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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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東京セイラン物語
 先月の19日から先週まで、
 仕事半分、
 所用半分で、
 東京と大阪のあっちこっちにずっと出かけておりました。

 長い長い出張でした。

200316 (4)4

 知る人ぞ知るフライタイイング用ハサミ made by 水谷理美容鋏製作所。

 かれこれ4年ほどまえに送っていただいた水谷さん製作のハサミを、
 ずっと愛用している。
 というか、
 つねに手元に置いて、
 もうず~~っと酷使につぐ酷使をかさねていた。
 それだけでなく、
 タイイングデモや車中泊釣行などでもいつも持ち歩いていた。
 いろんなところに一緒にでかけていた。

 先月のつるや釣具店恒例のハンドクラフト展にて、
 そんなワタシのハサミを水谷さんご本人に再見していただく機会を得た。

 もはやボロボロギザギザに削れくたびれているのに、
 なお働かされている気の毒なハサミの刃先を仔細観察しながら、
 水谷さんしばし絶句…、

 みたいな面持ち。

 嗚呼ココロがイタイ。

 …あの、
 「テメー、ハサミなめんじゃね~よ!」
 と怒鳴りつけてください。
 思う存分罵倒してくださって構いませんよ…、

 と、
 苦しまぎれに開き直った。
 
 やや沈黙のあと、
 水谷さんはおっしゃった。

 「ものすごいつかってくださってるのがよくわかります」

 ジェントルなお言葉ありがたく身に沁みました。
 
 そして、
 「……これ、いったん預からせていただいて研ぎ直させてください」
 と申し出てくださった。

 うれしい。

 先週、
 我が家に帰宅すると、
 そのタイミングを待っていたかのように、
 キレイに研ぎ直されたハサミが届いた。

 ご丁寧なお手紙も添えていただいて、
 長旅の疲れがどんなにかほぐれた。

 まるで新品のようにピカピカになったワタシのハサミ。

 眩しいぞ。

 こんどこそ、
 細心の注意を払って、
 慎重に、
 大切に、
 腫れものに触れるかのように、
 大事につかおうと、
 気分一新でおもった。

 けれど、

 最初の一本を巻き終えるころには、
 ピッカピカなんだけど、
 もはや手に指に馴染みつくしている、
 いつものあの感覚がたちまちよみがえって……、




 だって…道具なんだもの。


200316 (1)1

 ハンドクラフト展がおわった翌日すぐ、
 関西の実家に帰省した。
 
 「夕御飯のあとで寅やの羊羹たべる?東京の友人がお土産にって持たせてくれてん」

 「うわ~いいね~。どうせならお抹茶たてていただこうよ、シャカシャカして」

 と母がいった。

 けれど、
 その翌日の午後、
 じぶんが珈琲を淹れて、
 ふたりでBSチャンネルでやっていた古い邦画を観ながら羊羹をいただいた。

 おいしかった。

 その映画の核となるシーンのなかで、
 主人公と心優しいおばあさんが、
 とある山里の大きな古民家を舞台にして、
 おだやかに物語が進んでいく場面が何度もあった。

 じぶんは、
 その古民家が気になって気になってしかたなかった。

 なぜかというと、
 緑濃く生い茂る夏の場面も、
 白い雪が降りしきる冬の場面も、
 その古民家の窓や襖は、
 どうしてだかいつもすべて開け放たれていたのだ。

 なので、
 四季折々の野外の風景が、
 部屋のなかの登場人物の背後でいつも見えている演出になっていた。

 情感にあふれた映画のストーリー自体はとってもよかった。
 
 場面のなかで移りゆく季節を幻想的に表現することは、
 物語をさらに味わい深く印象づけるものとして、
 重要な役目をになっているのであろうことは理解できる。
 
 しかしだ、

 夏のシーンでは、
 「あんなに窓全開にしてたら、大中小のいろんな虫が侵入し放題やで。田舎なめてたら、おそろしいことになるで」

 冬のシーンになると、
 「あんなに窓開けっ放しにして、部屋のなか雪でベチャベチャになるやん。雪国なめてたら、えらいことになるで」

 いちいちツッコミをいれていると、

 「あんた、つくづくオホーツクのヒトになってんなあ」

 と、
 母がしみじみいった。

200316 (2)2

200316 (3)3


200316 (5)5

 今年のハンドクラフト展にて、

 タイイングデモといおうか、
 実演販売といおうか、

 当日販売していたいくつかのマテリアルをつかって、
 このように巻くといいですよとか、
 こんなのが巻けますよとか、
 アレコレ実演タイイングをしたあと、

 そのマテリアルをご購入くださろうとする数人のお客さんが、
 お会計の順番をまってくださっていたとき、
 テンパりながら必死のパッチでお会計伝票をつけていると、
 唐突に、

 「うわ~キレイ」

 と可愛い声がした。

 顔をあげると、
 幼稚園かな?
 それとも小学校低学年?
 お会計の順番待ちをしてくださっていたお父様に連れられたチビッコお譲ちゃんが、
 我がブースに陳列していた、
 セイランの羽根を主役に巻いた特大フライを並べた額装の、
 ガラス面を指先で撫でていた。

 「えっ、ほんと!ありがとう!うれしいな~。ソレ、おじちゃんが作ったんだよ」

 というと、
 お譲ちゃんはサッと手をひっこめて、
 めいっぱいはにかむと、
 モジモジしながらお父様のうしろに隠れちゃった。

 無駄な予備知識も、
 余計な知恵も、
 固定観念も、
 既成概念も、
 な~んにもない、
 まっさらで正直な白紙の感性に響いてくれるなんて……おじちゃん無上の喜び。

 だって、
 それをこそ目指したいんだもの。


 200316 (6)6

 はばたけセイラン火の鳥グレートアーガス・フェザント。

それでもワタシはここがすき。
 今週、
 急に兵庫県の川西にある実家に帰省することになった。

 そしてきょう、
 朝五時に川西の実家を出発。
 伊丹空港から始発の羽田行きの飛行機にのり、
 羽田から道北地方行きの飛行機にのりかえ、
 ちょうど昼過ぎてすぐ道北のちいさな空港に到着した。

 雪はさほどでもなかったけど、
 数日間のあいだ空港の駐車場に停めていたクルマは凍っていた。
 車体からぶっといツララがズラズラ並んでぶらさがって、
 氷河に埋まったマンモスのようになって私を待っていた。

 この一週間ほどまえ、
 それまで不気味なほど降っていなかった雪が、
 じつはどこかにガッツリ貯蓄されていて、
 それが一気に放出されたかのようなヤケクソっぷりで、
 いきなりとつぜん降り狂った。

 朝起きたら世界は一変、
 おおきな玉のような雪がすさまじい強風にあおられながら、
 雪崩のように横から降りそそいで視界を消し去り、

 なにもかもがたちまち真っ白に埋まっていった。

 よりにもよって、
 実家に帰省しようとしたその日だった。
 「本日の便はすべて欠航」

 もはや交通機関はなにもかも麻痺。
 どうにもできない。

 それよりもまず、
 クルマが雪に埋まって駐車場から出せない。
 というよりも、
 クルマが雪に埋まってなんにも見えない。

 猛吹雪のなか、
 凍える両手でママさんダンプを押しながらも、
 情け容赦ない雪の量に途方に暮れていると、

 ほどなく、
 ご近所の方が巨大なブルドーザーで来てくれて、
 ガガガとエンジン音をけたててズドドと大量の雪をどけてくれた。
 が、
 またすぐ埋まりそうになってスコップ片手に奮闘していると、
 別のご近所の方が見あげるようなブルドーザーで来てくれて、
 ガガガとエンジン音をひびかせてドドドと大量の雪をどかしてくれた。

 まるで、
 正義の味方が助けに来てくれたような気分だった。

 ほんの一瞬で純白のモンスターをやっつけてくれたヒーローです。

 うれしさのあまりブルドーザーを見あげながら、
 ピョンピョン飛び跳ねんばかりに感謝の意をジェスチャーにて表明。
 おふたりの正義の味方は、
 頭上の運転席から私を見おろしてニコッと親しげに笑いながら軽く手を挙げて、
 エンジン音をガガガととどろかせてご自宅に戻られていった。

 こうして自宅の駐車場で遭難した私のクルマは救助された。

 そしてその二日後の朝、
 ようやく空港に向かえる峠道は晴天。
 一面白銀の雪景色がいっせいに輝いていた。

 そして四日後のきょう、
 自宅に帰る峠道は粉雪まじりの曇天。
 そして厳寒。
 カチカチに凍った路面を氷雪がビュービュー吹きすさぶ雪おんな日和。

 携帯の電波もとどかない樹海の峠の凍結路面。
 新参者はめいっぱいビビリながら運転。
 ほうほうのていで帰宅してヤレヤレ。
 
 荷物をおろして部屋のストーブの火を着けてすぐ、
 もはや家族気分のご近所の方が顔を出してくれた。
 急に帰省した私を気にかけていてくださったのだ。

 「あがってあがって~」
 というと、
 「ここ、寒過ぎるからムリ」
 といわれた。

 「きょう、すごいさむいっすね~」
 というと、
 「昨日の夜なんかすごかったんだぞ。マイナス27度までいったんだから」

 どうりで、
 帰宅してすぐ、
 とるもとりあえず二台の大型ストーブをカッカと燃やしているのに、
 いっこうに温度はあがらず、
 ダウンジャケットを脱いだら命にかかわりそうなわけだ。

 留守中の部屋のなかも凍っていた。

 ところで、
 乾燥した指先を湿らせたり、
 マテリアルを濡らしたりするために、
 目の前にあるタイイング机のうえに、
 水を入れたコップをおいているんだけど、

 そこにヘアウイングサーモンフライのトッピングにつかおうとおもって、
 水に浸しておいたクレストフェザーを数本、
 そのままにして出かけてしまったのだが、
 
 帰宅するとグリーンに染めたゴールデンフェザントのクレストフェザーの氷漬けが完成していた。

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 コールドだろ~?

 でも、
 じぶんにはものすごく居心地いいのさ落ち着くのさこれがまた。

 寒いし、
 凍るし、
 埋まるけど、
 ここはあたたかい。

 
正月やすみ
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 ワシミミズクのセカンダリークイルをボディに捩じり巻いて、
 ヒグマの金毛をパラッとダウンウイングに据え、
 ハニーダンのヘンネックを2枚厚めにハックリング……Tied on TMC9300 14番。

 ミドリカワゲラが春風に舞う芽生えの季節。
 シーズンさいしょのドライフライ。

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 ことしもまた、
 豊かな濃ゆい釣りの日々がおくれますよーに。


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 あけましておめでとうございます。

 

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 とりつかれたように黒毛をザックザク切って、
 ワッサワサにダビングして、
 ボッサボサなの巻いて、
 「これはイケル!」
 なんちゃって、
 悦に入ってゾックゾクして……、
 
 年をまたいでそんなことしてます。

 つくづく、
 シアワセなことですね。

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 マキシマキントビケラ Tied on TMC947BL 4番。

 クロクマの柔毛タッチ・ダビングボディとファーヘッド、
 そこにレオンの超ロングファイバーなサドルを乱れ巻きハックリング。
 ウイングは金毛3段がさね。

 まさに、
 カムイ昆虫外伝。

 と、
 なにもかんがえず勢いで書いてハッとしましたがな。
 いまボク、
 なんだかものすごビビッとくるコピーおもいついちゃったかも。

 カムイ昆虫外伝……、
 いや、
 それか、
 錬虫術外伝……、
 それとも、
 ベタに、
 毛鉤外伝……、

 ぜんぶつかいまくろ~。

 一年の計は元旦にあり。

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 クロクマ柔毛をスペントウイングにあしらったフライング・ホッパー Tied on TMC226BL 8番マシュマロ・エクステンド・ボディ。

 飛翔中に水面に不時着したバッタ。

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 今回販売させていただいたヒグマたちの毛をつかったフライの一部を集めた作例集です。

 札幌テムズ店頭にて見れます。

 そして、
 1月3日からのテムズ恒例「おたのしみ初売り週間」では、
 ほんの若干数なので恐縮ではありますが、
 ワタクシの秘蔵っ子ヒグマのスキン各種も店頭販売されます。

 フライの見本を観察しながら、
 ヒグマの毛を選んでいただける趣向となっております。

 みなさま、
 本年もどうぞよろしくお願いもうしあげます。

 

 

 
スパシーバ
1912071.jpg
 "Veilin' BUBO" Tied on # 9/0
 邦題「縦縞ワシミミズク」

 いま、
 お外はマイナス12度なんだってよ。

 あさ、
 「さあ!きょうも巻くで!」
 と気合を入れて飛び起きて、
 テキパキテキパキ準備して気分を高めて集中して、
 ものすごい仕事モードのときの経済活動にやることはフライタイイング。

 あさ、
 「はあ~、なんもやる気しね~」
 とダラけまくってグダグダ起きて、
 ダラダラダラダラ時間を無駄に垂れ流して沈澱して、
 ものすごいサボリモードのときの現実逃避にやることもフライタイイング。

 なんでやねん?

 そんな冬の日々、
 お戯れの戯言をいくつか。

 さて、
 マニアなコレクターさんたちが血眼になって探しているとか、
 オークションに出品すれば高値がつくとか、
 そんなたぐいのプレミアお宝ではないけれど……、

 ちょっと、
 見せびらかしちゃう。

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 いちばん上から、
 ダーデブルの黄色地ファイブスターの卵型。
 これねえ、
 どういう経緯で我が家にあるのか、
 さっぱり記憶にないの。

 まるっきり憶えていないけれど、
 我が家のお宝ルアー陳列棚のスプーン・コーナーのVIP席に鎮座していらっしゃる。

 眺めていると、
 なんだかウキウキしてくるお気に入りスプーン・コレクションのひとつ。

 もはや、
 じっさいにつかうことはないだろうけど、
 いつのまにか手元にある往年のルアーたちを並べておいて、
 ときどき眺めたりするの、
 すごく好き。

 そしてそのしたが、
 アワビの貝殻を削って成形したスプーン。

 んで、
 さらにそのしたがカスタム・メイドなリアル系ミノープラグ2本。

 ダーデブルはべつとして、
 じつはこれらのルアーを製作したのはなんと、
 アワビ・スプーンのほうはカクヒロ・バンブーロッドの野中角宏さん。
 そして、
 ミノーのほうはティムコの嶋崎了さん。

 しかも御両人ともに、
 イケイケ二十代後半!のころ血気みなぎってはった駆け出し時代の作品。

 若気の至りここに集約せり、
 といいたい作品たちだ。

 貴重やろ?

 と、
 おふた方を知っている人がこれを見ればなんとも感慨深くあるだろうけれど、
 当の製作者ご本人にとってはおもわずホッぺがポッと赤面しそうな青春のひとかけらが、
 なにゆえ我が家にあるのかといういきさつは割愛するとして……、

 こういうの、
 大事に保管しておいてよかったなあ、
 とつくづくおもう今日このごろ。

 そしてじつは、
 そんな時代にじぶんが作ったんもイロイロあるねんけど、
 それは見せてやんない。

 だってえ、
 ものすごいはずかしいんだも~ん。

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 だいぶまえに、
 ロシアのハバロフスクの釣り具屋さんで購入したフライボックス。

 木製のボックスのフタに、
 かんたんな銅板のようなもので作ったグレイリングの型をはめ込んである。
 
 店で見たときは
 「おお、ロシアらしくてかっこええ」なんておもって買い求めて、
 店を出てホテルにもどって再度眺めたときは、
 「もう2~3個買っとくべきだった」
 と後悔した。

 が、
 帰国して落ち着いてよく見たら、
 なんだかとってもジャンク。
 「オレ、なんでコレ買うたんやろ?」
 と後悔した。

 んが、
 このごろしみじみヨ~ク眺めてみれば、
 無骨で素朴でやっつけ仕事でありながら、
 滲み出てくるロシアン・ムードなフォークアート的味わいに滋味を感じとり……、

 さらに、
 (日本でこんなフライボックスもってるヤツ、おれ以外おらんやろ~)という、
 オンリーワン大好き根性も満たされて……、

 けして大事にしていたとは言いかねるけど、
 とっといてホントによかったなあ、
 とおもう今日このごろ。

 モノにかぎらずなんでも、
 なにくれ評価などというものは、
 時代によっても、
 気分によっても、
 環境によっても、
 経験によっても、
 うつろうように変わっていくもの……ですよね?

 191207(3)3.jpg

 柔羽根でボディ全体を覆ってしまいたいという、
 ワタクシの抑えがたい欲求と衝動と創作意欲の源泉をたどれば、




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 ワシミミズクのセカンダリークイルで巻いたボディにいきつくワタシのタイイング・ライフ。

 この羽根は、
 じぶんのいろんな「モノの見方や美的感覚」に改革をもたらしてくれただけでなく、
 期せずして物品販売の醍醐味まで経験させてもろた。

 かんがえてみれば、
 感性の練磨から経済活動のイロハにいたるまで、
 モノ言わぬ一枚の羽根から学ばせてもらうことになった。

 いつか、
 ワシミミズクに捧げる愛のポエムをしたためたいものです。
 きっと、
 長々延々つづっちゃう長編大作になることでしょう。

 そんなん、
 だれが読むねん?ちゅうハナシやけど。

 写真のフライはパートリッジのテイルとハックルに、
 ヘンフェザントのクイルウイングの組み合わせ…つまり元祖オリジナル・マーチブラウンのレシピに、
 ワシミミズク・クイル捩じり巻きでボディを巻いた私的マーチブラウン tied on TMC107SP 8番。

191207(5)5.jpg

 とかなんとか言いながら、

 先日、
 フライフィッシングのフの字も知らない、
 なんならサカナ釣りにも縁のない、
 まったく無垢の白紙の小学校低学年の子供たち数人の前で、
 マスに食われている虫たちの生態や、
 はたまたフライの材料となる獣毛や鳥の羽根について、
 フライタイイングの実演をまじえながら、
 いろいろ話をする機会があった。

 そのとき、
 カラスの羽根とワシミミズクの羽根を各自実際に手にとって、
 色柄や質感や手触りを観察してもらいながら、

 「な、こうして両方の羽根をくらべながらよく見ると、ミミズクの羽根のほうがフサフサしてるやろ?これ、なんでかわかる?」
 という話しをした。
 もちろん即興で。

 「カラスはさあ、みんなも見たことあるとおもうけど、昼間に道端とかでエサを拾ったり、小鳥や動物の死骸とか木の実なんかをつついたりして食事してるやん。そんで、夕方になると全員集合して山の巣に帰って寝るやん」

 「でもミミズクは夜になると起きて、野原を走っているネズミとかを食べるために上空からサーッと羽ばたきながら襲いかかる深夜のハンターなんや。
 でもさ、そのときカラスみたいにバサバサーッて羽ばたく音がしたら、獲物にすぐ気づかれて逃げられるやん」

 「だからな、羽根をフサフサにすることで飛んでるときに音がしないようにしてるねん。獲物にじぶんの羽ばたく音がまったく聞こえないようにして、空からいきなりブワーッととびかかれるようにするために、ミミズクの羽根はこんなにフサフサしてるねんで」

 どや、
 おまえら知らんかったやろ、
 得意満面で解説したところ……、

 「センセー、どうして羽根がフサフサしてると飛ぶとき音がしないの?」
 と、
 小学校3年生男子。

 「……え?……あ……」

 ものすごく素朴で、
 とても的確な疑問のご指摘ごもっともです。

 鳥の羽根の構造と、
 はばたいているときの羽毛と空気抵抗の関係について、
 さらには各種の鳥の羽根の組成のちがいを通して考察できる生物の進化の過程について、

 だれもが簡単に理解できて納得できる、
 簡潔明瞭な解説の言葉を探したい。

 センセーは、
 ガキどもからものすごい難題の宿題を与えられた。

 まちがいなく、
 今年いちばんたのしく愉快に過ごした。

 子供たちの好奇心と興味に触発されて、
 新鮮な知の発見と学びの刺激に満ちた至福の一日だった。

 いつだって、
 本当に学ばせてもらうのは、
 教わるほうではなく、
 なにかを伝えたり教えたりするほうだ。

 そして、

 鳥の羽根でニセモノの虫を作るという行為のおもしろさ愉しさ、
 なによりもその不思議さを、
 白紙の人びとに伝えるとき、
 百の言葉や理屈なんかいりまへん。

 ハックルたった一回転でイチコロでっせ。

 バイスにとめたフックに、
 ハックルをグルッと巻きつけた瞬間の、
 「うおおお~~~」という子供たちのどよめき。

 脳がビンビンしびれた。
 たまらないカイカンだった。

 そんなわけで、
 写真のフライはエゾジカのオスの毛をウイングとテイルに巻いた、
 パーマハックル・ボディの私的ウルフ・スタイルのロングシャンク8番。

 フロントハックルにはゴールデンバジャーとグリズリーを混色でハックリング。
 で、
 ワシミミズク・クイル捩じり巻きで巻いたフサフサ・ボディのうえに、
 フロントに巻いたバジャーをそのままボディ末端に向けて全体にハックリング。

 このようにハックリングすると、
 フライの前方から後方にかけてハックルが先細りテーパー状になって巻かれることになる。
 ので、
 大型サイズでも水面でのバランスがすこぶるよろしい。



 極東極北ロシアの若きスカ・レゲエ・バンドから、
 遠く南国常夏カリブの小島ジャマイカの古き良き時代の音楽へ、
 Don.D率いるオリジナル・スカタライツへの最大限のそして最高のオマージュ。

 コメント欄に歌詞も載せてくれていたのでコピペ。

 「1. One day
 Going my way
 I found a secret passage through the trees,
 It led me to the place
 Where lonely hearts fulfill all their dreams.

 Hidden place with eternal spring,
 Gentle birdsongs will make you swing,
 Play of colours is transferring
 Blue skies above.
 Nothing more is forbidden there,
 Hugs and kisses are everywhere,
 There you can find the one, who cares,
 Garden of love.

 2. Oh dear, stay with me here,
 Observing all that blossoming around!
 Do you mind
 To stay overnight,
 So nightingales will make their tuneful sounds?

 And the heavenly dome is clear,
 Next day we can be far from here,
 So let’s put off all doubts and fears
 And be like doves:
 You are with me, I am with you,
 No one can tell us what to do,
 Let’s relax and enjoy the view
 In garden of love. 」

 と、
 そんなコメント欄を見れば、
 メンバーの誰が書きこんだのかはわからないけれど、
 現スカタライツ・メンバーからのコメントが。
 
 「この歌詞はどこの誰のものなの?ドンが書いたんじゃないよね?我々は混乱しています。でも、LOVE IT !」

 不遜ながらおもわず心から同感。

 きっと、
 この珠玉のインスト・スカに自分たちで歌詞書いて載せて演奏して歌ったんでしょうね。
 
 往年の巨匠ミュージシャンたちへの畏敬と敬愛の念も、
 かれらが脈々と紡いできた音楽の足跡への愛情も、
 極北の地でジャマイカ音楽に取り組む真摯な姿勢も、
 そのよろこびや興奮も、
 十二分に鍛錬した質の高い演奏とエンターテイメントも、
 なにからなにまでヒシヒシ琴線に響くココロに届く…心地よく。

 ユーチューブでこのバンドの演奏たくさん観れるんだけど、
 どれもこれもぜんぶジンとくる。
 キュンとする。

 ロリポップ・ロリー大好きになった。

 ちなみにドン・ドラモンドwith ザ・スカタライツの原曲はこれ。


札幌テムズでフライタイイング・デモやります。
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 11月29日の金曜日から30日土曜日、
 そして12月1日の日曜日の3日間、
 プロショップ札幌テムズにて毎年恒例のフライタイイング・デモをおこないます。

 なんか、
 ここのところ告知とか宣伝ばっかでゴメンなさいね。

 なんていうか、
 「これも重要な仕事やねんで」とうそぶきながら、
 シーズン中ず~っとおもうままに好きなだけ水辺でフライロッド振りまくってたキリギリス野郎が、
 オフシーズンを迎えてようやくケツに火がついて、
 なんかいっしょけんめい頑張ってはるねんな~…とお察しくださいませ。

 といいましても、
 今回のデモのほうはすでにご参加くださる皆さま定員いっぱいのようです。
 なので、
 ワタシのフライタイイング・デモってこんなことやってんですよ……、
 というご案内とご紹介がてらということで。

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 9月のはじめころ、
 テムズのテンチョーこと粟崎さんに、
 デモの告知するから今年もキャッチコピーとメニュー考えてねといわれ、
 「いいよすぐやるよ」
 と、
 お返事だけはいつもテキパキほがらか……、

 な・ん・だ・け・ど・

 おりしも秋本番。
 荒喰いの季節まっただなか。
 フラットな水面で日々繰り広げられる超気難しいライズ攻略でアタイのココロはいっぱいいっぱい。
 それどころやあらへんがな。

 そんなわけで、
 「はよせえはよせえ」
 「まだかまだか」
 と急かされながらも…………、

 だってキリギリスだもの。
 
 そうこうして、
 いよいよ心苦しくなっちゃった10月はじめ、
 勢いのままにダダダーッと書いたタイイングデモお品書きを、
 以下にそのまんま掲載します。

 たぶんテムズのFBとか店内とかで活用されたんじゃないかな?

 あとから読み直してワタシ赤面しきり。
 
 もうどうにでもな~~れ~~~。

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 2019年テムズ・タイイングデモ予定表

初日「みんなで巻こうマシュマロ・スイーツ・ワークショップDAY」

マシュマロ・エクステンション普及委員会オホーツク支部所属「企画開発促進課部長」の備前貢さんを道北地方よりお招きして、
マシュマロ・エクステンション・テクニックを駆使しながら、各種各サイズのいろんな必殺マシュマロボディなフライを、皆さんと一緒に巻いてみる夕べ。
するとアラ不思議。ドライフライだけでなくニンフやウエットにも応用できまくるオモシロ・テクニックもまた、知らないうちに習得出来ちゃうという寸法。
すでにマシュマロ系はつかいまくってるというアナタも、きっと新しいお役立ちテク発見になるかとおもいます。
マテリアルとフックはすべてコチラで準備いたします。なので、当日はご愛用のバイスとツール類、そしてスレッドとワックスを各自ご持参ください。

二日目「私的マシュマロ・エクステンション・フライズの現在とフライ視点な生き物語りDAY」

マシュマロ・フライズ愛好会オホーツク支部所属「巨鱒釣日課係長」であらせられる備前貢さんを道北地方の秘密のアジト「マシュマロの館」よりお招きして、
2019年シーズン特大ホームラン級だった、ひさびさ私的マシュマロ・フライズ新作必殺フライお披露目会を皮切りに、いろんな私家版マシュマロフライズをご紹介します。
また、春から晩秋までの北海道の四季ごとにマスたちに食われまくっている重要な餌生物をとりあげて私的解説も満載。
有名な昆虫類はもちろん、毎シーズンごとに新発見の魅惑の昆虫たちもご紹介。北海道の自然はすごいぞ。
そして、そられの虫が食われているときに効果的だったフライや釣り方、さらには今後の課題、あるいは狙いの勘どころなどのご紹介に明けくれる生物学的マシュマロな一日。
ドライフライもニンフもイマージャー的なウエットも水面から川底までジャンル問わずやります。

三日目「ザッツ・フライタイイング・エンターテイメントDAY」

日本唯一の語って巻ける職業タイヤー、ときどき語ってばかりで一向に巻く気配がないオホーツク在住の備前貢さんを道北地方の銘川の畔よりお招きして、
本人が現在たったいま夢中になって取り組んでいるフライをご紹介、そして実際に巻きながら、おおいに語らせていただきます。
なので、現時点ではどのようなフライたちが取り上げられるのかは、これを書いている本人にもまったくわかりません。
しかし、ドライフライ、ニンフ、ウエット問わず、そのときのじぶんが一番凝っているヤツばっか巻くので、熱さと深さとねちっこさは保証付き。
ただ、エゾジカのヘアーをつかったヘアカディス各種各サイズはきっと巻きまくるとおもわれます。なぜなら2019年シーズン最大のテーマと興味のひとつだったから。
定番中の定番あったりまえの誰でも知ってる皆が巻いてるヘアカディスが、日本唯一のちっとも教科書通りに巻かない私家版フライタイヤーの手によってどのように変化していくのか…きっとお役にたてるかとおもいます。

こんなかんじでやりたいとおもいま~す。
よろしくお願いいたします。

 キャハ

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 みんな~、
 マッシュマシュのマロマロにしてやんよ。


 あと、
 実戦的クイルウイング作例実演も
 ウエットフライのみならずドライフライもいっぱいやりましょうね。

 なぜならじぶんがいま凝ってるから。

191126 (12)12

 そんなわけで、
 今年もまた、

 「志は高く、しかし敷居は低く」

 なごやかに、
 経験技術キャリアの有無を問わず誰でもそれぞれが愉しめて、
 そのうえで、
 これからの冬の夜長のタイイング・タイムをよりいっそう充実の時間にしていただけるような、
 そんなタイイングデモを目指して、
 はりきってうかがいます。

 どうぞよろしくお願いいたします。


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