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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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近況フライズ
 我が家には、
 まだハサミも入れていない、
 いろんなトリの羽根がまだまだたくさんある。
 すでにさんざんつかった羽根についても、
 脳内でずっとくすぶっているイメージやアイディアなどなど、
 やりたいことの半分もできていない有様。
 そのくせ、
 やればやっただけ、
 つかえばつかうだけ、
 あとからあとから新しい課題や試したいアイディアがどんどんどんどん湧いてくる。

 どないせえっちゅうねん?
 
 と、
 そんな焦燥感のまま、
 年月だけが無情にも早瀬のごとく流れていく。

 作業場のそこらじゅうに転がっている羽根や、
 大切に仕舞いこんでいる羽根たちを眺めるたび、
 「はよつかってよ」と日々責められているようだ。

 そんなわけで、
 ちょいまえの当ブログにて、
 フルドレスサーモンフライ・タイイングにつかうような希少な羽根を収集するのは、
 じぶんはこれでひと段落させたい、
 というようなことを書きました。

 すべてを使い尽くすのはもはや不可能だとしても、
 せめて、
 ご縁があって我が家に来てくれた羽根たちは、
 責任もってなんとか納得のいくようにカタチにしていきたい。

 もはやアレヤコレヤ収集に走り回っているばあいではない。
 アレもコレもソレも我が家にたくさんあって、
 つかわれるときを待ってくれているのだ。

 急がねば……。

 と、
 そのような心境になるたびに、
 いつもどういうわけだか、
 どこからともなく、
 ある日いきなり、
 予期せずして、
 ワタシの羽根気分をグラグラ沸騰させるような最高のブツが、
 まるで我が家に舞い降りてくるかのように集まってくるのは……なんでなのか?

 この、
 自分の想いとは相反するけど「夢なら覚めるなラッキー現象」は、
 なにか法則でもあるのだろうか?

 「なにごとも追えば逃げる」の反対なのか?

 いつもいつも不思議で不思議でしかたがない。

 そんなわけで、
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 この羽根を、



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 光のあたる角度をすこし変えてみると……、

 ね、
 まるで手品みたいでしょう?
 Swinhoe's Pheasant ←Youtube

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 キジ羽根ワールドのブラック・ダイヤモンドやで~。

 大切に慈しみながら、
 しかし大胆に、
 ズッコンバッコン使わせていただきます。

 本当にありがとうございました。

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 はなしはガラリとかわって、
 コレがワイの2018年シーズン最新スレスレ大物キラー・フライのひとつやで~。
 
 といってもお馴染みのキャッツキル・スタイルそのまんま。

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 ロングシャンク・ヘビーワイヤの8番以上のフックサイズに、
 ほんとにパラッとコックハックルをハックリングしているだけ。

 そしてボディは「ミニオストリッチ」をダビング?

 フロータントはつけません。
 
 そのため、
 着水後ほんのしばらくは表面張力で水面膜に引っ掛かるようなかんじでどうにか浮くけれど、
 すぐに流れに揉まれて水面直下にフワ~ッと沈んでいく。
 これがミソ。
 ものすごくミソ。

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 そしてビーズヘッド・アダムス?

 オストリッチやトンビをワイヤーで捩じって巻いたボディに、
 グリズリーと茶色のチカブーをパラッとハックリングしたソフト(過ぎる)ハックル仕様です。
 
 冬の夜長、
 なにか目的があって巻いたわけではなく、
 手慰みのお戯れに巻いたお遊びフライ。
 サカナを釣るというよりも、
 むしろ同行者を笑わせてやろうというウケ狙いだった。

 のに、
 「流れをニンフやウエットフライで探って歩く」釣りの場面で、
 ボックスをあけて「さて、なにをつかおうかな?」と迷ったとき、
 どうしてだか、
 ついついコレを摘まんでしまうのは、
 なんでか?

 ワタシ、
 つくづくおもったんですけど、
 アダムスの配色って、
 もちろん実際に効くことにいまさら異論はないけれど、
 それ以上に、
 このいかにもな配色のアダムス・カラーは、
 使う側の人間の心理や気持ちにこそ効果があるんじゃなかろうか?

 だからこそ釣れるんとちゃうの?アダムス。

 アダムスは「信じる者は救われる」を地で行くフライやなと、
 あらためてつくづく思いました。
 
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 おっとろしい迫力のマグナムサイズ。
 4Xロングシャンクの4番とか6番とかのヘビーウエイテッド・アダムス?。

 もちろん大物狙いなんだけど、
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 こんなフライにチャイルド・サイズもガンガン喰ってくる。

 で、
 それが難点といえば難点。

 ドライフライならヤングが飛び出してきても合わせないでやり過ごしたり、
 フライがでかいとフッキングしにくくなるのであまり目立たないけれど、
 ニンフだとどんなアタリでもビシーッと合わせちゃうので、
 チビッ子も頻繁に掛ってしまう。

 フックサイズがでかいのと、
 シャンクが長くて、
 かつヘビーウエイトなので、
 サカナにフッキングしたとき、
 フックの掛りどころによっては傷が深くひろがってしまいがち。

 ときどきとても痛々しい。
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 なので、
 このようなフライこそバーブレス必須というか最低限の礼儀だ。

 と、
 言い切りたい。

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 おとつい、
 このオレノ・チェルノを荒瀬にブッ込みながら釣りをしていて、

 「どんなフライで釣っちぇるの?」
 「いま、チェルノつかっちぇるの」

 というダジャレをとつじょ思いつき、
 ひょっとしてじぶん、
 天才とちゃうか?と勇み立ち、
 コレぜったいブログに書こうとおもって、

 いざ書いてみたら……ものすごく寒いばかりで……北風ビュービューで……、

 ちょっと、
 納涼になりましたか?

 それはさておき、
 あの震災と原発事故があったとき、
 仲良くしている釣り雑誌の編集者と話していて、
 「これからはチェルノブイリ・アントなんて不謹慎な名前はもうつかえないですよね」
 という話しをしてドヨ~ンと沈んでいたけれど、
 
 いまは逆にガンガン不謹慎ネーミングつかったほうがいいと思ってる。
 だって、
 風化防止にうってつけじゃん。

 不謹慎だなんだと正義ぶって封印して、
 そして忘れてしまうことのほうがよっぽどナニじゃん。

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 アンニュイな昼下がりのチェルノブイリ・アントがある風景。

 しかもコレ、
 ロイヤルなチェルノやねん。

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 純白のウイングをブワッとひろげて、
 紅いボディの両端はピーコックハール仕様です。

 モチーフはもちろんロイヤル・コーチマン。

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 触角がかいらしくて大変お気に入り。

 なので、
 最近のワイのフォーム製フライのほとんどは触角つき。

 といって、
 触角があってもなくても効果にまったく変わりはない。

 んだけど、
 触角が付いているだけで、
 無機質なフォームに表情がでてくる。
 水辺でフライをティペットに結びつけながら「かわええな~」とおもってニマッとしちゃう。

 この萌え気分だいじやで。

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 ロイヤル・チェルノばっくり丸飲みの午後。

 口元から黒いゴム紐をのぞかせなびかせて、
 透明な流れを元気いっぱい走り回る午後。

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 アンタ、
 いまさらあらたまってなにゆうてるねん?て話しやけど、

 フライフイッシングて、
 ほんまにおもろいなあ。

 ホンマつくづくそない思わざるを得ない今シーズンの釣りの日々です。

 
ニンフフイッシングの素朴な疑問
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 とまあ、
 思い出つながりで青春の二冊。

 チャールズ・ブルックスの「Nymph Fishing for Larger Trout」
 マイケル・ミゲルとレナード・ライトJr 編による「Masters on the Nymph」

 ともに70年代のニンフフイッシング名著中の名著。

 チャールズ・ブルックスのほうは以前も当ブログにて取り上げた。 

 中学生のころ、
 「ニンフの達人」と改題されて「マスターズ……」の翻訳本がいきなり釣り具屋さんの本棚に並んでいたときの感動いかばかりであったか、
 これは夢か奇跡かと……。

 当代最高のニンフの達人や一家言ある評論家が一堂に会して、
 「オレのニンフ・フイッシング」を存分に語って解説している70年代ニンフ最前線の指南書。

 でありながら、
 最近読み返してみてハタと気がついたことがある。
 どちらのニンフの本も現在主流になっている浮き系インジケーターの類はまだ出てきていない。
 せいぜいラインの先端に色塗って「ニンフ・ライン」などとしていたくらい。

 そこにすごく時代を感じる。

 あのころ、
 ニンフは神秘のベールに包まれていたのだった。

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 赤紫色に鈍く輝く銅線と、
 フェザント・テイルのファイバーを3本つかって、
 「ニンフの達人」のなかでフランク・ソーヤーが解説しているとおりに巻いたフェザント・テイル。

 鳩胸のように膨らんだソラックス、
 そのうえに盛り上がるウイングケース、
 そしてそのウイングケースを巻き止めたソラックス後方のワイヤーのビミョーな巻き加減が、
 オリジナル・フェザント・テイルの「らしさ」を強調するカギだとおもう。

 それはひとまずおいといて、

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 「ニンフの達人」より、
 フランク・ソーヤーの有名な必殺技「誘い出しメソッド」



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 そして「For Larger Trout」より、
 アメリカはペンシルバニア州の60年代~70年代モダン・ソフトハックル時代の伝道者ジェイムス・ライゼンリングの「ライゼンリング・リフト」

 フランク・ソーヤーがつかっていたのは銅線をめいっぱい巻き込んだ沈みやすい小型ニンフ、
 かたやジェイムス・ライゼンリングは諸々の水生昆虫の羽化直前イマージャーを表現した簡素なソフトハックル、
 という、
 つかっているフライのちがいや、
 はたまたフライを送り込む水深などのちがいはあるにせよ、
 …狙っているマスの鼻先にフライを流し込み、その直前でロッドワークによってフライに動きを与えたり上昇させたりして誘う・・・
 というところで求めるところは全く同じだ。

 駆け出し時代というよりも、
 まだまだアレコレ夢想して想像していた白紙の時代、
 これらの本でこうしたテクニックを知ったときは「これはスゲエ!」と色めきたったものだった。

 が、
 そこからほんのすこし経験と実践を重ねてみれば……、

 まずものすごく素朴な疑問。
 水中深く沈んで目視できないニンフが、
 なんでサカナの目の前まで流れていることが分かるの?

 というよりも、
 やればやるほどに深く沈めたはずのニンフが実は自分がおもっていたよりも全然沈んでいない。
 しかもナチュラルに流しているはずなのに、
 実際に仔細観察してみればどうやっても流れに翻弄されて常にドラッグかかりまくり。

 だいたいそもそも幾重もの流れの筋をかわしながら、
 じぶんのイメージ通りに軽いニンフを目的の水深まで沈めるだけでも至難といえる技じゃん、
 という壁にぶち当たるのであった。

 そして生意気にも思うのであった。
 …これ、ホンマにできるんか?机上の空論とちゃうんか?…

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 コック・デ・レオンのチカブーをハックリングして、
 ウイングケースのかわりにジーロンなどの化学繊維をブレンドしたヤーンをマシュマロ・エクステンション・スタイルで巻き止めた。

 このモッサリしたフライが、


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 しとどに濡れそぼると、
 このようなかんじになる。

 ヒグマの黒いガードヘアーを捩じって巻いたボディには、
 各色のエンジェルヘアーをほんの数本混ぜ込んである。
 そのため、
 この部分が水を吸うと半透明で艶を帯びた珈琲色のボディから、
 エンジェルヘアーのキラメキが斑点状の模様のようになって、
 まるで浮き上がっているように見える。

 で、
 ソラックス部分にはやはりヒグマのゴワゴワした黒っぽいアンダーファーを毛羽立たせてダビングしてコブ状に巻いている。

 ので、
 ソフトなチカブーのファイバーが流水になびいたときに、
 ボディにしなだれかかってしまうのを防ぎ、
 このソラックス部分がファイバーの根元支える役目を果たして、
 フワ~ッとひろがったままユラユラ揺れ動く。

 こうして見ると、
 乾いた状態ではものすごく目立っていたマシュマロ・エクステンション部分が、
 濡れてしまえばもうスッケスケ。
 ほとんど存在感がなくなっている。
 たっぷり吸水したジーロンの束が常に水分を含み、
 フライの重量を増し、
 水馴染みを良くしてくれ、
 流れの抵抗を増して、
 水中でのフライの姿勢やバランスが安定するだけでなく、
 ドラッグ・ヘッジ効果も飛躍的に向上している。

 というようなお気に入りフライをつかって、
 流れの中で定位していたり捕食行動にいそしんでいるマスを目視しながら、
 いわゆるサイトフイッシングで狙う機会がやたらと多かった今シーズン、

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 このニジマスもまたそうやって釣った忘れられないイッピキ。

 テレ~ッとゆっくり流れる、、
 だだっ広いけど浅いプールの流れ出し周辺をウロウロしながら、
 ときどき射程距離ギリギリのところにやってきては、
 しばらく旋回してまた深みに消えていき、
 しばらく待っているとまたスーッと浅場にやってくる、
 という行動をずっと繰り返していた。

 パッと見「いただき!」ってかんじなんだけど、
 いかんせん距離がありすぎて苦心惨澹。

 サカナのうごきを見ながら予想しながら何回目かのアプローチのとき、
 サカナの進行方向の先にフライが落ちた。
 サカナは知ってか知らずかフライが沈んでいる方向に泳いでいる。
 のはいいけど、
 この距離だとサカナのうごきもイマイチよくわからない。

 なので、
 サカナがフライの近くまで来たなと思われたとき、
 フライをうごかして誘うというよりも、
 もっともっと消極的というか控えめというか、
 イメージとしてはものすごくおそるおそる竿をかる~く立てながら、
 けしてフライにアクションをくわえるつもりではなく、
 ラインを軽く張って「どうですか~?くわえてくれてますか~?」
 と、
 ものすごい下手な姿勢でおうかがいを立てる、
 くらいの呼吸でソ~ッとかる~~くフワ~ッと竿を立ててみれば、
 かすかにラインに感じる重みというかなんというか……、

 「あ!くってる!!」

 ビビンッとかんじる直感を信じてバシッと合わせてみれば、
 ドドンッと竿をにぎる手の平にかんじる確かな重量感。
 そして、
 自分にとってははるか彼方に思える距離の、
 しかも水中深くでグワングワン首を振ってるニジマス。

 してやったり奇跡の一発。

 この、
 まるで様子を窺うような控えめな「ききアワセ」
 とくに意識してやり出したわけではなくて、
 必要にかられていつのころからか無意識にやっていた方法ではあるんだけど、
 また、
 きわめてこうなんちゅうか…感覚的な…。
 うまく説明できないもどかしさ系の…やってはるお方なら「あ~わかるわかる」的な…。

 とくに止水やトロ場などでのサイトフイッシングで、
 かつ水中のサカナの行動すべてが見渡せるわけではない状況では、
 ほとんどこの「ききアワセ」で掛けているような気がする。

 このニジマスのように、
 「ききアワセ」をすることでサカナがすでにフライをくわえていることを感知したり、
 はたまた、
 フライがスッと微かに動くことで、
 反射的にサカナがパクッとくわえてくれたり……、
 

 名づけて「積極的に誘うというよりも、むしろ姿勢としては消極的にご機嫌おうかがい」リフト。
 
 偉大な先人の名人芸のようなワザとは次元も姿勢もまったくちがうんだけど、
 無意識にやっていた自分なりの「阿吽の呼吸」みたいなものは、
 いまごろ気がついてみればソレと似ていなくもないかもしれない、
 というオチでございます。

毎日毎日こんなキレイな生き物ばっか見てたら自分の作るモンなんかほんまチンケやな~おもうで。
 謙虚にならずにいられない。

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 クジャクチョウ
 学名が「Inachis Geisha」 そのまんま芸者の衣装の艶やかさになぞらえての命名だそう。

 我が家の近所でも釣り場でも、
 ここでは春から現在まで種種雑多なチョウがいつもワラワラ飛び交っており、
 気にしなければまったく気づかないけれど、
 気にしだすとそこはまさに百花繚乱。

 ヤバイ世界への入り口的誘惑がある。

 これはまったくの私見だが、
 初夏のころから晩夏まで、
 午前中釣り場に向かう森のなかの峠道で、
 白と黄色の蝶がそこらじゅうでヒラヒラ飛び交って、
 幻想的でもあるんだけど、
 それがクルマの窓にバシバシぶつかって砕け散っていくような諸行無常の日は、
 ドラマを予感して期待ふくらんでゾクゾクだった。

 この季節、
 ごっついのドカーンッ!などの良き日を思い起こせば、、
 たいがい蝶バシバシつぶしながら釣り場にいそいだ憶えがあるからだ。

 とまあ、
 そんなチョウチョのなかでも、
 クジャクチョウはひときわマイペースというかヌけてるのか?すごく警戒心に欠けてるのがたまにいる。

 特徴的な目玉模様が外敵からの目くらましとして効いているためにこんなにも余裕があるのか、
 おおきく翅を広げてジッとしているとき、
 カメラが身体に触れそうなくらい近寄ってバシバシフラッシュ浴びせても悠然としてるのがいる。

 撮り飽きて行こうとすると、
 ヒラヒラと先回りして数メートル先まで飛んでまた地面や草に止まってポースとるのもいる。

 「撮って」と言われているみたいでウレシイ。

 で、
 また撮ってると、
 うまいことツツツと動いて身体と翅の角度を変えてくれて、
 「こんどはコッチの方向から撮って……」
 みたいなヒジョーに友好的かつ協力的サービス付き。

 そんなわけで、
 すっごいめんどくさがりのくせに、
 いつもこの美しさにクラクラッときてついつい撮っちゃって、
 オレさまのクジャクチョウ・フォルダは充実するばかりなのだが、
 ちょっと、
 ベストショット発射してよい?

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 こいつ。
 
 最初の写真のクジャクチョウはおそらく、
 孵化してから日数が経っているのだろう。
 翅のキズや微かな欠損、
 翅全体の色褪せなどから、
 これまでサヴァイブしながら生きてきたことがうかがえる。

 そんな苦労してるクジャクチョウのなかでも、
 この苦労人はかなり美麗な翅だったんですが、

 こいつを見ちゃって驚きももの木。
 そのちがい一目瞭然。

 コチラのほうは逆に、
 おそらく孵化して間もないのではないか、
 とおもわれるフレッシュなフサフサ感とぎらつく感じの翅の艶光り、
 まさにたったいま旬のときを迎えたばかり「若さって眩しい」
 
 はっきりゆうて、
 クジャクチョウというよりも、
 キジの羽根マニアとしてはサティア・トラゴパンの羽根を連想せずにいられない。

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 トウガラシ浮きのような触角がおちゃめでカワイク、

 胴体はまるで燃えているようだ。

 ナウシカおもいだしたやんけ。



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 ウブゆえにいいなり。

 「ちょ~っと翅の裏側みせてくれるかな~~?」
 なんつって指先で注意深く翅をかすかにツンツンすると、
 ほんまにパタッときれいに閉じてくれたのでびっくり。

 一見すると幾何学模様のチョコレート色だが、
 陽の光が当たる角度によると、
 後翅が濃いムラサキに変化するナチュラル・ミスティック。

 クジャクチョウのりのりで絶妙な呼吸でくるくるポース変えてくれるから、
 バシバシ撮りながら観察しまくって満足だった。






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 バショウカジキのこどもみたいな背びれ。




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 背びれビーンッとはって身体いっぱい遺憾の意を表してはります。

 でっかい背びれがまずものすごく素晴らしくウットリいい。

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 25センチほどか。

 シャクレアゴを予見させるクッソ生意気な顔、
 均整のとれた魚体に散る黒点はまるでヒョウの体毛のように全身メリハリが効いており、
 スラッと伸びた各ヒレはすでに紅色に染まり、
 尻ヒレと腹ヒレの先端の純白とのコントラストはもはや官能的。
 エッチだ。

 さいこうのイケメン。

 ぜひともこのまま豊かな環境で自由にすくすく巨大に育ってほしいイッピキ。

 たとえば、
 金魚や錦鯉やアジアアロワナなんかの観賞魚なんかで、
 将来有望な幼魚を目利きが厳選に厳選を重ねて選び出す、
 みたいなシビアな世界あるでしょ。

 気分は目利きのオッサン。

 いつのまにやら、
 ニジマスを見る目は頑固で厳しくウルサイ荒くれた目利きのオッサン心根はさびしがり。
 という面持ちで釣っていると、
 ニジマスの少年少女もしくは青年を釣るのがさらに面白くてたまらなくなった。
 
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 30センチってとこ。

 こいつもまた、
 今年釣りまくって釣りまくって釣り倒したニジマスの若魚たちのなかでも、
 とくに心に残ったスペシャルなイケメンのイッピキ。

 たま~に、
 ちょっとこいつ、
 いつものとオーラがちがうな~とおもうようなのが釣れると、
 こういうサラブレッド的存在感あるのがゆくゆく巨大になるんかな~とおもったりする。

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 みんなみんなおっきくな~れ

 そしてワタシだけに釣られなさい。




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 どちらもおなじオスのニジマス。

 ワシ、
 このシャクレの親分のこと、
 今シーズン2回いてこましてますねん。

 なんでそう言い切れるのかというと、
 まったくおなじ場所で、
 かつ寸分たがわず同じピンスポットから釣れただけでなく、
 親分さん、
 百戦錬磨のヤクザなシャクレ顎がグッとくる厳ついお顔はもちろん、
 背中に一本線の古傷を背負ってはるもんで、
 一目瞭然なんですわ~。

 一回目は晩春のころ、
 タングステン・ビーズとシャンクいっぱいの鉛線を巻いたドヘビー8番のキャロット・ニンフをつかって、
 3Xティペットにパチンコ玉サイズ2ケかまして、
 雪代交じりで轟々流れる荒瀬の川底にドーンと沈めて転がすアウトリガーでガッツーンッと釣りあげた。
 ゴゴゴゴゴンッと激しく喰ってきた。

 そして二回目はハルゼミ出始めすぐのころ、
 流芯脇の巻き返しピンスポットにイリジスティブル4番黄緑を直撃。
 チャポッと落ちるやいなや、
 鼻先に肉ぶら下げられたワニみたいにグワバッ!と魚体モロ出しで激しく飛び出して、

 スッポ抜けた。

 しかも!
 おなじ失敗を連続して二回もやらかして、
 痛恨の屈辱の己の未熟が忌々しい敗退。

 かくじつに親分でした。

 三回目は8月の盆明けドピーカン。
 ド渇水ダメじゃんコレ状況。
 チャラチャラの川を歩いて、
 ほんのちょいまえまでグワングワン波立っていた荒瀬はいまやチャラチャラのトロ瀬。
 諦めきれず立ち込んでそ~っとにじり近寄って覗いてみれば、
 流芯川底の岩盤がバックリ割れるように切れ目になっており、
 そのうえを白泡がダーダー流れているんだけど、
 その泡がフッととぎれるとき、
 割れ目のヒラキのところの川底べったりに魚体がチラリと見え隠れ。
 やがて目が慣れてその全貌が……いた!……しかも定位してるヤンケ!
 うおお!しかも!!スッと動いてエサ食っとるやんけちょっとちょっとアレもしかしたらイケルんとちゃうん?

 心臓がつるのではなかろうかとバクバクの攻防戦。

 フライがようやく割れ目にむかって沈んでいく流れにのったような……、
 「あ、いってるんとちゃうか」

 サカナが川底でスッとうごいてグッとあわせてドンッ!

 見えないイトを介して、
 川底のサカナとつながった瞬間ですね。
 奇跡のようだ。
 サイトニンフィングはいつもミラクル。

 そしてぼくにとっては最高に幸せしてやったり!、
 親分にとっては最悪の輩との久々の再会とあいなった。

 引きは春先よりもさらにキョウレツ強引。
 かつトリッキーで迫力の岩盤沿い激走のパワー戦だった。
 フロロの5Xよく闘った。
 渇水にジンクリアー状況なにもかもが見渡せて、
 すぐに親分だとわかった。
 
 おおいに溜飲さがり天にも昇る夢見心地。

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 つかったニンフは、
 ゴールドリブド・ヘアーズイヤーというよりも、
 金色のボディをヘアーズイヤーのファーでくるんでいるような体裁の10番。

 ウエイトはシルバーの極小ビーズをマーカーで黒く塗ったもののみ。
 ウイングケースは黒のチカブーの束。

 とまあ、
 こうして良いサイズのマスとおなじ場所で再会を果たす場面はこれまでにもけっこうあった。

 ということは、
 とうぜんだが同じサカナが同じ場所でずっと暮らしているだけでなく、
 ふたたび釣られてもくれているわけだ。

 また、
 人気のポイントなだけに、
 自分以外の釣り人にもきっと釣られているはず。

 おなじマスを釣りあげた見ず知らずの貴方はワタシと義兄弟。
 ほんまにすばらしいニジマスでしたね。
 ばっちりヌケたよねえあのキョーレツな引き。
 そして、
 貴方がサカナを傷めることなく丁寧にリリースしてくれはったからこそ、
 またワタシも釣ることができました。

 そしてワタシもまた、
 ハリを外したとたん、
 親分さん元気いっぱいでプンプン怒りながら例の岩盤の割れ目に消えていったのを見届けております。

 きっとまた誰か幸運な釣り人を、
 親分さんが感動と興奮のルツボに叩きこんでくれはることでしょう。

 どれほどありがたいことでしょうか。

 なんだけど、

 ちょいまえ、
 ものすごく心と気持ちがささくれ折れたことがある。

 8月のアタマくらいのこと。
 荒瀬の流芯脇の沈み石で流れが乱れているピンスポットで散発なライズ発見。
 しかもでっかい!
 ところがどっこい、
 どないしても出ない。
 粘りに粘って、
 なにかの偶然が重なったんか?
 みたいなかんじで水面膜にへばりつくように浮いて流れた12番のスパークルピューパがいきなりジュボッと吸い込まれて、

 よっしゃ!

 バシッとあわせてサカナが水中でグワグワと魚体をよじったとき、
 でっか!とおもったけど、
 なんか妙に背中が黒いなとおもった。

 引きも、
 覚悟していたよりもなんか……、
 この川ご自慢の暴れん坊将軍にモミクチャにされたい自分としては、
 心なしかちょっと……、

 でもまあでっかいし慎重にネットに誘導して……、

 というとき、
 サカナを見ておもわずネットを引っ込めてしもた。

 見事なオスのニジマスなのだが、
 顔と鰓ぶたと尾ビレの付け根の両側が、
 びっしり水ぶくれの塊りができてベロッとただれていて、
 見るも無残なヒドイ状態になっていた。

 背中が黒く見えたワケも引きの弱さも合点がいく。
 この水ぶくれのためにえらい調子を落として魚体の肌艶が褪せている。

 素晴らしい魚体なだけに、
 よけいに痛々しく惨めに映った。

 写真は撮れなかった。

 あとで友人にこの話をすると、
 「それこそ撮っておいて事例として発表し啓蒙すべきではないか」との意見もあった。
 同感だしそうすべきともおもう。
 が、
 心情として、
 あの痛々しい姿を晒すのは虹色のサムライに失礼やで、
 という気持ちをこそ優先したい。

 171009 (13)13
 このニジマスは、
 そんな酷い状態のニジマスを釣ったのとまったく同じ瀬で、
 ついこのまえ釣った。

 完璧無比のビッカビカのオス。

 ほんまやったら、
 このサカナとおなじように紅色で染めた金属の板みたいにギラギラ輝いてるはずのホッペが、
 水ぶくれでデレデレにただれてるんやで、
 想像してみて、
 たまらんで。

 気持ちが澱んで、
 しばらく引きずった。

 確実に、
 以前そのニジマスを釣りあげた釣り人が無神経にカラカラに乾いた手で、
 サカナの鰓ぶたと尾鰭の付け根をギューッと握って、
 そのまましばらく握りしめていたのが原因の火傷だ。

 そんなん鉄板地獄やんけ。

 はっきりゆうて、
 サカナを腫れ物のように扱えなどとおもっているわけではなく、
 むしろすごく丈夫やなとおもっている。

 皮肉にもその証拠に、
 このような悲惨な状態になってさえもまた釣れてくれた。

 でもこれはあんまりやで。

 サカナに触れて抱える手は常に濡らし冷やし握りしめず負担をかけない、
 っていう必須の鉄則を知らんのか出来んのか、
 それはアカンで基本やで。

 これはぜったいに意識して気ィつけなアカン。

 しかしタブー的本音をいえば、
 こうしたサカナに対する慈悲やおもいやりのない所業を声高に糾弾することに、
 じぶんはどこか引け目もかんじる。

 細心の注意を払ってサカナを傷つけず疲労させず釣りあげて放したところで、
 そんなの免罪符になるわけもなく、
 サカナからすればムチャクチャ迷惑だし命がけの殺されるかもしれない大事件。

 五十歩百歩。
 
 ……ま、
 禅問答になるし、
 やめときましょか。

 んで、
 このギンギンギラギラのオスを釣ったフライがコチラ。
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 レオンのチカブーのソフトハックルと、
 ブロンズマラードのテイルのソレっぽさが印象的な、
 クイルボディのヒラタカゲロウ的イマージャーの12番。

 そ~っと近寄って、
 荒瀬の流芯脇をアップストリームに遠投して流すと、
 リーダーがグーッと波に飲み込まれておおきく湾曲。
 ラインが弛んでしまってアタリがわかりにくい自分の苦手なゾーンだったのだが臆せず流し込み、
 
 ヌッと気配を感じるアタリに確信をもってビシッとあわせたところ、
 グワングワン波立つ荒瀬の波のカベを突き破ってバッバーンッ!ドッバーンッ!見上げるような高さに跳びまくり、
 そのままウギャギャギャギャーッとリール鳴らして下流に激走。
 フロロの4Xでよかった。
 5Xどうかな~?このぶ厚い流れでこのサカナやと、
 ん~~~こわいな~ソレ。

 会心の一発でした。

 この数日まえ、
 ひさびさにいつものニンフの吉田さんと秋のニンフな一日を過ごして、
 刺激受けて感化されて勘が冴えておったからこその快挙でございましょうヤレうれしや。
 
 そしてこのとき、
 頭に装着する小型ビデオにて、
 掛ってから取り込むまでの一部始終の動画も撮るには撮れたんですが、
 最初から終わりまで興奮のあまりヒイヒイハアハア言ってる自分の声じゃま。

 しかも!
 カメラの角度わるくて、
 足元に横たわったサカナがまるで画面にはいってへんやんけ映ってへんヤンケ!
 という、
 たいへん不本意でファックな映像。

 これってこのテのビデオカメラあるある?……ですか?

 そんなわけで、
 今夜のお別れの画像は、
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 ベニテングダケのベニテンちゃん。

 たったいまを盛りに、

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 パッカーンと傘おっぴろげ。

 で、
 この毒々しいとされるベニテン・カラー、
 クジャクチョウの翅の色合いと、
 色調だけでなく色の質感というか厚み?温かみ?みたいな感覚のところまで、
 伝わってくるものがじつにじつによく似ているのが愉しいとてもとてもワタシの好きな北海道の秋の色。

 紅葉の季節をアンダーグラウンドに彩る鮮やかな橙色。

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 秋が、
 いよいよ深まってまいりました。

 
 
アンニュイな昼下がりのコッパーワイヤ
 戯れに、
 ソーヤーニンフの私的ヴァリエイションを並べてみる午後のお茶タイム。
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 明るい色合いのコッパーワイヤ……というか銅線をスレッド兼ボディ材にして、



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 飴色に染めたグースショルダーをボディとウイングケースに巻いた、
 フェザントテイル・ニンフのようでいて、
 そのじつグレイグース・ニンフの赤茶ヴァリエイション。

 ボディのお腹側にみっちり銅線巻いて、
 背中側にグースの羽根が毛羽立ってるタイプ。

 この色と素材、
 自然で地味で虫っぽいくせに、
 光の具合やらで水中に沈めてもけっこうよく見える…ときがよくある、
 ので、
 重宝してる。
 

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 ホワホワの羽毛が可憐な枯れ草色の羽根のあいだから、
 銅線がチラッチラ透け覗いている薄着タイプ。

 この羽根、 
 濡れると透けるのね、
 だもんで、
 グルグル巻きの銅線の芯とあいまって、
 体側のちいさな鰓をビリビリ微動させているフタオカゲロウやなんかのスイマー型ニンフの、
 半透明で茫洋としたボディを連想せずにはいられない……ってかんじになる。

 といって、
 そんな水生昆虫はいないはずの季節も場所も止水流水も関係なく、
 酷寒厳冬のアメマスから真夏の減水ニジマスやらなんやらかんやら、
 道内サイトニンフィング必殺の友として、
 サイズ11番をここ数シーズンずっと常備、
 ことあるごと、
 あるいはここ一番で大変お世話になってます。

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 ですが、
 今回はそのような能書きを垂れたいのではなく、
 この極細の銅線コッパーワイヤ。

 かのコートランド社の昭和の時代のバッキングラインのでっかい空スプールに、
 ビッチリぎっちりミッチミチめいっぱいこの銅線を巻いたものを、
 とある方から譲り受けたのは、
 もはやかれこれ20年ちかくまえのことでした。

 何百メートルというよりも、
 いったい何キロ巻いてあるんやろ?みたいな。

 もちろん、
 コレ以外にもこれまで種種雑多なコッパーワイヤをつかってきました。
 が、
 太さが手ごろで、
 ソフト感もあって扱いやすく、
 過度に輝きすぎないナチュラル感のあるテカリ、
 そしてなにより一生かかっても使い切れんほどたくさんあるとおもっていた、
 などなどという理由で、
 いつも手元にあってフツ~につかっていたこのコッパーワイヤ。

 タイイングデモやらスクールやら、
 またあるときはタイイング道具持参の遠征釣行にも、
 いつもフツ~に持参していたコッパーワイヤ。
 そしてなにより、
 このワイヤを譲り受けてからかれこれ三回のお引っ越し。
 期せずして、
 いろんなところに一緒に行くことになったコッパーワイヤ。

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 これをいただいたとき、
 「このコッパーワイヤを使いきるころ、一体全体じぶんはなにをしているんだろう?」
 などと、
 まさに途方もない未来のことのように夢想しておりましたが、

 ハタと気がつくと……、

 なななんと、
 知らぬまにスプールの底がくっきり見えてきたではありませんか。
 あれほどビッチリ巻いてあったコッパーワイヤ。
 気づいてみればアレすっかすか。

 嗚呼…諸行無常の響きあり。

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 しかしまあ、
 20年ちかくまえのあのころ、
 まるで想像すらつかなかった未来でしたが、
 いざそのときになってみれば、
 「なんやねん、たいしてな~~~~んも変わってへんやんけ」
 などとボヤキうそぶくことができる、
 というのは、
 見方によれば、
 けっこう、
 いやかなり幸運でシアワセなことなのかもしれませんね。

 足るということをこそ、
 知りたいものです。
ツンデレ竿と川虫毛バリ
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 ん~~~バイオレット。
 お腹もヒレもヤケクソみたいにまっかっか。

 シーズン中は道内各地に麗しく美しいニジマス釣りにいくけど、
 この時期の道南小渓流にてたまに釣れてくれる若者ニジマスの燃えるバイオレットっぷりはじつに独特で、
 目を射るような鮮やかさで斬新だ。
 いつもドキッとする。

 そして春だなあ……とおもう。

 というサカナの話しはおいといて、
 今回は思い切ってそんなサカナのいる小渓流を釣るための、
 現時点でのオレ様の最愛の竿について、
 写真で語るぜ。

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 これはあくまでも持論というか個人的な感慨なんだけど、
 竿の性能云々はひとまずおいといて、
 釣り竿には二種類の性格?がある気がする。

 ひとつは、
 ものすごく有能なんだけど、
 ガンガンつかっているうちに、
 どうしてだかスーッと気持ちが冷めるように飽きてしまう竿。

 そしてもうひとつは、
 竿の性能とはまったく別のところで、
 長く使い込めば使い込むほどに情が移ってしまう竿。

 これを「味」という言葉で表現するには、
 心情的にやや言葉足らず。

 「相性」のほうがまだ近いかもしれない。

 この気持ちは一体全体なんなのだ?

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 7’3”の3/4
 真っ赤な巻き糸以外はなんの飾りもない、
 化粧っけなし、
 愛想もくそもない無愛想な竿でございます。

 我が家のご近所の「アサマ・ロッドワークス」のアサマさんの作によるもの。

 なんだけど、
 この竿をこうして公の場でナニしてもいいものなのかどうなのか?
 作られたご本人が気を悪くされるのではないかと心配。

 じつはこの竿はアサマさんの試作品。
 ご本人にしてみれば、
 この竿を足がかりにさらに進化させていくべき実験作。

 アサマさん、
 そういう試作品や実験作がんがん作ってばんばん破棄しちゃうから。
 いっときもひとつの場所に留まらず、
 ちょっと会わない間にどんどん進化して先に行っちゃうから。

 そのくせ「誰が使っても、使い手のレベルに合わせられるスムーズな竿」を作ろうとするヴィジョンにブレがないから、
 ときとして「混沌」と「迷宮」の世界にどんどん突っ込んで行っちゃって、
 エライことになったりしていらっしゃる。

 かれこれ4年ほどまえ、
 まさにアサマさんがそのような世界を彷徨っていらっしゃるときに、
 御自分のイメージを具現化するべく何本も試作されたうちの一本がこの竿でした。

 バキッと折られて破棄される寸前でした。

 それを友人がこっそり持ち出して釣り場にて
 「ビゼンさん、これちょっとつかってみてよ。アサマさん、この竿ぜんぜんダメっていうんだよ」
 なんつって借り受けて一日振ってみて、
 「どうだった?」
 「ん~~、なんかタルイ。最後のひと振りのとき、フッとラインの感覚がなくなるようなかんじがして不安になりました」
 「あ~、わかるわかるそのかんじ」
 「でもねえ、なんか捨て置けないっていうか、もうちょいジックリ使いたくなるのは、なぜ?」
 「あ~、わかるわかるそのかんじ。アサマさんその竿折るって言ってんだから、どうせならもうすこし貸してもらってつかってみればいいじゃん」

 なんつって早4年。
 過去いちどアサマさん宅に返却にあがった記憶もございますが、
 なし崩しになあなあにしてまた再度持ち帰り、
 ズッコンバッコン使い倒した末に、
 もはやいまや返却の意思はまるでなし。

 というよりも、
 サカナが釣りたくて釣りに行くというよりも、
 この竿が振りたくて、
 わざわざこの竿に合う小渓流にでかけるという本末転倒っぷり。

 どういうこっちゃ?

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 この竿をつかいはじめたころ、
 まだるっこしく感じていた鈍重な鈍い印象。

 アサマさんがこの竿にダメだしをされた理由がよ~くわかる。
 だって単純につかいにくいもの。
 ちょっとリズムが崩れるとメロメロだもの。
 ところが、
 そここそが自分がこの竿にはちきれんばかりの親愛の情を抱くようになった理由のひとつでもあることに、
 ず~~っとこの竿ばっかつかっていて気がついちゃったのでした。

 門前の小僧習うより慣れろ……の伝で、
 ほんっとにつかいにくいなあと思いながらも、
 自分でもよくわからないまま何故だか「この竿が使いたい」という気持ちのまま使い続けていて、
 しらずしらず、
 この竿の持ち味を十二分に活かすリズム?振り方?扱い方?
 が自分の頭でなく身体に染みてきたような気がする。

 竿がいかんなく性能を発揮するストライクゾーンがものすごく狭いんだけど、
 それがわかって慣れてハマると、
 さっきまでのツンデレっぷりはなんだったんだ?
 みたいに従順に気持ちに寄り添ってくれる……そんな感じなんだけど伝わってますか?
 
 ウエイトをかましたニンフを手首だけをうごかすようなロールキャストでデレデレデレッと転がしてピンスポットに運ぶ感覚、
 たとえばキャッツキル・スタイルに巻いたグレイ・フォックスやなんかの12番くらいのを、
 竿の真ん中らへんをク~ンと柔らかく曲げるようなかんじでフワワワワ~~ッと投げてポテッと水面に置くように落とす感覚、

 そしてなによりも、
 掛ったイワナがノンノンノンッと水中で首を振っているのが手の平にダイレクトにくるあのかんじ、

 なんかねえ、
 箱庭のような小さな渓流で、
 せいぜい6~8ヤードくらいの距離を、
 大げさに言うとすべてをコントロールしながら釣っているような感覚、

 たまらないカイカン。

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 後日談というか余談というか、
 こうしたアサマさんの試行錯誤な竿たちの果てに、
 「この竿はいいよ」と御本人もおっしゃっていたらしい、
 ほとんど同スペックな竿を友人のひとりが大事にしていて、
 とうぜん振らせてもらってサカナも釣らせてもらったんだけど、
 あまりにスムーズすぎて、

 「どう?これすっごいいいでしょ」自慢げにのたまう友人に、

 「なによこの八方美人なシルキータッチ。こんなん反則やわ」悔し紛れに言うたった。

 フライロッドって不思議だ。

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