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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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グリングリングラスオヴホームリバー
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 独り、
 藪の斜面を下りて河原へと。

 川はもうすぐそこなのに、
 森のなかは生い茂った草木でまえが見えない。

 空間が緑で埋まっている。

 こうなると、
 目のまえのクマザサの茂みにクマっこさ潜んでてもな~んもわかんねえだユリッペ。

 じぶんはカンショ病みなもんで、
 クマ鈴を常時カランカラン鳴らして歩くのは癇に障って気が散るのでとても苦手。

 なので、
 川がカーブしているところとか、
 入渓地点など、
 要所要所でホイッスルを熱唱する。
 しかし、
 ピーーッと警告音的なカドのあるかんじで上から目線で吹くのもどないやねん?ておもうねんな。
 
 むしろ、

 「いや~どうもどうも突然おじゃましてお騒がせしちゃってホンマすんませ~ん。
 ちょっと釣りさせてもろてます~。
 どうか穏便に、そして平和的におねがいします~ホナどうも~」

 というようなニュアンスの態度で、
 ものすごく低い姿勢から、
 「ここにおるけどほっといてね」という切なる気持ちを、
 ホイッスルの音に込めて森の奥まで伝えたい。

 なのでいつも、
 単独行では吉本新喜劇のテーマをホイッスルで吹きまくりながらバッサバサ藪を漕いで行進する。

 吉本新喜劇のテーマ

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 早朝、
 河原におりて見上げた空は快晴。

 すでに夏の暑さ。

 この日つかった道具は6フィート9インチの4番。
 ティペットは終始4Xのフロロ。
 リーダーとあわせて全長11~13フィートくらい?
 
 フライを6,9フィート竿の先端から3番目くらいのガイドに引っかけて、
 ティペットをリールにまわして二重折りして、
 ライン先端がトップガイドから出ているかんじ。

 中規模程度の開けた明るい渓流です。

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 さいしょはコレで。

 ソラックスはエゾリスのファー。
 マシュマロ・エクステンション部分はジーロン繊維。
 アンダーボディにエッグヤーン。
 ハックルはボディ中央にレオンのサドル一回転。

 どのパーツも吸水しやすく保水性も高い素材。

 この濡れやすく沈みやすい素材の荷重を、
 ウイングに巻き止めたエゾジカの小麦色の毛だけで支えながら、
 どのようなぐあいに水面に張り付いてくれるのか、
 という負荷実験。

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 なんだけど、
 ほどなく背後の高枝に引っ掛けてフライをなくし、
 
 もはや夏の減水の様相を呈した流れをみて、
 これはでっかめフライで景気ようドバーッてかんじとちゃうな、
 って気配なので……、

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 つぎはコレ。

 控えめに、
 ヒグマのアンダーファーをボディに巻いた「北海バグ」

 未知の区間を釣るので、
 さんざん使い倒したお馴染みフライでもって、
 早めテンポで探って歩く算段。

 使い慣れてるフライだと、
 「このフライでこういう反応なら現在の状況はこうなのかも」
 なんて、
 判断の目安にしやすいですね。

 チビッ子くんを数匹いじめた。

 すると、
 ドーンと大場所出現。

 岩盤でできた両岸が、
 足元からスパーッとえぐれた青々としたプール。
 そこに、
 段差のある流れ込みから圧力のある流れが白泡立ててダーダー流れ込んでいる。
 水深はいちばん深いところで目視で2メートルほど。
 
 「これはおるやろ~」

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 コレはねえ、
 タンタンタヌキの毛を細工して巻いたファジーなウエイテッドニンフ。
 
 これが流れに揉まれると、
 なんともまあ「もがくカワゲラ」ちっく。

 北海バグをティペットからブチッと切って、
 そのままそこにこのニンフを結んで、

 流れ込みの流芯脇にチャポッと投げて、
 フライが充分に沈みはじめてリーダーが流れに飲み込まれつつ……
 ってときに、
 ツッツーーーンと鋭角的にリーダーが引き込まれ……、

 会心のカイカンのアタリ。

 すっごい気持ちよかった。

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 むちゃくちゃ引いた。
 対岸の岩盤沿いに、
 川底からギューーーーンッと助走してドッパーンと水飛沫あげて月面宙返り。
 
 おみごと。

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 姿態もおみごとのメスのニジマス。

 まさに極上黒点美人。


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 午後おそく、
 川からあがって見上げた空は、
 しっとりと湿気を含んだ鉛色。

 本日は夜半からまとまった雨になりますよ、
 との天気予報。

 山を下りて、
 イブニングライズを期待して里の川の大プールにむかいます。

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 この天気だからか、
 なんと幸運にも、
 つぎの釣り場に到着早々散発ながらライズ発見。
 しかもけっこうなサイズのサカナのよう。

 バンク際の倒木の上流側。

 もうず~っとフライパッチに刺しっぱなしで、
 ことあるごとに荒く酷使されているエゾジカのヘアカディス10番をチョイス。

 このフライのヘアウイングがボロボロに擦り切れて、
 ボキボキ折れて劣化するまで徹底的に使い倒そうとおもって、
 わざと劣悪な使い方をして経緯を観察しているけれど、
 エゾジカの耐久性がたいへんたのもしい。

 抜き足差し足で上流に回り込み、
 しばらく待ってみたけれど、
 ライズが続かないので待ち切れず、
 フライを流しこんだらゴボッと出た。

 ムチャクチャ引いた。

 しかも、
 このサカナの余韻に浸る一服が終わらないうちに、
 さらに上流のバンク際の崖ギリッギリのところで、
 ポワワ~ンッと波紋がひろがっておるではないですか!

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 フロータントを再度塗布したりはせず、
 ニジマスの口から外したそのまんまのフライにフッと息を吹きかけて水気を飛ばして、
 そして三回くらいビッビッと強めのフォルスキャストでさらにフライの水気を切っただけで、
 バンク際ギリギリにフワッとフライを浮かべる。

 良質なエゾジカの毛は、
 ヘアー自体の浮力もさることながら、
 なんといっても水切れの良さにこそ妙あり。

 ライズ地点に流し込むと、
 ポワワ~~ンッと水面が軽く盛りあがってフライが吸い込まれ……、

 ひと呼吸置くかんじで、
 かる~く竿をたてればアナタ、

 ちいさなライズとは裏腹に、
 ザバザバザバッ!と激しい水飛沫。

 やれうれしやと余韻に浸りながら、
 夕暮れを迎えようとしておりますと、
 大プールの対岸バンク際ぎりっぎりのところのそこかしこで、
 ポワンポワンと波紋がひろがりはじめた。

 ウッハー釣りまくったるデと例のカディスを自信満々投じてみるも……、

 サカナたちの態度がガラリとかわって、
 さっきの会心の痛快の二発はなんやってん?
 といいたい冷たい無反応。

 いま、
 目のまえで盛んにライズしているやつなんか、
 さっきの二匹にくらべれば、
 「さあ釣ってくれ」といわんばかりのイージーな場所に定位しているというのに……。

 ムッキ~となったけどダメだダメだと冷静になってみれば、
 そのお答えは灯台もと暗し。
 ほんの足元でもスーパーハッチ。

 川はいまお祭り騒ぎだぜ。

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 フタオカゲロウの集中羽化まっさかり。

 これで、
 ヘアカディスを無視しはじめた理由が判明。
 なおかつ、
 サカナたちがバンク際すれすれに並んで定位してライズしている理由も判明。

 うっひょーオラ過呼吸すんぜん。

 冬の夜長、
 妄想や夢想いっぱいで巻いた、
 スペシャルな一本を4Xフロロにタールノットで結ぶ。
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 キャッツキル・クラシック本領発揮。

 おおきなアメマスの鋭い歯に何度も何度もガシガシ擦れた私家版ヘンドリクソン10番。

 鉄錆色のラスティダンのコックハックルをパラッと一枚。
 そしてボディにつかった素材は、
 まさにいま釣っているこの河原にて昨年ひろったトンビの羽根のクイルボディ、
 をいつものごとく捩じってしぼって巻いたヤツ。

 これがフタオカゲロウの流下にピタッとハマったようで……。

 夢中で釣りました。
 ヘンドリクソンさすがにボディ末端が多少ささくれたけれど、
 クリッパーでささくれを切ってやればじゅうぶん修正可能。
 そして肝心のハックルはここまでつかってもまだビクともしていない。
 ウフフフフフフウレシイ。

 ここのところにこそ、

 ものすご~く満足してすっかりご満悦。

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 いよいよ夕暮れが迫ってきて、
 ラスティダンのハックルだと暗い水面に同化してしまったように視界から消えてしまう。

 なので、
 ヒーバートヘンネックのライトダンと、
 ホワイティングのダイド・ライトダンのコックネックの二枚をハックリングした私家版クイルゴードン。

 これらのハックルは、
 地味~な繊細系カラーでありながら、
 マットな質感なので、
 暗い水面に浮かべるとたいへんよく見える。
 なのでそんな特徴を利用して、
 スタンダード系やマッチザハッチ系フライを繊細な色調でありながら視認性をも加味したいとき、
 なにかとイロイロ有効活用できる、
 たいへんありがたいハックル二種。

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 で、
 アタリに当たったヘンドリクソンよりも、
 ひと回りほどオーバーサイズでもあるこのフライに交換したのには、
 こんな理由もあった。

 めっちゃビッグなフタスジモンカゲロウ。

 ジャイアント馬場みたい。

 過去の経験より、
 見慣れていたはずのフタスジモンカゲロウのサイズのイメージよりも、
 体感的にゆうにひと回りはでかい。
 もっと言うと、
 普通のモンカゲロウよりもでかく見える。

 モンカゲロウ・ファミリーのなかでは、
 ひときわエレガントで可憐で小柄なフタスジモンカゲロウがこんなにもジャイアント。

 なんか、
 作りモノみたい。
 ウイングなんか、
 ぶ厚い存在感がまるで和紙でつくったみたい。

 感動しながらおどろいたがな~。

 んで、

 川面に夜の帳がおりようとする刹那、
 この花びらみたいなウイングが、
 ひとひら、
 そしてひとひら、
 水面のそこかしこに浮かびはじめて……、

 ハタハタと翅はためきながら流れに乗るイッピキを目で追っておりますと、
 待つ間もなく、
 
 ゴボッ!

 フタオカゲロウの流下に反応しているときのポワ~ンと静かな波紋とは真逆の激しいライズ、
 エエ音さして水飛沫あげてくれちゃってほんまにまったくもう……。

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 ゴージャスな一日。
 

 


 

 
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