1.jpg)
考え込みすぎて脳が煮えてしまうんだったら、
考えるのやめたらいいじゃん、
そうすればあとはやりぬくだけじゃん?
という「気づき」は、
自分にとってちょっとした革命だったかもしれない。
2.jpg)
「無我」をこそ意識するという自己矛盾に蓋をして、
3.jpg)
脳内にひろがる極彩絵図に導かれるように、
曲線の美学に酔いしれたい。
4.jpg)
5.jpg)
無機質な金属の棒のうえに縛りつけた種種雑多な羽根たちは、
まるでそこから生えているかのような一体感で、
それぞれに艶美な曲線を描き、
丸みと厚みを帯びてふくらみ、
のびのびとひろがって、
すべて本来あるべき姿で光を受けて輝いている。
6.jpg)
7.jpg)
便宜上、
フルドレス・サーモンフライのカテゴリーに置くが、
もはや、
そのようなジャンル分けは意味をなさず……、
しかし、
ここで展開させた手練手管のすべては、
フルドレス・サーモン・タイイングの世界に没頭することで、
誰に教わることもなく、
誰に聞くでもなく、
独り長い年月をかけてすこしづつ積み上げてきたもの。
9.jpg)
8.jpg)
まるで、
無垢な幼児がまっさらな未完の感性の衝動に逆らうことなく描いた、
自由で無邪気で混ざりけのない「お絵描き」のような、
それでいて、
その舞台裏では、
無秩序であるがゆえに、
ほんのわずかな乱れがすべてを台無しにしてしまう、
そんな「綱渡り」のうえに成り立っているような……、
目指したいのは「計算されつくした無我と忘我の羽根絵図」
.jpg)
ぬわ~んちって、
このカピパラ涅槃像写真は、
お江戸在住のいくつになってもSっ気ムンムン小悪魔な人妻みよちゃんが、
「これサイコーじゃね?でもホンモノかな?」
と、
インターネットでひろって送ってきたものでえ~す拾い画像。
はっきりゆうて、
仮にこの写真が合成であったとしても、
オラまったくかまわねえだ。
ちゅ~か、
わざわざこんな写真を作りたいとおもって、
コツコツ時間をかけて合成した方がいたとしたら、
その方のセンスと「無駄ごと」にかけるお人柄を想って、
ますますこの写真が愛おしいやんけ。
そして思い出した、
とある事件のことを話そうじゃないか聞いとくれ。
むかしむかし、
オレ様が30歳くらいのころじゃった。
舞台はスキー場や温泉観光地としても有名な、
飛騨の高原川の支流の蒲田川上流にて。
現在はどうなってるのかしらんけど、
その当時は、
ちょうど蒲田川の禁漁区間の橋のたもとのところに、
無料の混浴露天風呂があった。
あれは、
まだ解禁間もない早春のころ、
雪がちらついておった。
いや、
というよりもちょっとしたプチ吹雪。
早々に釣りをあきらめて、
我々は混浴露天風呂に飛び込んだのじゃった。
で、
天才のオレ様は、
湯船のなかで四つん這いになり、
背中だけお湯からだして、
ポカ~ンと水面に浮かんでいるような姿勢でジ~ッとしておった。
こうすると、
お腹は温泉でぬっくぬく、
背中と頭にだけ冷たい雪がヒタヒタふりそそぎ、
たいへん気持ちがエエ。
そうやって、
ジッとたたずんで温泉に浸っておると、
いきなりとつぜん、
温泉につづく階段のところでガヤガヤッと年配の女性らしき話し声がした。
かとおもうと、
いきおいよく、
温泉の開き戸がバーンと開いて、
関西方面から来たらしいオバハン五人グループが、
ドヤドヤッと一気になだれ込んできた。
どいつもこいつも全身ヒョウ柄がバッチリ似合いそうな、
厚かましさでは誰にも負けまへんと顔に書いてあるような、
バリ関西弁のいかついオバハンたちじゃった。
そして、
その開き戸のちかくで、
スッポンポンフルチン四つん這いでジ~ッとしていたオレ様が、
こともあろうにオバハン軍団の足元で見下ろされるようなカッコウになってしまったのじゃ。
ものすごくしかたがないので、
そのままの姿勢で、
オバハンたちを見上げながら、
コクンと会釈すると……、
オレ様のあられもない羞恥をエンリョもなくジ~ッとガン見凝視したババ~(あえてそう呼ばせてくれ)のひとりが、
おもむろにこう言ったのじゃった。
「あら~、カピパラみた~い」
つぎの瞬間、
「ほんまや~、カピパラやカピパラや~」
「おにいちゃんカピパラみたいやんか~」
「えらいお肌白いカピパラやん、ピチピチやな~」
真っ白な粉雪がシンシンと宙を舞っている、
幻想的で静かな蒲田川の谷間に、
オバハン軍団の嬌声とバカ笑いが絶えることなくカピパラカピパラとこだましたのじゃった。
おもえばあの当時、
朝のニュース番組なんかで「温泉に浸かって暖をとる冬のカピパラ」が放映されて、
ちょっとした話題になっていた良き時代だった。
そしてオバハン軍団もドボンと湯船に飛び込んだ。
ウレシハズカシ、
ではなく、
うれしくはないし、
あまりはずかしくもなかった混浴温泉の思い出じゃ。