FC2ブログ
BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
201901<<12345678910111213141516171819202122232425262728>>201903
Fanwing Royal Coachman etc
190207 (1)1
 ファンウイング・ロイヤルコーチマン

 クイルゴードンやヘンドリクソンといったブルーダンなカゲロウ・カラーな路線とは、
 またちょっと異なる表情のファンシー・キャッツキル・ドライフライを象徴する一本ですね。
 
 二対対称で垂直に立てた小羽根のウイングはオシドリの白い胸羽根。
 ファイバーは幅広く、
 ストークが曲線を描くように湾曲している。
 そのような風圧計さながらの形状のものがプロペラ状に突き立っているという構造。
 ティッペットに結んで軽くひと振りしただけで、
 すさまじい空気抵抗を受けて竹トンボのように空中回転するでありましょう。

 現在の釣りイト事情からふり返れば、
 まるでタコ糸の太さのハリガネのように見えるだろうガットリーダーと、
 風を切るシルクライン、
 胴調子の長くて重い竹竿、
 という道具の時代だからどうにかつかえたフライ。
 その時代でさえ、
 「このフライ投げると回る」のが難として挙げられていた。

 にもかかわらず、
 この時代にこのフライが一世を風靡したのは、
 なんといっても「どこに投げても白い大きなウイングがよく見えたから」

 「ダン色のクイルゴードンはカゲロウそっくりだけど……、
 水面に浮かぶとさっぱり見えんのじゃ」

 それよりも高い視認性、
 安心感をもたらす視認性、
 いつの世も、
 ドライフライに求められる命題のひとつ……ですね。
 
190207 (2)2

190207 (3)3

 可憐なんだよね、
 ロイヤルファミリーのなかでもとくに。

 クルンッて反り返っているウイングの曲線が萌えポイント。

 ロイヤルファミリーはドライもウエットもぜんぶ、
 基本ショートシャンクのフックに巻くのがオツで好み、
 なんですけれど、
 ファンウイングだけは断然ロングシャンクが気分なのが、
 フライのちょっとしたビミョーなところ。

 ヘビーワイヤのロングシャンクの8番と10番。
 2Xフロロでダヨ~ンと投げてどうにかいけるかんじ。

 ま、
 そのようなハンデも愉しみのうち、
 なんつって。

190207 (4)4

190207 (5)5

 イリジスティブル風というか、
 ハリー・ダービーのラットフェイス・マクドゥガル風の、
 フレアさせたディアヘアを刈り込んでボディを成形したファンウイング・スタイル。

 エゾジカの濃いダン色のヘアーと、
 淡い小麦色のヘアーを交互にフレアさせて刈り込んで、
 ボディの縞々感を表現してみた。

 ディアヘアーを剃刀で削ぎ切るサクサクサクーッとくるカイカンが久々で新鮮で、
190207 (6)6
 おおいに興が乗ってがっつりフレアさせて……、

 













190207 (7)7

 え?なんで?

 と思ってくださった方がおられたらウレシイな。

 セミでも刈るのか、
 はたまたバスバグか?

 とおもっていたら……、

 まるで、
 メンチカツや~おもって一口食ったらアジフライやったやんけ~、
 おいしいからそのまま食うけど腑におちんやんけ~、
 みたいな。

190207 (8)8

 フレアさせたディアヘアーを刈り込んでいくと、
 ヘアーの色調の濃淡が模様のように浮き出てくるのが、
 ちょっとおもしろいな~とおもって。
 
 
 
小春日和な冬の日に脈絡なくタイイングデモ的なことを語ってみるアンニュイな午後のひととき
181203(4)4.jpg
 
181203(6)6.jpg

181203(5)5.jpg

 濃淡シマシマ模様な「蚊」を表現したスタンダード・ドライフライ「モスキート」と、
 ウォルト・デットのモンカゲ・スピナーを模したドライフライ「コッフィン・フライ」を、
 足して2で割らないでブラッシーでスモーキーなダン色ハックリングで半透明かつ渋め色味を効かせて、
 どことなく「クイルゴードン」風のクイルボディでもあるけれど、
 そのじつポップでミルキーなダンダラ模様ボディのきつめテーパーはライトケイヒルやグレイフォックス的。
 で、
 バンチウイングにつかったティール・ダックのフランクフェザーの鮮烈シマウマ・ゼブラ模様が、
 ハックルの繊細で枯れた味わいの渋い色調イメージをすっかり台無しにしているヤンチャな存在感。

 そんな、
 私家版キャッツキル・ドライフライの作例。

 というわけで、
 毎年冬のオフシーズンになるとはじまるタイイングデモ講習では、
 いつもクッソエラそうにわかったような能書きとか垂れ流しながら、
 あれこれフライを巻く様子をはばかりもなくご披露させていただくわけですが、
 そのときに巻いたフライはもちろんぜんぶ、
 ご参加してくださった方々にプレゼントというか、
 ジャンケンとかで勝ったモン順で好きなのをお土産にしていただいている。

 なんだけど、
 せっかく参加してくださったのに、
 それだけじゃなんかちょっとさびしい気がして、
 いつのころからか、
 シーズン中につかったフライをつめこんだボックスをいくつか、
 そっくりそのままつかったまんま丸ごと持参して、
 そのなかから気に入ったのや参考になりそうなのを何本かプレゼントさせてもらってる。

  皆さん、
 ワーワーゆうてフライボックスのなか覗きこんでマジ目線で選んで摘まんでいきはる。
 いつも、
 その日いちばんの盛りあがりになる。

 でもねえ、
 テメーのフライボックスを全面開放しちゃうって、
 ぶっちゃけ、
 じぶんにとっては「もうどうにでもな~れ~」完全開き直りの心境です。

 はっきりゆうて、
 これほどコッパズカシイものはありません。

 なんちゅうてもスッピンもスッピン、
 隠し事いっさいなし。

 フライボックスって、
 考えてみれば我々フライフイッシャメンズ&ギャルズにとって、
 そのひとの釣りの嗜好と傾向のみならず、
 性格や生活、
 さらに人間性まで、
 なによりも正直に映し出す鏡のようなもの。

 といいつつ、
 シーズンが終わったこの季節のワイのフライボックスはいつも、
 もはやグッチャグチャしっちゃかめっちゃかのカオス状態。

 ほとんどのフライにはティペットの切れ端が結ばれたまんま。
 ガンガン使い倒されてサカナの歯や障害物に擦り切れボロボロ、
 手入れもされずボックスのなかに無造作に詰め込まれたフライはクッチャクチャ。

 はっきりゆうて、
 シーズンが終わっても、
 こぎれいなフライが一糸乱れずズラ~ッと整然と整理されて並んでるフライボックスなんか、
 ワタシ釣り行ってませんてゆうてるようなもんやんけ、
 これがホンマモンの「リアル」っちゅうもんやで、
 などとうそぶきつつ……、

 なんだけど、
 もしじぶんが逆の立場なら、
 クッソエラそうな能書きとお手並みを長々拝聴拝見したあとに、
 スッピンのとこ見せてもらえたら、
 より「リアル」で、
 ナマナマしく、
 赤裸々なかんじで、
 釣り気分タイイング気分はグッともりあがりイメージはパンパンに膨らむだろうなと、
 そのようにおもうのです。

 有益かつ実用的なタイイング情報や最新テクニックを学び知ることも大事やけど、
 なんちゅうかこう、
 クワ~ッと釣り気分やタイイング気分が盛りあがって、
 これからの長い冬のオフシーズン、
 夜な夜な熱く、
 そして愉しく過ごせるような、
 そんな「気分」もまた持って帰ってもらえたら、
 タイイングデモ冥利に尽きるってもんです。

 そ・し・て・
 これは自分話しですけど、
 タイイングデモが終わって自宅に帰宅するやん、
 そんで、
 もっていった荷物とか道具とか開くやん、
 そのとき、
 おそるおそ~る、
 スッカスカになったフライボックスをそ~っと開くわけですよ、
 恐いもの見たさなかんじで。

 皆さん、
 どんなフライを選んで摘まんでいきはったんやろか?
 なんつって……。

 これ、
 ワタシにとっては、
 フライを巻いたじぶんにしかわからないけど、
 いろんな釣り人の方々のフライの嗜好ってところで、
 ものすごいリアルでナマで雄弁な、
 なによりも得難く貴重な情報源でもあり、
 また「やる気」とモチベーション維持の源にもなっております。

181203(2)2.jpg

 今年のシーズンはじめから初夏のころにかけて、
 熱烈マイブームだったラバーレッグなフォーム系フライのひとつ。

 濃緑色の苔のようなボディ末端は、
 ピーコックハールをフォーム材に貼り付けるようにして植え付けた。
 さらに、
 レオンのウイングもラバーレッグもフォーム材に巻き止めるのではなく直接植え込んだ。

 名づけて「盆栽スタイル」
 巻いたというよりも、
 素材を植栽した夏型ハルゼミ?の爆裂4番サイズ。

 このフライも、
 特大ボックスのなかにボロッボロに疲れ果てたようなのが2本残っていたはずですが、
 あとで確認したところ、
 先日のデモにご参加くださった方のお宅にもらわれていっておりました。

 ありがとうございました。

181203(1)1.jpg

 そして、
 ことしの初夏のころまでは、
 このようなチェルノブイリ・アント系のミュータントでアバンギャルドなフォームの蟲作りが、
 たしかに破竹の勢いで熱いマイブームだった。

 そのころの当ブログでも何度か、
 そんなような話しもしました。

 にもかかわらず、
 先週おこなわれたタイイングデモにおきましては、
 フォームのフォの字もでてこず、
 ひたすらハックルばっかりいじくって、
 ピーコックハールがものすごい勢いでネジネジ捩られておりました。

 181119(3)3.jpg

 いままた、
 天然羽根素材が旬。

 ハックルにタックル。

 などとワケわからんことをいいつつ、
 次回のタイイングデモでは、
 シレ~ッとまったくちがうことを熱く語るかもしれません。

 それは自分にもまったくわかりません。

 すべては、
 じぶんのそのときの「釣り気分タイイング気分」に導かれるままに……。

 先週のタイイングデモにご参加くださった皆さん、
 ほんとにありがとうございました。

 そしてこの冬、
 これからのタイイングデモに参加してくださる皆さん、
 どうぞよろしくお願いいたします。


 
レッドタグ
 当地オホーツク地方の4月からゴールデンウィークころにかけて、 
 冬のあいだふりつもっていた雪がすこしづつ溶けて、
 ようやく春の兆しが……、
 という今シーズンのはじめ。

 所用を兼ねて、
 まるで里帰りのような気分ででかけた函館にて、
 いつもの吉田さんといっしょに、
 道南の小渓流でニンフをつかってイワナを釣ったりした。
 はたまた、
 我が家のご近所の木村さんと連れだって、
 カンジキを履いてまだ雪に埋もれた釣り場に偵察に出かけたりもした。

 そうやって、
 早春のころも、
 ちょこちょこたま~に釣りには出かけていた。

 けれど、
 それはどちらかというと「サカナが釣りたくて」というよりは、
 たまにはお外に出かけて気分転換、
 気心の知れた友人と「ペチャクチャしゃべりたくて」というかんじ。

 そうこうするうちに春になって、
 近所の川が雪代水で溢れる直前、
 シーズン最初のチャンスとなる季節の到来。
 にもかかわらず、
 さして釣り気分はうずくこともなく、
 ず~っと家にこもって、
 ひたすらフルドレス・サーモンフライの製作に没頭していた。

 おかげで、
 何日もかけてようやく一本完成、
 というようなエグイのがズラッと机のうえに並んで壮観。
 満足だった。
 そのうちの何本かは、
 額装してオーダーをくださった方の元にお嫁入りした。
 どんなにかありがたかった。
 ますます創作意欲が高まり、
 製作にもさらに熱がこもった。
 
 今年は釣りよりも、
 いっそ修行のような気分でコッチに集中しよう、
 という気分だった。

 この時点までは……、

181114 (4)4

 もはや春というより晩春のころ、
 ことしの5月終わりの週に釣りあげた、
 じぶんの釣り気分的に今シーズンの初物。

 ネットのフレームでザクッと計って50センチにすこし足りないニジマス。
 まだまだ痩せているサカナが目立つこの季節にしては珍しく、
 すでにもうはち切れんばかりに丸々太ったムチムチプリンの豊満なメス。

 すこぶるベッピンさん。
 
 文句なしにモロ好み。
 すごくタイプ。

181114 (5)5

 こんな浅場にいた。
 いつもならバシャバシャ水飛沫を蹴散らして素通りしてしまうようなチャラ瀬。

 川通しに下流からここまで釣り歩いてきて、
 なんとな~く気配を感じたので、
 枯れ草のバンク際を注視しながらソ~ッと静かに歩いていたら、
 ほんとにいたので逆にビックリした。

 岸際のエグレにぴったり寄り添って川底に定位していた。
 そして、
 ひんぱんにスッとうごいては流れに出てくると、
 水中を流下するなにかをしきりと食っていた。

 澄んだ水を通して、
 その様子が一目瞭然。

 ちょっと近寄りすぎたかもとおもったけれど、
 サカナは食事に夢中で、
 ワタシの存在には全く気付いていないようだ。

 まだそれほど釣り人の往来は頻繁ではないだろうこの季節、
 しかも誰もが無視するようなこんな浅場、
 さらにしかも、
 サカナはなんだかものすごくやる気満々高活性。

 きっと彼女はまだ、
 とってもウブな世間知らず。

 ティペットが太かろうとドラッグがかかろうと、
 適当なフライを目のまえに流し込めば疑うことなくパクッと……ウッシッシ。

 大橋 巨泉もドン引きするんとちゃうかとおもわれる、
 オッサン助平根性丸出しで、
 下品にニッタアとほくそ笑みつつ、
 はやる気持ちをおさえて、
 「これからこのフライであのサカナを釣りますよ~」的な記念撮影までしちゃって。

 余裕ぶっこいちゃった。

181114 (6)6

 さっきからずっと使い続けていて、
 イイかんじに水を吸って水馴染みの良くなったレッドタグの8番。
 
 ファーネスのヘンハックルをパーマハックル状にボディに巻いた、
 マイブーム的にお気に入りのやつ。

 しとどに濡れそぼっているのに、
 ピーコックハールのボディが萎んでペタンコになっていないところにご注目いただきたい。

 このフライでこそ釣りたい。
 っていうか、
 このフライで釣るのにピッタリのエモノじゃん。

 な~んつって、

 ワックワクで、
 それこそ一発で食っちゃうかも、
 などと舐めてかかって楽勝気分でフライを流してみたけれど、

 水面下にちょい沈んだだけのフライは、
 まったく気付かれることもなく、
 水中深くにいるサカナの頭上を空しく通過するばかり。

 その間も、
 サカナは右に左に踊るように軽快にうごいては、
 真っ白な口をひらいてパクッパクッと……。

 ここで、
 フライを簡単に手早く深くストンと沈められる、
 重めのウエイテッドニンフに変えようかとおもったけれど……、

181114 (7)7
 
 やっぱシーズン最初のこのサカナは、
 ぜひともこのフライで釣りたい。

 そこで、
 水中での抵抗をすこしでも減らすために、
 ボディに巻いたハックルをバッサリ刈り込んで、
 さらにフロントハックルのファイバーも間引いてスカスカにした。

 そして、
 定位しているサカナのはるか上流にフライを投げて、
 フライがすこしでも深く沈んでいく時間をかせぐ算段。

 フライを遠くに投げれば投げるほどにコントロールは難しく、
 なかなかおもうようにいかない。
 けれど、
 何投目かのアプローチで、
 フライが流れているであろう地点にむかって、
 サカナがスーッとうごいてきてフワッと鰭をひろげてパフッと口が開いて……、

 ビシッ!とあわせて、
 ドスンッときて、
 クリアな水中でサカナがグネグネッと魚体をよじって、
 ギューンと走って、
 グワーンと竿が曲がって、
 グイグイ手ごたえが伝わって、

 してやったり。

 想いのこもった気に入っているフライで、
 思い描いたようにフライを操作して、
 まんまと食わせた嬉しいイッピキ。

 このイッピキでスコーンッと頭の中が抜けちゃった。

 釣り気分がメラメラよみがえった。

 でも、
 もしこのサカナがいとも簡単にあっけなく釣れてしまっていたり、
 あるいは本意ではないフライで釣っていたりしたら、
 きっとおそらく、
 まだまだず~っとフルドレスサーモンフライ・タイイング気分のまま、
 自宅にこもって過ごしていたことでしょう。

 しかし……、
 
 つかったフライも釣れ方も理想と思惑通りだったけれど、
 それよりもなによりも、
 釣れてくれたニジマスはつくづく罪つくりな美魔女でございました。
 ウブなのはアタイのほうだった。
 ほんの一瞬の逢瀬を交わしただけで、
 ワタシの恋心はアナタの色に染められました。

 ココロに虹がかかってしまいました。
 パァ~~ってかんじで。

 そんなわけで、
 あの晩春のよく晴れた日、
 なにからなにまでパーフェクトに満たされたこの良き日の翌日から、
 ひたすらず~~っと釣り呆けて、
 アレと気がついてみれば半年ほどが経ちました。

 昨夜、
 今シーズンの釣行をナニした釣り日記というか釣りメモをひもといてみますと、
 5月終わりのこの日から10月半ばころまでの正味5カ月たらずのあいだで
 釣りに出かけた日数は、
 朝夕だけのチョイ釣りも含めると、
 かるく90日を越えておりました。

 まさにフライロッドをにぎったキリギリス野郎の面目躍如というところ?

 にもかかわらず、
 「やり抜いたったぜ」達成感からはほど遠く、
 むしろ、
 それじゃあ釣りに行かなかった日はオレはなにをやっていたんだろう?
 というか、
 これだけ出かけても、
 やれることなんかたかがしれてる、
 っていうか、
 ああすりゃよかったこうすりゃよかった、
 アレもやりたかったコレも試したかった、
 アソコに行けばよかったアッチもコッチも行きたかった……、

 釣りに行ったら行っただけ、
 いろいろものすごくやり残した感ひとしお。

 ゆえに来シーズンへの課題山積み。

 そんなわけでたったいま、
 本格的な雪の季節を待たずして、
 もはやすでに釣り気分は来年の春からのシーズンに向いております。
 青鬼も赤鬼も苦笑してはります。

 今シーズン活躍したフライたちの進化形とかヴァリエイションとか、
 来シーズン試したいフライとか、
 はたまた私家版スタンダード2019年ヴァージョンとか、
 とかとかとか、
 巻く手は止まらず、
 夢想と妄想ひろがるタイイング・モードなきょうこのごろ。

 そして、
 冬のあいだあれほどズッポリ浸りきっておきながら、
 釣り気分が全開バリバリになったとたん、
 きれいさっぱり忘れてしまったかのように顧みることもなくなっていたフルドレスサーモンフライのタイイング。

 な・ん・だ・け・ど、
 
 さいきんとみに、
 フルドレス用のレア羽根素材を収納している引き出しとか戸棚とか、
 なんかしょっちゅう開けたり閉めたり整理したりとかしちゃったり、
 ムダな創作意欲がムラムラッときちゃったりとかもしちゃったりして。

 そんな、
 じぶんのタイイング気分の移り変わりをかんじて、
 ああ…また冬がやって来たんだなあ……なんて。

 この冬もまた時間足りねえな~なんつって、
 
 冬の到来もまた、
 いろいろと愉し切ないッス。



ダーク・ヘンドリクソン
181114 (1)1
 
 一見すると茶色としか見えないハックル。

 しかしよ~く見ると茶色のようで茶色でない。

 錆びた鉄のような色?

181114 (2)2

 そんなハックルを光を透かすとなんかヘン。

 赤茶色っぽいのに灰色っぽいビミョ~な透明感?

 それはまるで陽の光を透かしたマダラカゲロウのダンの翅の色。

 これが純正ダークヘンドリクソンに指定されたハックルの色。

 キャッツキル・ドライフライ花盛りの時代、
 ブルーダンのコックハックルとともに、
 うるさい目利きの好事家たちが血眼になって探し求めたハックルのひとつ。 

 と、
 それはさておき、
181114 (3)3
 ダークヘンドリクソンの発案者となるロイ・スティーンロッド御大の巻いたキャッツキル・スタイルは、
 ハックルを二枚裏表にハックリングして、
 わざと放射状にハックルが広がるように巻いているのが写真からもわかる。

 水面でのバランスの向上を目指して、
 このようにハックリングしたのだそうだ。

 そして、
 そのような構造のハックルを、
 ウッドダックのバンチウイングの後方にハックリングしているところも、
 これにかぎらず御大のキャッツキル・ドライフライの特徴のひとつだとおもう。

 対して、
 ここで巻いた不肖ワタクシのダークヘンドリクソンはハックルを一枚のみ、
 しかもウイングの前後に7~8回転パラッと垂直にハックリングしただけ。

 こうしたスタイルのドライフライを、
 水面高く浮かせようなどとは微塵もおもっていないからだ。

 なんて、
 えらそうな講釈もさておき、

 ひっさびさにTMC5210 の 12番!をバイスに挟んで、
 とっておきの秘蔵ハックルとボディ材をつかって、
 これまたひさびさにダークヘンドリクソンを巻いてみましたよ。

 キャッホるんるん みつぐ超ハッピー。

 わざわざ調べてナイスな情報をくださった方、
 そして貴重な手持ちをおすそ分けくださった方、
 格別のお心遣い甘えさせていただきました。

 本当にありがとうございました。

 そ・し・て・
 ダークヘンドリクソンのボディのオリジナルレシピは「茶色がかった灰色キツネの腹の毛」をダビングしなさい、
 と指定されておるわけですが……、

 そんなレシピ指定と、
 このフライのモデルになったマダラカゲロウのボディの色合いなどから推察してみるに、

 もともと本家がダークヘンドリクソンのボディに求められた色調が、
 「ほんのりピンクがかった淡い茶褐色」
 ということであ・れ・ば・

 個人的にはトドの毛のアンダーファーをこそ、
 この名作スタンダードのボディとしてぜひともダビングしたい。

 火照ったヒト肌ピンクをおもわせる小麦色?
 なんとも独特な色合い。
 その繊維はきめ細かく繊細で、
 ダビングすれば繊毛のように微かに毛羽立ち、
 そしてなによりあふれんばかりの透明感……。

 武骨な針のような剛毛ガードヘアーの下に密生している、
 官能的でさえある色調と質感をした柔らかなアンダーファー。

 トドの毛のアンダーファーをダビングするたびに、
 このダビングを当時のロイ・スティーンロッドやプレストン・ジェニングスらが見たら、
 どのようにおもうだろう?

 な~んて、
 浪漫を馳せるわけでございます。
キャッツキル・ドライフライズ・オホーツク風味
 181102(10)10.jpg

 この夏、
 友人と釣りに行ったとき、
 「これ、食べます?」
 と差し出されて一口つまんで、
 「うっわ、これメッチャおいしい!」

 それからというもの、
 セイコマートの隠れたスマッシュヒットや~なんつって、
 たいへん気に入っていたスナック菓子がコレ。

 のだが、 

 先週、
 その友人と釣りに行ったとき、
 悲しいお知らせがあった。

 「そういや最近、セイコマートにアレおいてなくない?」
 「そうなんですよ~。じつはきょう、コッチに来るとき寄ったセイコマートで聞いたんですけど、アレもう在庫限りなんだそうです」
 「うっそマジ?」
 「なんか、在庫がなくなったらもう販売しないそうです……」

 「でも!聞いてください喜んでくださいビゼンさん!じつはそこのセイコマートに 3袋だけ在庫あったんで買い占めました!」
 「マジ?」
 「あとで一袋あげます」
 「マジ?」

 釣りの帰りに一袋ありがたくもらって、
 夕飯まえに一気に食った。

 おいしかった。

 サヨナラばななチップス。

 人生とは、
 出会いと別れの繰り返し……ですか?

181102 (1)1
 
 ワシミミズクのクイルをスレッドに捩じりつけてボディを巻いたところ。

 当ブログではもはやお馴染みどころか、
 ここ数年の定番中の定番。

 トンビのクイルとともにたくさん販売もさせてもろて、
 全国津々浦々の同好諸氏のもとに発送させてもいただいた。
 その節は本当にありがとうございました。

 と、
 さんざんイロイロやり尽くした感ひとしおにもかかわらず、
 いまだ飽きることはまったくなく、
 むしろ巻けば巻くほど胸キュン愛おしく……、

 ボディを巻き終わったこの時点ですでに毎回フレッシュにワクワクドキドキトキメクわたし。

 ワシミミズクの繊毛マジックいまだいっこうに醒めやらず……、

181102 (2)2

181102 (3)3
 
 というわけで、
 私家版アメリカン・マーチブラウンの10番が完成。

 クイルゴードン、
 ヘンドリクソン、
 ライトケイヒル、
 グレイフォックスと並んで、
 キャッツキル・ドライフライズ五人衆の一本。

 ピーコッククイルをボディにつかうクイルゴードンはべつとして、
 いつしかこれらのフライたちのボディ材は、
 ワシミミズクとトンビもしくはほかの猛禽類アレコレのクイル材ばかりつかうようになっていたワタシ。

 それもこれも、
 出発点はぜんぶこのワシミミズクの影響だ。

 それほどまでに、
 じぶんにとってこのボディの妖艶な繊毛びっしり具合はドストライクだった。

181102 (4)4

 それがさ聞いてくれる?

 なんか、
 このごろ、
 ハタと気がついてみると……、

 我が家のワシミミズクの羽根、
 あんなにあったワシミミズクの羽根、
 売るほどあったワシミミズクの羽根、

 それなのに、
 なんだかいつのまにか…アレッ?とおもうほどに、
 ものすごくさびしくなっちゃって……、

 かんがえてみれば、
 つかえばつかうほど、
 つかったらつかうだけ、
 そりゃ~なくなるわな。

 当たり前やんな。

 というわけで、
 これからワタシとワシミミズクのクイルボディとのお付き合いは、
 湯水のごとく大胆にザクザクザクザク切り刻んでグリグリグリグリ巻いていた時代から、
 みみっちくチビチビチビチビ大事に大事にケチケチケチケチつかう時代に突入してしまったわけですが、

 経験上、
 それって悪いことではなく、
 切ないことでもなく、
 たくさんあった素材がこのような寂しい状態になって、
 慈しむような気分で接するようになってからのほうが、
 なにかと作品の洗練度や完成度が増すというか、
 いや、
 というよりも知らず知らずフライに込められる、
 じぶんの「念」というか「気」のようなものが濃くなるというか……、

 いよいよこれからが本番、
 ってかんじです。

 わかってもらえますかね?この感覚。

 ま、
 それはいいとして、
 写真右のマーチブラウンは3Xロングの6番に巻いた規格外巨大サイズ。

181102 (5)5

 このニジマスは、
 ことしの初夏のころ、
 トンビのクイルをボディに巻いたヘンドリクソン・タイプの6番サイズで釣ったイッピキ。

 といってもドライフライとして浮かせて使うのではなく、
 意図的に水面直下に沈めてなるべく自然に流して。

 深瀬の川底からグワッと魚体を翻して一直線に浮いてくるのが見えたつぎの瞬間、
 水面がムワワッ!と激しく盛りあがって、
 スパーンッとリーダーが水中に引きずり込まれるような出方が、
 いつもたいへん刺激的。

 で、
 このようなフライでこうした釣り方を試してみようとおもった当初から、
 きっと効くのではないかと淡く期待していたのだが、
 ときとして予想をおおきく上回って効いてしまうこともあったりして、
 じぶんのフライ観あるいはハックル観がまたいろいろと変化したり、
 なにより新たな魅力に開眼するキッカケにもなった。

 のだが、
 このへんの話しは「コックハックル・トーク」も織り交ぜつつ、
 ネチっこくヴォリューム満点で語らせてほしいので、
 いまはサラッとサワリだけ語らせてもろて、
 いましばらくあたためておくけれど……、

181102 (6)6

 それよりも、
 今回の与太話の中心はコレですねん。
  
 TMC5210 パーフェクト・ベンド

 ひと昔まえは、
 どこのお店にもフツ~にあたりまえに並んでいたけれど、
 いつのまにかもはや廃番になって久しいTMC5210

 とくにコレの12番、
 いまだに所有してはるアナタがとってもうらやましい。

 いや、
 ものすごくうらやましい。

 なんでかというと、
 後期キャッツキル・レジェンド・タイヤーであらせられた、
 かのハリー・ダービーの弁を引き合いに出すまでもなく、
 キャッツキル・ドライフライズでいちばん多用されるサイズというだけではなく、
 このフライがもっともサマになるサイズこそが、
 パーフェクト・ベンドなドライフライ・フックの12番だからだ。

 そして、
 さらに生意気を言わせてもらうと、

 ワテも昨日今日この道楽に染まったわけやおまへん。
 ひと昔ふた昔まえから飽きもせんとず~~~っとやらせてもろてま。

 そやから、
 プレストン・ジェニングスだアート・フリックだウォルト・デットだと、
 キャッツキル・ドライフライズ花盛り時代…歴史の1ページを飾ったお歴々の大家が愛用してはったハリのアレコレも、
 蛇の道はヘビちゅうとこで、
 いつのまにやらウチのタイイング机にゴロゴロ転がってま。
 どれもこれものちのパーフェクト・ベンドのお手本になったハリですわ。
 ほんでもって、
 そんな貴重なハリもただウットリ眺めるだけやのうて、
 ありがたいことにもうええっちゅうほど巻かせてもろて実際に使わせてもろてま。
 とうぜん一家言おます。

 こんなんじぶんでゆうたら野暮丸出しでっけど、
 この道楽…海千山千の目利きさしてもろてるつもりでおま。

 そのうえでワテのゆるぎない結論言わせてもらいまっけど、
 気ィいれて巻いたキャッツキル・ドライフライがいっちばん美しくエレガントに映えるのは、
 TMC5210……コレでっせコレにつきまっせ旦さん。

 パーフェクト・ベンドは丸っこいベンドやったらエエちゅうもんちゃうねんで。

 シャンクの長さワイヤの太さバーブの位置と大きさ、
 ゲイプの広さ丸っこさぜ~~~んぶひっくるめて、
 一見イモっぽいのによくよく見れば計算ずくで洗練されてるという相反する印象が同居しているムード。
 どれもこれも絶妙なバランスやないとアカンねんで。

 と、
 そこまでズバッと言い切りたい気持ちでありながら、
 
 ようやくそれがわかったころには、
 いつのまにやら我が家にあるTMC5210は10番のみ。
 そ・し・て・
 それさえももはや風前のともしび。

 職業タイヤー駆け出し時代には、
 各サイズとりそろえてコレどないするねん?
 ほんまにコレぜんぶ巻けるんやろか?
 ちゅうくらいあったのに……。

 じぶん用のもお客さんのオーダーもふくめて、
 あと先な~んもかんがえんと、
 20有余年ほいほい気楽に巻いてたら……、

 人生においてほんとに美しく尊く大切なものは、
 いつでもソコにあって、
 さんざんヤリまくったあとになって気づくもの……ですね?

181102 (7)7

 とかなんとか、
 後ろ向きな感傷に浸るのもまんざら悪いもんやおまへんけど、
 未来を見つめて前向きにいくのもオツなことです旦さん。

 さいきん、
 ちょっとコレいいじゃん、
 とおもって頻繁につかっているのはTMC100 の黒塗り。
 のバーブ潰したやつ。

181102 (8)8

 私家版キャッツキル・ドライフライ、
 左がブラック・クイル
 右ジンジャー・クイル

 キャッツキル・ドライフライは完璧に一糸乱れず巻く、
 というよりも、
 ちょい着くずしたカジュアルっぽさもありながら、
 じつはそれもワザと狙ってやっているかんじで、
 こうなんちゅうか、
 いなせなかんじ?

 そういうオシャレがええねんな~。

181102 (9)9

 私家版ライトケイヒル Tied on TMC100 B 12番。

 ハックルとテイルは「中間色のサンディ・ダン」
 ボディはオッターのベリー・ファーつまりカワウソのドテッ腹の毛。

 さいきん我が家では、
 「獣毛アンダーファー・ダビングボディの逆襲」が破竹の勢いで猛威をふるっております。
 その理由はクドクド言うまでもなく、

 猛禽類クイルもいいけど天然獣毛ダビングもやっぱヨロシな~、
 なんかひさびさ古巣に帰ってきた気分……ちゅうとこです。

 んで、
 まっくろ黒ずくめな黒塗りフックのうえに、
 まるでサラサラに乾いた砂の色のような、
 はかなく可憐な淡い色調のライトケイヒル……これまた一興なり。


 
copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.