BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
201803<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201805
グレート・アーガスフェザント・セカンダリークイル
180414 (1)1
 魅惑のピーコック・スゥオード・ウイングのクラシックといえば、
 アレキサンドラon the TMC107SP#8 小悪魔だよね妖しいかんじダイスキ。

 オリジナルのシッポ・レシピは赤く染めたグースのショルダーやダックのセカンダリークイルでしたっけ?
 きっと、
 元祖オリジナルはスワンやろか?

 パステルなダイド・グースショルダーのファイバー数本を、
 私家版ウエットフライのテイルにするの気に入っている。
 んが、
 ここではゴールデンフェザントのクレストフェザーのダイド・レッドをテイルにして、
 ピーコック・スゥオードのウイングのうえにもトッピングして真っ赤なクレストのシルキーな透明感にトキメイテみた。
 スゥオードによく合いますね赤染めのクレスト。

 サイドのワンポイント・ラインはクラレット色のダイド・グースショルダー。

 極細オーバルティンセル4本撚りにミラージュを挟んで捩じってボディに巻いたらアレキ大王にぴったり。
 すごくご満悦。
 今年のハイシーズンはこれやな!なんて、

 マス釣り実弾系もアレコレ気分が盛り上がったりしてますが、
 ここにきてひさびさに湧き出てくれたムダごとの創作意欲に昼夜とわず翻弄され、
 これまでの規則正しかった生活はめちゃくちゃになってしまいました。

 傍から見れば村一番の不節制もん。

 しかし、
 このひさびさのビッグウェーヴに喜び勇んで乗ってます。

 雪どけ水を横目に、
 まだしばらくは珍羽根ひろげてひきこもり、
 のていでいきたい所存です。
 




180414 (2)2

 そんなわけでちょっと、
 ささやかな懺悔。

 函館に住んでいたころ、
 アーガスフェザントのどでかいセカンダリークイルをワンペア、
 近所の友人にプレゼントした。

 その経緯ははしょるとして、
 たいへんお世話になり、
 これはなにか特別なお礼をさせていただきたいとおもった。

 そしてこのばあいは、
 先方がその価値をよく知っていて、
 銭さえあったらカンタンに買えるっちゅうもんとちゃうねんで……、
 それを貴方に贈ります。
 プライスレスなワタシの感謝の気持ちがダイレクトに先方に伝わる贈り物として、
 自分のチョイスではこれ以上のものはないと判断したのだった。

 といっても彼はサーモン・タイヤーではない。
 そのため、
 彼の手元に渡っても、
 この羽根にハサミが入れられることはない。

 骨董などでアレコレじぶんの部屋を飾るのが趣味なその友人が我が家に来たとき、
 アーガスに見惚れながら、
 「これ、自分の部屋に飾りてえな~」と言っていたことがあった。

 そんなわけで、
 彼の部屋にアーガス1ペアがかなりな存在感で飾られることになったのだった。

 おもえば、
 これをプレゼントしようとしたら、
 あのときものすごく遠慮されて恐縮されたんだよな~。

 ……旦那、それじゃあアッシの気がすみやせん、
 ぜひ受け取ってやっておくんなさい。

 いやいや備前屋さんアタシャこんな貴重なもの、
 いただくわけにはいきません。

 なあに御心配には及びませんぜ旦那、
 なんせアッシのうちにはコイツの羽根が一羽分ドッサリあるんでさ、
 さすがのアッシもぜんぶ使いきれそうにもないんで、
 一本二本さしあげたところで痛くもかゆくもないどころか、
 旦那のお部屋に飾っていただければ、
 コイツもお役に立てて本望ってなもんで、
 ささ、
 どうぞ遠慮なく受け取っておくんなさい、
 さ、
 どうぞ…………、

 なんつって、
 豪傑にグイグイ押し付けたんだよなあ~。

 ……ウウウ備前屋さん、アタシャあなたの気持ちに感涙ですよ、
 この友情の証、感謝して飾らせてもらいますぅぅぅ……

 なんつって、
 えらい喜んでくれたっけ。
 
 あれから5年の月日が流れた。

 その間、
 おれはひとつの真理を学んだ。


 「羽根は、つかえばなくなる」
 

 昨年のちょうどいまごろ、
 長年住んだ函館からオホーツク地方への引っ越しを目前に控えていた最中。
 その友人とちょいとしたお店で夕ご飯を共にして、
 函館での思い出話に花を咲かせながら別れを惜しんでいたときだった。

 その場の空気は…甘美に変換された思い出に浸るしみじみセンチメンタル感満載、
 話題は…年とると時の流れはほんとに光陰矢のごとしだねえ…みたいな。

 チャンスはいまだ!

 「ほんまに、年とるごとにアッちゅうまに時間が経つよなあ。
 オレさあ、つくづくおもってんけど、若いころは「なくなるわけがない」とおもっていたものが、
 年とるとどんどんなくなってるなあ、って最近おもってるねん」

 「たとえばどんな?」

 「たとえばさあ、視力とか体力とか集中力とか。ホンマ、こんな老眼になるとおもってなかったで」

 「ああ、そういうことかあ、納得です」

 「それとさあ、身体の機能だけやなくて、年とると、なくなるわけがないっておもってた物も、どんどんなくなるやんな」

 「たとえばどんな?」





 「たとえば羽根とか!」

 そして、
 まくしたてたのだった。

 「いや~ホンマなあ、うちにアーガスっていうキジの羽根、丸ごと一羽分あったやん。つい最近まであんなんぜったい一生使いきれへんやろっておもっててん。ところがさあ、月日の流れっておっそろしいで。アーガスの羽根、なんか知らん間に終わりが見えてきててん。セカンダリーなんか、もうあと数本になっててさあ、脳内勘定で「あ~、あとこれだけ巻いたらおしまいやな~」とか、これから巻くフライの具体的な本数がわかるところまできてしもてん。いや~、ほんま月日の流れってこわいで」

 「ビゼンさん……おっしゃりたいことはよくわかりました。
 それで、わたしになにかお手伝いできることはありますか?」

 「あります」

 「了解いたしました」

 

 …………「かたじけない!」

 まあまあ備前屋さん、頭をおあげなさい。あの羽根を受け取ったとき、いつかこのようなことになるんじゃないか、
 いやさ、そうなるべきではないかと、アタシはおもっておったのですよ。

 アタシャねえ備前屋さん、こうかんがえているのです。あの羽根は、元の鞘に収まって使命を全うすべきだって、
 それに、5年もの長きにわたってアタシの目を愉しませてくれたんだから、もう充分。
 アタシャ、あのときあの羽根を頂いたんじゃなくて、お預かりさせていただいたっておもってんですよ。

 旦那さん!アンタの寛大な心根に触れて、アッシはもう心のなかで感謝感激ヨヨとむせび泣いておりやす。
 アッシの勝手通してホンットにもうしわけございやせん。
 このご恩と旦那のお気持ちは、北の果てに流れても、けっして忘れるもんじゃあございません。
 これからさき、函館のほうに足を向けて寝られませんでげさ(手の平チョーもみもみ)

 (菩薩の笑みで…)ナニを申されますか備前屋さん。アタシとアンタの仲じゃありませんか。
 これもまた、友情の証のカタチだとおもってください。
 あっ、でも、あの羽根はずっと飾っていたので、もうだいぶホコリが溜まっているはず。
 それに経年劣化が心配で…………



 「あ、それ、ぜんぜんダイジョウブ。あの羽根って陽の光浴びてないやろ?
 ホコリだけやったら洗剤で洗ろたらキレイになるから。ほな、そうと決まれば善は急げでさっそくキミんちに取りにいこ!」


 (…え?いま行くん?)
 みたいな、
 やや困惑の彼の表情が、
 いろんなことを物語っていた。

180414 (3)3


180414 (5)5


180414 (4)4


180414 (7)7


180414 (6)6


180414 (8)8

 燃えあがれグレートアーガス

 鳳凰火の鳥の逆襲やいかに……。

copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.