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タイイング素材としてはきっとおそらく本邦初公開。
ツキノワグマのアンダーファーをダビングしているところ。
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とくに意識をして「和の素材」をつかいたいという気はまったくない。
んだけど、
まずはなんといってもハイクオリティなヒグマの獣毛をふんだんにつかえるようになり、
そしてそうこうするうちにトンビの羽根を知り、
気がついてみればアレヤコレヤの「和の素材」の魅力にドップリだ。
ツキノワグマの毛はとても不思議。
ヒグマばりの剛毛に見えるけれど、
つかってみれば色合いも質感もまるで異なっている。
ダビングしてみればなんともソフトな手触りの扱いやすさ。
まるでラビットファーのようだ。
そのくせモジャモジャ際立つファジー感。
まるでシールズファーのようだ。
なにより蛍光灯の薄明かりさえ反射している光輝性と透明感。
まるでポーラーベアーのアンダーファーのようだ。
そしていかにもな灰茶褐色の色合い。
まるでヘアーズイヤーのようだ。
ツキノワグマったら、
定番ダビング素材のいいとこどり?
ヤバイのだ。
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ボディの下地を透けさせたいとか、
アンダーボディを薄い皮膜のように覆いたいとか、
そのような作りのボディにそそられる自分にとって、
妄想がとまらない素材のひとつになった。
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と、
そんな自分にとって新たな素材との出会いに酔いしれ巻き倒していたら、
ひょんなことからすっばらしい若エゾジカの冬毛が半裂きスキンでコンニチハ~と我が家にやって来てくれました。
エゾジカのディアヘアー自体はもうイヤってほど見て触ってるけど、
巻き気分が心底ゾクゾクッとくるようなのは数年ぶり。
その数年前の秘蔵のシカ毛は、
すでにもう風前のともしび状態になっていて、
ケチケチケチケチチビチビチビチビつかっていただけに喜びもひとしお。
今シーズンはこんなエゾジカの毛をまた湯水のごとくこれでもかとザックザク刈りまくれるのかとおもうと……、
ヤバイのだ。
と、
そのような幸運に浸りながら、
巻きゴコロのボルテージがんがんで一念発起。
ながらく「開かずの巨大衣装ケース」につめこんでいた、
在庫マテリアルをひっくり返してアレヤコレヤ引っ張り出しておりますと、
もう十数年前に入手して、
てっきりどこかのお店に置いてきたか、
あるいは紛失したかとおもっていたブツを発見。
狂喜乱舞。
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一見なんの面白みもなさそうなフツ~のルースター・ハックル。
ホワイティング産コック・デ・レオンの普及によって、
ライトジンジャー系あるいはマダラ模様のドライフライのテイル材は、
これ以上はないような高品質素材が容易に入手できるようになった。
んが、
どこにでもあるようで、
それでいてまったく見ないのが、
ダークジンジャーから濃厚なブラウンのテイル素材。
それも、
フックサイズ10番以下の定番サイズなドライフライに向いたファイバーのやつ。
しかもこれ、
かのハリー・ダービーやウォルト・デットといった巨匠が活躍した、
キャッツキル・ドライフライ黄金時代の主流ハックル素材「アンダルシア種」の流れをくむ鶏が大元。
で、
そんな鶏のスペードハックルと呼ばれていたテイル専用の部位。
つまり、
往年のアダムスやマーチブラウンが現役で活躍していた時代に使われていたテイル材と、
ほぼおなじというかまったくおなじというわけ。
とはいえ、
ゴミのようにバルクでガサッとまとめてあるので、
見た目やパッケージがあまりにみすぼらしくて、
その価値がいまいちわかってなかった駆け出し時代、
しまいこんだまんまほったらかしにしておったという体たらく。
あれから十数年の時が流れて、
ハックルの酸いも甘いも噛み分けまくった今の視点で見ると、
ヤバイのだ。
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と、
このようなお友だちといっしょに、
来たる23日から25日、
つるや釣具店恒例「ハンドクラフト展」に久々参加させていただきます。
ここではあえて抑え気味にクールに紹介しましたが、
抑えきれないこの想いを貴方にバーンとぶつけたい。
会期中はもちろん実演しながら、
なんだかんだとカッカカッカしゃべりまくりたい所存です。
どうぞよろしくおねがいいたします。