BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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パラシュート系
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 コンドルの艶黒クイルをスレッドによじって巻いて、
 アリンコ型クビレ・ボディを形成。

 このビロードのようなケバケバに酔いしれまくった今シーズンでございました。
 
 ほんまエエわぁ虫やわぁゴージャス。

 猛禽類のクイル捩じりボディには、
 なんか中毒性があるような気がする。

 さながら、
 歌を忘れたカナリア…ならぬ、
 今年はダビングを忘れたカピパラ。

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 濡れてからがまた……、

 艶虫エロイど。



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 ヒカリモノもアレコレ一緒にねじって巻きました。

 コンドルの艶黒にあわせて、
 ホワイティング・ヒストリックのナチュラル・ブラックをパラッとハックリング。

 これはあくまで私見なんだけど、
 ヒストリックの効能書きを読んでいると、
 かの「ダービーダン」の系統をウンヌン……とありますが、
 元祖「ダービーダン」のネックハックルもかつて各色さんざん巻いて使い倒したうえで、
 あえて異を唱えるちゅうか、
 僭越ながら意見すると、
 元祖ダービーダンてハックルの裏がもっと白っぽくてマットな質感だった。
 もちろん、
 それが悪いってことではなくて、
 それが「味」であり特徴なんだけど、
 ヒストリックはダービーダンと比較してもっと透明感と透過性に富んでいて、
 発色がヴィヴィッドかつファイバーの根元付近のコシが効いてる。

 どっちかっていうと、
 ハリー・ダービーやチップ・スタッファらアメリカ東部産の、
 後期「アンダルシアン・コック」の質感に共通項があるような気がする。

 とくに、
 このようなナチュラル・ブラックなんかを見ると、
 その傾向がすごくかんじられる。

 あくまでもこれは個人的な印象なんだけどね。

 ナチュラル・ブラックといえば、
 むかしキャッツキル・ヴァレーの名物ハックル親父の釣り道具屋に、
 テっちゃんとヒガシ大先生と三人で買い物しに行ったんやけど、
 親父さんがカウンターの向こうからそ~っと真っ黒なネックのケイプ出してきて、
 「こんなんも、あるんやけど…」みたいなそぶりで自慢げにチラッと見せてくれたので、
 それ見た瞬間ガッと身を乗り出して「それ買う買う買う買う買う!」ゆうたら、
 「だめだめだめだめ!」といいながらサッと奥に仕舞われてしもた。

 非売品やて、
 見せるだけなんだって……。

 気持ちはわかるけど、
 せめて触らせてくれてもええやん…とおもった。

 天然の黒って、
 それぐらい希少だったんですよ。

 ヒストリックのナチュラル・ブラックいじくってると思い出して懐かしい一幕。

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 やっぱコックハックルの妙を堪能するなら、
 ライトタックルで10番とか12番くらいのフライで、
 つぎからつぎにサカナが飛び出してくれて余裕しゃくしゃくで、
 スタンダードからパラシュートからアレコレとっかえひっかえしてるときが、
 サイコーに浸れる。

 ゼイタクやわぁ。

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 トンビのセカンダリークイルのボディに、
 バンタム・ネックのグリズリーを5~6回転ハックリングしたのち、
 そこにグリズリー・パルド略してグリ・パルのサドルのグリズリー模様のところの超ロングなハックルを、
 一回転だけミックスして巻いたサイズ11番。

 必殺でっせ。

 そんな、
 グリ・パルの超ロングなハックルが、
 ブルンブルンと魅惑的かつ自律的に震え動く「パラッとハックリングしただけ系フライ」のインジケーターのてっぺんに、
 ジェル状の普通のフロータントをチョコンとつけたところ。

 んで、
 このようにフライを指先に引っかけたまんま、
 もう片方の人差し指でフロータントをチョイチョイと塗る……、
 のではなく、
 例えればインジケーターを前後左右にクリクリこするようなかんじで、
 フライ全体に激しめに擦り込みなはれ~。

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 がっつりしっかりゴシゴシ擦り込み終わった状態。

 はげしくクリクリしてもご安心ください。
 このテのフライならフォルムは崩れたりしません。

 ちゅうか、
 ハックルやテイルがよしんば乱れても、
 そのままつかっていればすぐ元に戻るし、
 それが気になるならフロータントをガッツリ擦り込んだあと、
 フッと強めに息を吹きかけるとか、
 フライの下からハックルごと指でスーッとしごくと元に戻ります。
 
 それよりも、
 インジケーターの根元やテイルの付け根にフロータントが充分擦り込まれているのが肝要。

 ここ近年、
 たいへんありがたいことに、
 道内各地の方々とご一緒させていただく機会も増えはじめ、
 とくにドップリとハマりはじめの興味津々のおっきなお友だちたちから、
 「ビゼンさんてフロータント一回つけたら、あとはほとんどつかわないよね~、でもフライがずっと浮いてるのはどうして?」
 という話題になることがままあるので、

 なんか、
 そんな特別なことをしてるつもりはなかったけれど、
 あらためてフロータント塗布な話題もご紹介してみました。

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 で、
 サカナを釣って逃がしたあとは、
 カッコよく渋めにシャバシャバっとフライをかるく洗って、
 フッとフライに息を吹きかけて、
 おもむろにピッピと強めのフォルスキャスト数回……そうやってフライの水気を切ってやると、

 状況にもよるけど、
 パラシュート・スタイルやキャッツキル系なら、
 このようにフロータント擦り込んでおくと、
 数匹くらいじゃいつもビクともしないでフライは軽々浮いてる。

 とまあ、
 そんなかんじで言葉悪く言えば「ものぐさ」でもある姿勢でドライフライを水面に浮かべてま~す。
 
ドライフライよもやま話
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 タイトルは「スーパーハッチ」
 はばたけキャッツキル・ジュエルズ

 とはいっても、
 歴代のオリジナル・レシピに従ったものは一本もない。
 ぜ~んぶ私家版キャッツキル・スタイル。
 
 つかったハックルもボディ素材も、
 それぞれ一本づつぜ~んぶちがうマニアック・カスタム仕様です。
 
 待ちに待っていただいたお客さんに、
 いつものようにひたすら平身低頭かつ深謝のていで送らせていただいたあと、
 この写真をしばらくパソコンの壁紙にして自分も毎日眺めていたのでした。 

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 ハックルの海にまぎれるヴァリアント系私家版スタイル。
 御大アート・フリックばりに、
 2Xショート・シャンクなフックにオーバーサイズ・ハックリング。 

 ロードアイランドレッドをつかったクイルボディのエビ茶色は、
 ランズ・パティキュラだけの素材にするのは、
 あまりにももったいない。

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 転じて、
 2Xロング・シャンク4番!に巻いた規格外サイズの私的マーチブラウン風。

 もはや、
 こうしたキングコング・サイズなスタンダード型は、
 気難しい巨マス狙いにおいて幾多の実績を誇る。
 ジョーダンでつかうのではなく、
 一撃必殺の存在に昇格して久しい。

 で、
 このバケモノ・マーチブラウンだが、
 ホワッホワのワシミミズク・プライマリークイルのボディと、
 グリズリーとファーネスをパラッとだけ巻いた柔らかなハックルを、
 ヒタ~ッと水面に張り付かせながら、
 沈みそうで沈まないていでベタッと浮かせるべく巻いておるわけですが、
 そしてそういう浮き方にこそ百戦錬磨たちはグッとくるんだな~と経験的に学んだわけですが、

 このサイズにこのハックルの貧弱なヴォリュームだと、
 まともにハックリングしただけでは、
 どうやってもものの数投で沈没必至。

 じゃあどうするかというと……、
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 パラッパラにうす~くハックリングしたコックハックルの根元に、
 ヘアーズイヤーのガードヘアをダビングするのではなく、
 コックハックルにミックスするように、
 ガードヘアが全面毛羽立った状態でハックリングしてみたのじゃ。

 で、
 この密集したガードヘアにジェル状フロータントをがっつり染み込ませておくと……、
 フライ自体のフォルムはスパースでファジーな印象にもかかわらず、

 これがまたポカッとたのもしく三点保持で水面にはりついて、
 さながら力なく水面に浮かぶバッタのごとく、
 荒瀬をドンブラコッコと流れよるんですわ~笑っちゃうヨ。

 とまあ、
 このような細工はほんの氷山の一角。

 規格外ビッグサイズのドライフライはとくに、
 まだまだやりたい放題の余地が盛りだくさん。
雑感
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 フックサイズはウエットフライ用の4番。

 全長で小指よりもやや短いくらい。
 そんなマグナムをライトタックルでも快適に投げられて、
 かつ水面でのバランスと姿勢が安定していて、
 さらにラクラク水面からひっぺがして軽快にピックアップできる、
 
 というところを目指して、

 キャスティング時の空気抵抗が悩みの種だったフロントハックルを細工したら、
 こうしたドスコイ・クラスのドライフライの泣き所だった水面での姿勢とバランスも飛躍的に改善されて、
 してやったり感満載だった。
 だけでなく、
 倒木のキワッキワや草の生い茂るバンク際ギリギリなど、
 奥に突っ込むのに躊躇したくなるピンを狙う際、
 立て巻きハックルのウィードレス効果を実感するというウレシイおまけ付きだった。
 
 そして、
 獣毛ウイングを扇状にバッサ~とひろげて巻き止め、
 かつ使用中にウイングがしぼまずそのフォルムが維持できるように、
 ウイング基部にプラットホーム(土台)を据えて、
 かつドッサ~と大量に巻きこんだ獣毛が抜け落ちないように、
 ヘッド基部にちいさな突起を突き出してストッパーにしたら、
 それが虫のアタマを連想させる生命感を醸し出してほど良いアクセントになるだけでなく、
 フラッタリングさせるときの引き波やピックアップ時のスムーズ感といった機能面でもうれしい効果を発揮した。

 さ~らに、
 ロイヤル・コーチマン型に巻いたボディは、
 ピーコックハールが濡れてもふっくらしたヴォリューム感が維持され、
 むしろ濡れてハールのフリューがつぶれてからこそ良い感じのフォルムになるように巻いてある。

 そしてまたさ~らに、
 計4枚のコックとヘンのハックル各色をハックリングしたフロントハックルは、
 こうしてLEDライトに照らして見ると黒っぽい印象なんだけど、
 陽の光に照らされればアラ不思議。
 なんともいえない透明感のある赤っぽい黒焦げ茶ビカリに変化。

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 ほらね、
 ゴンぶとアメマスの口元にご注目を……。

 ハックルっておもしろいね。

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 とまあ、
 このようにフライのすみずみ細部にわたるまで、
 こだわりとか目論見とか計算とか気分とかセンスとか、
 自分らしさを目いっぱい反映させたフライをティペットに結んで、
 かつ、
 ほんとに自分が気に入って心酔している血が通った道具をつかって、
 そのうえで、
 忘れられない水辺での興奮と感動のストーリーを経て、
 こういうサカナが釣れてくれる豊かな喜びやシアワセにばかり浸っていると、

 その甘美で秘めやかで麻薬的な蜜の味のまえには、

 効率と能率をこそ最優先して、
 何センチだ~とか、
 ナンビキ釣れた~とか、
 そういう結果だけを追い求めるドヤ顔作業は、
 ぶっちゃけどこか空しくなっちゃうんですよ。

 それだけだと、
 オレの心は満たされないコノ欲張りさんめ。

 もちろん、
 「愉しみと喜びをどこに求めるか」というのは各人の嗜好なので、
 それを否定するような野暮を言いたいわけでなく、

 ときとして、
 じぶんの進んでいきたい方向は、
 これからの時代にそぐわなくなるんかな~とか、
 一抹の寂しさを感じたり感じなかったり……。

 ま、
 小難しいことは考えず、
 己の快楽に忠実にあるしかないんですけど。

 座右の銘は「ケセラセラ」

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 唐突に、
 現在はどうしておられるのか知らないけれど、
 アメリカでは知る人ぞ知る人気プロ・タイヤーであらせられる、
 かの御大A.K.ベストが80年~90年代ころに販売していたハサミ。

 いまも販売しているのですか?

 ハサミの脇のところにニードルも装備されているんだぜ。

 なんだけど、
 見てわかるとおり、
 現在の高品質ハイエンドな高級ハサミと同列おなじ土俵では語れない、
 あえて言葉悪く言えば「小中学校の家庭科の裁縫箱」のお裁縫セットですよ。

 じゃあ、
 使っていないかというとその逆で、
 ここ近年とくにものすごく使用頻度の高いハサミのひとつ。

 たとえば車中泊の遠征釣行で、
 クルマのなかやホテルなどにて、
 深夜とか雨の日とか時間つぶしの戯れにフライを巻いてみようとか、
 期待感で胸いっぱい明日の釣りのためのフライを巻くとか、
 そんな贅沢な独りの時間のお供にはなんてったってこのハサミが気分。

 あったかいんだよね、
 このハサミ。

 「A.K.sタイイングツール」なんてカッコイイ刻印もはいってるしさ。

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 と、
 このA.K.ベストの活躍がよく見聞された、
 80年代~90年代のアメリカのフライフイッシング事情といえば、
 まずスパークルダンを筆頭格にして、
 良くも悪くも効率重視の、
 化学繊維の特性にたよりきったようなフライが続々誕生した。

 そしてそこにCDCフェザーが加わって、
 さらに簡素かつ画一化されたようなフライが右ならえするようにズラ~ッと横並びに並んでいた。

 などと書いているじぶんもまた、
 勇んでその列にくわわった。

 その渦中にあって、
 A.Kベストの巻いていたフライは、
 クイルボディとヘンハックルのウイングを素材の核にして巻いた、
 最先端とは一線を画するようなフライだった。

 当時の最新に浮かれきっていた視線で見れば、
 ぶっちゃけ時代に取り残された感さえもあった。

 にもかかわらず、
 フライフイッシングのショーなどでは、
 なみいる有名著名最先端タイヤー連がズラリと並んでいるタイイングデモのなかでも、
 彼のブースの前だけはいつも常に人だかりでごったがえしていたそうだ。

 

 その理由と秘密の一端を、
 じぶんはこの映像から垣間見れたようにおもう。

 彼のタイイング・デモはピープルズ・チョイスだとおもった。

 じぶんも時としてタイイングデモなんて仰々しくも人前で恥を晒す立場として、
 他人様のタイイングを拝見するときには、
 そこから実用的ななにかを学ぶというよりも、
 巻いている方がどのように解説しながら物事を伝えるのか、
 というところにこそ興味があり学びがある。

 そうした視線からみれば、
 多からず少なすぎない解説の言葉数、
 なによりもその言葉の明解かつ簡潔さ、
 そしてそこにおもわずトキメいて共感するような装飾句を挿入するおしゃれ言葉テクニック。
 そんな語りの間とタイミング、
 見ている方の視線をフライを巻く手元に集中させてしまう天性のエンターテイメント性、
 なによりも「フライを巻くことは難しくないよ愉しいよ」という一貫したメッセージ。
 さらに、
 親しみやすい容姿から口調や声の響きまで、
 これがプロの仕事なんだな~と、
 今さらながら、
 というより今だからようやくわかった気がする。

 フライタイイングの愉しさや創作の喜びを万人に伝えるプロとして、
 別格中の別格のプロタイヤーにあらためて敬意と尊敬をこめて……。


  
気分
 たとえばタイイングデモなんかで、
 昔から使っているような定番的スタンダードフライとか巻いたとするでしょ。

 すると、
 参加してくださった方から、
 以前の雑誌記事やDVDではこのように巻いていたのに、
 今回はぜんぜんちがう方法になってますね、
 というご指摘をいただくことがたま~にある。

 ときにはそれを揶揄するような響きでおっしゃる方もいるけれど、
 気を悪くするどころかむしろメッチャクチャうれしい。

 とりもなおさず、
 熱心に読んだり観たりしてくださっただけでなく、
 それを実践してくださっているということだから。

 どんだけありがたいことか。
 (……んも~~アナタめちゃくちゃヒイキしちゃうZO……)

 で、
 そういうときには、
 「より良い方法やより機能的なスタイル目指して日々邁進しながら進化させていくことこそが、
 職人としてのあるべき姿なのではないでしょうか」
 などと、
 カッコエエことをしたり顔してもっともらしくエラそうにこいちゃったりするわけですが……、

 あとでものごっつハズカシイわけですが……、

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 オリジナル・レシピで巻いたクイル・ゴードン。
 フックはTMC5210の10番。
 
 クイルボディにご注目を。
 本来ならば20番以下のミッジピューパなんかのボディに巻くような、
 ほっそ~いストリップド・ピーコック・クイルを、
 10番のフックにびっちり巻いてある。

 なので、
 ピーコックのクイルボディ独特の縞模様がものすごく密に浮き出ていて、
 いつもの見慣れたクイルゴードンとはどこか印象が違って見える。

 とうぜん、
 極細のクイルは全体の長さも短いので、
 10番のフック全体に巻くことはできない。
 なので、
 都合2本のクイル材を継ぎ足して巻いてある。

 わざとその継ぎ足した部分が見えるように写真に撮ってみたけどわかるかな?

 というわけで今夜は「縞々模様のフォーマルダンディなクイルゴードン」

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 パートリッジのバックフェザーをフロント・ハックルに巻いたイングリッシュ・マーチブラウンの12番。

 パートリッジの腰付近のひょろ長くて細いファイバーを、
 ハックルセパレーター処理したのちに、
 ダイレクトハックリングで巻き止めた。

 ので、
 若干カールしたパートリッジのファイバー先端があっちこっちバラバラに向きつつ、
 テンカラ逆さ毛針のように前方を向いている。

 水面に浮かべれば、
 ボディに巻いたワシミミズクのケバケバ質感と相まって、
 翅をひろげてジタバタもがくフラッタリング状態のシマトビケラ的ファジー感。

 というわけで今夜は「ボサボサファジーな着崩しマーチブラウン」

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 淡~いピンクのシルクでほんのりほてった湯上りボディ色に巻いた、
 ロイヤル・コーチマンならぬヒト肌艶色コーチマンの12番。

 ハックルも濃厚なコーチマン・ブラウンをいつものスタイルで厚めにハックリングするのではなく、
 小麦色ジンジャーを狭い範囲にキリリと密にハックリング。

 というわけで今夜は「ツンとおすまし小粋なお洒落女子コーチマン」

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 JUNIOR BYLES & THE UPSETTERS - The Thanks We Get [1974]

 というように、
 たとえスタンダードフライであっても、
 いや、
 スタンダードフライだからこそ、
 (……きょうはこんな感じで巻いてみようかな~ウフフ……)的な、
 そのときの「巻き気分」や「イタズラ心」こそがとても重要。

 変化は進化……なのか?
メモリアル・デイズ2016
 夏の終わりから初秋にかけての爆裂台風あとの、
 ちいさな決闘の物語。
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 えげつない下あご。
 しゃくれるにも程があるっていうか、

 これまでにも、
 道内各地にて下顎が異様に突き出た爬虫類系のオスと闘わせてもらえる幸運が何度かあって、
 そのたびにメチャクチャ感動してきたけれど、

 厳つい顔つき、
 狡猾さ、
 孤高のたたずまい、
 高貴なオーラ、
 アナタぶっちぎりでシャクレ・チャンピオン。

 ヤツはホンマモンのサムライだった。

 こんなのが、
 物音ひとつしない深い森のなかのちいさな山上湖で、
 波ひとつない静まり返った湖面の片隅で、
 コプンッ、
 コプンッと、
 胸がキュッとなるようなライズ波紋を微かに響かせながら、
 密かに隠れるように、
 水面に浮かぶちっちゃなちっちゃな甲虫を吸いこんでいたんですよ。

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 私家版ブラック・ビートルの16番tied on TMC9300。
 こうしてみると、
 とってもありがち月並みなビートルなんだけど、
 ひとひねりもふたひねりも細工してある。

 なんといってもテントウムシ型のコロンと円形フォルムで、
 かつ水平姿勢を保つバランスかつシンプル構造などなど、
 
 おいしいですよ!

 と、
 このフライでこのサカナとはじめて対峙したときの模様と、
 このフライのタイイングの話題は、
 釣りたてホヤホヤのアドレナリンだばだば状態で、
 先月号のフライフイッシャー誌に書き殴らせていただいたわけですが、

 じつはまだこのサカナとの物語にはつづきがあって……、


 さいしょにこのサカナを釣りあげた日からかぞえて五日後くらいだったか、
 また同じ釣り場に行って、
 ヤツがライズしていたポイントに行ってみたら、

 午後遅く、
 湖面をなでていた微風がピターッと止まってしばらくしたら、
 またもやコプンッコプンッとはじまった。
 しかも、
 最初の遭遇のときよりもはるかに高活性。

 さ~らに、
 その日は朝から釣り場全体が高活性。
 オレ様特製コロコロ・ビートル大活躍ぼくノリノリ……。

 で、
 このときはよもや前回と同じサカナだとはおもわず、
 もう釣れる気満々自信満々でフライを投じたわけですよ、

 それでさあ、
 聞いてくれる?

 ゆ~っくりクルージングしながらコプコプいわせてるサカナの回遊コース予想して、
 何投目かにタイミングもサカナとの距離もドンピシャ!
 とおもわれる地点にフライが浮かんで……、

 こ~れはイッちゃうでしょ~気持ちがビーーーンとはりつめて心臓バクバク。

 が、
 が、
 が、
 フライの真下まで来たサカナが、
 「おっとヤバイヤバイ…」みたいな態度で反転してUターンしたときの残り波がユララ~ンとたって、

 フライが水面でフワッと揺れて、
 それでおしまい。

 「え?ウソ?見切られた?なんで??????」

 あとは、
 いくら待っても水面はシーンと静まり返っちゃってサカナの気配も消えて……、

 (ひょっとしてアレ、このまえのシャクレ・サムライやったんか?)

 もはや、
 チンピラを相手にする気にはなれず、
 水面に浮いてるムシ探しに没頭し……、

 ショートシャンクの18番かでかめの20番くらいの、
 極小ハムシ的甲虫の仲間が点々と水面に浮いているのを確認。

 シビアなライズ攻略のキモは、
 なんちゅうてもまずフライのサイズと確信しているワタシとしては、
 161102(5)5.jpg
 アジトに帰宅して、
 アンデス・コンドルのブラッククイルをねじって巻いて、
 ソッコーこんなん拵えて、
 出撃の機会を待ったのですが、

 翌日から雨風ビュービューで……、
 仕事も溜めちゃってハラハラで……、

 ようやく出かけられたのは一週間後くらいだったかそのくらい。

 で、
 他のポイントでも釣りながらも、
 このサカナが陣取っているであろうピンスポットが気になって気になって……、

 で、
 また微風がとまって湖面がビターーッとなるやいなや、
 そのピンスポットに行ってず~~っと一点見つめながらヒマ過ぎてタバコ何本吸ったやら。
 吸い過ぎてえずいてしもたがな。

 で!
 まるで周囲の森があらゆる音を吸いこんでしまったかのような、
 シーーーンと静まり返ったなかで、
 午後おそくコプンッて微かな音が響いてドッキーン。

 さいしょは、
 写真左側の小さいほうのフライをドッキドキで投げたわけですよ。
 先週観察した極小ハムシのぴったりサイズ。
 しかも倒木だらけのこのポイントではデンジャラスな6Xのティペットに結んで。
 
 もうとにかくまずは掛けたい一心下心丸出しですね。

 ところがさあ、
 クルージングコースにフライを浮かべると、
 サカナのやつ、
 ライズはやめないけどスーッと回遊コース変えちゃうの。

 そしてまた、
 予想外のところに浮上してコプンッコプンッ。

 (ダメだこりゃ……)

 そのころにはなんか根負けしてしまい、
 負け戦ならいっそ実験してみたろと、

 ティペットを5Xに変えて、
 フライも写真右のおおきいほうに変えて、
 濡れた指先でフライのボディだけグリグリ揉み倒して濡らして、
 目の前の水面に浮かべてみれば……、

 フックのシャンク中央に立てたCDCだけが水面に突き出て、
 ボディもヘッドも水面膜の直下に張り付くような姿勢。
 そして、
 ヘッド部分が水面下に突き刺さっているので、
 とうぜん結び目から数センチくらいだけ、
 ティペットも水面下に沈んでいる。
 で、
 そのうえでフライは水面直下にぶら下がるのではなく、
 水平姿勢を保って水面直下にはりつくように浮いている(←ビートルのバランスこれすっごい重要だとおもう)

 先につかった小さいほうは、
 フライのサイズが小さすぎるのと、
 構造上どうしてもティペットがフライの結び目から水面に張りつくように浮いてしまう。

 フライのサイズが異なるだけでなく、
 この浮き方が両方のフライの一番大きな違い。

 で!

 サカナが立て続けにライズするたびに、
 投げたくなる気持ちをグッと抑えながら、
 もっともアプローチしやすい地点に回遊して来るまで待ちに待って……、

 一投入魂。

 コプンッ

 奇跡だとおもった。

 掛った瞬間、
 前回はダバダバダバッと水面ではげしく身をよじらせてからギューンと走ったので、
 こちらもなんとか冷静に態勢を整えられたんだけど、
 今回はフッキングするやいなや、
 ギュギュギュギュギューーーンッと倒木めがけて爆走して、
 そのままズズズッとティペットが倒木にスレている感触があって、
 口から心臓を半分出しながらヒイヒイハアハアで強引にいなした。

 6Xのままやったら、
 ひとたまりもなかったんとちゃうやろか?

 この一幕で、
 ティペットの影にこそ警戒していたのだと結論付けるのはナニやけど、
 これほどあからさまにサカナの態度が変わるとは……。

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 おもったとおり、
 前回釣りあげたのと同じニジマス。

 このお顔ですもの、
 見間違いようがない。

 うえから見てもすんごい下アゴ。

 じつに挑戦しがいのあるイッピキのサカナと長い時間をかけてじっくり対峙させてもらって、
 フライフイッシングのエッセンスここに極めり的な至福で至高の濃厚な時間を、
 なんと三日間にわたって堪能させてくれたニジマス。

 フライフイッシングの神様が、
 ぼくに遣わしてくれた最高のイッピキ。

 って、
 言っちゃってもいいですか?
 
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