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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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アーガス・ザ・メイフライ
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 はじめて見たとき、
 サインペンやマーカーで模様を描きこんだのかとおもった。

 人工的な作為のようなもの、
 あるいは逆になにか宇宙的な記号をかんじさせる模様。

 ほんとに不思議な模様。

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 アーガスフェザントのプライマリーウイングとウイングカバー。

 キテレツなドット模様から太古の香りが漂ってます。
 恐竜と鳥…数億年の進化が交差し混沌と交わる境界線の謎をひもとくヒントにおもえてしかたがない。


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 妄想と創造意欲をグワングワン掻き立てられる、
 オーラむんむんのたまらない色と模様と存在感。
 
 なんだけど、
 ウ~ン残念!
 ものすごく反り返ってんだよね、
 そしてガッチガチに硬くて肉厚なんだよね…この羽根。

 もしこの羽根がキョーレツに反り返っていなくて、
 もうすこしソフトで、
 そしてファイバーがまっすぐだったり内側に湾曲していたとしたら、
 きっとフルドレスサーモンフライの18世紀古典絵図は様相がすこし変わっていただろうな。

 ブラッカーやエフェメラの歯ぎしりが聞こえてきそうだ。

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 東京駅が巨大なカゲロウに襲撃されちゃう~。

 それにしても、
 トラヤのヨーカンのパッケージ・デザインは秀逸ですね。
 心憎いほどモダンでハイカラ。
 お洒落やわ~。

 中身のヨーカンもとってもおいしかった。
 ヨーカンの正統派ってかんじで。

 箱は大事にとっといて、
 いつか気分がノっているときに、
 気ぃいれてビシッと巻いたフライをこの箱にズラッと並べたろ。

 タイトルは「トーキョーシティはスーパーハッチ」で。

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 ウイングはアーガスのプライマリーをザバッと一束。
 プラスチックみたいに硬い羽根にキョーレツな圧をかけて、
 強引に丸みを帯びたカーブを描かせてクイルウイングとして巻き止めた。

 エクステンデッドボディは同じくアーガスの尾羽根。

 そのうえにアンデス・コンドルのセカンダリークイルを乗せてテイルにした。

 ソラックスはラクーンの透明なアンダーファーのうえに、
 これまたアーガスの襟羽根を数枚かぶせて巻いた。

 ハックルもまたアーガスの背中の羽根。

 ダブルフックに巻いてあるので、
 机のうえに直立姿勢でちょこんと置いておくことができるようになってます。

 貴方のタイイングデスクのマスコット・オブジェにいかがかしら?
 かわいいわよ……。

 えっらい苦労してあのテこのテでウイングを束ねたけれど、
 アンニュイな気分で戯れにお遊びで巻いたものなので、
 僭越ながら御奉仕価格でご提供させていただきたくおもってます。

 お気軽にお問い合わせくださいね。

 売り切れです。

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 ピーコックハールのまーるい目ん玉が、
 とってもリアルでキモ可愛いねって、
 近所のコムロさんも言ってはりました。

 春はあけぼの。
 春眠暁をおぼえず。
 
Paradise Shelduck
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 キレイっしょ?
 エメラルド・グリーンにギラギラ輝くカモの羽根。

 フライタイイングの素材として紹介されるのは、
 おそらくこれが本邦初公開、
 クロアカツクシガモ(←ウィキペディア)の肩羽根。

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 ウイングもボディも全身光り輝くエメラルドグリーンに、
 ナイトヘロンをハックリングした「ディーウイング・スタイル」



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 まんまカナブンの背中の輝緑色してんだよね。

 こうした、
 羽根の構造と組織の仕組みそのものが光を反射させることで、
 その光を受ける角度によって、
 色を微妙に変化させながら、
 それ自体が輝いているように見えるものを「構造色」って言うんだけど……、



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 構造色って、
 つくづく3Dだなあ。



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 ぼくらにとって最も身近な「構造色」の羽根、
 ピーコックハールと組み合わせると、
 もう巻きごころ釣りごころの奥底から…ゾクッ…とくるんだよね。

 世界は広いよ~、
 知られざる「素材」はまだまだたくさん埋もれているんだよ。
 

不定期刊行 世界羽根巡りファーイースト編 第二弾
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 今シーズンの渓流釣りは、
 一面の銀世界に川が埋もれているようだった年明けから、
 ようやく本格的が春めぐってきた現在まで、
 もうず~~~~っとこんなソフトハックル・フライズをつかって楽しんでおりました。

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 クート、
 ムアヘン、
 プケコなどなど、
 水鳥系のソフトハックルを片っ端からハックリングして、
 ねっちゃり比較検討しながら早春の渓を釣りのぼるオタッキーっぷりですマニアック。

 で、
 今回とりあげたいソフトハックル系素材が、
 コーモラント…「鵜」の腰の周辺の羽根。

 ニワトリでいうと、
 ちょうどサドルハックルにあたる部分。
 
 写真のような、
 スペード型のちいさな羽根。
 ストークにちかいファイバーは、
 繊毛がびっしり生えた淡いブルーダン。
 それが、
 ファイバー先端にむかって濃いアイアン・ダン色へと、
 グラデーションがかっているのが特徴。
 また、
 そうした配色が、
 全体に青みがかったような深い色合いにも見える。

 地味な印象ながら、
 ダン系カラー中毒の我々が見れば、
 とても上品な感じのするエレガント&ビューティな灰色。

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 前回とりあげた「鵜」の背中の羽根同様、
 水馴染みがすこぶる良く、
 つかうまえに軽く水でもんでおけば、
 着水と同時にスーッと沈んでいくのも、
 この羽根のおおきな特徴。

 また、
 ファイバーの根元から先端にむかって、
 繊毛の加減によって急激なテーパーがかかっている。
 そして、
 そんなファイバー一本一本が、
 フックサイズ10番~14番前後の常用サイズに絶妙な太さになっている。
 

 と、
 そんなファイバーの構造が、
 「鵜」の羽根のエレガント感たっぷりのダン色配色とあいまって、
 シンプルなソフトハックルに巻くと……、
 
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 ハックル一回転パラパラで、
 古典的なソフトハックル・ムード。

 雰囲気ムンムン、
 生命感ビンビン、
 たまらんエエ感じムラムラ……。

 と、
 そんなファイバーの肝心の質感はというと、
 なんていうか、
 とってもティップ・アクション。
 
 ファイバーの根元付近は、
 少々の水流にも負けないコシを感じる硬さ…、
 で、
 そこから伸びているファイバー先端が、
 やわらかくピロピロ流れになびいている。

 流れを逆引きしているときなど、
 傘状のハックルが閉じることなくフワッと開いたまま、
 ピリピリ震えている様子が、
 ボクいたくお気に入り。

 使いたおしたくなる素材のひとつです。
 ただいまずっぽりハマりちゅうです。


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 TMC200Rの10番に巻いた、
 真っ黒ボディの「山人鵜の毛ばり」をバックリしてくださった、
 早春ヤマメ可憐系。

 ちなみに、
 ここでとりあげたソフトハックル・フライズのボディは、
 すべて「モール」…つまりモグラのファーを染色したものをつかった。

 釣りに出かける日のあさ、
 「鵜」の羽根と、
 「モグラ」の毛を、
 グルグルッとハリに巻いて……、

 同行のニンフ達人さんと残雪にうまる渓を歩きながら、
 低活性の渓魚たちの、
 リーダーが一瞬だけ流れのなかでフッと震えたような、
 言葉にならない感覚のアタリをビシッと合わせるのがカイカンの釣り。

 ティペットの先にむすんだソフトハックル・フライともども、
 「シンプル・イズ・ディープ」
 を実感する春のつりの日々でした。

 このソフトハックル・フライ気分、
 ハイシーズンに突入した現在も、
 いましばらくは続きそうな気配です。

 それにしても、
 額にいれて飾るフライは五日も六日もかけて製作して、
 釣りにつかうフライは、
 朝食の食パンを焼いてる間にチョロロ~~ンと巻くて……、

 フライタイイングって「底なし」やね。
 
 
不定期刊行 世界羽根紀行ファーイースト編 第一弾
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 コンニチハ~

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 こうしてみると、
 なんとも地味で華のない灰色の羽根、

 この羽根、
 なんだかわかりますか?。

 、
 









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 で、
 その全貌…コンプリート・スキンがコチラ。

 コーモラントといいます。
 日本でいう「ウ」、
 「鵜」、
 の仲間のことです。

 なんでも、
 世界には亜種もふくめて数種類の「鵜」の仲間がいるそうですが、
 図鑑などで外観を比較するかぎりでは、
 ここでとりあげたコーモラントの羽根は、
 日本にいる「鵜」と非常によく似ています。

 というか、
 ぶっちゃけもうほとんど日本の「鵜」とおなじ質感色調の羽根。

 「鵜」といえば、
 いろんな意味で、
 われわれ釣り人には、
 なんていうかめくるめく愛憎?、
 そこらじゅうの川辺で、
 ものすごく歓迎されないことで、
 おなじみのトリ……、

 でありながら、
 その羽根がタイイング素材として流通することは、
 現時点ではさまざまな諸事情でまずあり得ない、
 身近にたくさんいるのに、
 その羽根はメガトンレアな貴重羽根です。

 というわけで、

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 まずは「にぎやかし」に、
 当社十八番となります奇天烈系バスバグを……。

 「鵜」の背中の羽根をつかった、
 「ウ」形のバード・バグ…トサカつき。

 コチラのアホバカ・バグの背中に重ねた「鵜」の背中の羽根を見ながら、
 話しをすすめてまいりたいとおもいます。

 ごらんのように、
 「鵜」の背中の羽根は、
 まるで微細な粉が散っているような、
 ビロード状の質感をしたウォーム・グレイ色に、
 マットな黒い縁取りが鮮やかな木の葉型の羽根。
 さらに肉厚な分厚い手触りや、
 頑丈で太いストーク部分も印象的。

 これが水に濡れると、
 なんというか、
 非常に艶っぽく、
 また深みを感じさせる鉄色のダークダン、
 といった色調になります。
 
 こうしてみると、
 ありがちな色調ではありますが、
 その独特な質感は「鵜」の羽根ならでは……。
 とても個性的。

 で、
 そんな「鵜」の羽根の個性派っぷりのワケを、
 いつものようにフライタイイング的視線で見てみると、
 まず水鳥でありながら、
 羽根自体の水馴染みが素晴らしく良い。
 スーッと水に同化するように馴染む感じ。
 また、
 羽根自体に含まれる油分?のようなものが、
 極端にすくない気がする。

 たとえば、
 おなじように水辺の鳥であるカモやバンなど、
 羽根に擦り込まれた?油分も利用して水面に浮くトリと比較すると、
 その特異な質感がよくわかる。

 そしてこうした「鵜」の羽根の特質は、
 「サカナを獲ることに特化しまくっている」
 という、
 知れば知るほどに「敵ながらアッパレ」な、
 「鵜」の身体の仕組みに、
 密接に関係しているのではないでしょうか?。

 身体を水面に浮かせる、
 という事項にはまったく重きをおかず、
 獲物を発見するや否や、
 瞬時に水中に潜っていくために、
 水馴染みに優れ、
 かつ水流の抵抗を軽減し、
 さらに川底の石の下などにも潜り込みやすく全身ツルツル、
 かつ肉厚な羽根は身体を保護する役目をも果たしている。

 と、
 そんな羽根が、
 水中での突進力に優れ、
 かつイレギュラーな動きで逃げるサカナにも対応する、
 しなやかで長い首…、

 「飛ぶ」ことよりも、
 「潜水潜行」を重視しているとしかおもえない、
 無駄をはぶいた形状の翼や胴体…、

 トリというよりも、
 サカナのお腹を連想してしまうお腹などなど全身に生えている。

 そしてそのダークな色調は、
 川底の色と同化する、
 「保護色」というよりも「サカナの視界をかく乱する色」。

 ヤバイっすよ
 デビルっすよ
 「鵜」

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 と、
 そんな「鵜」の羽根をつかった、
 チューブ・フライ仕様のジェネラル・プラクティショナー・スタイルのフライ2種。

 下側は、
 シャープなホロゴールドがボディ全体にチラチラのぞき輝くムラサキ色。
 上側は、
 濡れると透明感のある金色に変化するヌルッとしたゴールド。

 どちらも自家製ブレンドのダビング材をつかったボディに、
 「鵜」の背中の羽根を組み合わせたもの。

 たとえば上側の金色ボディのは、
 デビルで邪悪で凶悪に艶クロな「鵜」の羽根の色調質感とあいまって、
 濡れるとなんとも独特なナマナマしいキンクロ…といった風情。
 
 「キンクロ金黒」の効果を信じてやまないワタシにとっては、
 このヌメッと水に馴染んで透明感がありながらメリハリのある配色の妙、
 たまらんものがあります。

 というわけで、
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 そんな「鵜」の背中の羽根を、
 ストリーマーのヘッドにシリコン接着して……

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 ルアーな方々にとっては定番中の定番カラーでもあり、
 必須の「落ち鮎」カラーでもある、
 キンクロ+オレンジ・ベリーで巻いた、
 シリコン・ヘッドのフラットウイング・ストリーマー。

 ホロゴールドのエンジェルヘアーを混ぜたEPファイバーを土台にして、
 ホワイティング・スペイサドルのオレンジと黒をメインウイングにすえ、
 そのうえにホワイティング・フラットウイングサドルのバジャーをフラットに巻きとめてみました。

 にしても、
 「落ち鮎」仕様のストリーマーを、
 よりにもよって「鵜」の羽根で巻くって……
 
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 これぞシュール系タイイングの悦楽?……。

 

 それでは次回、
 仮題「デビルの柔羽根にみる、小悪魔純情編」
 
 にご期待……くださいますか?。
 

 
 

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