いつだったっけ?
五年前だったか、
六年前だったか・・・・、
たしか、
釣り雑誌の付録になる小冊子のために、
しばらく都内のホテルに泊まって、
ビジネス街の一角にあるスタジオで、
雑魚を模したフライをせっせと巻いて、
それを写真に撮ってもらっていたときだった。
ようやくその仕事が一段落して、
東京の下町に住む友人宅に遊びに行ったときのこと。
かって知る友人の家のドアを開け、
「おじゃましま〜す」
トントンと階段をのぼって、
友人の部屋、名づけてタイイング・カオスの間に入る。
「まいど〜」
まさしくマテリアルやツールに埋もれて暮らしているヤツが、
まるで牢名主のようにいつもの定位置に鎮座していて、
「おつかれ〜」と言った。
そして開口一番、
「ねえねえ、これさあ、どう思う?・・・」
スレッドのスプールに、
なにやらリップスティック状のものを塗りつけると、
スプールをドライヤーで温めはじめた。
「ホラ、こんな感じになるんだけど」
手渡されたスプールに巻かれたスレッドに触れると、
ヌルヌルしている・・・・。
ピ〜ンと来た。
すごいっ!と思った。
「ええやんええやん、オッチャン天才ちゃうか」
「ほんと?いけると思う?」
「いける!これめっちゃオモロイやんけ!」
「これホンマにおもろい!」
「ようこんなん思いつくなあ、オッチャンほんま凄いわ」
思わず興奮して、
もう嬉しくなっちゃって、
諸手を挙げて絶賛しまくった。
オッチャンは、
いつものようにモジモジして、
「もういいよ〜やめてよ〜」
と言った。

それは使ってみると、
スレッドにその都度いちいちワックスを施す手間が省ける・・・、
という本来の目的以上の効果を感じることになった。

この現実離れした細さのスレッドに、
これを施してみると、
それがよくわかる。
タイイングデモなんかで、
シレッと涼しい顔で、
こんな恐ろしいスレッドを使って、
大きなウエットフライのウイングなんかを取り付けてみると、
みんな驚いてくれるけど、
実はこんな仕掛けがあったのさ・・・。
とはいっても念のために言っておくと、
写真上段のサーモンフライの極小ヘッドは、
このスレッドを機軸にして、
ほかのスレッドも使いながら、
いろんな裏ワザやトリックを駆使した余興のひとつ。
そしてそれは、
この小道具とこのスレッドを使うことで思いついた芸でござる。
新品のスレッドにこれを塗りつけて、
ドライヤーでガガーッと温めながら、
ワックスがスレッドに染みていく様子を眺めるのも、
なかなかいとおかし・・・。
ちょっとしたことなんだけど、
今まで誰も気がつかなくって、
イタズラ心にも似た楽しい作業で得られる大きな効果。
こじゃれた一品でございますな・・・。
五年前だったか、
六年前だったか・・・・、
たしか、
釣り雑誌の付録になる小冊子のために、
しばらく都内のホテルに泊まって、
ビジネス街の一角にあるスタジオで、
雑魚を模したフライをせっせと巻いて、
それを写真に撮ってもらっていたときだった。
ようやくその仕事が一段落して、
東京の下町に住む友人宅に遊びに行ったときのこと。
かって知る友人の家のドアを開け、
「おじゃましま〜す」
トントンと階段をのぼって、
友人の部屋、名づけてタイイング・カオスの間に入る。
「まいど〜」
まさしくマテリアルやツールに埋もれて暮らしているヤツが、
まるで牢名主のようにいつもの定位置に鎮座していて、
「おつかれ〜」と言った。
そして開口一番、
「ねえねえ、これさあ、どう思う?・・・」
スレッドのスプールに、
なにやらリップスティック状のものを塗りつけると、
スプールをドライヤーで温めはじめた。
「ホラ、こんな感じになるんだけど」
手渡されたスプールに巻かれたスレッドに触れると、
ヌルヌルしている・・・・。
ピ〜ンと来た。
すごいっ!と思った。
「ええやんええやん、オッチャン天才ちゃうか」
「ほんと?いけると思う?」
「いける!これめっちゃオモロイやんけ!」
「これホンマにおもろい!」
「ようこんなん思いつくなあ、オッチャンほんま凄いわ」
思わず興奮して、
もう嬉しくなっちゃって、
諸手を挙げて絶賛しまくった。
オッチャンは、
いつものようにモジモジして、
「もういいよ〜やめてよ〜」
と言った。

それは使ってみると、
スレッドにその都度いちいちワックスを施す手間が省ける・・・、
という本来の目的以上の効果を感じることになった。

この現実離れした細さのスレッドに、
これを施してみると、
それがよくわかる。
タイイングデモなんかで、
シレッと涼しい顔で、
こんな恐ろしいスレッドを使って、
大きなウエットフライのウイングなんかを取り付けてみると、
みんな驚いてくれるけど、
実はこんな仕掛けがあったのさ・・・。
とはいっても念のために言っておくと、
写真上段のサーモンフライの極小ヘッドは、
このスレッドを機軸にして、
ほかのスレッドも使いながら、
いろんな裏ワザやトリックを駆使した余興のひとつ。
そしてそれは、
この小道具とこのスレッドを使うことで思いついた芸でござる。
新品のスレッドにこれを塗りつけて、
ドライヤーでガガーッと温めながら、
ワックスがスレッドに染みていく様子を眺めるのも、
なかなかいとおかし・・・。
ちょっとしたことなんだけど、
今まで誰も気がつかなくって、
イタズラ心にも似た楽しい作業で得られる大きな効果。
こじゃれた一品でございますな・・・。
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