9月に入ってから、
当地の禁漁期となる10月15日まで、
泊りがけの出張や大雨の日以外は、
毎日かならず釣りに行ってた。
といっても、
いいサカナがライズするのは、
夕暮れ前のいいとこ30分。
仕事の合間のほんのチョイ釣り。
玄関でウェーダー履いてベスト着て、
この土手をブラブラ歩きながら、
川と富士山を眺めつつ、
いつもの釣り場に向かった。

インジケーターは、
このまま使うことはまずない。
いつも、
そのときの状況に応じて、
見えるギリギリのとこでカットする。

コック・デ・レオンとミラージュだけの、
シンプルなウエットは、
なんちゅうても発色の決め手となる下地がキモ。
使っていたフライは、
もうほとんどコレとコレ……。
どちらも、
近所の川ではお馴染みの、
変わりばえのしない「いつものヤツ」。
ほんとなら、
アレコレやりたいところだったけれど、
ガラにもなく日々バタバタだったし、
この1時間ちょいの釣り時間を捻出するのが、
もういっぱいいっぱい。
趣味のタイイングは我慢して、
ボックスの肥やしを使いまわした。
だけど、
すっかり使い古した、
この腐れ縁フライズにも、
また新たな課題や発見があって、
それはそれで得がたい収穫となった。
そう思えるくらい、
気難しいアマゴのライズに翻弄されて、
濃厚に充実した1時間ちょいの至福の日々だった。
それにしても、
TMC212YとTMC104SP、
ホンマええフックや……。
それはおいといて、
まいにち同じ時間に土手を歩いてると、
犬の散歩やウォーキングやなんやかんや、
いつもすれちがう人たちがいるねんけど、
「こんちわ~」
「さむなりましたね~」
ぼく、
近所では愛想良しの気のエエ兄ちゃん…。
そのなかに、
挨拶してもチラッと目合わすだけで、
いつも無視するオジサンがおってんけど…、
なんでか気ィ悪く思わないのは、
そのオジサンが連れてる犬が、
雑種?のどこにでもいるような和風のヤツやねんけど、
もうなんちゅうか…かわいいねんな~。
コイツ愛情注がれてんな~って、
満たされた穏やかな顔して、
オジサンと歩いとるねん。
禁漁になって、
しばらく川には行ってなかってんけど、
ついこのまえ散歩がてら土手を歩いてたら、
オジサンと犬が前から歩いてきてんな…、
また無視しよるやろな~と思いながらも、
「こんちわ~」
そしたら、
すれ違いざまにオジサンが、
「アンタ、このごろ釣りしてないね」やて。
ぼくビックリしたがな。
「もう禁漁なんで、釣りはできないんですわ」
「そうかい」
って次の瞬間、
「あの、犬さわっていいっすか?」
オジサンびっくりしてるがな…。
「ええっ?かまわないけど…」
いきなりしゃがんで、
犬にむかって「おいでおいで~」
犬びっくりしてるがな。
「なんやなんや?」ゆう顔してる。
でも、
おっかなびっくりしながら、
ぼくのひとさし指に、
鼻をピトッてくっつけて第一次遭遇。
「お~エエ子やな~」言いながら、
頭なでなで第二次遭遇…。
そしたらゴロンッて横になって、
お腹まで見せてくれた。
たまらんで……。
「うわ~、おまえホンマかわいいな~~」
お腹さすりながら、
犬の名前聞こうかと思って、
立ってるオジサンのこといきなり見上げたら、
いつもしかめっ面に見えたオヤジのやつ、
目元ゆるみまくってるやんけ……、
ぼくと目が合って、
すぐいつもの表情に戻ったけど…オジサンやっぱエエ人やった。
「名前、なんていうんですか?」
「ふじ…」
「そっかあ、おまえ、ふじていうんか~エエ名前やのう」
「ふじ」って名前の犬、
このへんではあと二匹おるの知ってるねん。
なんちゅうてもぼく、
近所では愛想ええから…根性悪くて腹黒いくせに…。

ぼくもいつか、
こんな天使と暮らせることがあったら、
「ふじ」って名前つけたい。
台風一過、
いきなり晩秋、
空気が澄んで、
富士山が映える季節や。
当地の禁漁期となる10月15日まで、
泊りがけの出張や大雨の日以外は、
毎日かならず釣りに行ってた。
といっても、
いいサカナがライズするのは、
夕暮れ前のいいとこ30分。
仕事の合間のほんのチョイ釣り。
玄関でウェーダー履いてベスト着て、

この土手をブラブラ歩きながら、
川と富士山を眺めつつ、
いつもの釣り場に向かった。

インジケーターは、
このまま使うことはまずない。
いつも、
そのときの状況に応じて、
見えるギリギリのとこでカットする。

コック・デ・レオンとミラージュだけの、
シンプルなウエットは、
なんちゅうても発色の決め手となる下地がキモ。
使っていたフライは、
もうほとんどコレとコレ……。
どちらも、
近所の川ではお馴染みの、
変わりばえのしない「いつものヤツ」。
ほんとなら、
アレコレやりたいところだったけれど、
ガラにもなく日々バタバタだったし、
この1時間ちょいの釣り時間を捻出するのが、
もういっぱいいっぱい。
趣味のタイイングは我慢して、
ボックスの肥やしを使いまわした。
だけど、
すっかり使い古した、
この腐れ縁フライズにも、
また新たな課題や発見があって、
それはそれで得がたい収穫となった。
そう思えるくらい、
気難しいアマゴのライズに翻弄されて、
濃厚に充実した1時間ちょいの至福の日々だった。
それにしても、
TMC212YとTMC104SP、
ホンマええフックや……。
それはおいといて、
まいにち同じ時間に土手を歩いてると、
犬の散歩やウォーキングやなんやかんや、
いつもすれちがう人たちがいるねんけど、
「こんちわ~」
「さむなりましたね~」
ぼく、
近所では愛想良しの気のエエ兄ちゃん…。
そのなかに、
挨拶してもチラッと目合わすだけで、
いつも無視するオジサンがおってんけど…、
なんでか気ィ悪く思わないのは、
そのオジサンが連れてる犬が、
雑種?のどこにでもいるような和風のヤツやねんけど、
もうなんちゅうか…かわいいねんな~。
コイツ愛情注がれてんな~って、
満たされた穏やかな顔して、
オジサンと歩いとるねん。
禁漁になって、
しばらく川には行ってなかってんけど、
ついこのまえ散歩がてら土手を歩いてたら、
オジサンと犬が前から歩いてきてんな…、
また無視しよるやろな~と思いながらも、
「こんちわ~」
そしたら、
すれ違いざまにオジサンが、
「アンタ、このごろ釣りしてないね」やて。
ぼくビックリしたがな。
「もう禁漁なんで、釣りはできないんですわ」
「そうかい」
って次の瞬間、
「あの、犬さわっていいっすか?」
オジサンびっくりしてるがな…。
「ええっ?かまわないけど…」
いきなりしゃがんで、
犬にむかって「おいでおいで~」
犬びっくりしてるがな。
「なんやなんや?」ゆう顔してる。
でも、
おっかなびっくりしながら、
ぼくのひとさし指に、
鼻をピトッてくっつけて第一次遭遇。
「お~エエ子やな~」言いながら、
頭なでなで第二次遭遇…。
そしたらゴロンッて横になって、
お腹まで見せてくれた。
たまらんで……。
「うわ~、おまえホンマかわいいな~~」
お腹さすりながら、
犬の名前聞こうかと思って、
立ってるオジサンのこといきなり見上げたら、
いつもしかめっ面に見えたオヤジのやつ、
目元ゆるみまくってるやんけ……、
ぼくと目が合って、
すぐいつもの表情に戻ったけど…オジサンやっぱエエ人やった。
「名前、なんていうんですか?」
「ふじ…」
「そっかあ、おまえ、ふじていうんか~エエ名前やのう」
「ふじ」って名前の犬、
このへんではあと二匹おるの知ってるねん。
なんちゅうてもぼく、
近所では愛想ええから…根性悪くて腹黒いくせに…。

ぼくもいつか、
こんな天使と暮らせることがあったら、
「ふじ」って名前つけたい。
台風一過、
いきなり晩秋、
空気が澄んで、
富士山が映える季節や。