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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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パーマハックルボディド・ゴールデンカディス・オホーツクスペシャル略して「金のモジャモジャ」
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 川におりてすぐ、
 あの独特のケモノ臭がムッと鼻についた。

 臭いの濃さやぬるさから察するに、
 どうも、
 いまさっきまでこのあたりをウロウロされていたようだ。

 独りなので、
 さてどうしたものかと一瞬躊躇したけれど……、

 おもいきりホイッスルを吹きまくってから、

 このケモノ臭のヌシの毛をつかったフライを結んで釣りのぼる。

 さいきん、
 あまりにも釣り呆けすぎて、
 世俗は遠くになりにけり。
 いろんな感覚が麻痺しているようだ。
 ちょっとイロイロ調子こいている。
 きっといつかバチが当たるだろう。

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 前回とりあげたヒグマの毛をつかったシンプルなヘアカディスは、
 もともとヒゲナガの羽化にあわせたイブニングライズのために巻いたものだけど、
 フラッタリングカディスとしてなかなかの使い勝手の良さで、
 結局はそれ以外の場面でばかり大活躍している。

 この日も山奥の小渓流にて、
 ナチュラルドリフトまるで無視。
 川面をひっかきまわすようにこのカディスを水面でビクビク躍らせて、
 ガンガン釣って歩いた。

 下流から丁寧に自然にフライを流しても出るけれど、
 ひとつのポイントを瀬頭までくまなく探りながら釣りのぼって何匹かのサカナを掛けて、
 次のポイントに向かうまえに、
 上流から白泡の切れ目にフライを投げ込んで、
 流れをスーッと横切らせると、
 そのポイントでいちばんでっかいのがガボン!と激しく出た。

 ひとつのポイントでさんざん釣って水を吸ったフライが水面に浮いていられなくなってしまった。
 で、
 「いくらなんでももう出えへんやろ」
 とおもいながら、
 こんどは水面直下に沈んだフライをスイングさせると、
 張らず緩めず操作していたリーダーがグンッと震えて、
 バシッとあわせるとグググときた。

 で、
 沈んでしまったフライにでたそのサカナを放して、
 フライの水気をとばすために強めのフォルスキャスト数回。
 そのまま次のポイントにフライを投じると、
 なにもしなくてもまたもやフライはポッカーンと水面高々と浮くのだった。

 北海道の野性の王様の気配にビビリまくりながら、
 王様の金毛をつかったフライをつかって、
 北海道原始の野性のサカナを釣る。
 
 たいへん感慨深く、
 そしてオツなことだ。

 水面に浮かせるためのドライフライ素材としてのヒグマの毛は、
 ものすごいポテンシャルを秘めている。

 ただ、
 この硬くて天然パーマな毛の持ち味をいかんなく発揮させるためには、
 タイイングのときにちょい小技を駆使する必要がある。

 たとえばエルクヘアカディスなどのように、
 単純にウイングとして巻き止めただけでは、
 ヒグマの硬い毛はディアヘアのようにフレアするわけでもなく棒状にまとまってしまう。
 そうなると水切れは最悪で浮力に乏しく水面でのバランスもいびつ。
 そしてなによりもこの毛の最高の旨味でもある、
 陽の光を透過して金色に発色しながら輝いているような、
 あのたまらない生命感の色調も台無しになってしまう。

 フォルスキャスト一発でフライの水気がスカッと切れて、
 スックと水面にのって高々と浮きつづけ、
 かつ陽の光が透過しやすく、
 また水面下に沈めても水流に毛を振動させながら絶妙なバランスでスイングする、
 そんな構造のフライに巻くためには、
 なんといってもウイングに巻き止めたこの硬い毛がフワ~ッと放射状にフレアしていてほしい。

 で、
 そのような構造に巻くために、
 現時点ではどのように巻いているかというと……、

 ヒゲナガ・サイズの6~8番前後とやや大型のフライをモデルに、
 こうしたカディス・スタイルにヒグマの毛をつかうばあいの基本作例をとりあげてみる。

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 目安として、
 フックシャンクの2倍近い長さでヘアーをこのように巻き止める。
 
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 斜めにカットしたヘアーを下地に巻き込んでボディのテーパーを作り、
 まずは極細のオーバルティンセルを二つ折りにして巻き止め、
 ボディ末端にちいさなタグを巻いておく。

 これ、
 あくまでもオプションなんだけど、
 ティンセルのキラメキ効果にあやかりたい意図もあるけれど、
 それよりもボディ末端をほんの心持ち重くしておきたい目論みもある。

 大型サイズのカディス系パターンのばあいはとくに、
 このような重量バランスにしておくと、
 水面での安定したバランスの向上に役立つ。

 で、
 そんなタグの付け根に、
 今回ボディ材につかうミニオストリッチを数本バサッと巻き止めたところ。
 オストリッチは写真のように先端側を巻き止める。

 オストリッチ、
 このようなタイプの大型ドライフライのボディにつかうとメッチャええです。
 なんしかフワッフワに軽い。
 のに、
 ボディのボリューム調整がきわめて容易。
 そ・し・て、
 モコモコに毛羽立ったボディがいかにも蟲っぽい。
 そのくせ簡便簡潔に手早く巻ける。
 なかなかのスグレモノ。

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 オストリッチの束をスレッドにギリギリ捩りつけて、
 それをボディに巻いているところ。

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 で、
 ボディを巻き終わったら、
 ウイングの付け根にボディハックルとなる、
 グリズリーのハックルを巻き止める。

 このボディハックルはネックでもサドルでもヘンハックルでもなんでもいいんだけど、
 いちばんのおススメはなんといってもコックサドルのスキン後方に生えている、
 ウェヴの多いヘニャヘニャの長~いハックル。
 この、
 これまでまったく利用価値のなさそうだった捨ててた部位のハックル。

 このハックルの特徴のひとつは、
 ファイバーの長さにものすごい急激なテーパーがかかっているところ。
 そして、
 そのうえでヘンハックルよりもずっとソフトでふにゃふにゃなところ。
 そのくせ、
 コックハックルだからなのか、
 ソフトなのに復元力があって型崩れしないところ。
 
 そんなハックルをボディにハックリングすると……、
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 このようになる。

 ウイング付け根だけ2~3回転ほどハックリングして、
 そのままボディ末端に向かってパラパラッとパーマ・スタイルにハックリング。

 す・る・と・
 ウイング付け根のハックルのファイバーが際立ってロングファイバーになっていて、
 ハックルがそのままテーパー状にボディ末端にむかってハックリングされている。
 着水時のバランスの良さ、
 スイングさせたときのハックルの振動などなど、
 いいことづくめ。

 で、
 ここでのハックリングの大事なコツは、
 ハックルの裏側(ハックルが軽く湾曲している側)が前方を向くように巻くこと。
 すると、
 当然ファイバーがフライの前方を向くので、
 バランスも動きも格段に良くなるうえに、
 フライの水気も断然とばしやすくなる。

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 んで、
 タグに巻いたティンセルを、
 こんどは二重撚りにしてリビングがてらボディハックルを補強。
 これはこのテのフライのいつもの手順。

 ここまでの手順は、
 このフライにかぎらず、
 このようなボディハックル的大型カディスをより良く巻くための参考手順でしたが……、

 さ、
 いよいよウイングとなるヒグマの毛がフワワワワ~~~ッと放射状に広がるように巻くにはいかにして?

 メッチャ簡単。

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 まずはあらかじめ巻き止めておいたヘアーを、
 クシでやさしく撫で梳いて、
 ヘアーをバラバラにしておきましょう。

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 そしてココが肝心。

 心をこめてやさしく(←コレ重要!)梳いたヘアーを、
 ウルフ系ヘアウイング・パターンを巻くとき同様に二股にわけて、
 それぞれのヘアー根元ギリギリにスレッドを一回転きつめにキュッと巻いといて……、

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 左右片側づつヘアーを折り返すようにして巻き止める、
 わけですが……、

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 このとき、
 ヘアーを完全に折り返してしまうのではなく、
 ちいさくクルンッとループ状にして巻き止め、
 このようにその部分をヘッドとして残しておく。

 また、
 ヘアーを折り返す際は、
 フックシャンク上部に折り返すというよりも、
 やや横方向に折り返すのを意識するとモアベター。

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 左右のヘアーをそれぞれに折り返して巻き止め、
 白のスレッドにマーカーで着色してヘッドを巻いた状態。

 ね、
 ビンビンに硬いヒグマの毛が、
 まるでディアヘアーのようにやわらか~いファジーな印象でフワ~ッとひろがっているでしょ。

 このフワッとひろがっているウイングこそが、
 ヒグマの毛の特性と旨味を最大限に引き出す構造。

 陽の光を悩ましく艶っぽく透過させて、
 水面に浮かぶフライに金色のオーラをまとわせ、
 少々のウグイ猛攻をものともせずずっとイイ感じで浮きつづけ、
 よしんばフライが濡れてしまっても、
 フォルスキャスト数回でフライについた水滴がピッピと弾き飛ばされるというわけです。
 いつもフロータントは釣りはじめにチョイつけるだけで、
 あとはず~っとそのまんま。
 なのでフロータントの節約?にもなりますね。

 で、
 ウイップフィニッシュしたらアッというまに完成。

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 さらにこのちいさなヘッド。

 見た目のムシっぽさはもちろん、
 不自然なくウイングをフックシャンクやや中央寄りにする、
 という意味もある。
 空気抵抗をいちばん受ける突起部分がヘッドぎりぎりに生えていると、
 フライがひっくりかえって着水することが多発するからね。

 また、
 フライをスイングさせたときに、
 このちっちゃなヘッドがたてるおおきな引き波が素晴らしく気にいっている。

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 フライの下側はこんなかんじ。
 濡れそぼっているのでオストリッチのボディが、
 まるで湯上りの猫のように萎んでいるけれど、
 水面に触れたり沈んだりすると再度フワッと膨らんでイイかんじになる。

 で、
 膨らんだオストリッチのフリューが、
 密にリビングしたオーバルティンセルを覆うようなかんじになる。
 そのため、
 オストリッチのボディの下からティンセルが鈍くギラつくように透け見えるかんじになる。
 羽化直後のヒゲナガのテラッとテカッているボディのあの質感。

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 このカディスで釣るには舌舐めずりしそうな白泡のポイント。

 さあ、
 これから対岸に投げてブルブルふるわせながら引っ張ったり踊らせたり、
 白泡のなかに叩きこんでスーッとスイングさせたりするでえ。


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 とかなんとかエラそうに言っちゃって、
 この日、
 痛恨のすっぽ抜けが三回もあった。

 白泡の切れ目のところをスイーッと滑らせたこのカディスに、
 いきなりグワボンッ!とえらい派手な水飛沫けたててもんどりうって出たやつ。

 最初の一回は、
 こんな小渓流で想定外の大物がいきなり飛び出してドびっくり、
 まあしゃあないな……、

 と、
 自分を慰めて、
 次の好ポイントにて、
 またしてもドッバーンッ!
 そして、
 またしてもビックリ秒速大アワセ。
 フライを口から引っこ抜かれたどでかいイワナ、
 「あれ?なに?え?」
 みたいなしぐさで、
 しばらくウロウロしながら白泡のしたに消えて行きました。

 そして、
 次こそはと臨んだいかにもな深みの好ポイント。

 果せるかな、
 青みがかった深い水底から、
 水面でブルブル踊っているフライにむかって、
 グオオオーッとホホジロサメのように浮いてきた。
 きたきたきたーーーーっ!
 グワッポンッとたしかにフライをがっぽり吸いこんだのを確認して、
 もう自信満々確信みちみちて、
 アラヨッと竿をあおったのですが……、

 スカッとスコッと……手ごたえなく……。

 なんでやねんど~なっとんねん?

 怒涛天をつく。

 こうなるともうリズムはガタガタ集中力メロメロ。
 おもしろいようにすっこ抜け、
 ようやく掛っても次から次へとバラしてバラしてバラしまくり。

 もう涙目。

 いまにしておもえば、
 もはやこのときすでに、
 我が身には「怖ろしい呪い」がふりかかっていたのかもしれません。

 やることもやらず、
 不義理上等やくそくぜんぜん守りません。
 釣り以外の予定すべてドタキャン。
 ただひたすら釣り呆けた罰……なのか?

 それともこれは、
 ひと夏のあいだ美しき水辺と野性のサカナをひたすら蹂躙しまくった「呪い」ですか?

 我が運命やいかに。

 次回につづく……かも?。
 

 
ハッピー・マドラーミノー・ハイ
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 水面に浮かぶでっかい毛虫。

 その気にならなければまったく気付かないけれど、
 その気になって注意していれば、
 おどろくほど頻繁に水面に浮いて流れている毛虫。

 流れに揉まれて沈んで流れているだろう毛虫も含めれば、
 きっと想像以上の量が流下しているのだろう。

 落水して間がないのか、
 水面のうえにポカッと浮いて、
 ノロノロと緩慢に身体をくねらせているやつ。

 力尽きて水没寸前、
 水面膜の下にぶらさがるように、
 かろうじて浮いて流れのままに漂っているやつ。

 その浮き方はさまざま千差万別。

 そんな水面に浮かぶ毛虫を仔細観察してみれば、
 体節のあいだから無数に生えているトゲトゲのあいだに気泡が溜まっている。
 サカナの視線で水面下から眺めれば、
 それはきっとティンセルなどのヒカリモノのようにキラキラ輝いて見えることでしょう。
 そしてまた、
 毛虫のモジャモジャした外観とあいまって、
 全体のパッと見の印象は茫洋として捉えどころのないファジーな印象に映ることでしょう。

 そのくせ、
 毛虫の特徴的な紡錘形のシルエットはとても印象的。
 いったんサカナの脳にインプットされれば、
 おいしい御馳走として鮮烈に記憶されることでしょう。

 喰われてないわ~けがない。
 ちゅ~か、
 なんでこんなにも重要なエサにこれまで注目していなかったのか……。

 とはいえ、
 そんな毛虫でキョーレツな釣り体験をしたのは今シーズンが初めてではない。
 30年以上もまえの学生のころのフライフイッシング駆け出し時代、
 岩手の三陸地方の山岳渓流にて、
 禁漁間近の初秋のころ、
 どでかいヤマメやイワナはみんな毛虫を飽食していることをつきとめて、
 ウーリーワーム的なベタなフライで信じられないような釣りをしたことがあった。

 いまにしておもえば、
 ある時期のサカナたちがその季節に集中して流下する特定の昆虫を喰っていて、
 それを模したフライがものすごい効果を発揮する、
 という、
 これぞフライフイッシングの醍醐味!的な釣りを経験したはじめてのできごとだった。

 とはいえ、
 その当時これは特定の川の特殊な例なのだと勝手に納得して、
 そのまんま半分忘れていた。

 そして……、
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 2Xロング6番のフックに巻いたマイルドな常用マドラーミノー・ドライフライ仕様。

 ここ北海道の各釣り場にて、
 ドライフライ・シーズンを通してず~っと、
 また場所を選ばずたいていどこでも、
 なんでこないにマドラーミノーが効くのか?

 それはなんでか?
 
 よく言われるようにバッタやヒゲナガのイミテーションとして効くのか?
 それも間違いではないけれど、
 正しくもない。
 だって羽化期や発生時期や場所が限られるじゃん。

 「マドラーはマドラーだから効くのだ」
 という名言をのべられた大先輩のお言葉は、
 サカナをその気にさせるアトラクターフライとしてのマドラーミノーならば、
 「信じる者は救われる」的フライを称賛する言葉として秀逸だとおもう。

 が、
 もうちょっとこう、
 その効力に対しての自然科学的かつ論理的な解釈もほしいわけで……、

 ながらくそのクエスチョンを胸中に抱きながら、
 マドラーミノーを流れに投じておったわけですが……、

 今季、
 ようやく自分的にものすごく納得する考察を得た。

 ひょっとしてひょっとしたら、
 マドラーミノーって、
 晩春から盛夏を経て初秋にいたるまで、
 ず~っと日常的に流下している大型の毛虫を暗示するフライとして、
 我知らず絶大な効果を発揮していたのではないのかないのかないのかど~なのか? 

 マドラーミノーのモジャッとした体裁と透過光に影響を受けるファジーな印象。
 それでいながら特徴的なヘッドがかもしだすボリューム感と明確なシルエット。
 そして全体として細長い流線形のフォルム。
 さ~らに!
 水面に乗るようにポカッと浮いたり、
 はたまたヘッドの浮力でかろうじて水面直下に浮くようなサスペンド・バランス。

 毛虫のイミテーションとしてマドラーミノーを再度見てみれば、
 もうなにもかもがものすごくしっくりストンと納得できる。

 そんなわけで、
 そのような視点でマドラーミノーを見直すと、
 もうこのフライが毛虫にしか見えなくなってしまった。
 そしてな~により、
 古い付き合いだったこのスタンダードフライの超名作が、
 あらためてものすごく新鮮で新しいフライに映るのでございました。

 のだが……、
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 つい二日前、
 友人とふたりして山奥の渓流にでかけた。

 朝、
 川におりてすぐ、
 ドン深のおおきな淵があって、
 その淵の真ん中に何本もの枝をひろげた巨大な倒木がドーンと横たわっていた。

 ぜったいに潜んでいるだろうけど、
 深すぎてドライフライではパスするような場所。
 といって、
 沈めて流せばたちどころに倒木に引っ掛かりそう。

 「まあ、いちおう投げてみるわ」
 なんつって、
 マイルドサイズ6番のマドラーを倒木の横に浮かべてみたけれど、
 案の定なにも反応はなく、
 ピックアップするついでにマドラーをブルブルふるわせながら水面を引っ張ってみたわけです。

 するとどうでしょう、
 倒木の下からこのプールの主っぽいのがヌ~~~ッとあらわれて、
 マドラーを追っかけてくるではないですか。
 
 ところが、
 喰い気はあるけど水面のエサに襲いかかるまでの気分ではない、
 みたいなかんじでフライを追うのをやめちゃって……、
 そのまま倒木脇の川底にベタッとはりつくように定位しちゃって……、
 なにしろ水が透明なので、
 その様子が丸見え。

 なので、
 すかさずウエイトをがっつり巻いたニンフに変えて、
 川底にドボーンと沈めてみれば……、
 フライをサカナの目の前に誘導するず~っとまえにサカナがフライに気がついて、
 自らス~~ッとフライに近寄るとパフッと喰ってくれちゃって、

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 ズンズン倒木に突進しようとするのをガツンと強引に竿で受け止めて、
 深場からひっぱりあげて会心のイッピキ。

 まずはマドラーミノーで倒木の下の深場から誘い出しておいて、
 まんまとニンフで喰わせたという、
 釣れるまでの過程にいたくご満悦。
 釣りはじめてすぐいきなりハイな気分。

 きょうも良い一日になりそう、

 さあ、
 はりきってまいりましょ~~~。

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 なんせサカナがごつくて厳ついので、
 疑いもなくアメマスアメマスと連呼していたけれど、
 こうして記念写真を見てみれば、
 アメマスというよりもエゾイワナちっくな斑点と魚体。

 それはいいとしても、
 ふたりでキャッキャと釣りあがりながら、
 ちょっと妙なことに気がついたのでございました。

 良いサイズのサカナがバッコーンと水面を割るときは、
 必ずといっていいくらい、
 ドラッグがかかりまくって水面あるいは水面直下をビューンと流れ下るマドラーに、
 川底からものすごい勢いで浮かび上がってきてフライを激しくチェイスすると、
 グワバッ!と魚体を翻してフライに飛びかかってくるのだった。

 技を駆使してフライをナチュラルに流すと、
 でっかいのが出るまえにヤング・サイズがバチャッと出ちゃう。

 なんでやねん?

 この日は、
 いつもの毛虫マドラーとしてではなく、
 完全アトラクターフライとしてマドラーミノー大活躍ひとり舞台。

 「マドラーはマドラーだから効くのだ」

 アトラクターとしてもイミテーションとしても、
 マドラーミノーはいろんな意味で毛鉤の本質に迫るフライだとおもう。

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 ここはぜったいいるでしょ~、
 と気合いのはいるポイントにさしかかり、
 友人に「ここはぜひとも釣っちゃってよ」
 というと、
 「じゃ、フライ交換します」
 と言った。

 そして、
 おなかのポケットに仕舞ったフライボックスからマドラーミノーを摘まみだすと、
 友人はなにをおもったのか、
 いきなり唐突に脈絡もなく、
 マドラーミノーを頭上に掲げて、
 「マァドゥラーミィノ~~~」と、
 ドラエモンの声真似をした。

 ぼく爆笑。

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 そしてまた絶好のポイントにさしかかり、
 「こんどはビゼンさんやってください」
 と友人が言った。
 「マジ?いいの?」
 「もちろんです。マドラーでぶっ叩いてやってください!」
 「いや、アメマスの心の扉をソッとノックしてみるわ」

 友人爆笑。

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 ほんまにもう、
 どいつもこいつもシャクレちゃってガラ悪そうで、
 ほんとにカッコイイ面構え。

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 午後おそく、
 川からあがるとき、
 「コレ、食えんのかな?」
 「旨いのかな?」
 「なんかヤバイ成分の幻覚キノコかも」

 「これ食ったらさあ、このハッピーでハイな気分のまま一生ず~っとトリップできたらええのにな」
 「ウハハハハハそれはそれで日常生活に支障がでますね」
 「べつにそれでもええんやけどなウハハハハハハハ」

 そして我々は、
 背丈くらいもあるクマザサの密林をバッサバッサなぎ倒しながら、
 藪を漕いで川からあがって林道にでて、
 くっだらないおしゃべりを延々愉しみながらクルマに戻ったのだった。

 みなさま、
 炎暑お見舞い申し上げます。




カモそしてガチョウにトンビ
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 ピンクと黒のダイド・グースショルダー。

 ウエットフライのウイングにつかったり、
 サーモンフライのマリッドウイングやミックスドウイングにつかったりして、
 クイルウイングにつかう「おいしいところ」はほぼすべて切り刻んだ状態。

 と、
 そのような使用済みハンパモノのグースショルダーの根元に残っているファイバーを、
 スレッドに捩ってフライのボディに巻いて……、

 ピンクの腰巻き付きブラック・ボディ。

 デラックスだ。

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 純白のダッククイルをドサッとウイングにつけて、
 シルバーバジャーのコックハックル巻いて、
 アムハースト・フェザントのティペット・フェザーをシッポにつけて、

 2Xロングのフックにヒョロ長のボディ、
 そしてでっかいクイルウイング。
 フックのゲイプの2倍強の長めファイバーのハックル。

 バタ臭さいというか垢抜けないフォルムが、
 アメリカ開拓時代の牧歌的クラシック・エレガンス。

 根をつめたタイイング仕事の合間に、
 息抜きと気分転換を兼ねて、
 お戯れに巻いた私的クイルウイング・ファンシー・ドライフライ。
 
 タイイング仕事に煮詰まったら、 
 趣味のタイイングでリフレッシュ。

 机に転がっている材料の残りや破棄するような素材を適当に自由に組み合わせて、
 まかない料理的フライなんだけど、
 でもなんか妙に丁寧に気ィいれて巻く……そんな一本から、
 今夜はこのモノトーン・ピンクな即興作を。
 
 フライの名前は「シャンシャン」でぇ~す。

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 フライタイイングの素材として、
 まったくリンクすることはないであろうというその一点において、
 パンダそのものはテレビで観て「あ~かわええな~」とおもうくらいの興味しかない。

 マメ知識やけど、
 お隣のお国にはアジアに棲む幾多のキジ類のなかでも、
 比類なき神々しさと美しさを誇るキジ界最高峰ビューティなニジキジの仲間がいた。
 そのキジはかつて、
 かの地の山岳地帯に広く分布していた。
 のだが、
 ご多分にもれず環境破壊と乱獲の末にもはや絶滅寸前。
 っていうか絶滅。
 が、
 たまったまパンダと生息域が被っている地域に棲んでいたキジだけが、
 パンダの保全保護VIP待遇のおこぼれにあずかってヒトの手を逃れ、
 その地でかろうじて絶滅を免れて細々と命をつないでいるらしい。

 まさかキジの分布でこの世の不条理を垣間見るとは……、

 という話しはおいといて、
 つい最近知ったんだけど、
 「シャンシャン」の身体の本来なら白いところが、
 ここんとこ赤みがかったピンク色に変化している。
 それは、
 お母さんがひっきりなしに子パンダを舐めてかわいがるので、
 その唾液によって赤く染まっているんだって。

 話しはちょい脱線するけど、
 なんでも雄羊のキンタマの毛と赤キツネのチンコ周辺の毛は、
 長いあいだ彼らが垂れ流したオシッコがその毛にかかることで、
 ほんのり赤みがかった淡いピンクに染まっているそうだ。
 そしてその毛は、
 これこそがタップスやライトケイヒルなどのオリジナル必殺ボディ材として、
 19世紀後半や20世紀の初めころ当時は誰もがのどから手が出るほど入手したい高貴なダビング素材だったそうだ。

 と、
 そんな逸話を知ったときは、
 「うわ~、それメッチャ釣れそうスッゲエな~」
 いたく感動したものだった。

 というわけで、
 このような純天然アンモニア・ダイドによる羊やキツネの獣毛を入手したいばかりに、
 「羊のキンタマのポワポワ毛とキツネのションベンまみれのチン毛がボクものすごほしいね~ん」
 とはじけまくり、
 おかげでいろんな方にものすごい迷惑をかけてしまったケモノのウンコシッコまみれの失敗談もあります。

 現実は甘くない。
 その部位はオシッコまみれではあったが、
 それ以上に、
 洗っても洗ってもウンコまみれでもあったのだった。

 もうホンマどないもこないも……、

 さすがに懲りました。
 関係者の皆さんその節はほんとにスイマセンでした。

 しかし、
 カリスマ・ジェニングスやニンフの父スキューズといった偉大な先人たちは、
 このウンコまみれの毛をどのように洗ってはったんですか?
 それが知りたい。
 
 とまあ、
 そんな「ぼくのフライフイッシング素朴な疑問」シリーズもひとまずおいといて、
 テレビで観るたびにおもうねんけど、
 「シャンシャン」のドテッ腹の赤ピンクに染まった薄毛、
 あれいいね!メチャそそるねたまらないね。

 あの毛、
 スレッドに撚りつけてフックシャンクに巻きて~~。

 メッチャ破壊的に爆効きしたりとかして……。

 そんな視点で、
 「シャンシャン」の成長を見守りたいです。

 という話とはまったく関係ないんですが、
 お戯れ巻きのドライフライもういっちょいっとく?

180115(5)5.jpg
 ナチュラルなダッククイルをブワッと拡げてとめた、
 このテのフライとしてはでっかくドーンとマックス・サイズ8番。
  
 サイドワインダーというよりも、
 このまえ取り上げたジュリアナ・バーナーズ女史の原典フライズの私的現代風モダン・アレンジ系?

 初の試みとなる方法を思いついて試してみたのじゃよ。

 ボディはダビングではなく、
 トンビのクイル・フェザーをスレッドに捩って巻いた。

 こうしたノーハックルなクイルウイング・フライの構造上、
 通常通りの方法だとダビング材でないとボディが巻けないんだけど、
 いろんな小細工かまして裏技連続で、
 あえてクイルボディでスラッとしたボディ巻いてこましたった。

 だからどうなんだ?
 って話なんですが、
 ちいさな発見おおきな自己満足…の作例です。

180115(4)4.jpg
 ナチュラルのダッククイル。
 クイルウイングとして使える部分はすべてつかってしまった状態。

 しかしアレですね、
 トンビのセカンダリークイルの「クリーミーであったかい感じのダン色」ボディは、
 スタンダード・ドライフライをよりいっそう艶っぽく魅せてくれるオシャレさん。
 ぼかあトンビにくびったけ。

 耳より情報ですが、
 北海道各地の河原は高品質なトンビの羽根しょっちゅう落ちてるでえ。
 同好諸氏におかれましては釣り行ったらキョロキョロしながら河原歩きなはれ。
 その気になって探したらエエのん拾えるでえ。

 

Revenge of the 昆虫軍フォーム製
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 甲羅状の上翅がパカッとふたつに割れて、
 その下に収納していた半透明な下翅が扇子のように震えながらひろがって、
 いざ天空目指して羽ばたかん、
 と勇ましく飛び立ったけれど、
 波立つ荒瀬が陽の光を反射する鋭い輝きに惑わされ、
 哀れ水面に不時着。
 下翅が水面膜に捕えられ、
 ジタバタもがけばもがくほどに……、

 という状態を模したフォームの大型ビートル・スタイル。
 2Xロングシャンク6番。

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 ベリー側の造作は前回のキングコング・レネゲイドとおなじ。
 ギラッとピーコックな輝き。

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 やはり、
 時代は巡るのか。

 かれこれ14~15年ほどまえ、
 熱に浮かれたように各種のフォーム素材を収集していた。
 
 のに、
 いろ~~んなフォーム素材がもうええっちゅうくらいい~~っぱい集まったころ、
 あんなにオレノチェルノだハルゼミだと盛りあがっていたのに、
 なんでかスーッとこの素材にたいして気持ちが冷えて飽きちゃったのだった。

 そんな嗜好の移り変わりは、
 我がタイイング気分の軌跡的に過去当ブログでもお話ししたかもしれません。
 
 しかし、
 あのころ購入したけど封も開けてなかった各種のフォーム素材が、
 今シーズン新天地でのキョーレツな釣り体験などの諸事情により、
 たったいま、
 15年もの歳月を経てビニールパックから出されてあれよというまにタイイング机の大半を占領。
 まるで長い眠りからさめて封印を解かれたかのよう。

 めぐってるねえ……。


 
奥さまは魔女
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 エルクヘアカディスならぬヒグマヘアカディス。
 TMC9300の8番。

 アンダーファーを濡らした指先でグリグリ揉んで丸めて、
 その団子状のものをこんどはフワッとほぐして、
 そんでもってタッチダビング。

 するとアンダーファーに残っていたガードヘアーがワッサワサとダビングボディのうえに立ちあがり、
 これをブラシで梳いてやるとボディのダビングとパーマハックルが同時に完成。
 長すぎるガードヘアーや邪魔な毛は適当にハサミでカット。

 んで、
 ボディ巻いたらガードヘアーをダウンウイング状に巻き止めて完成。
 夏ごろに取り上げたミドリカワゲラのときの記事参照。

 材料はスレッドとヒグマの毛のみ。

 名づけて「北海ファジーズ」

 ジェル状のフロータント(なんでも可)をチョンと少量つけて、
 フライをボディウイングもろともモミクチャに揉みまくりなはれ。

 で、
 指先でグワッとウイングを広げながら、
 逆向きにしごくようにフロータント擦り込みつつ毛を広げれば準備完了さ。

 ポカッと浮くよいつまでも。


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 ゴムのシッポ付きのもある。



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 話はがらりと変わって、
 ニンジン色のウールをボディに巻いて、
 黄緑と黄色のシールズファーを毛羽立たせてソラックス巻いて、
 ハックルとテイルはアマゾン・パロット…若草色のでっかいオウムの羽根。

 ありったけファンシーなんだけど、
 なんとこのフライのオリジナル原案者はかのG.E.Mスキューズ。
 フライの名前は「キャロット・ニンフ」邦題「人参川虫」

 だいたい100年とかそれ以上とかそれくらい前の大昔のクラシック・ニンフ。
 といっても、
 ほとんど知られていないのではないか?。
 私も最近知りましたインターネットで。

 スキューズが提唱した釣りのスタイルや姿勢に感じ入り、
 そして巨匠が活躍した時代背景と人間模様を知っていると、
 この真面目なおふざけと茶目っ気フライがとても愛しくかんじられる。

 イタズラ心満載のフライからお人柄が覗き見えるようだ。

 このニンフ、
 スキューズが当時の雑誌に「笑われるから大きな口では言えんけど、コレ…じつはメチャ効くんだよね」
 的な論調で紹介されていたそうだ。
 チョークストリームでライズしているマスを狙うためには、
 フライの色は本物そっくりでなければ……信仰的にそう考えられていた時代にですよ。  

 やはりスキューズはニンフの元祖であるだけでなく、
 ダビングボディの質感と色調の混沌の世界のトビラを最初に開けたお方だ。

 人参川虫フライ、
 こうして見るとギャグなんだけど、
 濡れるとシリアスになんの。

 水を吸ったオレンジ色のウールが赤茶ぽくくすんで、
 そのボディのうえを半透明なシールズファーが覆うようにしなだれかかり、
 そして濡れそぼった若草色のオウムの羽根は茶色がかったオリーヴ?なんとも表現しがたい色に変化。

 うっわニンジン川虫濡れたらまるでカディスピューパじゃんそりゃ効くって……みたいな。

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 で、
 そのようなフライたちを2本。
 リードフライにビーズヘッド仕様に巻いたキャロットニンフ、
 ドロッパーに北海ゴム付き、

 これをやねえ、
 上流から目指すピンスポットめがけてダーッと流し込むと、
 北海はポッカーッと水面に張り付くように浮いて、
 リードのニンフがグイグイ沈んでいくわけですよ。

 で、
 ここぞってところでテンションかけると、
 沈んだニンフに引っ張られるカタチで、
 ポッカーッと浮いてるのが極めて速やかにスッと自然に水面直下に沈むというより潜る。

 でで、
 そのままスイングさせたり、
 流し込んだ角度によってはそのままかる~くクイクイッとしゃくってみたり、
 ケースバイケースなんだけど……、

 水中をオケツのラバーレッグぶるぶる震わせながら泳ぐ北海ゴム付き、
 まるで触角を震わせて逃げまどう金色のエビのようだ。
 ポッカーッと水面に浮いてるときは「もがくカディスやなんやかんや羽虫的虫」
 水中をスイングするとナチュラル・ゴールドなジェネラル・プラクティショナーのミニサイズ。

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 サムライ顔の厳つい兄ちゃんも、

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 リンゴのホッペの姉ちゃんも、

 みんなみんな、
 むしゃぶりついてきよんでえ

 

 というのは大げさですが、

 いわゆるドライ&ニンフだっけ?
 当初はドライフライをインジケーターに見立てたようなアプローチだったんだけど、
 そこから派生して、
 今はリードフライのニンフの役目はドライフライに動きを与えるためのアンカーというかなんというか……、

 ウエットフライでいうところのフライをターンさせたとき、
 水面のフライがスーッとほんとにスムーズに潜っていって、
 その瞬間二匹ともムワンッ!と水面を盛りあげて食ってきた。

 夏の暑い盛りのド渇水の夕暮れまえ、
 待望の雨が降ったけど、
 ほんのおしめり程度というバッデストな状況で、

 しかも下流からドライフライで舐めまわすようにねちこくやって、
 とうとう長い深瀬の瀬頭まで釣りのぼって……、
 諦めきれず時間をおいてこんどは同じポイントを上記のような仕掛けとアプローチで釣り下ったところ……、

 あんだけ苦労してたのに立て続けにドッカンドッカン炸裂しちゃって、

 この時期の必殺メソッド発見と大いに色めき立ちましたが、
 調子こいたらあきまへん。
 そうは問屋がおろしまへん。

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 そういつもいつもうまいこといくとは限らないけれど、
 この方法でニンフのほうに良いサカナが掛ったためしがない。
 というところ、
 けっこうミソだとおもう。

 たまにチビッコがブルルンッとニンフに掛ったりもしたけど、
 ここではアンカーの役目に徹してもろてます。
 なので、
 ポイントの状況に応じてドロッパーとの間隔がすごく重要。
 けっこうマメに結び直してます。

 まあそれはいいとして、
 フライがスッと水面から消えて一瞬のあと、
 ムワワンッと水面がえらい力強く盛りあがったりとか、
 水中でギランッと魚体がひねり輝くとか、
 
 イッピキイッピキそれぞれの光景が脳裏に焼きつく系のたまらん出会いになった。
 この方法たのしい。
 
 
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