たいへん申し訳ありません。
前回の記事中に重大な誤りがありました。
記事冒頭に、
「ポコポコヘッドはおとこのロマン」…とありましたが、
正しくは、
「カンカンヘッドはおとこのロマン」…です。
う~ん、しまったしまったしまくらちよこ…ジョージしょっく。

というわけで、
今回取り上げてみたいヴィンセント・マリナロのフライはコレ。
「ハンギング・イマージャー」という名前の、
カゲロウのフローティングニンフ、
もしくはサーフェイス・イマージャーの類のフライ。
まずはこのフライが、
イマージャーという言葉はおろか、
「マッチ・ザ・ハッチ」の定義も曖昧で、
まだまだ一般的ではなかった40年近くまえのイマージャー・パターン、
ってことを念頭において話しを進めてみたい。

「ハンギング・イマージャー」という名前のとおり、
水面下にボディをぶら下げる体裁の、
今でこそ当たり前なスタイルのフライなんだけど、
おもしろいのは、
そのような姿勢で水面に浮かせるための工夫として、
ロングシャンク気味なフックの後方に短めにボディなりハックルなりを巻いておいて、
むき出しになっているフックアイ付近のシャンクに、
ティペットをリッフルヒッチして結んでいるところ。
写真のフライもそのように結んであるんだけどわかる?
リッフルヒッチっていうのは、
もともとはアトランティックサーモンを釣るために、
英国で考案されたテクのひとつ。
フライを結んだティペットを、
アイのところにハーフヒッチする。
するとティペットはフライに対して直角になる。
で、
こうしておいてフライをダウンにスイングさせると、
フライは流れに対して横向きに泳ぐことになって、
「上流を向いているサケにメッチャ目立つんとちゃうん?」
「常に横からフライを見せればアピール度満点ちゃうん?」
という作戦。
マリナロは、
この方法を水面で使うイマージャー・パターンに応用したというわけ。
フライに対して直角に延びるティペットを利用して、
ボディをよりよい姿勢で、
かつスムーズに水面下にめり込ませようと目論んだのだった。
このへんの、
ジャンルを問わない工夫や応用の、
視野の広さもとっても面白いんだけど、
このフライのハックルの体裁にも興味津々。
マリナロいわく、
ハックルケープの両脇に生えている、
ファイバーが長くて太い、
ドライフライのテール材として使われているものを選んで、
それをパラッと薄~く巻くのが重要…とのこと。
見ようによっては、
ネバーシンクスケーターにニンフのボディを合体させたような体裁。
このようなバランスに仕上げたのはなんでか?。
たとえば、
水面膜にぶら下がる重いボディを、
ハックルで支えながら浮かせるため?…。
それだったら、
ノーマルサイズのハックルを厚巻きでもイケルんちゃうん?
そのほうがイマージャーっぽい形になるんちゃうん?…。
と、
このような形にしたのは、
フライの機能云々プラスアルファの、
現場での経験の積み重ねからしか見えてこない、
明確に言葉にはしにくいけれど、
こうしたフォルムにすることでより……
という思惑があったのではないか?。
このあたり、
前回のマリナロのネバーシンクスケーターへの信頼感とだぶるんだけど…。
ドライフライの釣りを、
虫からもサカナの視線からも科学して理論づける姿勢をとりながらも、
サカナ釣りの「それだけではひとくくりに出来ない」
自然の不思議と神秘を充分に知っていたからこそ、
そしてそれらをひっくるめて語る力量があったからこその、
マリナロの世界の深さ、
あるいは時代が進んでも古くさく感じさせない魅力と面白さ、
の一端を垣間見ることの出来るフライのひとつ…。
ハックルケープの両脇に生えていた、
あのプルンプルンの長くて硬くて太いファイバー。
この部分さえもノーマルなドライフライのハックルに使えるような、
ウルトラハイテク・ハックルが主流の時代がやって来るとは、
まさかだ~れも思ってなかった時代の、
最先端ハッチマッチャーのひとつです。
話しが長くなりついでに余談ですけど、
このフライって、
ハックルの体裁こそ違えど、
まるっきり今でいうところのクリップル系ちゃうの?。
もっと正確に言えば、
インジケのないクリップル・ダンみたい…。
ん~~、
こんなところでも、
「時代はいつも大きく円を描いて巡りつつ進化していく」
不思議な法則を感じるかも。

と、
現代マッチ・ザ・ハッチの基盤を築きつつ、
その一方で独自の釣りの世界を展開して見せてくれた、
マリナロの名著の一冊「リング・オブ・ザ・ライズ」から、
御大の雄姿を…。
クールや…。
でも、
マリナロの骨の髄からの釣りバカぶりが、
ムンムン滲み出ているような写真。
ムチャクチャかっこええ。
ペンシルバニアの小さな湧き水の川。
この、
箱庭のように美しいライムストーンの川を舞台にした、
マリナロの釣りの日々と試行錯誤が、
「ライズするマスを狙う」釣り人の楽しみや喜び、
そして可能性を、
のちに計り知れないほど大きく広げてくれたのだった。
んで、
そんな写真の横に添えてみた、
なんだか妙にまっすぐなエクステンデッド・ボディのフライは一体なに…?
つづく
前回の記事中に重大な誤りがありました。
記事冒頭に、
「ポコポコヘッドはおとこのロマン」…とありましたが、
正しくは、
「カンカンヘッドはおとこのロマン」…です。
う~ん、しまったしまったしまくらちよこ…ジョージしょっく。

というわけで、
今回取り上げてみたいヴィンセント・マリナロのフライはコレ。
「ハンギング・イマージャー」という名前の、
カゲロウのフローティングニンフ、
もしくはサーフェイス・イマージャーの類のフライ。
まずはこのフライが、
イマージャーという言葉はおろか、
「マッチ・ザ・ハッチ」の定義も曖昧で、
まだまだ一般的ではなかった40年近くまえのイマージャー・パターン、
ってことを念頭において話しを進めてみたい。

「ハンギング・イマージャー」という名前のとおり、
水面下にボディをぶら下げる体裁の、
今でこそ当たり前なスタイルのフライなんだけど、
おもしろいのは、
そのような姿勢で水面に浮かせるための工夫として、
ロングシャンク気味なフックの後方に短めにボディなりハックルなりを巻いておいて、
むき出しになっているフックアイ付近のシャンクに、
ティペットをリッフルヒッチして結んでいるところ。
写真のフライもそのように結んであるんだけどわかる?
リッフルヒッチっていうのは、
もともとはアトランティックサーモンを釣るために、
英国で考案されたテクのひとつ。
フライを結んだティペットを、
アイのところにハーフヒッチする。
するとティペットはフライに対して直角になる。
で、
こうしておいてフライをダウンにスイングさせると、
フライは流れに対して横向きに泳ぐことになって、
「上流を向いているサケにメッチャ目立つんとちゃうん?」
「常に横からフライを見せればアピール度満点ちゃうん?」
という作戦。
マリナロは、
この方法を水面で使うイマージャー・パターンに応用したというわけ。
フライに対して直角に延びるティペットを利用して、
ボディをよりよい姿勢で、
かつスムーズに水面下にめり込ませようと目論んだのだった。
このへんの、
ジャンルを問わない工夫や応用の、
視野の広さもとっても面白いんだけど、
このフライのハックルの体裁にも興味津々。
マリナロいわく、
ハックルケープの両脇に生えている、
ファイバーが長くて太い、
ドライフライのテール材として使われているものを選んで、
それをパラッと薄~く巻くのが重要…とのこと。
見ようによっては、
ネバーシンクスケーターにニンフのボディを合体させたような体裁。
このようなバランスに仕上げたのはなんでか?。
たとえば、
水面膜にぶら下がる重いボディを、
ハックルで支えながら浮かせるため?…。
それだったら、
ノーマルサイズのハックルを厚巻きでもイケルんちゃうん?
そのほうがイマージャーっぽい形になるんちゃうん?…。
と、
このような形にしたのは、
フライの機能云々プラスアルファの、
現場での経験の積み重ねからしか見えてこない、
明確に言葉にはしにくいけれど、
こうしたフォルムにすることでより……
という思惑があったのではないか?。
このあたり、
前回のマリナロのネバーシンクスケーターへの信頼感とだぶるんだけど…。
ドライフライの釣りを、
虫からもサカナの視線からも科学して理論づける姿勢をとりながらも、
サカナ釣りの「それだけではひとくくりに出来ない」
自然の不思議と神秘を充分に知っていたからこそ、
そしてそれらをひっくるめて語る力量があったからこその、
マリナロの世界の深さ、
あるいは時代が進んでも古くさく感じさせない魅力と面白さ、
の一端を垣間見ることの出来るフライのひとつ…。
ハックルケープの両脇に生えていた、
あのプルンプルンの長くて硬くて太いファイバー。
この部分さえもノーマルなドライフライのハックルに使えるような、
ウルトラハイテク・ハックルが主流の時代がやって来るとは、
まさかだ~れも思ってなかった時代の、
最先端ハッチマッチャーのひとつです。
話しが長くなりついでに余談ですけど、
このフライって、
ハックルの体裁こそ違えど、
まるっきり今でいうところのクリップル系ちゃうの?。
もっと正確に言えば、
インジケのないクリップル・ダンみたい…。
ん~~、
こんなところでも、
「時代はいつも大きく円を描いて巡りつつ進化していく」
不思議な法則を感じるかも。

と、
現代マッチ・ザ・ハッチの基盤を築きつつ、
その一方で独自の釣りの世界を展開して見せてくれた、
マリナロの名著の一冊「リング・オブ・ザ・ライズ」から、
御大の雄姿を…。
クールや…。
でも、
マリナロの骨の髄からの釣りバカぶりが、
ムンムン滲み出ているような写真。
ムチャクチャかっこええ。
ペンシルバニアの小さな湧き水の川。
この、
箱庭のように美しいライムストーンの川を舞台にした、
マリナロの釣りの日々と試行錯誤が、
「ライズするマスを狙う」釣り人の楽しみや喜び、
そして可能性を、
のちに計り知れないほど大きく広げてくれたのだった。
んで、
そんな写真の横に添えてみた、
なんだか妙にまっすぐなエクステンデッド・ボディのフライは一体なに…?
つづく