ほんのつい今さっき、
マーべリックの勝俣さんから電話。
年の瀬のご挨拶やろかとおもったら、
「いや~、いまさあ、やっと年内の仕事がひと段落したんで、事務所でハックルいろいろ見てるんだけどさ、
そしたらなんかこう、たまんなくなって電話しちゃったんだけど、いま忙しかった?」
「酉年をまえにして盛り上がってはるわけやね?」
「そ~なの!」
そしてウハハと笑っているワタシの目の前にもまた、
アレコレのハックルたちが山と積まれて鎮座しており……、
そりゃ~もちろん生活していればアレコレイロイロあるわけですが、
本年もまたこうしていつものように羽根まみれの年がしずかに暮れていくわけで、
かんがえてみれば、
それはじつにじつ~にシアワセなことですね。
ご存じダンケルド・ウエットフライ6番。
19世紀末の英国はダンケルド地区にて、
もともとは銘川ディー・リバーのアトランティック・サーモンのために考案されたダンケルド。
その土地の名前を冠して愛されたダンケルドは、
もとは大型の絢爛豪華なフルドレス・サーモンフライでした。
で、
そんなフルドレス・ダンケルドはまた、
時代ごとの変遷に応じてすこしづつフォルムや素材を変えながら伝承されていきました。
と、
その歴史の渦中にあって、
そんなフルドレス仕様なダンケルドはまた、
小型サイズのフックに巻かれてフォルムも大幅に簡略化された、
ウエットフライ仕様のヴァリエイションも生まれました。
で、
そんなチビッ子ダンケルドはかの地にてシー・トラウトの夜釣り必殺フライとして名を馳せたわけですが、
しかし、
それはもはやむかしむかしの英国ローカル物語。
フライフイッシングを世界の目でひろく眺めて渡してみれば、
ダンケルドはいつしか本場でさえも過去の遺物として歴史の彼方に埋もれてしまった。
もはやとっくに忘れ去られたフォーゴットン・フライ筆頭格。
しかし、
そんな全盛時代からかるく100年以上の時を経て、
英国からは遠い遠い極東の我が国に伝えられたダンケルド。
ぼくらはみんな知っているけれど、
英国ダンケルド地区がこの事実を知っているのか知らないのか、
それはわからないけれど、
我が国ではこのダンケルド、
いまだ現役バリバリというよりも、
もはやカリスマ的ウエットフライとして不動の地位。
ウエットフライ好きなら誰もが「いつかは巻き方をマスターしたい、避けては通れない登竜門」
超人気トラディショナル・ウエットフライ筆頭格の大物キラーとして君臨。
しかも、
英国にはもちろんいないヒゲナガ、
真っ白な下翅をひろげて川面飛び交い水面を走る、
あのヒゲナガが乱舞する晩春~初夏の夕暮れ時の必殺として、
我が国ならではの活躍の場を舞台に、
ご存じのように幾多の伝説と物語を残しつづけるダンケルド……。
世界ひろしといえども、
現在もこのフライがここまで現役かつ人気なのは、
我が国をおいて他にないでありましょう。
とまあ、
このような視線でこのフライを見ると、
またさらに浪漫もひとしおですね。
もっといえば、
我が国で販売されているブロンズ・マラードは、
もはやこのフライのためにこそ売られていると言っても過言ではないのではないか?
もはや、
ブロンズ・マラード~と叫べば、
ダンケルド~とこだまがかえってきそうな……。
んが!
ここが問題で、
「ダンケルドはウエットフライのなかでもキレイに巻くのが特A級にむずかしい」
と敬遠?あるいは敷居が高い?とされるのは、
ぶっちゃけダンケルドがむずかしいんじゃなくて、
ウイング素材となるブロンズ・マラードの扱いが数あるクイル素材のなかでもとくにムズイわけで……、
と、
そんなブロンズ・マラードをウエットフライのウイングとして巻き止めるための、
ちょっとしたテクのひとつを再度ご紹介です。
これは、
たしか3年前の冬くらいのフライフイッシャー誌の記事にて詳解させてもらって、
さらに、
その翌年の春くらいに刊行された不肖ワタシのウエットフライ・タイイングDVDでもご紹介させていただいた、
扱いにくいブロンズ・マラードをいかに簡潔かつ機能的にウエットフライのウイングに巻き止めるか……、
といった命題へのアイディアとご提案のひとつ。
まずは、
レオンのセカンダリークイルやターキークイルなどの、
ブロンズ・マラードの色合いと調和するような質感色調で、
かつ非常に扱いやすいクイル素材を通常通りにウイングとして巻き止める。
ちなみにここでは、
サイズ6番のフックにレオンのルースター・セカンダリークイルをつかった。
で、
そうやって先に巻き止めておいたクイル・ウイングに、
ブロンズ・マラードを片側づつおさえつけるというか、
寄り添わせるようなかんじでウイングの左右に巻き止めるとアラ快感。
あれほどアッちゅうまにバラバラとファイバーがバラけてにっちもさっちも、
といったヤンチャなブロンズ・マラードが、
慣れてしまえばいとも簡単にスムーズに巻き止められる、
という寸法。
コツというかキモのひとつは、
写真のようにブロンズ・マラードのクイルをストークごとカットしておくこと。
こうすると、
いったん失敗しても何度もやり直しが効く。
で、
この方法をさらに発展応用させると、
フライのヴァリエイション的にも、
また機能的にも、
いろ~んなことが出来る。
そんな作例のいくつかが、
この記事のまえのエントリーで並べた個人的アレンジ・ウエットフライ群というわけです。
ブロンズ・マラードおそれるなかれ。
マーべリックの勝俣さんから電話。
年の瀬のご挨拶やろかとおもったら、
「いや~、いまさあ、やっと年内の仕事がひと段落したんで、事務所でハックルいろいろ見てるんだけどさ、
そしたらなんかこう、たまんなくなって電話しちゃったんだけど、いま忙しかった?」
「酉年をまえにして盛り上がってはるわけやね?」
「そ~なの!」
そしてウハハと笑っているワタシの目の前にもまた、
アレコレのハックルたちが山と積まれて鎮座しており……、
そりゃ~もちろん生活していればアレコレイロイロあるわけですが、
本年もまたこうしていつものように羽根まみれの年がしずかに暮れていくわけで、
かんがえてみれば、
それはじつにじつ~にシアワセなことですね。
ご存じダンケルド・ウエットフライ6番。
19世紀末の英国はダンケルド地区にて、
もともとは銘川ディー・リバーのアトランティック・サーモンのために考案されたダンケルド。
その土地の名前を冠して愛されたダンケルドは、
もとは大型の絢爛豪華なフルドレス・サーモンフライでした。
で、
そんなフルドレス・ダンケルドはまた、
時代ごとの変遷に応じてすこしづつフォルムや素材を変えながら伝承されていきました。
と、
その歴史の渦中にあって、
そんなフルドレス仕様なダンケルドはまた、
小型サイズのフックに巻かれてフォルムも大幅に簡略化された、
ウエットフライ仕様のヴァリエイションも生まれました。
で、
そんなチビッ子ダンケルドはかの地にてシー・トラウトの夜釣り必殺フライとして名を馳せたわけですが、
しかし、
それはもはやむかしむかしの英国ローカル物語。
フライフイッシングを世界の目でひろく眺めて渡してみれば、
ダンケルドはいつしか本場でさえも過去の遺物として歴史の彼方に埋もれてしまった。
もはやとっくに忘れ去られたフォーゴットン・フライ筆頭格。
しかし、
そんな全盛時代からかるく100年以上の時を経て、
英国からは遠い遠い極東の我が国に伝えられたダンケルド。
ぼくらはみんな知っているけれど、
英国ダンケルド地区がこの事実を知っているのか知らないのか、
それはわからないけれど、
我が国ではこのダンケルド、
いまだ現役バリバリというよりも、
もはやカリスマ的ウエットフライとして不動の地位。
ウエットフライ好きなら誰もが「いつかは巻き方をマスターしたい、避けては通れない登竜門」
超人気トラディショナル・ウエットフライ筆頭格の大物キラーとして君臨。
しかも、
英国にはもちろんいないヒゲナガ、
真っ白な下翅をひろげて川面飛び交い水面を走る、
あのヒゲナガが乱舞する晩春~初夏の夕暮れ時の必殺として、
我が国ならではの活躍の場を舞台に、
ご存じのように幾多の伝説と物語を残しつづけるダンケルド……。
世界ひろしといえども、
現在もこのフライがここまで現役かつ人気なのは、
我が国をおいて他にないでありましょう。
とまあ、
このような視線でこのフライを見ると、
またさらに浪漫もひとしおですね。
もっといえば、
我が国で販売されているブロンズ・マラードは、
もはやこのフライのためにこそ売られていると言っても過言ではないのではないか?
もはや、
ブロンズ・マラード~と叫べば、
ダンケルド~とこだまがかえってきそうな……。
んが!
ここが問題で、
「ダンケルドはウエットフライのなかでもキレイに巻くのが特A級にむずかしい」
と敬遠?あるいは敷居が高い?とされるのは、
ぶっちゃけダンケルドがむずかしいんじゃなくて、
ウイング素材となるブロンズ・マラードの扱いが数あるクイル素材のなかでもとくにムズイわけで……、
と、
そんなブロンズ・マラードをウエットフライのウイングとして巻き止めるための、
ちょっとしたテクのひとつを再度ご紹介です。
これは、
たしか3年前の冬くらいのフライフイッシャー誌の記事にて詳解させてもらって、
さらに、
その翌年の春くらいに刊行された不肖ワタシのウエットフライ・タイイングDVDでもご紹介させていただいた、
扱いにくいブロンズ・マラードをいかに簡潔かつ機能的にウエットフライのウイングに巻き止めるか……、
といった命題へのアイディアとご提案のひとつ。
まずは、
レオンのセカンダリークイルやターキークイルなどの、
ブロンズ・マラードの色合いと調和するような質感色調で、
かつ非常に扱いやすいクイル素材を通常通りにウイングとして巻き止める。
ちなみにここでは、
サイズ6番のフックにレオンのルースター・セカンダリークイルをつかった。
で、
そうやって先に巻き止めておいたクイル・ウイングに、
ブロンズ・マラードを片側づつおさえつけるというか、
寄り添わせるようなかんじでウイングの左右に巻き止めるとアラ快感。
あれほどアッちゅうまにバラバラとファイバーがバラけてにっちもさっちも、
といったヤンチャなブロンズ・マラードが、
慣れてしまえばいとも簡単にスムーズに巻き止められる、
という寸法。
コツというかキモのひとつは、
写真のようにブロンズ・マラードのクイルをストークごとカットしておくこと。
こうすると、
いったん失敗しても何度もやり直しが効く。
で、
この方法をさらに発展応用させると、
フライのヴァリエイション的にも、
また機能的にも、
いろ~んなことが出来る。
そんな作例のいくつかが、
この記事のまえのエントリーで並べた個人的アレンジ・ウエットフライ群というわけです。
ブロンズ・マラードおそれるなかれ。
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