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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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準備
200217 (6)6

 金と黒のヒグマの毛を流れになびく水藻に見立てて、
 そのうえを群れ泳ぐベイトフイッシュたち。

 まっキンキンだったり、
 真っ黒だったり、
 毛の先っちょだけ金色だったり、
 いろんなヒグマの毛を、
 とっておきの秘蔵ハックルあれこれで挟んで巻いたストリーマーたち。

 華やかに仕上げるつもりが、
 なんだかものすごく妖艶なかんじ。

200217 (1)1

 ただいまハンドクラフト展 at 浅草(2/21~23)そしてタイイングデモ at 大阪ビギナーズマム(2/29~3/1)の準備中。

 もうだいぶまえ、
 タイイングデモ専用のキットなんかも用意して、
 準備なしですぐにでも出かけられるようにしたりしたこともあったけど……、

 けれど、
 それだとどうもしっくりこない。

 ただでさえ慣れない環境でフライを巻くのに、
 たまにしかつかわない道具やずっと仕舞いっぱなしのマテリアルだと、
 なんだか気持ちが落ち着かない。

 やっぱ手に馴染んだいつもの道具と、
 そのときつかっているマテリアルを持参して、
 熱のこもった旬の素材をつかって、
 こなれた指先で臨みたい。

 そんなわけで、
 イベントやタイイングデモの準備は、
 まず自宅の作業机をいちいちかたずけるところからはじまる。

 我ながらものすごい非効率。

 机のうえでゴチャゴチャになっているツールやフックをまず整理して、
 あとからあとから机のうえに積まれていくままになっていたマテリアルを仕分けして……、

 そうすると、
 もう出てくる出てくるクリップに挟んだ使いかけのマテリアルの余り。
 あとでまたつかおうとおもって、
 几帳面にクリップに挟んでおいたのはいいけれど……、

 そんなのすぐキレイさっぱり忘れてしまって、
 目の前にあるのに視界から消え失せ、
 そしてどんどん新しいのを切り刻んで、
 またすこし余ったら丁寧にクリップに挟んで保存して……そして忘れる。

 すぐ目の前の机のうえにあるんやで。

 でも忘れる。

 そして、
 このようにデモの日がちかくなって、
 作業机をかたずけはじめたらようやく思い出す。

 「モズのはやにえ」ですな。

 もはや、
 イベントやデモ直前の風物詩。

 と、
 そのようにクリップに挟んだまんま、
 作業机のうえでずっとほったらかしにされていた、
 つかいかけのヒグマの金毛の余りを集めてみれば……、

 意図せずして、
 ひとくちにヒグマの金毛といっても、
 こんなにイロイロ個体差があって、
 身体の部位によっても変化するんですよ、
 という解説写真になりました。

200217 (2)2

 ボディに巻いたロードアイランドレッドのハックルストークを、
 艶出しと補強のためにヘッドセメントを塗布したいけど、
 接着剤がウイングにベチャッとなるのイヤじゃん。

 なので、
 クリップでウイングを挟んでおいて、
 それからボディにヘッドセメントを塗布して、
 コーティングしたボディを乾かしているところ。

 ほかにもタイイングのちょっとした場面でクリップの出番はたくさんある。

 そんなわけで、
 作業机のうえはもうクリップだらけ。

 大中小のクリップがそこらへんにゴロゴロ転がっている。
 なので、
 切り出したマテリアルが「ちょっと量が多かったかな」なんておもったら、
 すぐ挟む。

 そしてすぐ忘れる。

200217 (3)3

 黒毛のヘアー先端にちょこっとだけ、
 しかし鮮明にクッキリ金毛がのっているタイプのヘアーをつかってみた。



200217 (4)4

 ハックリングしたのもあるで。

 こちらはヘアー全体が金色がかっているのをウイングに据えて、
 芯黒ファーネス・ハックルの色調と対比させてみた。



200217 (5)5

 それではみなさん、
 東京と大阪にてお会いいたしましょう。

 たのしく、
 そして有意義に過ごせますよ~に……。

200217 (7)7

200217 (8)8


毛先悶々フライズ作例集
 まえにもチョコチョコ書いたけど、
 金毛のヒグマで毛先の欠損がまったくなく、
 かつ金毛の鮮度や質感に劣化のないものと出会うには、
 これ以上はないほど強力なコネクションと情報網をもってさえ、
 もはやミラクルが何重にも重ならないと出会えない。

 一頭丸ごと毛皮の状態で見ると、
 これぞ完全無欠やんけウッヒョ~~~と色めきたっても、
 フライにつかう肝心の部分を仔細観察すると、
 かならずどこかの毛が集中的に切れていたりするのが普通。

 で、
 その部分こそが「ものすごくおいしいところ」だったりするので、
 いつもたいへん切ない思いをさせられることになる。
 
200215 (1)1

 TMC900BL の10番に巻いたヒグマの金毛ウルフ。

 ハックルにはインディアンコックのファーネスを4枚!グルッグル巻きにハックリング。
 これだけ厚くハックリングしても硬い印象ではなく、
 フワ~ッと柔らかなかんじにハックリングできるところがインディアンコックの魅力ですね。

 ボディは庭でひろったカラスの黒光りするセカンダリークイルを捩じり巻き。

 ウイングとテイルはヒグマの金毛。

 じつはこの金毛、
 質感といい色艶といい、
 毛の根元の暗い部分との鮮烈なコントラストといい、
 もうクラクラするほど生々しく美しい最高の金毛、
 なんだけど……毛先がほとんど切れてんだよね。

 どないおもいますか?

200215 (2)2

 サイズ8番のロー・ウォーター・サーモンフックに、
 ロードアイランドレッドのストークを寸詰まり気味にボディに巻いて……、

200215 (3)3

 ヒグマの金毛をほんの一束パラッとウイングに載せた、
 小型のヘアウイング・サーモンフライ。

 これは、
 昨年の暮れに販売させてもらった、
 秋ヒグマの金毛の 「じゅうぶんつかえますけど残念ながら毛先の欠損が目立ちますよ」 グレードとおなじもの。

 どないおもいますか?

200215 (4)4

 ヒグマの黒毛をつかった私的ループダビング作例のひとつ。

 ダビング先端部は通常どおりのダビングで、
 スレッドにファーを撚りつけておいて、
 ダビング根元部分のみボサッとタッチダビング。

 これをそのままダビングするのではなく、
 スレッドを二重折りにしたループダビングで……、

200215 (5)5

 キリリと捩じってボディを巻くとこのようになる。

 ちなみにスレッドはサイズ6/0の真オレンジ。

 ぶっといスレッドをループにしてダビングしたので、
 ボディは黒毛の隙間からスレッドのオレンジが丸見え。

 そして、
 ウイング基部のソラックス部のみ、
 ボサッとタッチダビングした黒毛がバサバサーッと立ちあがっている。

 このスレッドがしっとり水を含んでもっと色が濃くなると、
 水を弾くようなかんじのボディやソラックスの黒毛ファーとあいまって、
 なんだかとてもリアルな生命感。
 そして、
 ウイングとテイルの金毛が水面からスックと立ちあがるようにいつまでも頼もしく水面に浮いてくれて、
 そこに陽の光が当たって金毛が反射すると……、

 サカナだけじゃなくて、
 自分自身がばっくり釣られちゃう。

 なんていうか、
 フライを水面に浮かべるのが愉しくって楽しくってたまらんかんじ。

 スレッドとヒグマの毛のみで巻いたドライフライ。

 これ、
 ワタシのヒグマの毛ドライフライの原点でもあり源泉でもあり、
 このフライをたたき台にして、
 現在いろんなヒグマの毛ドライフライを発展させてきたわけですが、
 そのストーリーを語ると一大長編スペクタルになっちゃうので、
 いまはひとまず棚上げしておいて……、

 ここでつかったヒグマの毛もまた、
 先のヘアウイング・サーモンフライとおなじ毛先が残念ものを、
 ウイングとテイルにつかった。

 ちなみにつかったフックはTMC9300 の8番。

 どないおもいますか?

 なんだかこうして実際に巻いてみると、
 毛の質感はもう抜群に良いわけだし、
 フライの性能に悪影響を及ぼすわけでなし、
 見映えが大きく変わるわけでもなし……、

 そして、
 なんてったってボサボサのファジーな体裁がヒグマの毛フライズの持ち味。

 少々の毛先欠損なんか、
 もうあんまり気にしなくてもいいかも……なんておもいはじめてる最近のワタシ。


200215 (6)6

 金毛の毛先から転じて、
 ヒグマの黒毛とエゾジカの毛の組み合わせ。

 ヒグマの黒毛のアンダーファーを剛毛ガードヘアーごとスペントウイングに巻いた「オホーツク・バグ」のヴァリエイション。

 ハルゼミ型の大型ユニバーサル・テレストリアル系のサイズ6番ロングシャンク。

200215 (7)7

 メスのエゾジカの背中の毛をフレアさせたボディのドテッ腹を、
 オレンジのマジックで塗りたくるという、
 あえて素朴な作りになってます。

 水に濡れるとマジックがすこし色落ちして色調がグラデーションがかるので、
 よりディアボディに馴染んだ感じになって、
 もっと自然でリアルな色味になります。

 と、
 そんなボディ部分もナニだけど、
 このヒグマの黒毛のスペントが最大のミソ。

 このような巨大サイズのスペントウイング体裁なフライでありながら、
 水に濡れて吸水してもウイングがすぼんだり束状にまとまってしまって不自然なフォルムに変形せず、
 ウイングがず~~~っとフワッと自然にひろがった思惑通りの状態を維持しながら、
 陽の光を透過する素材はないものか……、
 あるいは、
 既存の素材を細工してそのように巻ける方法はないものか……、

 もうずっとアレコレとナニしておりましたが、
 ヒグマの黒毛をスペントウイングに活用することにハタと気がついたとたん、
 積年の試行錯誤があっさり解決してしまったようなかんじ。

 グレートやわ黒毛。

 さて、

 というわけで、
 いつもいきなり唐突に宣伝ばっかですいません。

 来たる
 2月21日(金)から23日(日)までの3日間、
 東京の浅草にて、
 つるや釣具店恒例の「ハンドクラフト展」に参加します。

 そして、

 そのつぎの週の、
 2月29日(土)と3月1日(日)の2日間、
 大阪は西天満の「ビギナーズマム」にて、
 タイイングデモをおこないます。
 お問い合わせとお申込みは「ビギナーズマム」までおねがいいたします。

 いろいろアレコレ持参して、
 ご紹介したい大技小技テクに基本から応用テクまで盛り沢山で、
 めちゃめちゃはりきってうかがいます。

 みなさま、
 どうぞよろしくおねがいいたします。


ガーバブル・ホットバットカディス
100206 (1)1

 いま出ているフライフイッシャー誌早春号の連載記事で紹介した、
 私家版ボディハックリングの作例をひとつ。

 ティンセルやワイヤーなどのリビング材にハックルを撚り込んでボディに巻くことで、
 リビングおよびハックリング、
 それにボディハックルの補強をすべて同時に施しつつ、
 通常のボディハックルで巻いたフライとは、
 見た目もテイストも機能もまったく別物のフライに仕上げる私的テクのひとつ。

 ヒグマの黒毛の剛毛アンダーファーのバサバサに毛羽立たせたダビングボディの旨味。
 茫洋とした透明感を保ちつつ、
 各種テレストリアルのバルキーでコロンとしたシルエットを表現。
 かつヴォリューム満点のフライでありながら吸水しても水切れが良く投げやすく浮かせやすい。
 また酷使してもフライのシルエットが劣化しにくい。
 といった特性を最大限に引き出したいためのアプローチのひとつでもある。

 ここでは、
 ファイバーがみじかく、
 そして細くやわらかい質感のインディアン・コックハックルのファーネスと、
 ファイバーの長さがファーネスの倍くらいあって、
 かつファイバーが太めでバリッとハリのある質感のコック・デ・レオンのサドルを、
 極細のオーバルティンセルに挟んで捩じり、
 二枚のハックルをティンセルもろとも同時に黒毛のダビング・ボディにハックリング。

 すると、
 このようなボディの体裁に仕上がる。

 ボディハックルの根元周辺は、
 毛羽立った黒毛のファーとハックル中心が黒くなっているファーネスの模様とあいまって真っ黒。
 なんだけど、
 ハックル中央付近はレオンのマダラ模様のなかにファーネスの赤みがかった茶色がグラデーションがかって浮きだしており、
 ハックル先端部分はレオンのマダラ模様が強調されてパラパラッとひろがっている。

 ファイバーの長短ハックルを重ねてハックリングすることで、
 ボディハックルは根元から中間付近まではファイバーがぎっしり濃密に立ちあがっているが、
 ハックルファイバーの先端にむかうにつれ、
 レオンのハックルのみになって薄くスパースな体裁になる。

 こうして巻いたハックルが光を透過すると……、
 厚みのあるハックル根元付近と疎らな先端付近では光の透過性はとうぜんおおきく変化する。
 まるで本物の虫の翅のような自然な印象の透過性。
 また、
 ファーネスのみじかいファイバーに支えられたレオンの長いファイバーは、
 ピックアップをくりかえしても型崩れしにくい。
 というか、
 なんどかピックアップをくりかえしていると、
 ハックル先端部のみが自然にボディ後方にしなだれて、
 さらにソレっぽいシルエットに変化してブルブル震えてくれる。

 ああ、
 もっと早くからこの方法を思いついていれば……、
 とつくづくおもうハックリング・テク。

 さて、
 ここでは合計8回転ハックルとティンセルをボディに巻いて、
 ボディ全体にびっしりハックルを立てているところにもご注目を。

 ちなみに、
 ボディ末端にダビングしている赤いファーはシールズファー。
 ボディ中央部から前方にかけて巻いた黒毛ダビングごとバサバサ毛羽立たせてダビングした。

 銘針スタンダード・パターンのレッドタグやロイヤルコーチマンなどの効果にあやかりたい、
 実際にあなどれない効果を実感する「紅色のおまじない」

100206 (3)3
 と、
 そのように巻いたフライをサイドから見てみる。

 ウイングに据えたのはエゾジカのオスの背中のヘアー。
 ヘアー全体の色調はグレイがかった小麦色でなんとも地味なかんじ、
 視認性には欠ける印象。

 ところが、
 ヘアーをスタッカーで揃えてこのようなカディス型ダウンウイングに巻くと、
 ヘアー先端部の明るい小麦色がウイング先端に集中して、
 この部分がインジケーターのような役割を果たし、
 意外にも水面に浮かぶととてもよく見える。

 逆に言えば、
 サカナの視界に映るであろうヘアー根元付近は虫っぽくナチュラル感のある地味な色合いだが、
 釣り人から見えるヘアー先端部分は明るい色調という、
 とても都合のよい色調をしているヘアーというわけだ。

 またさらに言うと、
 このように根元が暗い色合いで先端が明るい色調をしたヘアーは、
 そんな色調コントラストの効果なのか、
 逆光時や薄暗い状況、
 あるいは波立つ水面など、
 単色のインジケーターが見えにくい状況でこれまた意外なほどによく見える。

 これはエゾジカ・ヘアーならではの旨味のひとつ。

 というのはさておき、
 ボディハックルに話しを軌道修正。

 ボディ下半分が、
 まるでハックルをハサミで刈り込んだかのようにスパッとフラット構造になっている。

 が……、

100206 (2)2

 こんどはフライを下側から見てみる。

 ボディ下半分のハックルを刈り込んだわけではなく、
 下側に突き出たハックルを左右に振り分けるようにしてフラット構造にしている。

 これがヒグマの黒毛ダビング・ボディと私的ハックリングの組み合わせの最大のミソ。

 ダビングボディをハックルもろともブラシでガシガシ擦って毛羽立たせながら、
 ボディ下半分のハックルを左右に振り分けるようにすると、
 ほとんど勝手にこのような体裁になってハックル・ファイバーの位置が固定される。

 ゴシゴシ擦ることで「しなやかな剛毛」ともいうべき黒毛のアンダーファーと、
 ハックルファイバーが密に絡み合うからだ。

 で、
 これもまた酷使しているうちにハックルファイバーがさらに適度にバラけて、
 より自然でファジーな見た目とバランスになる。

 これぞファジー系大型ドライフライの面目躍如というところか。

 またさらに、
 さきにも書いたとおり、
 ボディハックルをハックリングしたあとにダビングブラシで豪快にゴシゴシ擦って、
 黒毛のアンダーファーとハックルファイバーを同化させるかのごとく毛羽立たせるわけだが、
 このとき、
 ハックルファイバーのストークを傷つけたり、
 あるいは切ってしまうのではないかという心配は杞憂。

 ティンセルで撚り込んだハックルの強固な耐久性はブラシのゴシゴシにも、
 はたまた巨鱒の鋭い歯にもビクともしない。

100206 (4)4

 そしてフライをうえから見てみる。

 ボディ下半分のハックルを刈り込んだりせず、
 ファイバーを左右に振り分けて固定しているので、
 ハックルが半円状になってブワッとフライの両側均等に密集しながら拡がっている。

 こうなると、
 ハックルの密度やその体裁から見て、
 もはやボディハックルというよりも、
 密度の濃いハックルが左右水平にひろがったスペントウイング、
 もしくはデルタウイングといったフォルム。

 ココものすごいミソですぅ。

 そう、
 ハックルをこのテのカディス・スタイルには定石のボディハックルの役目として巻くのではなく、
 ハックルが水面にベチャッとひろがって浸りつつ、
 陽の光をバンバン透過しながら水面膜に接するスペントウイングとして巻いている。
 しかも、
 酷使に酷使をくりかえしてもそのようなフォルムを維持しつづける小細工というわけ。

 水面に不時着してしまった「蛾」、
 羽化に失敗した「ヒゲナガ」、
 はたまたセンブリやハムシやジバチなどなどなどなど。

 半透明の翅を水面にベチャッと浸してブルブルもがき震えながら、
 バッカバカとマスたちに喰われている哀れなムシ全般を表現するための、
 スペントウイングな大型ドライフライのご提案とご紹介でございました。

 ビッグサイズ・ドライフライでもスペントウイング・スタイルは安定の実績度数。
 コレ釣れるよ~。

 そしてなにより、
 フライを巻く作業自体もものすごく愉しい。 
 
秋ヒグマ黒毛 売り切れ御礼

 秋ヒグマの黒毛、
 ありがたく売り切れですが、

 札幌テムズでもただいま若干数ですが販売していただいております。

200201 (3)3
 フワ~ッと金毛をひろげて巻き止めたダウンウイングが、
 ボッハボハにふくらんだ黒毛のボディとヘッドから生えているようなかんじ。

 きのうのネズミとおんなじような手順で巻けます。
 というよりも、
 ネズミはコレのおふざけヴァリエイション。

200201 (2)2

 ファーネスのインディアンコックをボディハックルに巻いてあるんだけど、
 黒毛のボサボサ・ボディにファイバーが埋もれて、
 まるでハックルがガードヘアーのよう。

200201 (1)1

 金毛と黒毛を組み合わせて巻くと、
 金毛の輝きがひときわ際だって映る。

 金と黒がおりなすコントラストの妙ここに極めり。

 そしてこのように、
 水中から水面に浮かびあがったマスの口吻を見て、
 おもわず興奮するような状況下で、
 このように、
 キンクロ・ヒグマフライをまじまじ見ると、
 
 うわ~ゴージャスやな~とゾクゾクする。

 そんな初夏の日の記憶。
 
 雪、
 いまものすごいんやでボクんとこ。

晩秋ヒグマの極上黒毛の販売促進活動とヒグマの毛よもやま雑談タイイングの巻
 そもそも、
 ヒグマの「ヒ」ってなに?
 どういう意味?
 どういう由来?

 そんなこともしらないくせに、
 たかだか数頭のヒグマの毛皮を切り刻んだごときで、
 いろんなことを知っている気になって、
 さもわかったようなことをドヤ顔で語ったりして、
 ほんとにイタ恥ずかしいワ・タ・シ。

 わかっていることは、
 じぶんはまだまだな~んにもわかっていない、
 ということ。

 昨年末、
 オホーツクの我が家から、
 全国津々浦々の同行諸氏の皆様のお手元に旅立った三頭のヒグマたちの毛は、
 徹底的に完膚無きまでにおのれの無知と未経験を知らしめてくれることになった。
 新しい発見と未知の気づきに満ち満ちていた。

 やっぱりヒグマはすごい。
 一頭一頭の毛それぞれがぜんぶちがう。
 個体ごとに際立つ個性があり、
 そして、
 それぞれが異なる旨味を秘めて光り輝いて見える。

 さらに、
 毛皮をこまかく切り分けながら、
 個体ごとの各部位の毛の細部をじっくり観察していると、
 そのヒグマが暮していた環境や、
 生活の様子やクセまでもが連想できそう。

 そんな動物、
 ほかに見当たらない。
 
 この圧倒的な存在感をまえに、
 謙虚にならざるを得ない。

 謙虚ではあるけれど、
 未知の世界を垣間見て、
 新しい発見におどろきよろこび、
 そしてそれを噛みしめながら、
 これまで思いもしなかったタイイング・アイディアの洪水に溺れながら、
 脳裏で溢れんばかりになったフライのイメージを実際にカタチにしていく醍醐味は、
 もう何度味わってもたまらない。

 はっきりゆうてワシ、
 このカイカンにこそ浸りたいがためにサカナ釣りしてるようなもんやから。

 それでもなお、
 まだまだ知らないこと、
 見たこともなかったヒグマの毛がい~~っぱいあるはず。

 これからも、

 もっと深く、
 もっと濃ゆく、
 もっと広く、
 もっと愉しく、

 このニッポンにしかいない唯一無二のタイイング素材に徹底的に取り組みたいと、
 熱く決意を新たにした新年。

 ではございましたが、
 お正月の休日ムードのまま「自分がいまこそ巻きたいフライタイイング」にさんざんどっぷり浸りまくり、
 年末から現在までヒグマの毛しかいじくっていない有様。

 ハタと気がつけば、
 日がな一日明けても暮れてもせっせせっせとこ~~んなにたくさんフライ巻いてるのに、
 現実逃避ばかりのぜ~んぜん仕事してない怠けたダメなヒトの気分。

 散らかったタイイング机のまえに座るたびに、
 いつものダメダメマン参上の自己嫌悪と、
 おもうままにやりたいだけ巻き倒したった充実感が入り混じった複雑な気分です。
 
 一カ月ぶりのおひさしぶりですコンニチハ。

200121 (1)1

 イッポン巻くたびに、
 ボディにダビングしたヒグマの黒毛をクシやブラシでブワッサブワッサと毛羽立たせておりますと、

 アッと気がつけば、
 アッというまに、
 机上はダビングボディからこぼれ落ちた柔毛でいっぱい。

 そのこぼれた柔毛を刷毛で丁寧に寄せ集めて、
 それでまたダビングしたりとかして。

 バンバカ巻き倒すことで、
 この黒毛のダビング材としての使い勝手の良さ、
 そしてなにより秘めたる可能性を見出してしまった現在、
 なんだかもったいなくなってしまって、
 いまはけっこうかなり節約モードで大事につかってます。

 なんせ、
 この黒毛ヒグマはかなり迫力の巨体だった。

 なおかつ全身の毛の状態が素晴らしかったこともあり、
 ありがたくも全身くまなく捨てるところなく活用できた(これってすごいレアケース)。
 ので、
 ものすごい量のスキンが採れた。
 切り分けても切り分けても切り分けてもドバドバ採れた。

 という、
 まことに壮観の大量在庫に囲まれていたので、
 当初はいま考えるとヒジョ~にもったいない贅沢で大胆な使い方をしておりました。

 無知と未経験ゆえに、
 黒毛のスキンをバリカンで刈りあげるような勢いでバッサバサ切ってそしてバッカバカ巻いた。
 無駄打ちしまくりソレ思い出すと舌打ちしまくり。

 しかし、
 転んでもただじゃ起きまへん。
 そのおかげで、
 この黒毛を有効に活用するための新しいアプローチのアイディアがワッラワラ脳内イメージ湧いてきて、

 年の暮れからこっち、
 もうどうにもこうにも黒毛まみれ。
 そこに金毛や春クマもくわわってしまうと、
 もはやすっかりクマの毛カオスどっぷり浸って集中巻きひきこもりのていです。

 この黒毛いろんな旨味秘めてるかんじがヒシヒシする。
 

200121 (3)3

 このアンダーファーの濃密度をみよ。
 えげつないんやで。

 灰黒褐色の色艶フレッシュ感ムンムンのアンダーファーが、
 ギュッと圧縮されたようなかんじで密集してる。
 厚みがグッとくるかんじ。

 この濃密なアンダーファーこそ、
 黒毛の最大の特徴でもあり有効活用したい部分。

 そんなわけで、

 当社熱烈イチオシおススメ!の黒毛、
 というか、
 当社が率先して誰よりいちばんハマッてる今回のこの黒毛。

 勢い余って今月発売の季刊フライフィッシャー誌の連載記事でも、
 この黒毛をつかったフライ作例を詳しく取り上げましたが、
 その記事の補足というか、
 応用編というか、
 はたまたパロディというか、
 ここでも黒毛ダビングの基本編をご紹介します。
 
200121 (2)2

 それでなに巻くん?

 フックはTMC202SP の4番。

200121 (4)4

 スキンからバッサリ切り取った黒毛のガードヘアーを抜き去って、
 アンダーファーだけにしたところ。

200121 (5)5

 で、
 それをかるく濡らした指先や手のひらでモミクチャに揉みまくって、
 ファーをダンゴ状に丸める。

 これが黒毛をダビングするための基本でもあり最大のコツ。

 こうしてファーを丸めることで、
 まっすぐに伸びているファー繊維をクシャクシャに圧縮しながら折り曲げると、
 剛毛で硬いヒグマのファーが、
 スレッドに絡みやすく、
 かつフワッと良いかんじでファーが毛羽立つようになる。

200121 (6)6

 んで、

 さらにヒグマ・ダビングのコツ。

 そうやって丸めたファーを、
 ダンゴ状のままこんどはバサッとハサミで真っ二つに切りなはれ。

200121 (7)7

 んで、

 これを指先で千切るようなかんじでほぐしてみると……、

 そのままではゴワゴワした硬い毛玉だったアンダーファーが、
 こんなかんじのフワ~ッとしたダビング材に早変わり。

 しかも、
 ダンゴ状のをハサミでカットすることで、
 長い繊維状のファーがダビングするにはちょうどほど良い長さになって、
 かつクシャクシャに縮れたかんじになる。

 これがヒグマの黒毛をダビング材にするときの基本中の基本。

200121 (8)8

 んでんで、

 これをマルチグルーを塗布したスレッドにドッサ~ッとはりつけて、

200121 (9)9

 グルーッとスレッドを回して……、

 ここではあまり密にスレッドをねじらず、
 このようにラフなかんじでホワッとファーが膨らんでいるままにしておいて……、

200121 (10)10

 そのままグルグルッとボサボサにボディを巻いたら、
 ブラシでヘッド方向にむかってゴッシゴシガッシガシ擦って毛羽立たせて……、

 コレにかぎらず、
 ウエットでもニンフでもサーモンフライでもなんでも、
 このような毛羽立ちボディをダビングするときは、
 シッポ方向に向けてブラシを擦るのではなく、
 逆方向にむかって擦るとボッハボハに毛羽立たせることができる。

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 そして、
 ありったけ豪快に毛羽立たせたら、
 ボッサボサに立ちあがっているファーをシッポ方向に撫でつけて……、
 余分のファーをカットしつつ、

 こうなんていうか、
 ここでは写真のようにフットボール型のフォルムに成型しておいて……、

200121 (12)12

 この金毛は、
 昨年末に販売させていただいた金毛個体のなかでも、
 切ないことに「これは販売したくないよな~」と破棄したもの。

 毛先がブッチブチに切れまくりなので。

 しかし、
 毛の根元の暗色の部分と、
 鮮やかな金毛のコントラスト。
 それに、
 細すぎず太すぎず、
 硬すぎず柔らかすぎない絶妙のヘアー質感。

 毛先全切れとはいっても
 捨ててしまうにはあまりにも惜し過ぎる部位。

200121 (13)13

 たとえば、
 金毛のウイングを立てたウルフ・スタイルや、
 中小型のダウンウイング・スタイルなんかは、
 必殺勝負フライとしての気分的にも、
 また見映えの良さ的にも、
 毛先がビシッと生えそろってる毛をつかいたいところ。

 な・ん・だ・け・ど・
 特大サイズのダウンウイング・スタイルにこのような毛先キレキレ残念ヘアーをつかうと……、
 こう見るとなんだか、
 あまり違和感なくない?

 というわけで、
 たとえばマドラーミノーのアンダーウイングや特大カディス・スタイルなどなど、
 フックサイズ2番とか4番とかのファジーな巨大ドライフライのダウンウイングには、
 このテのダメージありの毛をつかってみるのもいいかもしんない。

 なんせ、
 金毛ヒグマの常として毛先がそろっている部位よりも、
 「あ~、ちくしょ~、おしいな~、これで毛先がそろってたらな~」
 という残念部位のほうが圧倒的に量が多い。

 そんなわけで、
 毛先がそろってるのはウルフや中小型サイズ用に大事にとっておいて、
 こういう毛先切れは大型サイズなフライに惜しげもなくドサドサつかう、
 という段取りでやってます。

 

200121 (14)14

 あと、
 ダウンウイングに巻き止めた金毛ヘアーの余りの根元を、
 スレッドで数回縛っているところにもご注目を。

 で、
 この縛ったスレッドの部分にだけ、
 ほんとにごく少量の瞬間接着剤を塗布しておいて、
 しばし時間をおいてスレッドごと根元ギリギリでカットすると、
 硬い余りのヘアーがスパッと跡形なくカットできるという寸法。

 これはヘッドをすっきりキレイに仕上げるためと、
 使用中にヘアーが抜けない耐久性アップのための細工とコツです。

200121 (15)15

 ちょっとイタズラしてみちゃう。

 金毛ヒグマの鼻先から頬の部位にかけて生えている、
 みじかくて硬い針のような金毛のガードヘアーを利用して……、

200121 (16)16

 これをループダビング処理して、

200121 (17)17

 ダウンウイングとヘアーの余りのあいだにグルッと一回転。

200121 (18)18

 で、
 スレッドで根元を縛った余りの毛をカットして、
 そのうえに軽く黒毛をダビングして、

 これで完成でもいいんだけど、
 もひとつイタズラしちゃう。

 ヘッド先端に黒のハックルをパラッと一回転。

200121 (19)19

 そして、
 ヒグマの黒毛と金毛をつかった
 「エゾキンクロヤチネズミ」実戦用サイズ4番の完成。

 ヘッドの黒ハックルはネズミのヒゲを表現、
 ボディ末端の二股に巻き止めたヘンハックルは一生懸命に水を掻いているネズミの後ろ脚を暗示。

 ちなみに写真上段のフライは黒毛だけをつかった、
 ダビングボディのみの超シンプルな「クロゲノヤチネズミ」

 2020年の干支記念フライでもあります。

 んでんで、
 聞いてくれはる?
 金毛をつかったネズミのほうは、
 胴体は黒毛なんだけど、
 背中一面と襟首のところには金毛をあしらって、
 ほんまもんの金毛ヒグマの身体の色柄とおなじような配色にしてみた。
 アタマの先からオケツのところまでヒグマの毛をつかって、
 ヒグマの体色とおんなじように巻いたネズミのフライというわけ。

 そして完成してから、
 蛍光灯のしたでニッタア~とときめいてみた。

 令和2年年明けのことはじめとなる1月まるまるぜんぶ、
 このようなキテレツ・ヒグマフライ軍団の製作に全精力を傾けてしまいました。

 このフライのドテッ腹に、
 下からスプレー式フロータントをブッシューッとかまして、
 ヴォリューム満点のボテボテ・極太ドライフライでありながら、
 ハイフロート・バランスで水面高くポッカーッと軽々浮かせて、
 ナチュラルドリフトで荒瀬を流して大型陸生昆虫ちっくな釣りを展開したり、、
 はたまたスイーッと水面をスイングさせたりブルブルさせたりなんかしたら……きっと、

 た~まんないだろうね。

 と、
 ネズミのカッコをしたフライでありながら、
 ネズミとしてつかうことはまったく考えていない、
 超ファジーな大型テレストリアル系アトラクター・ドライフライ、
 というのもミソ。

 というわけで、

 ちっさいフライもどでかいフライも、
 ドライフライもウエットフライもニンフもストリーマーも、
 これからさらに色々あれこれ作例フライを紹介させていただきたい秋ヒグマの極上黒毛。

 まだまだおいしいところ在庫あります。すいません売り切れです。

 特大大判カットのお徳用特盛り仕様になっております。

 ですが、
 ハマるとすぐになくなる(経験者は語る)ので、
 そのへんお含みおきいただいて、

 お名前と送り先を明記のうえ、
 bizen-m@olive.plala.or.jp
 まで、
 ご注文おまちしております。

 どうぞよろしくお願いいたします。
 
 
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