FC2ブログ
BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
201909<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201911
私家版マーチブラウン
   190904 (1)1

 コック・デ・レオンのセカンダリークイルをウイングにつかった私家版シルバー・マーチブラウン。

 特製パール・シルバーのギラギラ乱反射ボディと、
 全体的にダークトーンなウイング。
 メリハリの効いた色調のコントラストが「その気」にさせるのか?
 万能型小型ウエットフライとして効き目抜群の当社ベストセラーのひとつ。

 話しはすこし変わるんだけど、

 ことあるごとにドライフライ各種のご注文をくださって、
 いつもたいへんありがたくお世話になっているだけでなく、
 まだお会いしたことはないけれど仲良くしていただいている東北地方在住のお客さまが、
 このようなメールを送ってくださった。

 「じつはウエットフライやニンフにもすごく興味があって、
 挑戦してみたい気持ちはあるけれど、
 どうも敷居が高いといおうか、
 なんだかとても難しそうで躊躇してしまって、
 いつも結局ドライフライしかやらないっていうか、
 やれないんですよねえ……」
 との由。

 で、
 またちょい話しはズレるけど、

 この方に限らず、
 つねづね格別の御贔屓をいただいているお客さまへのお礼として、
 ものすごくささやかではあるけれど、
 ご注文いただいたフライを送るとき、
 じぶんのフライボックスから選んだフライなんかを、
 ちょっとしたオマケとして添えさせていただいたりしている。

 と、
 そんなオマケ選びがじぶんにとっても密かな愉しみにもなっている。

 そんなわけで、
 イタズラ心もあって、
 この方にはあえて、
 我が特製シルバーマーチブラウンを数本オマケとしてご注文品とともに送りつけ、
 メールでくそエラそうに講釈垂れた。

 「さいしょは竿もラインもリーダーもティペットもそのときつかっているドライフライの道具立てそのまんまでいいです。
 それで、
 ポイントの上流側にソ~ッと立って、
 このウエットフライを斜め下流に投げて、
 とくになんにも操作しないでダーッと扇状に流してみてください。
 流しきったらすぐ打ち返したりしないで、
 そこでひと呼吸おくのが大事なコツです。
 ブワーッと流れを横切ったフライを追ってきたサカナが、
 ここで喰いついてグググンッと勝手に向こうアワセでハリ掛かりします。
 そして、
 そのあとすぐピックアップしないでゆっくりリトリーブしながら手前までたぐってみてください。
 たぐっているときにもよくグググンッてかんじのアタリあります。
 そうしたら、
 またちょい下流に下がって同じこと繰り返してみてください。
 とにかく、
 こうやって釣るとアタリはグググンッてハッキリ手元に伝わりますので心配ご無用です」

 とか、

 「無理してやろうとせずに、
 イブニングで日が暮れてドライフライが見えなくなってからとか、
 渓流を釣りのぼって川沿いに下ってくるときとか、
 ドライフライのついでに機会があれば気楽にやってみてください」

 だの、

 「しつこいようですけど、
 最大のコツはな~んも難しく考えないで気楽にやってみることですよ」

 とか、

 「メンディングだのスイングだのターンだの、
 さいしょはイメージできなくてワッケわからんかもしれないけど、
 実際にウエットフライでサカナを何匹か釣ったりアタリの感触を体験すれば、
 …あ、なるほどこういうことか~…なんて頭じゃなくて身体で理解できますので、
 そんな小難しい用語群なんかおそるるに足りませんよ~」

 なんつって、
 ウエットフライの扉のまえでモジモジしている若い子羊クンを、
 オッチャンが言葉巧みに?そそのかし、
 そしてたぶらかしたったのだった。

 と、
 そんなメールを送ったのが今年の春。

 で!

 つい先日、
 いつものドライフライのご注文ではなく、
 な~んと、
 熱い想いが伝わるお手紙メールとともにウエットフライ各種のご注文、
 いただきました!感激大感謝。

 しかも!

 そのありがたいご注文メールには、
 すっばらしく見事なでっぷりヤマメの画像が添付されており、

 さらにしかも!

 水辺に横たわるそのヤマメのお口元に、
 我がシルバーマーチブラウンがキラリと光っておるではないですか!

 パソコンの画面みながら、
 おもわず「やったあ!」ガッツポーズ。

 と、
 このようなアプローチを経て、
 ワタクシみごとに迷える子羊クンを釣りあげました。
 大物ですよ。
 ワッハッハと笑いが止まらん。

 ぶっちゃけ、
 じぶんがじぶんのフライでサカナ釣るのなんかよりも、
 じぶんのフライでお客さんを釣るほうが、
 はるかにうれしいモチベーション上昇イマジネーション向上やる気度数アップ。

 こんな幸せな仕事させてもろて、
 皆さんほんとにありがとうございます。

 で、

 ここからようやく話しの本筋なんだけど、

 ウエットフライ初心者の方に、
 なにゆえシルバーマーチブラウンを最初の一本としておススメしたかというと、

 これはあくまでも私見ではあるけれど、

 適度なヴォリューム感があって、
 いかにも虫っぽいフォルムながら、
 ティンセル・ボディのために水流の抵抗を受けにくい。
 そのため、
 着水と同時にスッと水を切るように水面下に沈んでくれて、
 そのまま安定した姿勢を保ちつづけることができる。
 なので、
 スイングさせているとき過度なドラッグや水流の抵抗がかかっても、
 フライが不自然に水面に浮きあがってしまったり、
 はたまた水中で回転したりすることがなく、
 どのように流しても一定の層をバランスの良い姿勢で泳がせやすい。

 というところがなによりの理由。

 つまり、
 ウエットフライの入門編として、
 ダウンストリームなアプローチでラインを張った状態でスイングさせる釣りには、
 シルバーマーチブラウンはとても扱いやすく理にかなっているようにおもう。

 このパターンが「釣れるウエットフライ」として昔から定番なのは、
 キラキラ光るとか虫っぽいとかいうフライのイメージ的な見映えにくわえて、
 どのような流れの状況でも安定してスイングさせやすいという、
 機能的なところがものすごく大きいようにおもっている。

190904 (2)2

 転じてコチラ、
 エゾリスのファーをループダビングでファーハックル化させて、
 ボディ全体に毛羽立たせた状態で巻いたマーチブラウン。

 ものすごいヴォリューム。
 モッコモコ。

 吸水性と保水に優れたエゾリスのファーなので、
 このヴォリュームでもただちに水を吸って水面下に沈む。

 なんだけど、
 全体が毛羽立っているので、
 シルバーマーチブラウンの沈み方や流れ方とはまるで異なり、
 流水の抵抗をモロに受ける。

 これがミソ。

 フライを充分に沈めながらラインにじわっとテンションをかけて、
 やわらか~くソフトにスイングさせると、
 流れの抵抗を受けとめたフライがスーッと自然に上昇してくる。
 という、
 「縦のターン」を演出するにはうってつけ。

 またさらに、
 ナチュラルドリフトこそこのテのボサボサボディ・ウエットフライの真骨頂。
 ボディ全体が吸水して水に馴染んでいるので、
 そのぶん流れの抵抗がかかってゆっくりジワ~ッと流れてくれる。

 と、
 そのように流せれば、
 とうぜんサカナがフライをくわえている時間は長くなるし、
 サカナのアタリもより明確に伝わる。

 というわけで、
 ここでも難しく考えすぎないで、
 きわめて大雑把に、
 ティンセルやフロスなどをつかった細身で固いボディのウエットフライはスイングさせる釣りに向いていて、
 ボサボサに毛羽立ったヴォリュームのあるダビングボディのパターンはナチュラルドリフトな釣りに向いている、
 くらいのイメージで、
 ウエットフライ初挑戦に臨んでいただけますと、
 だいたい外さないんじゃないかな~とおもってます。
 
 190904 (3)3
 じぶんはぜんぜん詳しくないんだけど、
 この小説は文豪の一大出世作?なんですよね?

 じぶんがまだ20代のころの多感な時代、
 この小説から伝わってくる、
 著者の剥き出しの赤裸々な情念というか、
 灼熱のマグマのような熱気を直球で受け止めてしまって、
 いてもたってもいられなくなったのをハッキリ憶えている。
 
 無我夢中で読みふけり感動し興奮しズドンと深くえぐられるように衝撃を受けただけでなく、
 「オレもなんか書きて~~~」なんつって若気の至り、
 じぶんでもワケがわからないままに奥底から創作意欲をメラメラ掻き立てられた、
 たくさんの名作群のひとつ。

 さいきん、
 なぜだかそんな懐かしい小説たちを無性に読みなおしたくなり、
 どこかすがるような気持ちでアレコレ手当たり次第に再読している日々。

 もはや2週間ほどまえの、
 シトシト雨が連日ふったりやんだりしていたとき、
 夜更けからこの本を読みはじめたらどうにも止まらなくなってしまって、
 読み終わったら白々と夜が明けてしまった。

 50代半ばにもなって、
 若いころに何度も読んで感銘を受けた本を久々に再読して、
 あのころとは受け止め方のちがいはあれど、
 なんだかもうどうしようもなくカーッと熱くなる気持ちに変わりはなく、
 根っこのところがすこしも変化していないところを再確認。
 それって、
 感性の維持というところで喜んでいいものなのか、
 なんら成長していないというところで嘆くべきなのか……。

 こうなると、
 もう寝ていられない。

 カッカと火照る気持ちをもてあましながら、
 そのくせ、
 そんなじぶんをどこか愛おしいとおもいながら、
 夜明けの川辺に立った。

 霧雨の朝。

 増水気味の流れ。

 条件はすこぶる良さげ。

190904 (4)4

 ボディ全体にヒグマのちょっと特殊なファーを薄く毛羽立たせてダビング、
 そしてフライの喉元に赤いシールズファーをスロートハックルのように散らせた私家版マーチブラウン。

 つかったフックはTMC9300 の8番。

 軽いドライ用フックに巻いてあるのと、
 なによりもボディに巻いたヒグマのファーの不思議な浮力で、
 ちょっとやそっとでは沈まない仕様になっている。

 水面に浮いているあいだはドライフライとしてつかうし、
 沈んだらそのままウエットフライとしてつかう。
 ナチュラルに流してもつかうし、
 スイングにもつかう。

 今シーズンの初夏、
 このフライのボディにつかったヒグマのファーの特性を探るため、
 ヒゲナガの時期のイブニングにこのフライばかり集中的につかっていた。

 夕暮れがちかづいて、
 バンク際で羽化したてのヒゲナガにシビアにライズしているやつを狙って、
 まずドライフライとしてつかうじゃん。

 で、
 完全に日が暮れるころにはフライがしとどに濡れそぼり、
 サーフェイス・フィルムの下側にようやくぶら下がっている、
 みたいなかんじになるので、
 それをそのままスイングさせてスケーティング、
 あるいは竿先をブルブルふるわせながらフラッタリング。

 暗がりのなかで苦労していちいちフライを交換しないで、
 水面も水面下も狙えて、
 自然に流すのも動かすのも、
 ぜんぶ一本のフライで演出できると、
 時間に追われるイブニング・タイムにココロの余裕ができるのが、
 ものすごく有利。

190904 (5)5


 と、
 そのようなフライを3Xのティペットに結んで、
 この白泡うずまく落ち込みに叩きつけてみた。

 何度も何度もビシビシ叩きつけた。

 さいしょはポカッと軽々水面に浮いていたフライが、
 白泡をたてて川底に巻き込む流れの筋にのり、
 スーッと水面下にもぐっていく。

 そのまま自然に流して、
 白泡の切れ目あたりまで流れたくらいで、
 かる~くラインをはってテンションをかけ、
 フライをフワ~ッとスイングさせつつ浮上させて……、

 というのをしつこくしつこく繰り返した。

 これ、
 ワタシの経験上の持論なんですけど、
 このような白泡ウズまく厚い流れに潜む夏の大物ニジマスは、
 もっとも確率の高い一投目で反応がなくても、
 ここぞという場所ではそこであきらめず、
 あのテこのテを駆使してアレコレとアプローチを変えながら、
 もうエエっちゅうくらいしつこく狙っていると、
 どうしてだかいきなりドーンと出ることがよくある。

 このような川のポイントを探って歩く釣りでは、
 浮かせるのにも沈めるのにも扱いやすく、
 どのようにでも都合よくつかえるフライを好んでつかうようになったのには、
 このような理由もある。

 で、
 じぶんの立っている位置を刻々と変えながら、
 フライを投げる角度を変え流す筋を変え層を変え深さを変え動きを変えながら、
 ズーッと流しつづけてかれこれ20分くらいだったか、
 フライはまさに白泡の真下でモミクチャに流れているとき、
 かるくテンションがかかっているラインに、
 まるで水中のなにかが引っ掛かったような重みが微かに感じられた。

 春先から初夏の季節とちがって、
 この時期のニジマスのアタリは大物であればあるほどに、
 いつもものすごく微妙。

 「あっ」
 とおもってグイイッと竿をあおった。

 一瞬というかしばらくのあいだ、
 川底に根掛かりしたのかとおもった。

 けれど、
 フライは水面下ほとんど沈んでいないはず……。

 あれ?
 
 とおもった瞬間、
 ものすごいチカラでこの激流のなかをサカナが上流にむかって走りはじめた。

 しかも、
 どんどんどんどん加速していくではないか。

 厚い流速の流れなど意にも介さないような走りで、
 大小の岩がゴロゴロ転がっている荒瀬の川底を縫うように這うように、
 そして狂ったように走っていく。

 ここでいきなり方向転換されて、
 下流に向きを変えられたら……やられちゃう。

 はるか上流にある流れのゆるいプールまで一気に走ってくれたのは、
 ものすごい幸運だった。
 3Xの極太ティペットにモノをいわせて、
 ここで強引に勝負にでた。

190904 (6)6
 
 真夏のニジマス。

 鼻先に、
 過去の激闘の痕であろう古傷があった。
 百戦錬磨のニジマス。

 めちゃくちゃウレシイ。

 6,3フィート5番の短竿、
 9フィートくらいしかない短いリーダー、
 そして3Xの太いティペット、
 という道具立てで釣れたので、
 なおさらドヤ顔チカラ一杯のガッツポーズ。

 なぜなら、
 流れを探るアプローチからサカナとのファイトまで、
 この道具ではなにからなにまで圧倒的に不利だから。

 勝負が不利であればあるほどに、
 その勝利の美酒は甘美。

 それをこそ味わいたくて……。

 
190904 (7)7

 熟したトマトのようなホッペタの紅色が、
 筋肉質な尾びれの付け根にまで鮮明に走って浮き出ている。

 晴天の陽の光のしたで見たかった。

190904 (8)8

 濃厚なグレイ色のヒグマのファーのあいだに、
 赤いシールズファーがしなだれがかって膨らみ、
 まるでボディに血管が走っているようだ。

 サカナを放して、
 そんなフライをボ~ッと眺めながら、
 川辺の岩に座って放心状態でタバコを吸っていると、
 徹夜明けの朝、
 もはや意識が朦朧としてきて、
 さっきまで身体中にみなぎっていたカッカとたぎる熱気が、
 シューッと音を立てるように抜けていった。

 完全燃焼だった大捕りモノの余韻と相まって、
 早々と、
 あっけなくガソリン切れました。

 ほんのちょいまえまで、
 このように高揚した気分の時ならば、
 一晩寝ないでそれから釣りしても、
 どうってことないはずだったのに……。

 なのになのに、
 無意味に年齢だけ重ねちゃってホンマにもう。

 あらがいようのない、
 このかんじ。

 さびしいことよのう……。
 ご自愛しなくっちゃ。

 帰路、
 クルマを運転しながら、
 高揚してるんだか朦朧としているんだか、
 もはや判然としない霧のかかったアタマのなかで、

 ……コック・デ・レオンのセカンダリークイルは、
 ルースターであれヘンであれ、
 ウエットフライのウイング素材として極めつけに扱いやすいクイルウイング素材のチャンピオン、
 なんて話しは以前に何度か書いたけれど、
 ガンガン使い倒してサカナを釣って、
 ウイングのファイバーがバラけてからがまたカッコよろしいでと、
 ファイバーの質感が絶妙でより良いフォルムがずっと保たれるので、
 そこがまた素晴らしいところでっせと……、

 そこのところも一言ぜひ書き足しときたいなあ、
 なんて思いついて、
 いざ書きはじめたら、
 アレもコレもとなって、
 延々こんなに書き綴っちゃったのだった。

 齢55歳(なんやその歳アホちゃうか)の誕生日だったこの日、
 過ぎゆく夏の思い出は重いで。





 
ロイヤルファミリー濡れる純白の三姉妹ウエットフライ編
190212 (1)1
 
 ナチュラルのダッククイル・ウイングをアップライトに立てたペールウォータリーダン風。
 ホワイティング・ヒーバートの明るいダン色のヘンネックを二枚ハックリング。
 ヒーバート・ヘンネックによくある和紙みたいな半透明な質感のうす~いダン色を厚めにハックリングすると、
 まるでタバコのケムリのようだ。

 Ukadan - Smokin' Boogie ←きょうの一曲。

190212 (2)2
 ブラックナットの私家版ヴァリエイション。
 
 全身真っ黒づくめに一筋、
 真っ白なクイルウイングがスックと立ちあがっております。

 ちなみにボディは庭で拾ったカラスのセカンダリークイル捩じり巻き。

190212 (4)4

 私的見解ですが、
 ロイヤルコーチマンのウエットフライにかぎらず、
 スタンダードなクイルウイングのウエットフライを釣りにつかうなら、
 ウイングの厚みやフォルム、
 そしてなによりボディ上部に覆いかぶさっているようなウイングの角度など、
 こんな体裁が機能的に理想かな~。

 スイングさせたり引っ張ったりするならとくに。



190212 (5)5

 が、
 ロイヤルコーチマンに、
 ロイヤルコーチマンらしい華やかでバタくさいファンシーを求めるならば、
 ウイングのカタチをこのように巻いてみると……、

 ウイング末端のエッジの角度を緩やかにするとアラ不思議。
 それだけで虫っぽさが希薄になる。
 ヘンな言い方だけど、
 このように巻くと鋭さがなくなってよりニセモノっぽくなって、
 そんなフォルムと雰囲気もまたロイヤルコーチマンにはよく似合う。

190212 (6)6

 豊満だべ?

 こんなボッテボテのロイヤルコーチマンの6番くらいのを、
 ぶっといティペットに結んで、
 テレストリアルたけなわのハイシーズンに、
 アップストリームに投げながら釣りのぼってゴツイの掛けたら、
 たまんね~だろ~な~。

 ウイングをテンコ盛りに盛りに盛って膨らませているけれど、
 ビコーンとナナメに突き立つのではなく、
 ウイングはあくまでもボディ真上にのっているようにテント型で末広がりに立っているところ、

 えらい苦労しましてん。

190212 (3)3

 ダッククイルの特徴は、
 なんといってもクイルのファイバー先端がクルンッと外側にカールしているところ。
 そのうえで、
 ファイバーには弾力を感じさせる厚みがある。
 白のダッククイルはこの傾向がさらに強い。

 と、
 そんな白いダッククイルをクイルウイングに巻くばあい、
 いちばんうえのロイヤルコーチマンのウイングの幅だと、
 この特徴がうまく活かされて、
 クイルウイング材として非常に扱いやすい素材になる。

 と・こ・ろ・が・

 ウイングの幅をひろくボテッとすればするほどに、
 カールしたファイバー先端のところが……牙を剥きよるんですわ
 ズルンズルン滑りまくってクイルを左右対称にピタッと合わせるのがも~たいへん。
 
 そういえばここ近年、
 ハタと気がついてみれば羽根とか毛とかをツリバリに縛りつけていて、
 あまりにも思い通りにいかなさ過ぎてイラッとすることなくなっていたよな~……、

 な~んつって、
 積年の知らず知らずの積み重ねの賜物に想いをよせ、
 しみじみ感慨にひたってふけるほどに、

 白いダッククイルのボテボテ・ウイング巻き止め作業はひっさびさに、
 めちゃくちゃ、
 イラッとしました。

 なんだけど、
 苦心惨澹ようやく出来あがったのを眺めて、
 ものすごい、
 ムラッときて満足しました。

 白のダッククイルは、
 ファイバーの繊毛密度が濃厚で厚みがありマットな質感で、
 なおかつ光をよく反射して光沢感があるからか、
 幾多の白い羽根のなかでも、
 とくに真っ白だな~とホワイト感をかんじさせる白い羽根。
 
燃える橙色と黒と濃灰色
180206(1)1.jpg
 我が家の目の前の景色。

 ここに越してきて、
 家から毎日見る四季折々の景色をほんとに美しいな~とおもうのは、
 とってもメンタルに効くんだなと、
 すごくシアワセなことなんだなと、
 シンワリ染みるようにおもってる。
 



180206(2)2.jpg
 なので定点観測。

 昨日の大雪でまたさらにズッポリ白く埋まってしまった。

 ほんのちょいまえまで、
 「雪かきってセンスいるよね~」
 などと、
 新参者のくせにわかったような生意気をのたまっていたベリーイタイわたし。
 トッテモハズカシイ。

 いま現在は、
 とにかくなんでもいいから雪どけて家から出入りができて、
 駐車場からクルマがギリギリ出せれば、
 あとはもう見映えなんかどうでもいい切実なワタシ。

 そんなわけで、
 きょうもきょうとて超お気に入りのシムス社の最高級ヤッケをさっそうと着込み、
 カッコだけはいっちょまえで、
 とってもセンスのないシロート丸出し「やっつけ雪かき」に精をださざるおえないわけですが、

 かといって、
 辛いな~しんどいな~イヤだな~と鬱々しているかというと、
 ぜんぜんそうでもなくて、
 むしろなんだか酷寒の暮らしを「スゲエなヤバイなそうだ記念に写真撮っとこっと」などと、
 レッツ・エンジョイ・ヘビーウインターの方向で日々あれよと時間が流れておるわけですが……、

 そんな冬の暮らしのなか、
 いつも思っていることがあります。

180206(3)3.jpg
 シムスのトレードカラー?イメージカラー?のオレンジと黒と濃いグレイの配色ってさあ、
 残像として無意識のうちにすごい印象に残るというか、
 奇抜で斬新でありながら、
 イメージとしてものすごく視覚とココロに馴染むというか……、

 この配色、
 ぜったい効くやろな~と、

 ハッキリゆうて釣れないわけがないやんけ。

 なんて、
 そんなファンシーでささやかな思いつきもまた、
 冬の密かなたのしみになってます。

 そんなわけで、
 タイイング仕事の合間の手慰みにちょっと寄り道、
 チョイチョイっと……、、
180207(1)1.jpg

 うえが「ゴールデン・スペックルド・シムス」
 したが「シルバー・スペックルド・シムス」

 コック・デ・レオンのヘンのセカンダリー・クイルに、
 黒と橙のグース・ショルダーをマリッド。

 レイ・バーグマンの初期アメリカン・ウエットフライ的アプローチ。
 古き良き時代のテイスト素朴な牧歌のムードが、
 きっと我が家のご近所の巨マスたちを魅了することでしょう。

 シムスの最高級ヤッケはおって、
 さっそうとこのフライをドリフトさせる春がムチャムチャたのしみなのじゃ。

 という戯言はおいといて、

 シルバーのほうのボディにリビングしたオーバルティンセル、
 ぶっといでしょ存在感満点でしょ、
 これだけ太いとよりいっそう乱反射ビッカビカギランギランやで。

 が、
 巻いてる方ならご存知のとおり、
 このリビングの凹凸がクセモノで、
 こうしたスタイルに巻くと、
 クイルウイングの巻き止め位置付近に留めたオーバルティンセルのでっぱりが邪魔をして、
 ともすればクイルウイングがビコーンと不自然に跳ねあがってしまったりと、
 思い通りに巻けない泣き所になりがち。

 リビング材を太くすればするほどに、
 こうしたフライが求めるメタリックな乱反射をより強調できるけれど、
 その反面さらに製作難易度アップちょう巻きにくくなる。

 なんですが、
 ほんのちょっとした加減で、
 このように自然な理想的フォルムに巻けることを発見。
 ひとりウヒヒと悦に入っております。

 このささやかなテク、
 誰にでもカンタンに巻けるように活用できるように、
 もうちょいちゃんと理路整然とさせてから、
 またもったいつけてクソ偉そうにご紹介させてくださいね。

 寄り道しても手ぶらでは帰ってけえへんでと、
 そんなドカ雪の一日でした。

 充実度数グッと高め。
 
 
quill wings of coq de leon
170113(1)1.jpg
 ちょっと模様の変わったコック・デ・レオンのルースター・クイル。
 コンプリートウイングの状態で見ると、
 マダラ模様も不鮮明でパッとしないし、
 なによりも例によってクイルの状態が乱れに乱れてグッチャグチャ。

 残念ながら破棄決定、
 だったんだけど、

 ……この子は磨けばきっと光るタマになる……

 ウイングをぜんぶバラして一枚づつ蒸気を当てて、
 なんとか使えそうな部分だけ補修選別して、

 170113(2)2.jpg
 Great Sedge Variation #4

 みにくいマダラの子が、
 アンダーソン・フェザントのフランクフェザーをつかったスロートハックルとのコラボによって、
 まるで雪ヒョウのようなエレガント・マダラ模様のヒゲナガ・フライに変身です。



170113(3)3.jpg
 ねじりボディを胴体にキリリと巻いて……、
 ワシミミズクのプライマリークイルと金色のオーバルティンセルのツイストボディ。

 あれだけやり倒したというのに、
 飽きるどころか……、

 モフモフやろ?
 これが濡れるとさあ、
 この繊毛がフワ~ッとボディ全体を覆って、
 その下から金色がチラチラ~ッて覗いて、
 ボディの体節がくっきり浮きあがる。

 官能的だ。

170113(4)4.jpg
  March Brown style #6
 
 レオンのルースター・セカンダリークイルの典型的な色柄のひとつ、
 明るめのマダラ模様をウイングに据えたマーチブラウン風。

 スロートハックルとテイルにも、
 クイルウイングとおなじコンプリートウイングに生えている、
 ウイングカバーの部分をソフトハックル化させて巻いてある。

 かつてテンカラ毛バリの世界で珍重された「キジの剣ハネ」の威力と特性を彷彿する、
 フライフイッシング的ソフトハックル素材にはこれまであるようでなかった、
 新感覚のハックル素材になりえる可能性を秘めているっちゅうか……、

 これヤバイっしょマジで。

170113(5)5.jpg
 とまあ、
 これまで時間がなくて脳内で密かにあたためているばかりだったイメージやヴィジョンを、
 ここにきてようやくシンプルなウエットフライに具現化しながら、
 連夜「ヤバイヤバイまじでヤバイこ~れはヤバイまじイケル」などと連呼、
 言葉足らずのアホの子状態ナウ。

 なんだけど、
 オレ的にマジヤバイのはさあ、
 聞いてくれる?

 ウエットフライってさあ、
 いつものリビングするとさあ、
 なんちゅうかフライのテイストがやっぱ洋風な印象に映んの、
 どうしたって……。

 でもさあ、
 リビングしないでボディ巻いて……、
170113(6)6.jpg
 これまで自分ではイメージすらしなかった、
 あるいみ自然な見映えからすれば抵抗感すらかんじる色の組み合わせでボディ巻いてハックリングして、
 そんなキテレツな色柄のボディとスロートハックルにやねえ、
 逆に自然界にあまた存在する生命の模様の象徴みたいなレオンのマダラ模様を合体させると……、

 ヤッバイわコレ浮世絵ちっく。
 と、
 かんじるのはワタシだけでもかまいません。

 でもさあ、
 やっぱウエットフライっつ~からにはリビング的ヒカリモノほしいじゃん?
 ヒカリモノないとなんかしまらないじゃん?
 でさあ、
 ダビングボディの下側もしくは内側から規則的なかんじでヒカリモノが覗いている、
 みたいなボディに細工したわけ、

 きらびやかというよりも、
 洗練からはほど遠くだらしない間の抜けた遊び人風イモ臭い着物で流してまっけど、
 サラシのしたにギラッとドスしのばせてまっせ……みたいな。

 嗚呼、
 浮世のことなんかみ~んな無視して
 ホンマモンの「巻き狂人」になれたらどんなにこの世は極楽浄土でしょう。

 スイマセン分不相応にも程がある。
 出過ぎたことを言いました、
 かの葛飾北斎にひたすら陳謝。

 あ、
 ちなみにコッチのフライズには、
 ルースター・レオンの艶っぽく黒光りしているマダラ模様の暗色系クイルをウイングに巻いてみた。
 ので、
 先の明るめ系マーチブラウンと比較してみるのも一興なり。
ダンケルド浪漫
 ほんのつい今さっき、
 マーべリックの勝俣さんから電話。
 年の瀬のご挨拶やろかとおもったら、

 「いや~、いまさあ、やっと年内の仕事がひと段落したんで、事務所でハックルいろいろ見てるんだけどさ、
 そしたらなんかこう、たまんなくなって電話しちゃったんだけど、いま忙しかった?」

 「酉年をまえにして盛り上がってはるわけやね?」

 「そ~なの!」

 そしてウハハと笑っているワタシの目の前にもまた、
 アレコレのハックルたちが山と積まれて鎮座しており……、

 そりゃ~もちろん生活していればアレコレイロイロあるわけですが、
 本年もまたこうしていつものように羽根まみれの年がしずかに暮れていくわけで、
 かんがえてみれば、
 それはじつにじつ~にシアワセなことですね。
 
161230(1)1.jpg
 ご存じダンケルド・ウエットフライ6番。

 19世紀末の英国はダンケルド地区にて、
 もともとは銘川ディー・リバーのアトランティック・サーモンのために考案されたダンケルド。
 その土地の名前を冠して愛されたダンケルドは、
 もとは大型の絢爛豪華なフルドレス・サーモンフライでした。
 で、
 そんなフルドレス・ダンケルドはまた、
 時代ごとの変遷に応じてすこしづつフォルムや素材を変えながら伝承されていきました。

 と、
 その歴史の渦中にあって、
 そんなフルドレス仕様なダンケルドはまた、
 小型サイズのフックに巻かれてフォルムも大幅に簡略化された、
 ウエットフライ仕様のヴァリエイションも生まれました。
 で、
 そんなチビッ子ダンケルドはかの地にてシー・トラウトの夜釣り必殺フライとして名を馳せたわけですが、
 しかし、
 それはもはやむかしむかしの英国ローカル物語。

 フライフイッシングを世界の目でひろく眺めて渡してみれば、
 ダンケルドはいつしか本場でさえも過去の遺物として歴史の彼方に埋もれてしまった。

 もはやとっくに忘れ去られたフォーゴットン・フライ筆頭格。

 しかし、
 そんな全盛時代からかるく100年以上の時を経て、
 英国からは遠い遠い極東の我が国に伝えられたダンケルド。

 ぼくらはみんな知っているけれど、
 英国ダンケルド地区がこの事実を知っているのか知らないのか、
 それはわからないけれど、
 
 我が国ではこのダンケルド、
 いまだ現役バリバリというよりも、
 もはやカリスマ的ウエットフライとして不動の地位。

 ウエットフライ好きなら誰もが「いつかは巻き方をマスターしたい、避けては通れない登竜門」
 超人気トラディショナル・ウエットフライ筆頭格の大物キラーとして君臨。

 しかも、
 英国にはもちろんいないヒゲナガ、
 真っ白な下翅をひろげて川面飛び交い水面を走る、
 あのヒゲナガが乱舞する晩春~初夏の夕暮れ時の必殺として、
 我が国ならではの活躍の場を舞台に、
 ご存じのように幾多の伝説と物語を残しつづけるダンケルド……。

 世界ひろしといえども、
 現在もこのフライがここまで現役かつ人気なのは、
 我が国をおいて他にないでありましょう。

 とまあ、
 このような視線でこのフライを見ると、
 またさらに浪漫もひとしおですね。

 もっといえば、
 我が国で販売されているブロンズ・マラードは、
 もはやこのフライのためにこそ売られていると言っても過言ではないのではないか?

 もはや、
 ブロンズ・マラード~と叫べば、
 ダンケルド~とこだまがかえってきそうな……。

 んが!
 ここが問題で、
 「ダンケルドはウエットフライのなかでもキレイに巻くのが特A級にむずかしい」
 と敬遠?あるいは敷居が高い?とされるのは、
 ぶっちゃけダンケルドがむずかしいんじゃなくて、
 ウイング素材となるブロンズ・マラードの扱いが数あるクイル素材のなかでもとくにムズイわけで……、

161230(2)2.jpg
 と、
 そんなブロンズ・マラードをウエットフライのウイングとして巻き止めるための、
 ちょっとしたテクのひとつを再度ご紹介です。

 これは、
 たしか3年前の冬くらいのフライフイッシャー誌の記事にて詳解させてもらって、
 さらに、
 その翌年の春くらいに刊行された不肖ワタシのウエットフライ・タイイングDVDでもご紹介させていただいた、
 扱いにくいブロンズ・マラードをいかに簡潔かつ機能的にウエットフライのウイングに巻き止めるか……、
 といった命題へのアイディアとご提案のひとつ。

 まずは、
 レオンのセカンダリークイルやターキークイルなどの、
 ブロンズ・マラードの色合いと調和するような質感色調で、
 かつ非常に扱いやすいクイル素材を通常通りにウイングとして巻き止める。

 ちなみにここでは、
 サイズ6番のフックにレオンのルースター・セカンダリークイルをつかった。

 で、
161230(3)3.jpg

 そうやって先に巻き止めておいたクイル・ウイングに、
 ブロンズ・マラードを片側づつおさえつけるというか、
 寄り添わせるようなかんじでウイングの左右に巻き止めるとアラ快感。

 あれほどアッちゅうまにバラバラとファイバーがバラけてにっちもさっちも、
 といったヤンチャなブロンズ・マラードが、
 慣れてしまえばいとも簡単にスムーズに巻き止められる、
 という寸法。

161230(4)4.jpg

 コツというかキモのひとつは、
 写真のようにブロンズ・マラードのクイルをストークごとカットしておくこと。
 こうすると、
 いったん失敗しても何度もやり直しが効く。

161230(5)5.jpg

 で、
 この方法をさらに発展応用させると、
 フライのヴァリエイション的にも、
 また機能的にも、
 いろ~んなことが出来る。

 そんな作例のいくつかが、
 この記事のまえのエントリーで並べた個人的アレンジ・ウエットフライ群というわけです。

 ブロンズ・マラードおそれるなかれ。
 
copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.