先週の大潮の日の夕暮れ、
ナマズ釣りに出かけた。
海沿いの、かつては広大な湿地帯だった土地を、
埋め立てて出来た田園地帯の用水路や溜池。
そこは潮の干満の影響を受けて水が動く。
当然、サカナの活性もそれに大きく左右される。
淀んだ水が動き、水路の隅々まで満ち渡る大潮の夕暮れは、ナマズがうかれてズッコンバッコン水面を割る最大のチャンスだ。

農道脇のそこかしこに彼岸花が咲いている。
ジャンボタニシの、まるでイチゴジャムの塊のような卵が、護岸や葦の根元で固まっている。
このあたりで釣りをするようになってから、水辺に鮮やかな紅色が目立つようになると、秋だなあ…と思うようになった。

水面に浮かぶキャットバグに、何度かナマズが出た。
のだが、どこか物足りない。
ズコーンッと抜けない。
最高の条件にもかかわらず、
水温が低くなったようで、
ナマズの動きがなんとなく緩慢。
今日は今シーズンのナマズ釣り納めだ。
もちろん、やればまだまだ釣れるけど、
涼しくなって、フライへの反応がおとなしくなったら、
今年はもうおしまい。
ナマズ釣りは、
サカナがフライに、まるでケンカ腰のように激しく出る瞬間こそが最高のエクスタシー。
パコパコと水音を立て、ジュボッと泡を出しながら水面を泳ぐ、冗談みたいにでっかいフライに反応したナマズが、
「オマエ誰にことわってパコパコ泳いどんねんゴラッ!イテもうたろかオンドレ~ッ!!」
なんて、油を流したように淀んで、波ひとつない水面から突然、
激しく水柱を上げながら、怒り狂ったように
バッッコ~ンッ!
と出るのがいい。
その様子を見るたび「ウッヒ~ッ」、
もうゾクゾクだ…。
そんなナマズのやる気満々の雄姿を堪能するには、
やはり晩春から真夏の季節…。
やぶ蚊除けのハッカ油を塗りたくって、
ジメジメと熱帯夜な夕暮れ、
田んぼをステージに熱唱するカエルの大合唱を背にして、
我がキャットバグを水面に叩きつけたい。
知ってる?
食用ガエルがクシャミするの…。
暗くなった水辺で「グゥオン、グゥオン、グゥオン…」
いい調子で低音響かせてるんだけど、
ときどき「グゥオン、グゥオン、ゲホッゴホッ…グゥオン、グゥオン…」
来年、気をつけて聞いてみてよ、クシャミするから。
それを聞いて「お、今クシャミしよった」なんて思いながら、
月明かりに照らされる静かな水面が、
ド派手に爆発するのを今か今かとドキドキしたい。
それにしても、カエルって…
ええなあ…。

また来年会いましょう、イヤだろうけど…。
今年もほんとにありがとう。


お月さんが、もう水面に映ってる。
日が暮れるのも、めっきり早くなりました。
この夜、
東京から毎週ずっと東北の渓流にひとりで通っていた、
ホンマモンのイカレポンチな友達と電話…。
「もうナマズ終わりやから、しゃあないから明日からまたマス釣るわ~」
と悪びれてみた。
「失敬な!」
やて…。
ウハハハハハハ…。
やっぱサカナ釣りはええな~。
ナマズ釣りに出かけた。
海沿いの、かつては広大な湿地帯だった土地を、
埋め立てて出来た田園地帯の用水路や溜池。
そこは潮の干満の影響を受けて水が動く。
当然、サカナの活性もそれに大きく左右される。
淀んだ水が動き、水路の隅々まで満ち渡る大潮の夕暮れは、ナマズがうかれてズッコンバッコン水面を割る最大のチャンスだ。

農道脇のそこかしこに彼岸花が咲いている。
ジャンボタニシの、まるでイチゴジャムの塊のような卵が、護岸や葦の根元で固まっている。
このあたりで釣りをするようになってから、水辺に鮮やかな紅色が目立つようになると、秋だなあ…と思うようになった。

水面に浮かぶキャットバグに、何度かナマズが出た。
のだが、どこか物足りない。
ズコーンッと抜けない。
最高の条件にもかかわらず、
水温が低くなったようで、
ナマズの動きがなんとなく緩慢。
今日は今シーズンのナマズ釣り納めだ。
もちろん、やればまだまだ釣れるけど、
涼しくなって、フライへの反応がおとなしくなったら、
今年はもうおしまい。
ナマズ釣りは、
サカナがフライに、まるでケンカ腰のように激しく出る瞬間こそが最高のエクスタシー。
パコパコと水音を立て、ジュボッと泡を出しながら水面を泳ぐ、冗談みたいにでっかいフライに反応したナマズが、
「オマエ誰にことわってパコパコ泳いどんねんゴラッ!イテもうたろかオンドレ~ッ!!」
なんて、油を流したように淀んで、波ひとつない水面から突然、
激しく水柱を上げながら、怒り狂ったように
バッッコ~ンッ!
と出るのがいい。
その様子を見るたび「ウッヒ~ッ」、
もうゾクゾクだ…。
そんなナマズのやる気満々の雄姿を堪能するには、
やはり晩春から真夏の季節…。
やぶ蚊除けのハッカ油を塗りたくって、
ジメジメと熱帯夜な夕暮れ、
田んぼをステージに熱唱するカエルの大合唱を背にして、
我がキャットバグを水面に叩きつけたい。
知ってる?
食用ガエルがクシャミするの…。
暗くなった水辺で「グゥオン、グゥオン、グゥオン…」
いい調子で低音響かせてるんだけど、
ときどき「グゥオン、グゥオン、ゲホッゴホッ…グゥオン、グゥオン…」
来年、気をつけて聞いてみてよ、クシャミするから。
それを聞いて「お、今クシャミしよった」なんて思いながら、
月明かりに照らされる静かな水面が、
ド派手に爆発するのを今か今かとドキドキしたい。
それにしても、カエルって…
ええなあ…。

また来年会いましょう、イヤだろうけど…。
今年もほんとにありがとう。


お月さんが、もう水面に映ってる。
日が暮れるのも、めっきり早くなりました。
この夜、
東京から毎週ずっと東北の渓流にひとりで通っていた、
ホンマモンのイカレポンチな友達と電話…。
「もうナマズ終わりやから、しゃあないから明日からまたマス釣るわ~」
と悪びれてみた。
「失敬な!」
やて…。
ウハハハハハハ…。
やっぱサカナ釣りはええな~。