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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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ハンプバック・ストーリー
 タマゴたべたらタマゴン♪
 怪獣産んじゃうタマゴン♪


 しらんやろ?

 ナウな昭和のヤング・キッズはみんな歌ってたんやで。

200420 (1)1

 といっても、
 タマゴの殻とちゃうねんで。

 真っ白なアタマのところがボッと燃えてるみたいに見えへん?





200420 (2)2

 貴重な白い羽根を知人から頂いたとたん、
 パッと閃いて…ためらいなくバッサと切った。


200420 (3)3

 いまから25年前に購入した、
 サーモンフライのアート的写真集。

 この当時、
 まったく興味もなく門外漢だったフルドレス・サーモンフライ。
 むしろ、
 どちらかといえばアンチ的でさえある冷やかな視線で、
 横目で見ていたフルドレス・サーモンフライのタイイングの世界。

 そんなにも縁遠かった世界に、
 手のひらをコロッとひっくりかえして、
 おおいに興味を抱いただけでなく・・・あろうことかレッツ・ドゥー・イット。
 ボクもこんなの巻いてみたい。
 とおもわせてくれた、
 じぶんにとっていちばん最初の参考書がこの写真集なのでした。

 いま見なおして、
 たまたまこの写真集が最初の第一歩になったことは、
 つくづく幸運だったとおもう。

 当時、
 この分野の最前線で活躍していた、
 古今東西のたくさんの著名タイヤーの方々それぞれの自信作の数々を、
 キレイな写真でつぶさに眺められる写真集。

 いろんな方が巻かれた、
 いろんなフライを客観的に比較しながら仔細観察できるというのが、
 駆け出しのシロートには得るものが多かった。

 おかげで、
 世評や評判や先入観に惑わされることなく、
 じぶんの感性でフライを見る目を養うことができたからだ。

 なかでも、
 この写真集ではじめて知ることになった、
 スティーヴ・フェルナンデスとポール・シュムークラー御両人のフライは、
 まったくトンチンカンだった白紙状態のじぶんにさえ、
 なにもかも次元がちがって見えた。

 ガビガビガビーンときちゃったのだった。

 そしてつくづく、
 世界はものすごくひろくて、
 とんでもないヒトがいるのだと感じ入り、
 視野をおおきくひろげてくれることになった。

 感謝してもしきれない。
 
200420 (4)4

 そんな写真集に収められたスティーヴ・フェルナンデスのイッポンにおおいに感化されて、
 22~23年くらい前にこしらえた処女作がコレ。

 いまこのフライを見ると、
 どうにかしてこのカタチが作りたいと四苦八苦していた、
 当時の努力と苦心と腐心のあとが懐かしく「フフフ…」としのばれる。
 
 もうなんとしても、
 コレが作りと~て作りと~てたまらんかってんな~、
 あのころのぼく。

 この写真集で出会った Steve Fernandez のフライたちは、
 「サカナを釣ることとは別の目的のフライ」
 という、
 あるいみ矛盾の権化でもある特異な世界に飛び込むことをためらい、
 躊躇していたじぶんの背中を、
 あらがいようのない魅力でドンと押してくれるパワーがあった。

 衝撃だった。



200420 (5)5

 そして25年後、
 一カ月ほどまえの深夜、
 興がのったのでお戯れに……。



 そしてその翌日の深夜、
200420 (6)6

 永遠の銘鉤シルバー・マーチブラウンへのオマージュでもあり、
 はたまたパロディでもあり……。

 もっぱらジョックスコットのアンダーウイングを巻くのにつかった、
 ホワイトティップ・ターキーテイルの余りのところだけ、
 どっさりあるんだけど、
 どうにももったいなくて捨てられないので……。

200420 (7)7

 とどめにロイヤル・コーチマン。

 ちなみに下の実戦投入フライはリマリック・ベンドのサイズ4番。

 上の巨大なのは、
 ウイングの根元のファイバーだけワザとキュッと絞るように束ねてフックに巻き止めた。
 そうやっておいて、
 緩やかな曲線を描きつつ、
 後方にむけて末広がりに拡がるようなウイングのカタチになるよう企んだ。
 
 「牧歌」の時代の古典フライは、
 意図的に垢ぬけてないイモっぽい素朴フォルムに仕上げると、
 いかにもソレっぽく見える法則。

 で、
 そのように巻いてブワッと拡がったでっかいウイングが、
 テイルにつかったバード・ウッドダックのカーブと調和して、
 脳内で思い描いたイメージ通りのカタチになって、
 フライが出来あがったとき「キャハッ」となった。

 そして、
 ルンルン気分でヘッドセメントをヘッドに塗布した。





 中島誠之助さん、
 おもしろいな。

 ……なにごとも本物を知らなきゃダメってことさ、
 美術品にかぎらずすべて、
 音楽でも文学でも付き合いでも酒でも演劇でも、
 本物を知ってからやれと……、

 …虚飾を嫌うんだワタシは ヌハハハハハ…
 
春籠り
200412 (1)1

 ジョックスコット サイズ#7/0

 サイズが大きいので、
 マリッドウイングてっぺんに載せるのが様式美となるゴールデン・フェザントのセンターテイル部分を、
 アムハースト・フェザントとゴールデンのハイブリッドのアムゴールド・フェザントのセンターテイルで代用した以外は、
 すべてプライス・タナットの正式レシピに従った。

 で、
 すべての素材を縛りつけ終え、
 これからその余りをカットして削り、
 ヘッドを成型する作業にはいるところ。

 いつもここでいったん小休止。

 いよいよです。

 ここからが作業工程のなかでもっとも緊張し、
 かつ、
 もっとも甘美な余韻に浸るところ。

200412 (3)3

 なんちゅうてもトラディショナルなフルドレスのヘッドは、
 ダルマに瞳をいれる、
 というか、
 丹精込めて彫刻した木彫りの最後に目を描き入れるのと、
 心持ちはおんなじだもの。

 ヘッドにこそ、
 躍動感や生命感が宿るんですよ。

200412 (2)2

 このジョックスコットは、
 これからフルドレス・サーモンフライ・タイイングの園の扉を開けて、
 その深淵にエイヤッと飛び込んでいこうとしている青年が、
 これからの己のタイイング経験の糧になるようにと、
 リクエストしてくれたもの。

 秘蔵の額に飾って、
 先日ようやく彼の手元にお届けすることができました。

 ところが、
 額装してしまうと、
 フライは右向きに固定してしまうことになる。

 ので、
 反対側となる左側が見えないのがいつも切ないところ。

 が、
 たんに飾るだけではなく、
 実際にコレを参考にフライを巻くならば、
 タグの先端、
 あるいはリビング・ティンセルの最初の位置、
 そしてその間隔などなど、
 素材を巻き止めた位置が露わなコッチ側のほうが、
 実際に製作するうえで参考にできる情報量ははるかに多い。

 言いかえれば、
 巻き手としてはコッチ側を見せるのは「種明かし」的にちょびっとハズカシイ。
 
 しかし、
 ここであえてコチラ側を……、

 青年よ、
 舐めるように眺めてくれたまえ。

 ホーンのブルーイエロー・マコウの巻き止め位置と、
 巻き止めている根っこの角度にも注意するのじゃ。

 そして、
 巻くために参考にするならば、
 フライ全体を見るだけでなく、
 なによりも各部位のピンの根元のところを凝視するのじゃ。

 と、
 ものすごいクソエラそうに上から目線で何様発言しながら、
 このジョックスコットの肝心の反対側は……、

200412 (15)15

200412 (14)14

 このようなフライたちとともに、
 今月発売される季刊フライフィッシャー誌の春号?の連載記事に掲載されます。

 いつものごとく、
 クドクドクドクドあれもこれもと書き散らしてます。

 かしこ。

 と、
 話しは変わって、

200412 (4)4

 ゴールドリブド・ヘアーズイヤーならぬ、
 ゴールドツイスト・アウルボディ、

 先日販売させていただいた、
 正体がイマイチよくわからないけど、
 おそらく確実にミミズク系の小型プライマリー・フェザーをつかった、
 私家版ウルフ・スタイル tied on TMC9300 8番。

 ダーク・ハニーダンとグリズリーのミックスド・ハックル。
 テイルはオス・エゾジカの腰付近の毛。

200412 (5)5

 このフェザーのクイル・ボディは、
 じぶんもこれが初体験なのですが……、

 なんていうか、
 ワシミミズクやトンビのファイバーを、
 はじめてスレッドにねじってボディに巻いたときにもおなじようにおもったけど、、

 たとえば、
 ヘアーズイヤーのダビングとか、
 フェザントテイルのワイヤー巻きボディとか、
 ロードアイランドレッドのクイルボディとか、
 はたまたストリップド・ピーコックのクイルボディとか、
 そうした伝統的素材の、
 どんな虫を模したとか、
 どうとかこうとか理屈ではなく、
 こう、
 ボディに巻いた瞬間「うっわ釣れそ~~」直感でビビッとくるあのかんじ。

 これ、
 ものすごエエですね。

 ご購入くださった皆さん、
 もう巻いてみはりました?

 ご注文ほんとにありがとうございました。

200412 (6)6

 ここでつかったフックはTMC9300 の8番。
 なので、
 ファイバーがみじかめで、
 かつ小型のこのクイルのファイバーには、
 フックのシャンクがやや長過ぎるんですが……、

 ファイバー数本に、
 極細のオーバルティンセルをちょい長めに添えて、
 両方ともプライヤーで摘まんで、

200412 (7)7

 グリグリッと捩じってボディに巻いていくと……、

200412 (8)8

 このフックサイズだと、
 ファイバーがちょい足りなくなりますが、
 気にせずいったんココで巻き止めて、
 ティンセルは残しておいて、
 ファイバーの余りはスレッドでシャンクに巻き込むかカットして……、

200412 (9)9

 シレッとこの部分に新しいファイバーを巻き止めて……、

200412 (10)10

 再度、
 残しておいたティンセルにファイバーをよじって巻くと、
 このように8番サイズ以上でも自然なボディが巻けます。

 この枯れた黄褐色と粉を拭いたような茶灰色のグラデーションが、
 微細な繊毛にびっしり覆われている質感と色調がまた独特で……、

 トンビの灰白ダンのダンダラ模様と、
 ワシミミズクの淡い黄褐色基調の紋々模様と、
 このミミズクの濃厚な茶黄褐色で、
 繊毛グラデーション・クイルボディ御三家といった様相。

200412 (11)11

200412 (12)12

 明るめゴマダラ模様のコック・デ・レオンのルースター・クイルをウイングに据えて、
 ゴールドツイスト・アウルボディのマーチブラウン・スタイルな私家版ウエットフライ。

200412 (13)13

 幾何学模様のヘンフェザントのセカンダリークイルにも、
 絶妙に調和しちゃってホンマにもう……。

 まずはじぶんにとって満足度数ヒジョーに高めのクイル素材発掘となりました。

 自分用の試作アレコレ・フライはもちろん、
 かねてご注文いただいているカスタム・フライズにも、
 ワシミミズクともどもさっそくこの羽根もバンバカつかって、
 夜な夜なせっせせっせ巻き浸ってます。

 しまいにミミズクの精霊がのりうつって、
 丑三つ時にホーッホーッ鳴くんとちゃうか…じぶん。

 
リフィニッシュ?リビルド?で締めくくる2018年
 2018年のワタクシのフライタイイングのしめくくりとして、
 ぜひともココでとりあげたかったフライたちです。

 もっちろん!
 ただいまものすごく熱烈販売中であります2019年カレンダーに掲載したフライのなかから、

181230 (1)1
 Red Sandy と、

181230 (3)3
 Quinchat の2本。

 ともに、
 フルドレス・サーモンフライの古典。
 フルフェザー・ウイングなクラシック・パターンの銘作。
 そして、
 この道に本気で邁進するなら避けては通れないけど、
 ドーンとでっかい壁のように立ちふさがってくるかんじの登竜門的フライですね。

 で、
 ちょい話しは前後するけれど、
 ただいまはげしく精力的販売中!の2019年カレンダーには、
 ことし2018年に巻いたフライだけを掲載したいなとおもいました。
 そんなわけで、
 実戦フライもしくは額装フルドレスを問わず、
 個人的に今年の釣りとタイイングにとって素晴らしい思い出となってくれた、
 たくさんのフライたちのなかから、
 アレかコレかとヒジョ~に悩ましく身悶えしながら愉しんで選んだわけです。

 が、

 そうでありながら、
 じつはこの2本のフルドレス・サーモンフライは数年前に巻いもの。
 しかも、
 当ブログでも当時すでにクッソエラそうにわかったようなことほざいて載せておるのでございます。

 そのような過去のフライを、
 なにゆえあえてカレンダーに掲載したのかといいますと、
 この2本、
 製作してから数年後となった今年2018年、
 いろいろと修正および修繕を施して再構築したんだよね。

 この2本をこしらえてからこっち、
 ず~~~っといつかは直したい直したいと思いながら、
 ようやく念願かなったというわけです。

 ちょっと、
 見てくれはる?
140126(4).jpg
 これが、
 2004年1月26日付けの当ブログにて掲載したRed Sandy の写真。

 そして、
181230 (2)2
 これが、
 今年の早春のころ、
 ギンギンにフルドレスサーモンフライ気分に浸っていたころに修正したやつ。



 おなじく、
130318(3)3.jpg
 これが、
 2013年3月19日付けの当ブログにて掲載したQuinchat の写真。

 そして、
181230 (4)4
 これが、
 いっしょに来年のカレンダーつくろうぜ…と札幌「テムズ」と話しあってから、
 カレンダーに掲載したくてすぐとりかかった晩秋のころに修正したやつ。

 
 ね、
 ちがうでしょ?
 
 と、
 ドヤ顔満面でいわれても、

 どこが?

 としか言いようないでしょ?

 でもね、
 コレをつくった本人からすれば、
 もはや「似て非なるもの」と言いたい……もうずえ~んぜんちがう別物。

 ようやく、
 「うん、これなら良いかもしんない」
 と自分が自分で自分におもえるフライに生まれ変わりました。

 大満足の自己満足。

 と、
 そのように、
 自分がフライタイイングになにをこそ求めたいのか?
 を無言で主張し、
 また反映し、
 そして象徴している2本です。

 自己満足。
 
 すべてはここからはじまって、
 そしてここに集約するのじゃ。

181230 (5)5

181230 (6)6

  招福丸福

  みなさま、
  よいお年を。


 
虹色吐息
180527(1)1.jpg
 この仙人ちっくな木彫りは、
 いつ、
 どこで、
 どのようないわれで、
 どなたが彫られたものかはまったくわからない。

 齢20代前半のころに購入したので、
 かれこれもう30年にもわたって、
 ずっと我が家におられる。

 そのあいだ、
 何回も引っ越しした。
 そのたびに、
 この仙人サマはかなりぞんざいに梱包されて、
 ワタシと共に各地を転々と流浪してきた。
 
 そして、
 あたらしい住居に移り住むたびに、
 スピーカーのうえとか、
 アンプのうえとか、
 レコード棚のうえとか、
 我が家の中心となる場所に置かれて、
 ずっとワタシを見下ろしてこられた。

 とはいえ、
 とくにありがたがるわけでもなく、
 それほど大切にもせず、
 なんとな~く。

 30年間というと、
 そりゃあもう人並みに、
 いやむしろ自分からすすんで、
 いろいろアレコレさまざまあったわけだが、
 この仙人サマはそのすべてを見てこられた。

 これからもワタクシの喜怒哀楽、
 なにもかもすべてを見ていただくことになるのでございましょう。

 仙人サマを購入したのは、
 忘れもしない日光中禅寺湖のほとりにあったお土産屋さんだ。

 大学を卒業して、
 東京で働きはじめて2年目くらいだったか、
 なんしかヤング超フレッシュ。

 Red Dragon - Hol A Fresh あのころアホなラガマフィンぼくらの青春アンセムチューンその1

 当時は釣りより華のお江戸でとにかく仕事に夢中80年代後半バブル真っ盛り。
 その年の春、
 ものすごい久々に学生時代の友人と再会して、
 いっしょに中禅寺湖に釣りに行ったけれどなにも釣れず、
 その帰りに立ち寄った土産物屋さん。

 このテのいろんな木彫りがズラッと並んでいる一角があった。
 どれもこれもあまりなジャンクっぷり。
 逆に興味がわいて、
 「こんなん、誰が買うんやろ?」
 などと友人と話しながら眺めていると、

 どこからともなく小柄なご老人がスーッとぼくらの横にやって来た。
 そして、
 思惑ありげに我々にむかって無言でニッタアとほほ笑み、
 棚に並んでいた木彫りたちのなかからこの仙人サマをおもむろに掴むと、

 軍手をはめた手で、
 仙人サマの長~いオデコをにぎるやいなや、
 いきなり猛然とシコシコシコシコシコシコシコ上下に擦りはじめた。

 お爺さんは、
 なにも言わず、
 ただ恍惚とした微笑みをうかべて、
 オデコをシコシコシコシコシコシコシコシコこすった。
 そして、
 その様子を見て、
 (……うおおおおおおおおおなにすんねん?……)
 唖然とするワタシを、
 上目づかいにゆっくり見上げると、
 お爺さんははじめて口を開いた。

 「これ、すっごくイイんだよぉ」 

 そしてお爺さんはまたニッタアと微笑んだ。

 その瞬間、
 ビビーとなにか外部から発せられた電流が脳に直接突き刺さった、
 みたいなかんじがして、

 「ボク、それ買います」

 そのとき、
 横にいた友人がおもわず、

 「えっっ?うそっ、買うのっっ???」

 と言った。

 お爺さんはそんな失礼を意にも介さず、
 仙人サマをレジに持っていって紙袋に包んだ。

 そして、
 「ときどきフキンで拭いてやってね、そうするとピカピカになるから」
 と言った。 

 こうして、
 仙人サマはワタシのところにやって来られた。


 その日、
 東京に帰る高速道路にて、
 友人が運転するクルマの助手席にすわって、
 紙袋からこの仙人サマを取り出してしみじみ眺めながら、
 まるで、
 催眠術から覚めたような、
 術がとけた、
 みたいな気分になって、

 「オレ、なんでコレ買ったん?」

 と、
 友人に問うた。

 「しらね~よ」

 と、
 友人は笑った。

 お爺さんの術も込み込みで、
 仙人サマを購入したことにまったく後悔はないし、
 いまは気に入っている……。

 ご縁だったんですね。

  Super Black - Deh Wid You (Jammys)
 horse Tonic admiral bailey

 ちなみに、
 その友人は学生時代「アザラシの子供」と呼ばれていた。
 命名したやつのセンス秀逸やとおもった。

180527(2)2.jpg

 というわけで、
 ここんとこ「一世一代見てくれオレの生き様ここにあり」とでも言いたいヘビー級フライがつづいておりましたので、
 今回は、
 スキップスキップランランラン♪夢見るファンシー姉妹フライズでえすキャハ。



180527(3)3.jpg

 このまえ、
 テレビで観てんけど、
 いま、
 ナウなイケてるヤングのあいだで、
 ヴィヴィッドでラブリーな虹色レインボー・カラーなオシャレが最先端ひっぱりだこなんやて?



180527(4)4.jpg

180527(5)5.jpg

 オッチャンなんかなあ、
 もうず~~~~っとまえから、
 こんなんばっかよ~けこしらえてんねんぞ。

 色とりどりのお花たちが今を盛りに咲き乱れる季節、
 晩春の雨上がり、
 大自然のお花畑の天空にかかる虹ってイメージでえすシャランラー♪ from オホーツク地方。

 スイマセンちょっと調子に乗りました。

 ご自愛ください。
 Sanchez - Loneliness

Sir Moses の十戒
180521(1)1.jpg
 やればやるほど、
 あとからあとから色んな課題がでてくるフルドレス・サーモンフライの製作工程のなかで、
 もっとも難しいとおもうのは、
 もうなにをさておき、
 じぶんにとっては幅広なメタルのフラット・ティンセルをビシーッと隙間なく均一に巻くところ。

 一見なんのことはない作業にみえるけど、
 微妙なテーパーをかけたボディを太くすればするほどに、
 その難易度数は飛躍的にアップ。

 が、
 葉巻のように丸々としたボディ全体を、
 金のティンセルでくまなく覆うことができれば……、

 その存在感たるや、
 まるで金の延べ棒のよう。
 
 そしてそのうえに、
 フワッと柔らかな、
 自然の神秘を凝縮したような美しく可憐な小羽根を、
 一枚づつ慈しみながら、
 いくつもいくつも重ねていくと、
 このようなボディが出来あがる。

 たまらんもんがある。

 ああんもう大上段でゴメンねここは自画自賛させてネ。

 そしてそんなボディのうえに、
 でっかいグリーンマコウの肩羽根をドンと据えて、
 白黒マダラ模様が鮮烈なマンダリン・ダックを重ね、
 厳選に厳選を重ねたピンピンの特大コティンガをチークに添えて、
 ドキッとするほど長くて色濃いトッピングとホーンを巻き止めた。

 どれもこれも、
 このときのために大切に保管していた羽根たち。

 完成した姿を一刻も早く見たくて逸る気持ちをグッと抑えながら、
 ことさら慎重に進めてきた作業も、
 とうとう最後の工程となった。

 あとは黒のオストリッチをヘッドに巻いて、
 ウイングの余りのストークをカットしたら完成。

 なんだけど、
 ここで巻く手が止まってしまった。
 
 あんなに「はよ出来あがったところが見たい」と思っていたくせに、
 二日間このままの状態でひたすら眺めた。

 もしどこかやり直すならこれが最後のチャンス。
 ヘッドを巻いてしまうと、
 もう修正できない。
 これでよしとおもえるかどうか、
 何度も自問自答。
 
 そしてなにより、
 完成してしまうのが惜しいとおもった。

 だって、
 これから先、
 そっくりそのままコレと同じフライを巻けるときが来るとは思えないんだもの。

 あえて、
 一世一代のフライと言わせてください。

180521(2)2.jpg
 Sir Moses a.k.a Phoebus

 トラディショナルなフルフェザー・ウイングのサーモンフライのなかでは、
 個人的にフォルムも色調もネーミングも、
 なにもかも別格におもっている、
 チャテラーと並ぶタラハーン・コレクションの傑作。

 サイズはパートリッジのフック8/0よりもひとまわり大きく、
 かつロングシャンク。
 規格外かつ迫力満点の巨大さだ。

 一世一代なんて仰々しい大げさを言ったのは、
 この古典に指定されている激レア希少素材を、
 これから先、
 このサイズとこのクオリティのもので入手できるとは、
 時代的にも世情的にも、
 そして愉しみだからこそ公明正大でありたい自分の心情としても、
 またさらに下世話なことをいえば経済的にも、
 今後もうないだろうとおもうからだ。

 という、
 「いつか期が熟したら…」とずっと大切に仕舞いこんでいた、
 まさにあとがない貴重な素材を惜しげもなくズビズバつかっただけでなく……、

180521(3)3.jpg
 ゴールデンフェザントのトッピングとともに、
 フルドレス・サーモンフライにはぜったいに欠かすことのできない黒いオストリッチ。

 野暮丸出しでオストリッチに失礼なこというけど、
 はっきりゆうて、
 このフライにつかった他の素材からくらべたら、
 入手はきわめて容易かつ、
 どんだけお財布にやさしいことでしょう。 
 桁がひとつふたつ少ないですよ。

 写真のオストリッチにいたっては、
 大昔にお店を閉められたとあるプロショップのオーナーさんが、
 「コレ、もういらないから、たのむから在庫ひきとってくれ」って、
 どっさ~と束にして半ば強引に送りつけてきてくれたなかの一本。
 ぜんぶで何本あったか忘れたけど、
 色とりどりもてあますくらい大量。

 どれくらいの量かというと、
 友人にサンバ踊るお姉ちゃんがいたらプレゼントしたいくらい。
 宝塚歌劇団に寄付しよかとおもったくらい。
 そんなオストリッチの束のなかに紛れていた一本。

 で、
 ちょっと聞いてくれる?
 この一本を、
 15年くらいまえのフルドレス・サーモンフライ・タイイング超シロート駆け出し修行時代に、
 「あ、これ練習用にちょうどいいや」ものすごい軽い気持ちで気楽につかっておったわけです。
 バッツンバッツン切り刻んで無駄つかいしながら……。

 んで!
 バンバン巻いてガンガン練習して、
 片側のいいとこぜんぶつかいきって、
 反対側もガンガンつかって、
 なんだかさびしいかんじになってきて、
 ちょっと惜しいなって気分で、
 「ここらでちょっとほかのオストリッチもつかお」
 ここでようやくほかの黒いオストリッチを引っ張り出してみたところ……、

 当時、
 数十本はあった我が家の黒いオストリッチの仔細を見てみれば、
 ない、
 まったくない、
 ぜんぜんない、
 ないったらない!
 このオストリッチに匹敵するクオリティのやつが……ない。

 こんなのいっくらでもあるとおもっていたのに、
 なんとしてもない。

 「ひょっとしてボク、えらいことしてしもたんとちゃうやろか?」

 無知ほど恐ろしいものはない。

 そしてはじまった、
 理想の黒いオストリッチを探し求める終わりなき旅。

 業者さんが「これ最高品質だから」と自信満々でおっしゃったのも大人買いした。
 たしかにすごく良いお品でした。
 これまで国内外問わず立ち寄ったショップに良さげなのがあれば、
 それも大人買いしました。
 それもたしかにそこそこ良いお品だった。

 きっと、
 なにも知らなければこれらのオストリッチで充分満足していたことでしょう。

 でも、
 知識も経験もほとんど白紙のスタート時点で、
 あろうことか「ぶっちぎりの最高クオリティ」を知ってしまった、
 というのはある意味とっても不幸。

 いまだ、
 最初の第一歩でつかったオストリッチを越えるどころか、
 肩を並べられるクオリティのものには出会えない。

 そんな稀有なオストリッチを、
 そうとは知らずぞんざいにバンバカ使い倒してしまったこの無念。

 この痛恨の想いなんとしよう……。

 深夜、
 このオストリッチのファイバーをそっとつまんで、
 いっぽ~ん、
 にほ~ん、
 さんぼ~ん、
 と女々しく数える切なくも恨めしい夜をいったい何度過ごしたことでしょう。
 無知な自分への怨念ひとしお。
 四谷怪談の番長皿屋敷のお岩さんもドン引きです。

 嗚呼無情、
 あっちゅうまに数えられちゃって、
 もうこんだけしかあらへんがな……。

 と、
 そんなオストリッチを「あまりに惜しくてもうつかえない」と封印してしまったのが、
 忘れもしない12年前のことでございました。

180521(4)4.jpg

 いま、
 封印を解いた。

 な、
 真っ黒やろ?
 ものすごい真っ黒やねん超ブラック。

 で、
 むっちゃ密度こゆいねんワッサワサ。
 しかもオストリッチのフリューにコシが感じられるねん。

 ほんで、
 グルグルっと巻くと、
 濡らしてもないのにフリューが勝手に後方になびいてビッシーッと整然と並んで、
 ビタッと逆三角形の理想形になるねん。

 だもんで、
 特大のコティンガやインディアンクロウやトウキャンの羽根が、
 ただでさえすんごい存在感やのに、
 さらにグワッと立体的に浮き出て迫ってくるように見えるねん。
 しかも、
 金色のボディがひときわビッカーッと引き立つねん。
 まさに相乗効果。

 そんなオストリッチつかうんやから、
 気合の入れ方も尋常やなくて、
 ウイング根元の下に巻き止めたインディアンクロウが、
 ありがちな体裁でウイングに覆われて隠れてしまうのではなく、
 この部分もはっきりくっきり見えるように腐心した。

 たかがオストリッチ、
 されどオストリッチ、
 最高のオストリッチ求めて三千里。

 希少エキゾチック・レア羽根素材探索の旅は、
 じぶんのなかではもう落ち着いた感がある。
 それよりも、
 いま我が家にある羽根たちを随時ぜんぶカタチにしていきたい、
 という焦燥感にも似た気持ち。

 な・ん・だ・け・ど、
 オストリッチ探索の旅はまだ終わってないのです。

 なぜなら、
 クラシック・スタンダードを巻くにせよ、
 フリー・スタイルではじけるにせよ、
 これがないとはじまらないからだ。

180521(5)5.jpg

 と、
 このオストリッチをバッサバサ気楽にカットしていたあのころ、
 フルドレス・タイイングにハマッたばかりのころ、
 まさかこんなのが自分でも作れるなんて夢にも思わんかった。
 
 そしてその緊張感や達成感を、
 ぞんぶんに愉しんだ。

 ドリームズ・カム・トゥルー。

 ボディ末端からヘッドの先っちょまで、
 深く満足。

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 グリーンマコウのメインウイングにのせた、
 マンダリンの黒いバーがあまりに鮮やかで鮮烈で、
 脳がクラックラする。

 見つめていると吸い込まれていきそうブラックホールみたい。

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 今年の早春から晩春にかけて、
 ずっとやりたかったことが存分にやりまくれて、
 ほんとに満たされ充実していた。
 いつも気持ちのどこかが高揚しているようだった。

 と、
 そんなおり、
 南国土佐からいつもの嬉しい春の便りが届きました。

 そろそろ、
 アドレナリンどばどばの引きこもりから気分をかえて、
 バカ長履いて、
 お外にでかけて、
 こんどは水辺でアドレナリンぶっぱなしたいところです。

 ひさびさの晴天に、
 釣りごころ疼き気持ちが逸る本日でした。

 これから風呂入ってニシン焼いてトマト食ってリールに新しいフライライン巻いて、
 そんでもって黒いオストリッチをふんだんにボディに巻いたでっかいヘビーウエイト・ニンフ巻くで~。

 なんちゅうても、
 諸事情により黒のオストリッチの大中小いずれも在庫ハンパないので使い放題です。
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