BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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当ブログ720回更新記念「ジョックスコット・ナイン」
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 まえにも書いたかもしれないけど、
 これまで当ブログでとりあげたフルドレス・サーモンフライのなかでブッチギリの登場回数なのがジョックスコットだ。
 ほぼ毎年なんらかのカタチでかならずとりあげているはず。
 
 にもかかわらず、
 好みに合わないとかそういうんじゃなくて、
 ましてやキライだとかそういうのでもなくて、
 ぶっちゃけた話し駆け出し時代のころジョックスコットにはそれほどの想い入れはなかった。 

 もちろん、
 このフライの歴史的な背景やその意義などをおもえば、
 フルドレス・サーモンフライのみならずウエットフライ全般を語るうえで、
 けして欠くことのできない最重要フライであることは、
 こんな仕事をしているのだから充分に理解しているつもりだ。

 だけど、
 個人的に好きで挑戦したいパターンはほかにいくらでもある。

 ではなぜ、
 これほどまでにジョックスコットを巻き倒してきたのかというと、
 単純に多くのお客様にありがたいご注文をいただいたから。
 仕事としてたくさんのジョックスコットを巻きつづけることになった。

 そのうえで自分の心底からの実感としてあらためて言いたい。
 いや、
 確信として言い切りたい。

 ジョックスコットにはじまりジョックスコットにおわる。

 巻くたびごとに「学び」があり「発見」がある。
 そしてそれは、
 知らず知らず長い時間をかけて自分のなかで育んだ糧として、
 まるで進化の過程のように多方向に枝分かれしてひろがり、
 その枝の先端はいまもなお成長を止めていない。
 それが、
 どこまで伸びつづけていくのか、
 その先はじぶんにもわからない。


 もしこの世界を趣味のなかだけで留めていれば、
 じぶんはこれほどまでにジョックスコットを巻くことはなかったはず。
 それよりもなによりも、
 「万事に通じる」この真理に気づくこともなかった。

 感謝の念ひとしお。
 そりゃあ謙虚なきもちになりますよ。
 


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 トラディショナルなオリジナル・ジョックスコット。



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 モダン・アレンジなミックスド・マリッドウイング・ジョックスコット。


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 ヒグマの金毛に赤青黄色のポーラーベアーをブレンドした私的ヘアウイング・ジョックスコット。


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 ホワイトティップ・ターキーをメインウイングに、
 赤青黄色とスペックルド・バスタードをあしらった私的ジョックスコットのディーウイング・スタイル。


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 転じてフロリカン・バスタードをメインウイングに据えた私的ジョックスコットのディーウイング・スタイル。


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 ブラック・ヘロンをハックリングした「Jock O’ Dee」オリジナル・スタイル。
 スペイフライのジョックスコット・ヴァリエイションとなるトラディショナル・パターンのひとつ。


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 コック・デ・レオンのシェラッペンをハックリングして、
 ブロンズマラードのしたにピーコック・スゥオードを数本忍ばせた私的ジョック風スペイ・スタイル。


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 銀メッキのフックにちょこんと巻いたロー・ウォーター・スタイルなジョック風ウエットフライ。


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 ハンプバック・マリッドウイングな私的フリースタイル・ジョックスコット風。




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 はばたけ想像力あふれろ創造力



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 We are JOCK SCOTT NINE !

透かし見る悦楽 Green Highlander & Golden Fleece
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 ひさびさにトラディショナルなフルドレス・サーモンフライから、
 まずはグリーンハイランダー。

 1900年代初頭のプライス・タナットのヴァージョンで巻いた。
 ちなみにスレッドに塗布したワックスは、
 以前にも自慢したタナット名義のタイイングボックスにはいっていたワックス。

 100年あまりの時を経て、
 ここジパングにてどこの誰とも知れんアウトロウなタイヤーにつかわれるとは、
 タナット御大よもや想像もしなかったでありましょう。

 もちろんワタシも、
 そんな歴史を紡ぐ一品を引き継いでこんなの巻ける日がくるとは、
 このようなフライに挑戦し始めたころは思いもしなかった。

 まことにもって縁は異なもの味なもの。

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 一見するといたってスタンダードな作りなんだけど……、

 もはやスレッスレのひねくれ気まぐれヒトサマと同じはぜったいイヤ・タイヤーのワイが、
 たとえトラディショナルであろうともまともに巻くわけないやんけ~。

 というわけで、
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 こっち側サイドは見慣れたフツ~の作り。

 なんだけど……、
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 こっち側サイドはひと手間ふた手間の細工しまくり。

 まず、
 メインウイングをドサッとのせて巻き止めて、
 そのあと、
 ウッドダックとティールのサイドウイングを巻き止めて、
 ルーフとなるブロンズマラードをウイングのてっぺんにのせるわけですが、

 そのとき、
 これらのパーツをたんに巻き止めるだけではなく、
 限界ギリギリまでンギーッとスレッドを絞って、
 ものすごいプレッシャーかけて巻き止める。

 これ以上キツク巻くとファイバーが割れたりバラけたりする寸前までギーーーッと絞る。

 すると、
 当然これらのカモの羽根ファイバーがフワ~ッと開いてくる。

 で、
 それをやねえ、
 ちょっとした小道具つかって、
 もうこれ以上ないくらいのフェザータッチでやさし~くやさし~く何度も撫でる。

 ここでちょっとでもチカラ入れたりリズム狂ったりすると、
 ファイバーがパカッと割れちゃう。
 そうなるとなし崩し的にファイバーぜんぶバラッバラになるけど、
 けしてイライラせず何度もやり直して……、

 うまくいくと、
 フワッとファイバーが開いた状態のまま、
 メインウイングにヒタ~ッと馴染んでくっつくように納まる。

 すると!
 ルーフやサイドウイングの下から、
 各色をマリッドしたメインウイングが、
 なんともいえず妖艶なかんじで透け見えちゃう。

 しかも、
 ブロンズマラードの艶チョコレート色やウッドダックの鮮明な白黒とマダラが、
 まるでとろけるようになって下地のビビッドカラーを映し出している。

 も~エッチなんだからあ。

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 と、
 そんなアダルトな透けチラ・グリーンハイランダーとともに、
 スケスケ・モダンフルドレス・サーモンフライの名作中の名作「ゴールデン・フリース」を並べてみたくて……、

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 ゴールデンフェザントのトッピングを6本、
 フワ~ッとやわらか~く曲線を描きながら膨らませるように広げてウイングに巻き止めた。

 これ、
 当初はトッピング9本つかってブワ~ッと迫力のあるウイングに巻いたんだけど、
 その状態で一晩おいて、
 翌朝またじっくり眺めて、
 エイッと決心してほどいて最初からウイング巻き直して、
 ウイングの根元と中間とトップから3本のトッピングを間引いて、
 あえて薄めのトッピング・ウイングにした。

 9本ドバッと巻き止めたのもすごくいいんだけど、
 それだとなんかここで求めたものとイメージがちがう。
 スケスケな可憐さよりも厚みのある迫力のほうが勝ってしまう。

 そうではなく、
 ここで巻きたかったのは、
 グリーンハイランダーの透け具合に調和するような楚々とした透明感。

 まるで金色の薄い羽衣をまとって天空を舞う裸身の天女のような…清楚で品のあるスケベがワシたまらんすっきゃねん。

 そんなわけで、
 6本のトッピングのファイバーがあくまでも自然にひろがっている状態で、
 各トッピングのファイバー先端の赤みがより映えてみえるかんじで仕上げてみた。

 ウイングを通して向こう側が透け見えです。

 で、
 そんなスケスケトッピングのウイングうえに紅いマコウのホーンを生やしたわけですが、
 通常こうしたトッピング系のフライだと、
 どうしてもホーンがウイングのうえにしなだれかかって寝そべってしまうんだけど、
 そうではなくて、
 ウイングとおなじ曲線を描きながら、
 ウイングに乗るようにくっつくのではなく、
 ウイングのうえに微かにフワッと浮いている状態を維持できるように巻いてみた。

 むしろ、
 トッピングの金色透けウイングはこの紅色オウムの触角を鮮烈に魅せるための土台だ。

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 と、
 トッピングをつかったウイングとスロートはこのようにフワ~ッとうす~く巻いたけれど、
 明るい橙色のボディにまとわりついているトウキャンの小羽根は、
 ボディ末端からヘッドのぎりぎりまでを包み込むように、
 これでもかと何枚も厚く重ねて巻き止めた。

 それでもこの透明感というか透け具合。
 トウキャンの首の羽根はほんとに神秘だ。
 一枚だけだと空気のなかに消えてしまいそうなほどに存在感が希薄な羽根。

 そんな羽根が、
 ボディ全体をフワッと覆いながら、
 まるで呼吸しているかのようにふくらんでいる。

 えらそうに語っちゃってごめんね、
 自己満足に浸らせてね。

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 題して「フワッと透けてるオトナの色香」

 
TRINITY Red, Green & Gold
 もうだいぶまえの話、
 細部の記憶はもはや曖昧なんだけど、
 すごく心に残っている。

 とあるラジオ番組に谷村新司さんがゲスト出演していて、
 谷村さんの昔からの大ファンだというリスナーの方からの手紙がとりあげられた。
 いわく、
 「私は谷村新司さんが創られた、あの歌がとても好きです。
 若いころからその歌にどれほど励まされ、また勇気づけられてきたことでしょうか。
 私はこの歌の歌詞の内容を、私なりにこのように解釈して、
 こんな物語を夢想しながら、それをじぶんの人生に重ね合わせつつ、
 いまも変わらず愛聴いたしております。
 そこで谷村さんにご質問です。
 私のこの歌の解釈は正しいですか?それとも間違っていますか?」

 というような質問だったはず。

 そして谷村新司さんいわく、

 「まず素晴らしいお便りをありがとうございます。
 あの歌の歌詞には、もちろん私自身の当時の体験とその想いが投影されています。
 しかしそれは、リスナーさんが語ってくださった解釈とはまったくちがいます。
 でも、だからといって、それが誤りであるかというと、そうではないのです。
 良い歌というものは、多くの方々の耳に触れたとき、
 それぞれの方が、各自それぞれの想いや感性でその歌に共感し、
 それぞれの人生や生き方を重ね合わせることで、
 その歌は作者の手を離れて独り歩きしていくものだとおもいます。
 なので、作者がその歌の歌詞を書いたときの想いや背景と異なっていても、それはそれでまったくかまわないのです。
 むしろ、だからこそ尊いのです。
 つまり、どの解釈が正しいとか間違いとか、そういうことではなく、
 いうなれば音楽というものは、
 その曲に感動したそれぞれの方々がそれぞれにイメージした「美しい誤解」によってこそ、
 輝きを増すのではないでしょうか」

 というようなお話を、
 あのジェントルなドスケベエ・ヴォイスで訥々と語られて……、

 中学生のころ、
 谷村新司さんのエッチなラジオ深夜放送を夢中で聴きながら、
 「性の芽生え」を迎えた世代としては、
 格別の感ありだった。



 
 そして嗚呼グレゴリー・アイザックス、
 このアルバムをはじめて聴いたのはじぶんが浪人生だったころだ。
 もはや、
 30年以上もの月日が流れてしまった。

 にもかかわらず、
 いまだその輝きは失せず、
 というよりも、
 そのまばゆい光は今だからこそますます美しいものとして私の琴線にとどく。

 ホンマ、
 齢50を超えて世の中ナナメにしか見れなくなったオッサンの純情を、
 まるで恋する乙女のように胸焦がしてくれちゃって、
 どないしてくれるねんゆう話しやで。

 それくらい、
 前回とりあげたユーチューブの81年BBCラジオ・ライブレコーディングは衝撃的だった。
 はたしてあの録音はレコードとして発売されていたのだろうか?
 情報を切に望む。
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 アレ若さま、キンケイの頭髪にちいさな虫がたかっておりまする……




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 案ずることはない、羽化寸前のオオマダラカゲロウじゃ……

 黒ずんでパンパンに膨らんだウイングケースは、
 キンケイの首羽根をハサミでV字に切って巻き止めたのじゃ。

 脚が一本ちぎれちゃったのはご愛敬じゃ。


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 「その時」がいつやってくるかはわからない。
 どのようなキッカケでそうなるかもわからない。
 めったにあることではない。

 天空に舞い上がっていくような創作意欲に突き動かされて、
 まるで自分ではないなにかが自分に憑依したかのような集中力で、
 他者の評価や、
 自己顕示欲や、
 見栄やハッタリの俗とはほど遠い高みにのぼって、
 ひたすら自己満足のためだけに、
 そのとき本当に自分が創作したいものに没頭できるあの時間の濃密な至福には、
 「まさにこのときのために生きている」と仰々しく言いたい醍醐味がある。

 そんな蜜の時間に浸りながら巻いた私的フリースタイルな3本。

 突き詰めれば突き詰めるほどに、
 フルドレス・サーモンフライというものはゴールデン・フェザント(キンケイ)のトッピングを映えて魅せるための土台ではないか、
 という僭越かつ生意気な持論をカタチにして表現したかった3本。
 
 フライそれぞれに巻いた年代が異なっており、
 くしくも自分のサーモンフライ・タイイングの足跡の一端をたどる3本にもなった。

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 エメラルド・パイレーツ
 函館に越してきてすぐに巻いたものだから、
 じつに9年前のフライ。

 鮮やかな緑色に輝くヒマラヤ・モナル・フェザントのネック・フェザーを整列させたボディのうえに、
 おなじくモナル・フェザントのクレスト・フェザーを左右合計3ペア、
 ブワッとひろげたトッピングに並べた。

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 さまざまな色が細かく重なったシルクボディは、
 はるかヒマラヤ信仰の象徴でもある「祈りの布」にインスパイヤされた。

 ちなみにこのシルクボディ製法は、
 もう10年以上もまえに思いついて、
 当時喜び勇んで巻き倒していたスタイル。

 ここ数年はおもうところもあって封印していたけれど、
 つい最近になってコレをまたさらに進化前進させたのをおもいついて、
 キャッキャとよろこんで調子に乗っている。

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 ファイヤー・バード

 一昨年のじぶんのフルドレス・タイイングを象徴する一本。

 血のような真紅に染められたキンケイのクレスト・フェザーを計8本、
 ウイングとしてひろげた。

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 で、
 そこに深い紫色に輝くリッフル・バードの首羽根を一輪。

 眺めていると、
 まるでブラックホールのようにこの紫色に吸いこまれていくよう。
 パプア・ニューギニアの至宝の羽根。

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 ゴールデン・パーソン・ヴァリエイション
 昨年のちょうどいまごろに巻いたもの。

 ぶっとい金の延べ棒のうえにキンケイの羽根を飾ったら、
 きっとすごく愉しいだろうナきれいだろうナ、
 という単純明快な思いつきとそれを具現化していく作業の時間は、
 スレッスレのオッサンを無垢の子供時代にタイムスリップさせてくれたのでございました。

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 と、
 そんな自分にとってこそスペシャルなフライたちをとっておきの額におさめて、
 昨年の忍野の美術館でのイベントにて展示させていただいたのだった。
 で、
 こんどはそれを来たる新居お引っ越しの記念に、
 我が家の一番良い場所に飾って毎日眺めようとおもっていたわけです。

 仕事柄、
 じぶんが巻いたフライはどんなものでも、
 もし購入してくださる方がおられれば、
 もうなんでもかんでも喜んで!
 という態勢で待ち構えている。
 けれど、
 これだけは自分の手元に置いておこうと、
 なにせ自分が世界で一番好きな羽根のひとつを題材にした、
 あるいみ自分の歴史でもあるわけだから。
 
 そのようにかんがえておったわけですが……、
 「これは販売しませんから」などと偉そうに公言もしておったわけですが、

 にもかかわらず、

 先日、
 忍野でのイベントでこのフライたちを見てくださった方がご連絡をくださって、
 とても気に入ったので購入を検討しておりますがどうでしょうか?との旨、

 「ありがとうございます。ぜひよろしくおねがいします!!」
 もうねえ、
 即答です。

 ひたすら自己満足で、
 他者の目などなにもかんがえず、
 じぶんの技量と想いのたけを精一杯ぶつけた、
 あまりにも個人的なフライたちを、
 その方の感性で解釈して気に入っていただいて、
 手元に置きたいとおもっていただけるなんて……、

 その奇跡にもおもえる光栄と、
 はてしない喜びのまえでは、
 じぶんのために巻いたじぶんが愉しむためのどうのこうの…なんていうちゃっちい感慨など、
 一瞬にして霧散してしまいました。

 そんなわけで、
 自分の感性を愉しんでくださって、
 それを愛でていただける方がいてくださるという、
 えもいわれぬシアワセに浸っている今日この頃です。

 昨年から事情があって気ぜわしく、
 時間的にも気分的にも、
 なかなか釣り竿片手に水辺にも立てず、
 ともすれば腐りきってしまいそうな沈殿した気分を持て余す日々。

 あともうちょっとだけ、
 このような状態がつづくかとおもわれますが、
 これで耐えられそうです乗り越えられそうです。

 天下一の果報者。

 しつこいようですが、
 本当にありがとうございました。
 
 
アーガス・セレナーデ
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 レオン雄のコンプリートウイングのセカンダリークイルの根元に生えている、
 ウイングカバー部分を水に濡らして半裂きにしてセパレーター処理したものをボディハックルに巻いた小型ディーウイング。

 つかったフックはTMC202SP の6番。

 バリッというかブルンッというか、
 ハリとコシのある適度な長さのファイバーで、
 タイガーヘロンもかくやの鮮明な霜降りマダラ模様。

 なんちゅうか、
 一歩先行くモダン・ハックル的未来感?


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 そしてジュラシックな妖鳥アーガス・フェザントのセカンダリークイル。
 

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 かつて、
 私の家にはアーガス丸ごと一羽分のセカンダリークイルがありました。
 というか、
 一羽丸ごとおりました。
 それはそれは壮観だった。
 圧倒的でした。
 「こんなん一生かかっても使い切れへんなあ」
 とつくづくおもっていた。
 
 が、
 お世話になった友人にセカンダリーを一組進呈したほかは門外不出。
 後生大事にがっつり抱えておりました。

 そしてあれからもう早10年あまりの時が流れ……、

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 バッツンバッツンてかんじでザクザク切っていると、
 やっぱなくなるんですねアーガスといえども。

 気がついてみれば確実に、
 終わりが見えてきた在庫量。

 が、
 自分のフライタイイングにおいて、
 この羽根との出会いがなければ……、
 くらいに感謝したい勢いで後悔はまったくないんですよ。

 でもヤッパこれからはチョビット計画的にネ。


  
JOCK SCOTT に捧げる愛のポエム
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 トラディショナル・ジョックスコット#7/0

 いまさらながらハタと気がついたのですが、
 意識していたわけでも意図的でもなく、
 フライのジャンル問わず当ブログにおいてブッチギリ最多登場しているのは、
 期せずしてこのジョックスコットだったというのが、
 我ながらなんとも感慨深いです。

 おもえば、
 フルドレス・サーモンフライのタイイングに本腰入れて取り組みだしたのが、
 このブログをはじめたのと同時期。

 んで、
 その当初からなんだかんだ毎年ジョックスコット巻いては掲載しているはず。
 ということは、
 それらのジョックスコットを年代ごとに並べれば、
 それはそのまんま「ミツグのフルドレス修練日記」になるわけで……。

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 ただキレイに巻きたい…と渇望してひた走っていた道からは、
 いつのころからか知らず知らずおおきくそれて、
 気分のおもむくままにたくさんの曲がり角をまがってダラダラと寄り道をこそ愉しみながら、
 そして得たひとつのゆるぎない結論。

 「なんであれ自分らしく巻きたい」

 なんだかんだゆうて、
 興味と目的のすべてはここにこそ集約されるわけで……。

 ということは、
 終着点もしくは着地点あるいはゴールなど、
 いわゆる到達の域というのはもはや意味がなくなってしまったわけで……。

 父さん、
 ミツグはいまだ迷宮です。

 From 羽根の国から

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 みんな見て見て~、
 今回のジョックスコットは、
 ウイング素材もスロートも、
 ぜ~んぶヘッドぎりぎりのとこに一点集中でピンスポットのまったく同じ位置に縛りつけてみた。
 スレッド4~5回転数ミリ幅が土俵ですキャハ。

 そして、
 幾多の素材を巻き止めたヘッドのところは、
 なにか金物のキャップをパカッと嵌めたみたいな、
 円盤型のコーティングヘッド。

 このように巻くことで、
 スロートハックルが一糸乱れず、
 フライの喉元ギリギリからスパーンと鋭角的に整然と並んで生えている、
 というのが今回のジョックスコットに掲げたテーマのひとつ。

 で、
 そんなギニア・フォウルをつかったスロートハックルは、
 通常みんながつかっているギニアの背中のところの霜降りの羽根じゃなくて、
 あえて翼の下にはえているシンプルな白黒スポット模様の羽根をつかう、
 というへそ曲がりっぷりだ。

 とうそぶきつつ、
 とくに肩肘張ってこだわっているわけでもなく、
 この部分の羽根をハックリングしたときの鮮明なモノトーン・ゼブラ模様チョ~いかしてんじゃん、
 というのが、
 ボディとスロートハックルの造作がものごっつ「フライのかなめ」に映るワタシの今の気分。

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 本来、
 ボディ・ヴェイリング素材のオリジナル指定は「トウキャン」の胸の羽根。
 
 これはまえにもきっと書いてるとおもうけど、
 個人的にこのパーツにはゴールデンフェザントの頭のうなじのところに数本生えている、
 短くて幅の広いクレストフェザー……その形状を指してスプーンフェザーと呼ばれている小羽根をメチャクチャ気に入っている。

 この羽根はもともとトウキャンの代用品としてつかわれていた素材。
 なんだけど、
 ぶっちゃけたこというけど、
 トウキャンの消え入るようなバター色をしたフワフワのファイバーをつかったボディ・ヴェイリング、
 まるでハワイアンの腰蓑みたいな健康的お色気もそりゃ~たまらん。

 ねんけど、
 スプーンフェザーの金黄色にギラッと反射しながらゆるやかな曲線をえがきつつ、
 スッケスケに透けてるピッチピチのタイトスカートばりのシャープなボディコン的妖艶さにワシたまらんくらいグッとするねん。

 この素材に関しては、
 もはやトウキャンの代用品などとはまったくおもっておりません。
 最高のエキゾチック・フェザー・マテリアルのひとつ。

 あと、
 これも私見なんだけど、
 この素材をボディ・ヴェイリングにつかったジョックスコットを額装して照明をあてると、
 この部分がトッピングやテイルと絶妙に調和しながら光を反射して、
 まるでフライが後光に包まれているかのようにより映えて見えるところも素晴らしいとおもう。

 と、
 そんな魅惑の小羽根をやねえ、
 タグの末端からギュ~ンと急テーパーをかけた存在感ムンムンの特製極太つるっつるシルク艶ボディのうえに、
 フワ~ッとかぶせるわけですよ……いや~んもう自画自賛。

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 とかなんとかマニアック・トーク全開ですが、

 そんなメチャメチャ好きです~とか、
 マイ・モ~スト・フェイヴァリットですう~とか、
 そんなふうには全然おもってもないっていうか、
 あくまでもほかのトラディショナル・クラシックと並んでどれもこれも大好きです、
 という位置づけのジョックスコットなんですけれど、

 これまで、
 こんなにたくさん掲載しているのに、
 毎回毎回飽きもせず、
 これでもかといわんばかりにこのフライに関して妙に饒舌なワ・タ・シ。

 これって、
 もしかしてホンモノの恋?……なんですか?
 
 この冬もまだまだジョックスコット巻くで~あ~だこ~だと自己満足炸裂の能書きつけながら。
 また見てネ。

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