどく。

 ホンマ、
 齢50を超えて世の中ナナメにしか見れなくなったオッサンの純情を、
 まるで恋する乙女のように胸焦がしてくれちゃって、
 どないしてくれるねんゆう話しやで。

 それくらい、
 前回とりあげたユーチューブの81年BBCラジオ・ライブレコーディングは衝撃的だった。
 はたしてあの録音はレコードとして発売されていたのだろうか?
 情報を切に望む。
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 アレ若さま、キンケイの頭髪にちいさな虫がたかっておりまする……




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 案ずることはない、羽化寸前のオオマダラカゲロウじゃ……

 黒ずんでパンパンに膨らんだウイングケースは、
 キンケイの首羽根をハサミでV字に切って巻き止めたのじゃ。

 脚が一本ちぎれちゃったのはご愛敬じゃ。


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 「その時」がいつやってくるかはわからない。
 どのようなキッカケでそうなるかもわからない。
 めったにあることではない。

 天空に舞い上がっていくような創作意欲に突き動かされて、
 まるで自分ではないなにかが自分に憑依したかのような集中力で、
 他者の評価や、
 自己顕示欲や、
 見栄やハッタリの俗とはほど遠い高みにのぼって、
 ひたすら自己満足のためだけに、
 そのとき本当に自分が創作したいものに没頭できるあの時間の濃密な至福には、
 「まさにこのときのために生きている」と仰々しく言いたい醍醐味がある。

 そんな蜜の時間に浸りながら巻いた私的フリースタイルな3本。

 突き詰めれば突き詰めるほどに、
 フルドレス・サーモンフライというものはゴールデン・フェザント(キンケイ)のトッピングを映えて魅せるための土台ではないか、
 という僭越かつ生意気な持論をカタチにして表現したかった3本。
 
 フライそれぞれに巻いた年代が異なっており、
 くしくも自分のサーモンフライ・タイイングの足跡の一端をたどる3本にもなった。

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 エメラルド・パイレーツ
 函館に越してきてすぐに巻いたものだから、
 じつに9年前のフライ。

 鮮やかな緑色に輝くヒマラヤ・モナル・フェザントのネック・フェザーを整列させたボディのうえに、
 おなじくモナル・フェザントのクレスト・フェザーを左右合計3ペア、
 ブワッとひろげたトッピングに並べた。

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 さまざまな色が細かく重なったシルクボディは、
 はるかヒマラヤ信仰の象徴でもある「祈りの布」にインスパイヤされた。

 ちなみにこのシルクボディ製法は、
 もう10年以上もまえに思いついて、
 当時喜び勇んで巻き倒していたスタイル。

 ここ数年はおもうところもあって封印していたけれど、
 つい最近になってコレをまたさらに進化前進させたのをおもいついて、
 キャッキャとよろこんで調子に乗っている。

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 ファイヤー・バード

 一昨年のじぶんのフルドレス・タイイングを象徴する一本。

 血のような真紅に染められたキンケイのクレスト・フェザーを計8本、
 ウイングとしてひろげた。

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 で、
 そこに深い紫色に輝くリッフル・バードの首羽根を一輪。

 眺めていると、
 まるでブラックホールのようにこの紫色に吸いこまれていくよう。
 パプア・ニューギニアの至宝の羽根。

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 ゴールデン・パーソン・ヴァリエイション
 昨年のちょうどいまごろに巻いたもの。

 ぶっとい金の延べ棒のうえにキンケイの羽根を飾ったら、
 きっとすごく愉しいだろうナきれいだろうナ、
 という単純明快な思いつきとそれを具現化していく作業の時間は、
 スレッスレのオッサンを無垢の子供時代にタイムスリップさせてくれたのでございました。

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 と、
 そんな自分にとってこそスペシャルなフライたちをとっておきの額におさめて、
 昨年の忍野の美術館でのイベントにて展示させていただいたのだった。
 で、
 こんどはそれを来たる新居お引っ越しの記念に、
 我が家の一番良い場所に飾って毎日眺めようとおもっていたわけです。

 仕事柄、
 じぶんが巻いたフライはどんなものでも、
 もし購入してくださる方がおられれば、
 もうなんでもかんでも喜んで!
 という態勢で待ち構えている。
 けれど、
 これだけは自分の手元に置いておこうと、
 なにせ自分が世界で一番好きな羽根のひとつを題材にした、
 あるいみ自分の歴史でもあるわけだから。
 
 そのようにかんがえておったわけですが……、
 「これは販売しませんから」などと偉そうに公言もしておったわけですが、

 にもかかわらず、

 先日、
 忍野でのイベントでこのフライたちを見てくださった方がご連絡をくださって、
 とても気に入ったので購入を検討しておりますがどうでしょうか?との旨、

 「ありがとうございます。ぜひよろしくおねがいします!!」
 もうねえ、
 即答です。

 ひたすら自己満足で、
 他者の目などなにもかんがえず、
 じぶんの技量と想いのたけを精一杯ぶつけた、
 あまりにも個人的なフライたちを、
 その方の感性で解釈して気に入っていただいて、
 手元に置きたいとおもっていただけるなんて……、

 その奇跡にもおもえる光栄と、
 はてしない喜びのまえでは、
 じぶんのために巻いたじぶんが愉しむためのどうのこうの…なんていうちゃっちい感慨など、
 一瞬にして霧散してしまいました。

 そんなわけで、
 自分の感性を愉しんでくださって、
 それを愛でていただける方がいてくださるという、
 えもいわれぬシアワセに浸っている今日この頃です。

 昨年から事情があって気ぜわしく、
 時間的にも気分的にも、
 なかなか釣り竿片手に水辺にも立てず、
 ともすれば腐りきってしまいそうな沈殿した気分を持て余す日々。

 あともうちょっとだけ、
 このような状態がつづくかとおもわれますが、
 これで耐えられそうです乗り越えられそうです。

 天下一の果報者。

 しつこいようですが、
 本当にありがとうございました。
 
 
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