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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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ヒグマとエゾリスの毛をつかったシンプル・スペントフライを語る真冬の夕べ
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 ウイングに秋ヒグマの金毛をどっさり巻き止めて、
 そしてヘッドに春エゾジカの毛をみっちりフレアさせた北海マドラー・オホーツク・スタイル。

 サイズは2Xロングシャンク6番。

 と、
 そんなおっきいやつの話ししよかな~とおもたけど、

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 エゾリスのファーとヒグマのファーならではの旨味を最大限活かした、
 典型的なドライフライ作例として、
 
 今夜はちっちゃいの紹介しよかな。

 
 それはそうと、
 リール、
 かっこええやろ?

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 エゾリスのファーをボディに普通にダビングして、
 ヒグマの黒毛をアンダーファーとガードヘアーごとスペントウイングに巻き止めて、
 フライのヘッド付近ぎりぎりのところに、
 パラシュートハックルをぐりぐりハックリングしただけのシンプル・ドライフライ。

 これ、
 すっごいおススメ!

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 水馴染みバツグンのエゾリス・ダビングボディがきっちり水面下に突き刺さるようなかんじで沈むけど、
 ジェル状フロータントを塗布したヒグマのウイングが軽々水面に乗っていつまでも浮いてる。

 こうしたスペントウイングには欠かせない、
 ウイングの透過性も申し分ないリアルさなんだけど、
 なによりもヒグマのスペントウイングが素晴らしいのは、
 ヒグマのアンダーファーの特性として、
 水に濡れにくく、
 かつ水を弾きやすい。

 で、
 さらにスペントウイングとして巻き止めたとき、
 形状が変化しにくい。

 ので、
 ピックアップを繰り返しながら長時間つかって、
 スペントウイングがより後方になびいてしまっても、
 ウイングのファイバーがフワッと開いた状態を維持してくれる。

 たとえば、
 こうしたスペントウイングの定番素材となるジーロンやポリヤーン系素材なんかは、
 つかいはじめてすぐは透過性もバツグンだしフォルムもリアル。
 ではあるけれど、
 繊維がたちまち吸水して束状にまとまり、
 棒のようなフォルムに変化してしまう。

 これがなかなかのジレンマで、
 スペントウイング素材の決定打はないものかと長らく思案のしどころだったわけですが、
 一昨年くらいにヒグマの毛をつかうことを思いついてからというもの、
 破竹の勢いでスペントウイング大中小各種フライ捏造中の現在です。

 たとえば、
 ヒゲナガやモンカゲ・サイズの大型スペントウイングや、
 はたまたハルゼミの翅として酷使したおしても、
 フワ~ッとひろがったヒグマの毛のファイバーが水面にヒタ~ッとへばりついて陽の光を透過してくれる。

 これ、
 定番の化学繊維素材は言うにおよばず、
 ソルトウォーター用ファイバー素材から、
 日用品素材まで、
 目についたもんほとんど試したあげく、
 化学繊維にガッカリしつづけたワタシが、
 長らく夢見ていた理想のスペントウイング…この発見にそりゃあもう色めきたったものでございました。

 スペントウイングの革命や~なんつって。

 ヒグマのオケケはタイイングマテリアルの宝箱や~~。

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 ヒグマやエゾリスたちがのびのびと暮らしている森のなかを流れるキレイな山岳渓流にて、

 ありがたく彼らの毛をつかわせてもらったフライでバンバカ釣るという、
 なんともゴージャスな充足感もさることながら、

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 ボディだけは完全に水没していて、
 それをヒグマのスペントウイングとハックルでしっかり支えているので、
 ドラッグヘッジ効果もすさまじく、
 ものすごい頼もしく浮いてくれるくせに、
 ベタッと水面にへばりつくので、
 流しやすさ使い勝手の良さも太鼓判。

 ついでに、
 エゾリスの青味がかったようなブルーダン色と、
 ヘッドとボディ末端の真っ赤に着色したスレッドの鮮烈なコントラスト的アクセントは、
 いにしえの古典スタンダード・ウエットフライ「アイアン・ブルーダン」からの転用。
 ダン系カラーと赤の組み合わせにそそられまくるワタシです。

 当地のアメマスやオショロコマも「その色の組み合わせ、たまんないね」って言ってくれてるみたい?
 なかなか好評のようだ。

 という、
 ユニバーサルな万能型スペントウイング・ドライフライとして、
 山岳渓流での叩き釣りにも多用しているけれど……、

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 当地の本流にて、
 盆過ぎから初秋にかけて、
 ワタシの天狗の鼻をボッキボキに折り倒し、
 完膚無きまでに叩きのめしてくれはる悩ましいニジマス。

 各ヒレが異様なほどおおきく長いヒレナガ・ニジマス。

 引きはキョ~レツ。

 フライへの選択眼もまたキョ~レツ。

 本格的なライズがはじまった数日は、
 フライのサイズさえ合っていればそこそこ反応してくれる。

 けど、
 それをいいことに調子にのったらエライ目にあわされます。

 ほんの微かなドラッグとか、
 ティペットが水面にベタッと浮いてるとか、
 そんなの論外。

 すぐ目の前でムワワ~ン…ムワワ~ン…と水面を揺らして自由気ままにライズしているけれど、
 フライには一瞥すらしてくれない。

 というニジマスが、

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 こんなジンクリアで、
 まるで油を流したような超フラットな水面、
 さらにトロ~ンとした流れが巻き返すように大きく渦を巻いている場所で、
 丸見え状態でクルージングしてはる。

 そりゃ~もう悩ましいで。

 しかも、
 さらにやりにくいのが、
 この上流でいつもどこかしら河川改修しているので、
 そこから流れてきた微細なホコリのようなゴミが水面に膜を張ったように浮いている。

 なので、
 CDCをウイングやインジケに巻き止めた繊細なパターンだと、
 ピックアップ一発で沈んでしまってつかいものにならなくなるというジレンマ。

 さらにしかも、
 ホコリの膜で水面がテカッていて、
 フライが見えにくいのなんのってもうイライラ。

 でもねえ、
 釣りたいんですわ切ないほどに……。

 ただ、
 わずかな救いは、
 ここでクルージングしながらライズしているニジマスたちは、
 とくになにかを選んで食っているというわけではなく、
 水面に浮くホコリの膜に囚われて、
 がんじがらめになって流下してくるちいさな陸生昆虫の類全般にライズしているところ。

 たとえば、
 ハエやアブのようなフォルムのハムシ的な虫とか、
 あるいはこの季節定番のハネアリとか、
 そういうスペントウイング形状の虫いろいろ。

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 ワックスを擦り込みまくった太めの黒のスレッドに、
 エゾリスのファーを薄くきつくダビングしたボディ、
 水に濡れると、
 このようにボディに皮膜が覆っているような黒いボディになる。

 このツルンッとしたボディの印象がいかにも各種の小型陸生昆虫っぽい。

 ウイングはもちろん、
 ヒグマの毛をパラッと散らしたデルタウイング・スタイルなスペント。
 これこそこのフライの核となるパーツ。

 そして、
 とにかく水面のフライが視認できないと勝負にならないので、
 プライドなんかかなぐり捨てて、
 ハレンチなほどにどでかいオレンジのド派手なインジケーター。

 で、
 このインジケにだけ、
 ジェル状のフロータントをクリクリッと指先で揉むように擦り込んでおいて、

 数回ほど投げれば……、

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 こんなかんじで水面に浮くようになる。

 ボディはもちろん、
 黒いパラシュートハックルも完全に水面直下に水没。
 ヒグマの毛のスペントウイングだけで、
 水面膜にひっかかるような絡みつくようなかんじになって、
 かろうじて水面に浮いているという体裁。

 ヒグマの毛のスペントウイングのおかげで、
 このようなビミョ~なフライの浮かせ方も、
 えらく簡単に演出できるようになった。

 そして、
 インジケーターだけが水面から突き出ている。
 フライは水面下に没しているのに、
 これがじつによく見えて釣りゴコロにやさしいのだった。

 当然、
 フライ全体はほぼ沈んでいるので、
 フライとティペットの結び目もまた水面下に沈んで、
 ティペットの存在感や違和感を消している。

 本物のハムシもハネアリも、
 水面に浮くホコリの膜の下側で、
 みんなこんな状態で浮いている。

 という、
 水面での浮き方もとても重要なんだけど、
 それよりももっと気にしているのは、
 先にも話したとおり、
 すこしでもティペットの存在を隠したい、
 そして、
 フライ全体をほぼ水面下に沈めることで、
 すこしでも自然にナチュラルドリフトしやすくしたい、
 というところ。

 んでんで、
 しとどに濡れそぼっているフライを指先につまんで、
 あらかじめラインも引き出しておいて、
 いつでも投げられる態勢で、
 ひたすらチャンスを待つ。

 ムダ投げはサカナを警戒させるだけだし、
 フライも沈みやすくなり過ぎるので御法度。

 至近距離の、
 確実に無理なくプレゼンテーションできるところに、
 ニジマスがクルージングしてくるのを、
 息を殺して静かに待って待って待ちまくる。

 で、

 パック~ン、
 パック~ン、

 と、
 狂おしいほど悩ましく色っぽいおおきなヒレをビランビランひろげながら、
 右に左に悠々とクルージングしてるニジマスが射程距離にやって来てくれたとき、

 その進行方向を予測して、
 息を詰めるようにポテッとこのフライを浮かべて、

 そして待つ。

 ドッキドキやでホンマ……、

 すべてがうまくいったときだけ、
 ポクンッとフライが吸い込まれる。

 奇跡のように。

 で!

 そ~っと、
 しかしグイッと、
 竿を立てると……、

 まるで瞑想の世界のようだった「静」の時間が、

 ダーンッ!
 ドーンッ!
 と怒り狂って跳ねまくるニジマスの水飛沫と、
 ンギャギャギャギャ~~~~~~~けたたましいリールの逆転音とともに、

 息をもつかせない緊迫の激しすぎる「動」の闘いの時間へと幕開けるのでございました。
 
 脳がバーンッてなるで。

 あ、
 それと言い忘れましたが、
 もひとつやっかいなのが、
 こうした激スレのライズの季節とリンクする、
 真夏のハネアリの集中流下のときの釣り。

 ハネアリが大軍団で一気に水面に浮かぶと、
 いいサカナがばんばんライズするけど、
 これがまたものすごく難儀な釣りになってしまう。

 さっきの状況のように、
 ポツリポツリと散発的に流下しているハネアリは、
 たいがいありがちな、
 我々がイメージするボディ半沈み姿勢で水面に浮くんだけど、

 ハネアリの釣りの主戦場になりがちな止水やフラットな流れに、
 やつらがびっしり浮いているときは、
 ボディ全体で水面にのるような姿勢で表面張力のうえにポカッとのって、
 爪先立って水面高く浮いてることがほとんどのようだ。

 そして、
 よく観察すると翅を水面に浸らせているものは皆無で、
 み~んなカゲロウのように翅を立てて畳んで浮いている。

 ちいさなハネアリが、
 このような姿勢で無数に浮いているときのライズは、
 これがまたとってもシビアで難儀。

 フライもまた、
 水面高く爪先立つように浮かせるのはもちろん、
 クルージングしているサカナの進行方向を予測するのは、
 たくさんの本物に囲まれているだけにいちかばちかの賭けになる。

 でもねえ、
 この難儀な釣りの季節こそ、
 もうたまらなく待ち遠しい、
 書けば書くほどに切なくなる冬の夜長の作文をここらへんでおしまいにします。

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