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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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シャガァル
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MAXI PRIEST ~ IN THE SPRINGTIME

 …オレの街にもようやく春がやって来て、
 陽差しを浴びながら小鳥たちがさえずっている。
 平和の歌をうたっている。

 だけど、
 あいかわらずオレのポケットには小銭もはいってない。。
 仕事もない。
 いつも職なし。

 オレの両手に手錠はかかっていない。
 オレの足首に鎖は巻かれていない。

 だけど、
 オレは自由じゃない。
 ヒトとしての尊厳なんてなにもない。

 嗚呼、
 小鳥たちと一緒に歌いてえなあ……。

 と、
 そんなサファラズ・チョイスでレベルミュージックな春の歌。

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 令和元年初日に記念撮影。

 倉庫のなかで山積みに積みあげられたエゾジカの毛皮のなかで、
 燦然と光り輝いて見えた一枚。
 「これだ!」
 とおもった。
 自宅に届いて、
 あらためて眺めてみれば、
 またさらに奥底から込みあげてくるものがあって……、

 北海道ってスゲエなあ。

 大型連休はこのエゾジカとともに。

 
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 収集欲はすでにもう充分満たされました。
 アタシャもうひと段落しましたよ、
 という気分になったとたん、
 なぜだかとんでもないブツがまるで導かれるように我が家にやって来てくれる、
 この不可思議ば現象はなんなのか?
 
 コレすごいの。

 ファイバーの芯には濃いめのダン色のラインが一筋くっきり走っている。
 ハックル中央はダークジンジャーよりもっと金色がかって暖かみのある蜂蜜色。
 そしてファイバーの先端がほのかに淡いライトダンに変化している。

 なんじゃコリャ。

 光に透かすとポ~ッと夢見心地。

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 タップス・インディスペンサブル。

 英国産コカゲロウの仲間の小さなイマージャーやスピナーを暗示した、
 R.MオースチンやG.E.Mスキューズの繊細可憐なオリジナル・タップスではなく、
 そこから派生した、
 ハックルをがっちり巻いたアメリカンなキャッツキル・スタイルの武骨タップス、
 このスタイルがいまのボクの気分。

 サイズも10番~12番と、
 このパターンとしてはやや大型サイズ。
 当地ではあと半月ほどではじまるかと予想される、
 ヒラタカゲロウやミドリカワゲラの羽化流下に合わせたい目論見。

 それにしても、
 あらゆるスタンダード・ドライフライのなかで、
 ウイングのない縦巻きハックルと、
 リビングのないシルクボディほど、
 見映え良く巻くのにやっかいなものはない。

 キャッツキル・スタイルなタップスはその典型だ。

 指定通りに巻くと、
 どうやったってだらしない印象で締まりがなく、 
 そして生命感に欠けるズンベラ・フォルムになってしまう。

 淡い中間色の色調のユニバーサル・ドライフライとして効果てきめんにもかかわらず、
 当時もいまひとつブレイクしなかったのは、
 もしかしたらこのような理由によるところ大かもしれない。

 そこで、
 全体のフォルムを引きしまった印象に見せるために、
 微細なリビング状の凹凸をつけながらシルクをボディに巻く小細工を思いついた。
 試してみれば「してやったり!」とご満悦。
 そしていよいよ真打ちハックル登場。
 ハックルの芯が濃いダン色になっている蜂蜜色のハックルをびっしりハックリング。
 鮮明な濃淡のコントラストに見惚れる。
 芯のダン色のところが虫のソラックスのようだ。
 これらのアレンジによる印象的なアクセントよって、
 見違えるように虫っぽさムードむんむん。
 自己満足なニヤニヤがとまらない。

 ささいな、
 ちいさなことだけど、
 満たされ度数は無限大。

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 話しはガラリと変わって、
 このスピーカーは岩手の大学を卒業して、
 上京してすぐの1988年に購入したもの。
 昭和63年、
 平成元年の前年ですね。

 あれから31年のあいだに、
 このスピーカーを連れて都合7回引っ越したけど、
 まだまだぜんぜん健在。

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 かんがえてみれば当たり前の話で、
 マンションやアパートやコーポ、
 それに長屋のような一軒家、
 これまでの住環境では、
 隣近所を気にしながら、
 せいぜいこのスピーカー本来の力量の半分以下で鳴らすのが関の山。

 そりゃあ壊れようがない。

 スピーカーもさぞや物足りなかったことでしょう。

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 30年も経って、
 現在の住居にて、
 ようやくこのスピーカーのパワーをいかんなく発揮させることができるようになった。

 こんなに良い音するなんて、
 いままで知らんかった。

 空気がブゥォンブゥォン震える重低音でも、
 誰にも迷惑をかけないっていうよりも、
 だ~れもいなさすぎて迷惑かけようがない住まいと環境って素晴らしい。

 深夜、
 どこぞの都会のクラブなんか蹴散らすフルパワーで、
 好きなだけレコードを鳴らせるシアワセ。

 我が家周辺を縄張りにしているシカやキツネやノラネコたちは、
 夜な夜なこのあたりを徘徊するたびに、
 マニア垂涎のレアなレゲエのレコードを大音量で聴いている世にも稀有なケモノたち。

 きっとヤツらも耳肥えてるとおもうよ。
  
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 岩手の大学を卒業して、
 渋谷のセンター街にていきなりレゲエのレコード専門店をまかされることになったとき、
 まず最初に府中のマンションに住んだ。

 ちょうど平成元年のその当時、
 仕事に行くまえ、
 ほぼ同じ時間にほぼ毎日通っていた喫茶店がシャガァル。

 といっても常連客でもなんでもなく、
 マスターとも奥さまとも、
 きょうは暑いですね~とか寒いですね…とか、
 挨拶以上の話はしたことがない。

 したことはないけど、
 毎日行くからすっかり顔見知りで気安い。

 そこがよかった。

 全体として暗めで煤けて古めかしく、
 それでいて高級感のない木造りの店内は敷居が低くて入りやすく、
 そしていつもそこそこ空いていてすこぶる居心地がよい。

 だからかよった。
 
 珈琲の味は普通。
 いつも頼んでいたランチセットの「エビピラフ」はたぶん冷凍もん。

 それでよかった。

 しかし、
 その翌年、
 府中から調布に引っ越して、
 それ以来シャガールには足を運んでいない。

 近所だったから毎日通ったけれど、
 じぶんにとってはそれ以上でもそれ以下でもなんでもない喫茶店だった。

 そんな喫茶店。

 だからこそよかった。


 ことしの2月、
 仕事で上京していたとき、
 所用で府中にでかけた。

 京王線の府中駅は、
 もはやじぶんの記憶の片隅にある駅ではなく、
 こじゃれたデパートが併設された要塞のような立派な駅ビル。
 まったく知らないはじめての駅に変貌していた。

 あったりまえだのクラッカー、
 なんたって30年ぶりの府中。

 お客さんに指定していただいた待ち合わせ場所の喫茶店も、
 その駅ビルのなかにあった。
 駅構内から出ないままに用事が済んだ。

 のだが、
 どうせ此処まで来たんだし、
 こんな機会でもなければもう来ることはないかもしれないし……、

 昔住んでいたマンションを見に行こうとおもって、
 駅前から歩き出した。

 この街並みの変わりよう、
 遠い昔の淡い記憶のまま、
 はたして辿りつけるのだろうかとおもいきや、
 駅前からマンションへとつづくちいさな商店街にはいったとたん、
 なんだかタイムスリップ?
 ちょっぴりセンチメンタルやんけワレ~。
 ここらへんだけ、
 びっくりするほど当時と変わっていない気がするやんけ~どないなっとんねん?

 そしてその商店街に、
 シャガァルがまだあった。

 おどろいた。

 店内もまた見事にそっくりそのまんま。
 テーブルも椅子もその配置も、
 薄暗い煤けたかんじもそのまんま。
 木造りのイスに座ったら、
 その座り心地までそのまんま。
 薄暗い店内の窓から見える電線だらけの風景もそのまんま。

 きわめつけ、
 「エビピラフ」のランチセットまでもそっくりそのまま当時のまんま。

 あのころすでに年配だったマスターは代替わりしたのか、
 おられなかったけれど……、

 おいおい蘇るやんけどないするねん甘酸っぱい思い出とか消し去りたい恥とか忘れたい失敗とか……若気の至り。
 なんでそういうことばっか次から次に思い出すねんどないしてくれるねんホンマいたたまれない。

 そんなマジメになっちゃう甘辛くて重いのやなくて、
 アレとかコレとかソレとか、
 もっとたのしく笑えるアホアホおもしろ思い出話しかてメッチャぎょ~さんあるやんけ~~~。

 そっちを思い出して面白おかしく盛って語りたいのに。

 トーキョーは大好きだけどキライだ。

 平成元年に通っていた喫茶店に、
 30年も経って平成最後の年に再訪するて、
 なかなか一興やろ?
 オシャレやろ?
 ロマンチックやんけワレ~。

 でもなあ、
 そんなことするもんやないで。

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 嗚呼セニョリータ、
 皆さんおシアワセでありますよ~に。

 Dennis Brown - Senorita



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