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故ゲーリー・ラフォンテーンの大著「カディス・フライズ」を手にしたのは、
たしか大学生のころだった。
スパークル・ピューパが最先端だった昭和の時代。
そして、
「ザ・ドライフライ」や「トラウト・フライズ」を購入して、
そりゃもう熱心に解読して心酔していたのは、
大学をでてすぐに働きはじめたレコード屋さんを辞めて、
ちょうどいまの仕事をはじめた30歳のころだから……、
ちょっとちょっとちょっとちょっとまってえやオイはるか20年まえて……
ど~~ゆうことやねん?
なんなのよこの歳月。
職業タイヤー生活20年て……なんやねんソレ。
ど根性ガエルの町田先生(わかるひとだけわかってくれればいいです)ちゃうねんから、
浮かれめでたい気持ちはみじんもなく。
むしろ、
その年月でこの程度かあ……んがくっく。
もうまいっちんぐミツグせんせい。
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Gray Coughlin tied on TMC102Y #13
ゲーリー・ラフォンテーンいわく、
「猫も杓子もアダムスアダムスいってるけれど、
オレのベスト・フェイヴァリット万能サーチング・ドライフライ・パターンはアダムスじゃね~から、
なんたってかのジョン・アサートンの流れを汲むこのフライだぜ」
と言われながらも、
ダッククイルをつかったアップライト・ウイングのドライフライという理由で、
20年前といわず、
それよりもず~~~っとまえから、
もはやこのスタイルにはまったく興味もわかず、
古き良き時代の過去の遺物としてかたずけていた。
のに……、
オレ様にとって、
いま、
たったいま、
ダッククイルこそがもっとも新鮮でおもしろいドライフライ・ウイング素材だなんて。
何十周年とか、
そういうのな~~~んもかんじないけど、
歳月の流れをおもうとき、
こうした自分の気分や嗜好の移り変わりは、
じつに感慨深いです。
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McGinty tied on TMC102Y #11
マクジンティ、
和名「みつばちハッチ」もしくは「クマンバチのくまごろー」
古き良き牧歌の時代のアーリー・タイムス・アメリカンを象徴するような遺物。
なんでも、
少年の日のゲーリー・ラフォンテーンが、
生まれてはじめてフライでマスを釣ったのがこのフライだったそうな。
よっぽど心に残っておられたのか、
そうした思い出を大切にされる御性分なのか、
きっとその両方なのだろう、
どの著作をみてもそのエピソードがしたためられている。
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星の数ほどもある往年のスタンダード・ドライフライのなかでも、
もっとも巻くのが難儀なくせに、
もっともブチャイクなフライ。
そんなフライを、
ひと巻き入魂でこしらえたんやで……。
ホワイトティップ・ブルーマラードのダッククイルを、
あろうことか垂直に立てたアップライト・ウイング・スタイルやで。
このペラッペラのクイル素材で、
ジョックだとかブッチャーだとかのウエットフライを巻いたことがある方ならば、
その所業いかに…と呆れていただけることでございましょう。
で、
調子にのって、
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ひとよんで「JOCK THE DRYFLY」Tied on TMC102Y#11
根をつめたタイイング仕事に疲れて煮つまった深夜、
気晴らししようとおもって、
ちょこちょこっと「まかない料理」的にイタズラしてみたのさ。
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もちのろんろん、
つかう気満々。
釣れないわけがないっしょ。
今年のドライフライ・シーズン@北海道は、
いつもに増して格別になまら楽しみなのじゃ。
麗しき新緑の流れにこそ、
投じたい浮かべたい、
精魂込めて巻いた、
古くて新しい私的ドライフライが、
今シーズンはもう目白押しなのです。
テーマは「ファンシー&クラシック」