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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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スケルトンなカジュアルドレス
 10日ほどまえの、
 真夏日がつづいていたころのこと、
 炎天下のした、
 友人とふたりしてエッチラオッチラはじめての川を釣りのぼっておりました。

 状況は悪くはなく、
 ここぞというポイントにセミ・フライを叩きこんでドンブラコと流せば、
 かならずといってよいほどにドバッとでた。

 ただ~し、
 川は行けども行けどもほとんど砂利で埋まっており、
 ここぞというポイントがほとんどない。
 まったくない。

 ようやく巡り合ったここぞというポイントで、
 どちらかがイッピキ掛けて「ウッヒョ~」と盛りあがると、
 またもやザバザバザバザバ川のなかを何キロもひたすら歩く……、
 ただひたすら歩く……、

 という日でありました。

 そんななか、
 午後おそく、
 いいかげんダレ気味で川辺を歩いておりますと、
 前を歩いていた友人が、
 とある砂底のおおきなプールのほとりでピタリと歩みを止め、
 しばしジッと水面を見つめると、
 「ビゼンさん、アレ、サカナじゃない?」

 クリアに澄みわたった深いプールの中央の川底に、
 このお方がへばりつくように定位していた。

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 よくよく観察してみれば、
 40~50センチクラスの子分?がさらに4~5匹ほど、
 このサカナに寄り添うようにジッと定位して流れにゆられていた。

 小高い土手のうえからは、
 その様子の仔細が手に取るようによく見えた。

 しか~し、
 遮蔽物などなにもなく、
 サカナがものすご~くよく見えるということは、
 先方もまた我々の姿がもっとよく見えているということでもあり、
 川底にビタッとはりつくように静止して定位しているということは、
 もはや我々はとっくのむかしに感知されており、
 サカナたちはすでに警戒態勢にはいっているものとおもわれた。

 「ビゼンさん、やってみてください」

 サカナの姿を発見したつぎの瞬間には、
 セミから重いニンフにソッコー結び変えていたワタシ。

 「もちろんやってみるけど、コレもうたぶんサカナに気づかれてメチャびびられてるかんじやで」
 「まあ、ダメ元でイチかバチかやってみるよ」
 「ちゅ~か、水辺に近寄っていった時点で逃げられるんとちゃうか」

 などとのたまいながら、
 ソ~ッと忍び足でアプローチできる水際まで下りていったけれど、
 サカナは同じ場所でまだそのまんまジ~ッと定位しておられる。

 第一関門はどうにかクリア。

 ただ、
 水際に下りてしまうと、
 陽の光のかげんで川底にいるサカナの姿がいまいち見えにくくなってしまった。

 サカナの定位している水深がけっこう深いこと、
 サカナの姿がはっきり視認できないこと、
 こうなると、
 かりにサカナの鼻先にフライをうまく流し込んだとしても、
 定位して微動だにしないサカナがフライを吸い込んだかどうか判別しにくい。

 なので奥の手、
 サカナのかなり横方向にフライを沈めて流して、
 サカナにうごいていただいてフライを追ってもらって、
 そのうごきで反応をたしかめるしかない。

 これ、
 サイトニンフィング鉄則のコツ。

 おそるおそる、
 サカナが定位している地点よりも1メートルほど横に手前、
 かつフライを沈めるために2メートルほど上流にフライを落とす。

 ウエイテッドニンフがチャポンと小さな水飛沫をあげて着水したとたん、
 かなり離れたところに定位しているマスたちが全員ビクンッと魚体をふるわせて着水音に反応してしまった。
 
 そしてあろうことか、
 全員がいっせいに定位していた周辺を落ち着きなくウロウロしはじめてしまった。

 「あっちゃ~、もう気づかれちゃったみたい」

 しかも、
 投じたニンフはウエイトが軽すぎ。
 水深が深すぎて、
 ぜんぜん沈んでいないじゃん。

 ダーメだこりゃ。

 ま、
 この状況ならしかたのないことでございましょう。

 ところが、
 しばらくするとサカナたちがまたスーッと同じ場所に戻って来て、
 川底にビタッと静止して定位したんだよね。

 あれ?

 とおもって、
 こんどはさらにガッツリとウエイト入れたニンフに変えて3投目。

 チャポンと着水したニンフがぐんぐん沈んでいく。

 す・る・と!
 子分クラスのイッピキがフライが沈んでいるであろう地点にむかってスーッと泳いでくるではないかドッキドキ。、

 「あ、これ食うかも!」

 心臓バックバク。

 と・こ・ろ・が・
 それまで微動だにしなかった親分がフライのほうにむかって、
 ゆっくりグーンと旋回するようにうごきはじめたとたん、

 それまでノリノリで一直線にフライのほうにむかっていた子分が、
 スッと遠慮するかのようにどいてしまった。

 子分っていってもゆうに50センチクラスしかも極太。
 そりゃ~もうガッカリですよ。

 そして、
 フライよりもいったん上流側にまわりこんだ親分が、
 グル~ンと頭の向きを変えて、
 フライが沈んでいるであろう付近を通過して、
 そのままとまることなく川底で大きく円を描くようにうごいて……、

 その途中、
 土手のうえからジッと様子をうかがっていた友人が、
 サカナがフライを吸いこんだような気がしたらしく、
 ちいさく「アッ」と声を漏らした。

 なんだけど、
 な~んかおかしいぞ疑わしいぞ、
 とおもいながらも、
 じぶんのほうからはとくに変化はなにも見えない。

 なので、
 こうした状況での空アワセによる場荒れを避けるために
 アワセてみたいのをグッとこらえた。

 で、
 そのあと、
 親分が川底を這うように悠々と旋回していく様子を、
 心から切なく、
 そして狂おしく見守っておりますと……、

 なななんと!

 水面に浮かんでいたリーダーのバット部分が、
 ツーーッと親分の泳ぎ去る方向に引っ張られていくのが視界の片隅に映った。

 「喰っとるやんけ!」

 グイッとアワセてドンッ!

 真っ赤な巨体を翻して、
 おおきなプールのなかを所狭しと跳ぶわ走るわ首振りまくるわ、
 その様子がクリアな水中で丸見え。
 はげしい水飛沫がドッパンザッパン。

 丁々発止の大捕りもの……みごと召し獲ったり~~~抜けまくりました。

 「やっぱりあのときフライ喰ってたんですね。フライが沈んだあたりでサカナが白い口を開けたの、ここから見えたんですよ。
 でもビゼンさんなにもしないから、アレ?喰ってないのかな?っておもったんだよなあ」

 と、
 友人が興奮しながらまくしたてた。

 してみると、
 この親分は、
 フライをくわえてから2メートル以上は移動していることになる。

 ここに、
 示唆するものがものすごいたくさんある。

 釣れた親分は、
 その大きさもさることながら、
 魚体や口吻の釣り針傷跡から見ても、
 過去に何度も痛い思いをしているはず。
 数々の修羅場をかいくぐって、
 ここまで成長してきたことが一目瞭然。
 まちがいなく百戦錬磨。

 そのようなヌシ的なサカナが、
 4Xのティペットに結ばれたフライをがっぽりくわえたまんま、
 その違和感をかんじることなく、
 こんなにも長い時間、
 こんなにも自然な素振りで移動するなんて……。

 しかもこの状況で……。

 この親分は、
 釣れてくれた感動と感激のみならず、
 じつにじつに有益かつ、
 今後に役立つことは間違いない、
 すばらしい情報をもワタシに与えてくれたのでございました。

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 ヘビーウエイトなニンフのタイイング私見。

 まずは普通のブラス・ビーズとともに、
 フックシャンク前面に糸オモリをグルグル巻き。

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 で、
 リードワイヤ(糸オモリ)を爪先でグッと押し込むようにして、
 ビーズの穴に突っ込み、
 ビーズを固定してからリードワイヤをスレッドでグルグル巻きして補強。

 スコーンとスムーズに沈めるために、
 手っ取り早くタングステンのビーズをつかうテもある。
 けれど、
 タングステンの泣き所はとにかくキャスティングが億劫になるほど投げにくく、
 そして投げるたびに耳元をフライが弾丸のようにヒュンヒュン行ったり来たりするのでとても恐ろしい。

 そしてさらに、
 スッコーンと沈むのは良いけれど、
 勢い余ってそのまま川底の石のあいだに一直線にもぐっていきがち。

 なぜかというと、
 タングステンビーズだとフライの重量が極端に一点集中するため。
 そのため、
 投げれば弾丸になり、
 沈めれば岩盤の切れ目や石のあいだに挟まりたがる。

 ごつい道具でスイングさせたりとか、
 そういうパワー系な釣りにはいいけれど、
 深場を繊細に探りたいような、
 こんな釣りにはちょい不向き。

 このように、
 普通のビーズにリードワイヤの組み合わせで、
 フライの重量を分散させたほうが、
 投げやすくて、
 沈めても根掛りを軽減させられるようにおもっている。

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 で、
 リードワイヤのうえにスレッドをグルグル巻きにしたら、
 エゾリスの背中の毛をこのようにテイルに巻き止めて……、

 その根元に二つ折りにしたオーバルティンセルを巻き止めて……、

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 ティンセルを捩じって荒縄状にして、
 このように密にリビング。

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 マルチグルーを塗布したスレッドに、
 ボディ部分はよくほぐしてホワホワにしたエゾリスのファーをかる~くフワッとつけて、
 ソラックス部分にはエゾリスの背中のファーをガードヘアーごとそのまま塗布。

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 で、
 これをグルグルッとねじって、
 ソラックス部分に巻くファーの部分を、
 写真のように濡らした指先で一方向に向くように撫でつけておいて……、

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 んで、
 これをリビング材に挟む込むようにグルグルッと一気にボディに巻くと、
 ソラックス部分のファーがハックルのような体裁になり……、

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 んでんで、
 ヘッドのところに黒のオストリッチなんかを巻いて、
 川虫のアタマやウイングケース的なアクセントにして、
 あっというまに完成の一体構造ファジー・ニンフ。

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 出来あがったニンフを、
 水を張ったシャーレに落としてみると……、

 エゾリスのファーがたちまち吸水してスッと水に馴染む。
 しかもそのファーは、
 このように巻くことでボディ全体にモサモサ立ちあがっているので、
 これが流水に揉まれると、
 ボディ全体がユラユラ揺れ動きつつ、
 かつ透明な皮膜のように金色のボディを包み込む。

 なんともいえず柔らかで、
 指でつまむと潰れてしまいそうなジューシーな質感。

 当初は、
 水馴染みの良さや、
 流水の抵抗をモロに受けて流しやすく、
 かつファーがザワザワなびき揺れ動く、
 という機能面をこそ目的にこのように巻いてみたけれど……、

 このソフトな質感こそが、
 あのように長時間サカナがフライをくわえてくれる要因になったのではないかと、
 このように考察して……、

 翌日、
 この写真のニンフをティペットに結んで、
 こんどは轟々と流れる深瀬の川底を、
 ヘビーアウトリガーで探って……、

 深みからかすかに感じられたヌンッと重みが加わったような、
 「気配」をかんじるアタリに躊躇なくグイッとアワセてみれば……、

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 なんか、
 このフライをつかうとフッキングもよいような、
 というか、
 このように口吻脇のすごく良いところに掛ってくれることがやたらと多い。
 なので、
 このテの釣りにありがちな、
 しばらくファイトしていてある瞬間、
 ポロッと外れて「なんで?」
 というような悲しい展開が激減しているようにおもえる。

 やっぱニンフって、
 口当たりの良さも重要なんだな~なんておもったりして。

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 ウルトラベストコンディションのビッグでファットな完熟ビッグ・ママ。

 深みの、
 そのまた深場の、
 そのポイントのもっともVIPな場所に、
 ひっそりと隠れるように陣取っていた大女将を、
 白昼堂々引っ張り出したったご満悦。

 ドワーッと波立って流れる荒瀬の、
 分厚い壁のような重い流圧なんかものともせず、
 掛ったつぎの瞬間にはもうとんでもないところでドッパンドッパン跳ねまくり、
 そのまま狂ったように荒瀬を上流に激走。
 
 ヒイヒイハアハアで無事に取り込んでみればこのサカナ。

 ああんもう…みつぐ脳がトロけちゃう。
  
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