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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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前回のつづき「ゲームフィッシャー」語っちゃうよ長文御容赦。
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 なつかしの、
 マキシマ・プレミアム・モノフィラメント・フィッシングライン。

 ワタシがいまの仕事をはじめたばかりの30代はじめのころ、
 ベテラン諸先輩の皆さん、
 こぞってこの釣り糸を繋ぎ合せてリーダーにつかっておられました。

 五里霧中だったけど、
 とにかく夢中だった駆け出し時代の思い出が走馬灯のように甦る、
 ノスタルジックがスーパーハッチな釣り糸。

 あれから世の中すっかり世知辛くなりました。
 良くも悪くも悪くも悪くも悪くも悪くも悪くも。

 フライフィッシング事情だってずいぶん変わりました。

 でもサカナたちは今も昔もおんなじですね。
 なにも変わらない。
 これからもずっと変わらない。

 そしてたったいま現在、
 我が家のまえにうず高くつもっている雪原にて、
 仕事の合間のキャスティング練習が、
 ワタシにとってもはや欠かせない日々の日課というか息抜きというか最高の気分転換。
 思考と夢想をひろげる至福のひとときとなっているこの冬の日々。

 多少の猛吹雪はものともせず、
 むしろ悪条件でのキャスティング練習に好都合とばかり、
 きょうもきょうとて元気いっぱいお外に飛び出すワタシです。

 なんだかいいかんじ。

 そんな毎日、
 真っ白な雪のうえで、
 珈琲色のマキシマ・リーダーがよく見えるのではないかと思いつき、
 ウン十年ぶりにマキシマのリーダーキットを引っ張り出してきてブラッドノット……もはや死語ではないか?ノッテッドリーダー。

 思惑どおり、
 雪のうえでリーダーがとてもよく見えて具合がよい。
 という当初の目的を満たしてくれたわけですが、

 案の定というかホラ見たことかというか、

 ひさびさのマキシマ……やっぱとってもいっすね。

 かくして夜な夜ないろんなテーパーリーダーを魔改造。

 嗚呼ブラッドノットが止まらない。

 過去の遺物がいま、
 ものすごく新しい。

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 もうだいぶまえに巻いたダイバー系バスバグ私的作例。

 数年まえに函館にいたとき、
 バスバグ熱がちょい再燃しかけたけれど、
 道内各地のニジマス釣りに夢中で、
 バス釣りどころではなくなり、
 その熱はあえなく消え失せたころに巻いたフライ。

 も~っと若かった10代~20代のころ、
 伝説の黄金時代だった炸裂の琵琶湖をはじめ、
 神秘だった紀州地方の山上ダム湖群、
 そしてもちろん、
 あっちこっちの野池でさんざんやりまくった遠い過去のバスバギング経験の記憶とともに巻いたフライ。

 そしてなによりも、
 函館に越してきてすぐ、
 北海道からはるばる高知県まで何度も何度も通った追憶のアカメ釣り。

 嗚呼…君の名はアカメ…ルビー色の瞳は百万ボルト…まごうことなき最高峰。

 フライでアカメ。
 精神的にも金銭的にも体力的にも、
 ちょっと人生踏み外しそうな危険をはらんでいた究極の釣りにて、
 奇跡のイッピキを大炸裂させてくれた名作ダールバーグダイバー・バグ…ただしアレンジしまくりの私的ヴァージョン。
 そんなフライにハマりまくった経験をもとに作ったフライです。

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 そしてまた、
 フラットウイング・ストリーマーのいいとこどりでもあるこのフライ。

 あの当時、
 ニューイングランド州でのストライパー釣りからはじまり、
 函館近郊の根魚各種や高知のヒラスズキそしてマルスズキ、
 さらに、
 道北地方のイトウやアメマス釣りへと派生展開していくことになったフラットウイング・ストリーマー。
 
 そんなわけでこのフライは、
 アメリカ東部ストライパー釣り往年のカリスマ中のカリスマ、
 フラットウイング・ストリーマーの仕掛け人ケニー・エイブラムスへのアンサー・フライ。

 あのころ、
 「こんな暮らしでいいのだろうか?」と、
 おおいに迷える小太りの子羊だったワタシ。
 
 そんな渦中、
 アナタの人生これで良し…このまま突き進むべき…、
 と断言してくれて、
 我が背中をドンと力強く押して、
 厳しくも心優しく包み込んでくれた我が師ケニーに捧げるフライのひとつでもある。

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 ヘッドのとこ、
 こんなんなってんの。

 名づけてスプーンヘッド。

 このヘッド形状と、
 わざわざボディ中央下部に据えた、
 ウエイトも兼ねたおおきな目玉とのバランス効果で、
 ギュッとひっぱると、
 ただ水中に潜るだけではなく、
 グラッとヒラを打つようにフライが横向きにバランスを崩して軽くダートしながらよろめきクネリ泳ぐ。

 トップウォータープラグ感覚でいうと「ダーター」ってかんじでしょうか。

 かねてより、
 バスバグでそのようなアクションが演出できれば痛快だろうなとおもっていた。

 なので、
 そんな思惑にちかいアクションが実現できて、
 当時はたいへん興奮してうれしかった。

 のだが、
 北海道から内地に遠征しなければならない煩わしさが仇となり、
 このフライで釣るべきバスへの情熱は、
 これ以降急速に薄れてしまって、
 すごく中途半端におわった。

 それもこれもみ~んな、
 道内各地の野性の巨ニジマスのせいだ。
 アンタがすごすぎた。

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 それはともかく、
 話しはガラッとかわって、
 バスプラグ永遠の銘門へドン社の「ゲームフィッシャー」

 このプラグの泳ぎをはじめて見たとき、
 鳥肌が全身ザーッとかけめぐるほど驚嘆して感動したプラグのひとつ。

 プラグにありがちなブルブル震えるウォブリング・アクションとは一線を画して、
 大蛇が水面を波立てて泳ぐがごとく、
 ブワ~ンブワ~ン…グイ~ングイ~ンと、
 おおきくS字を描くようにクネリ泳ぐんやで。

 そりゃ~びっくりしたがなアナタ。

 硬いウッド製にもかかわらず、
 泳がせてみれば、
 まるでゴムかなにかで出来ているような、
 柔らかで滑らかで生き物らしい曲線のうごき。

 こんなのよく思いついたなと……。

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 へドン社の当時のカタログ解説によれば、
 この三連結ボディの構造がそのような独特のアクションを可能にした、
 とある。

 それは充分納得するけど、
 なんとまあ製造工程に手間ヒマのかかりそうな複雑構造であることか。

 カスタム・メイドな少量生産ならいざしらず、
 これを量産してメーカー品としてコンスタントに大量販売していたのか?

 このプラグを販売していたへドン社の当時の情熱と心意気には、
 クラフトマンシップの情念、
 いや、
 怨念をかんじる。

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 このプラグが販売されていた当時、
 ヘドン社がどれだけコレに心血を注いでいたのかが、
 ゲームフィッシャーという強気でユニバーサルなネーミングはもちろん、
 ヘッドに取り付けられた、
 こんな小さな鉄板からもヒシヒシうかがえる。

 ヘッドのウエイトやバランサーの役割を果たしているはずの、
 あくまでも機能のために取り付けられたこの鉄板ひとつとっても、
 そのカタチといい粋でオシャレな刻印といい、

 いまこうして眺めてもゾクゾクするほどカッコイイ。

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 なんでもこのゲームフィッシャーは、
 1923年から33年にかけての10年間だけ製造販売されていたのだそうだ。

 へドン社を代表するようなベストセラーになってもなんら不思議ではないこの逸品が、
 おどろくほど短命に終わっているのは、
 製造工程の手間ヒマをおもえば、
 量産メーカーとして、
 しかたのないことだったのかもしれない。

 そしてその後、
 同社からは「タドポリー」とか、
 あるいは他社からは「フラットフイッシュ」とか、
 あきらかにゲームフィッシャーにインスパイヤされたであろうフォロワー的名作プラグが数々世に出たけれど、
 元祖の完成度と威厳は他の追従を許さず、
 もはや不動のようにおもえてならない。

 ちなみに、
 うえの写真はアメリカのヴィンテージ・プラグ専門同好雑誌の1ページ。
 名もなき個人コレクターがわざわざ広告費を出費して、
 「ゲームフィッシャー探してます。貴方のコレクションぜひ売ってください」だって。

 ゲームフィッシャーぜ~~んぶオトナ買いしたい、
 って血眼をあげるハードコアなコレクターさん、
 アチラのお国にはぎょうさんいてはるようです。

 でもねえ、
 このプラグのコンプリート・コレクションは茨の道ですよ。

 あえて俗なこと言うけど、
 レア度数高めでなかなかマーケットに出てこないだけでなく
 見つけてもむちゃくちゃ高額なのコレ。

 コンディション良好なEXグレードのやつなんか、
 おもくそ目ん玉飛び出るプライス。

 もし万が一、
 ミント(新品)なんて存在しようものなら……おっそろしいとおもいます。
 けど、
 出るとこ出れば瞬殺でどこぞのセレブ・マニアがお嫁にもらっていくとおもいます。

 バスプラグ文化のなかで、
 目利きの好き者たちにとっては、
 それほどの位置づけの逸品なんだよ。

 かくいうワタシの宝物は、
 かろうじて原形を留めており、
 そして各パーツにつかわれたネジとか鉄板の金属類もまだどうにか活きているけれど、
 酷使され過ぎてこれ以上の実戦投入すると粉砕の恐れあり要注意。
 だけどインテリアとして飾るだけなら……、

 という、
 最低グレードよりチョイうえのものを、
 さんざん迷った末に、
 「このチャンスを逃したら、きっともう御縁はないはず」
 エエイ!と、
 清水の舞台からダイブしながら買い求めたもの。

 そしてそれを、
 実際に泳がせてみたくてたまらなくなって、
 これまた長い逡巡の末、
 ええいままよと自らウレタン塗装し直して補強。
 なんとか使えるようにしたドシロート丸出しリビルド品。

 そして気になるカラーは、
 当時のへドン社の突き抜けたオシャレ感覚を現在に伝えてくれる、
 「レインボーカラー」っていうカラーリングなんやで。
 ボロボロだけど。

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 私見として、
 エラそうなモノ言いをします。

 シャレや遊びや余興としては、
 昔からあった風潮なんだけど、
 バスフライの方向性のひとつとして、
 なぜだかプラグやルアーのカタチをそのまま似せようとするアプローチがある。

 ところが、
 ちょっとこの釣りをやれば痛感せざるを得ないんだけど、
 フライラインとリーダーでフライが繋がっている、
 というその一点で、
 もはやルアーとはなにもかもが決定的にちがう。

 もちろん、
 「遊びゴコロ」や「シャレオツ」というのはこの釣りに絶対不可欠な要素なので、
 それをわかったうえでやっているのなら余興としてはありなんだけど……、
 
 そうではなくマジモードでルアーに肉薄しよう、
 という姿勢はある意味ナンセンス?なんだか薄くて浅いなと。

 それじゃあ、
 転じてバスバグにしかない特徴とはなにか?

 あたしゃねえ、
 不遜ながらこうおもうんですよ。

 ルアーにもプラグにも、
 はたまたコルクやバルサや樹脂でつくったポッピング・バグにもない、
 バスバグにしかない特性であり、
 バスバグにしか演出できないことというのは、

 ディアヘアーをフレアさせて刈り込んで巻くという素材と構造上、
 どうしたってボディの内部に水が滲みるし浸透するということ。
 そして、
 もひとつ重要なのはボディ全体に水を通すことができるってことではないのか?
 
 それは、
 ともすればバスバグのウィークポイントとして語られがちだけど、
 このファジー感覚は、
 フライ的な視点で見れば、
 バスバグならでは唯一無二のすごいことだとおもう。

 だって、
 ボディに水が滲みちゃうくせに、
 水面に浮かせたり潜らせたり水音をたてたりできるんやで。
 
 なので、 
 そんな特性を加味したうえで、
 そこのところがフライの機能として活きるようにしながらフライを考案すると、

 定番としてすでにあるパターンに自分なりのアレンジを加えていろんなフォルムに造形したり、
 あるいは、
 実際のエサ生物をモデルにしながら、
 個々独自の解釈やイメージでフライの機能に応用転化したり、
 さらには、
 イマジネーションを膨らませてまったく想像上の生き物を創作してみたりしながら、
 
 いろんなことができる範囲がものすごくひろい。

 フォルムと機能が調和して一体化しているフライ。

 これこそがバスバグの真骨頂だとワタシはおもいます。

 ドライフライでもウエットフライでも、
 なんにせよ、
 フォーマットというか基本形がすでに完成の域に達していて、
 あとはそこを応用しながらいかに自己アレンジするか……、
 という方向にいかざるを得ない他ジャンルのフライとちがって、
 バスバグはまだまだぜんぜん個性と独創が思う存分発揮できる唯一のフライ世界だとおもいます。

 すでにレシピを指定して、
 微に入り細に入りお手本としてあるものを、
 そっくりそのまま一糸乱れずキレイに美しく巻くとか、
 そういう卓上の自己満足はクラシックなフルドレス・サーモンフライにまかしときなはれ。

 フライフィッシングの歴史に燦然と輝くべき、
 過去の歴代バスフライ・マスターたちの爆裂個性的バスフライの数々見てみいな。
 グチャグチャやん。
 めっちゃ雑じゃん。
 でも、
 釣りゴコロをむんずと鷲掴みのカッコ良さじゃん威風堂々じゃん。
 それは、
 幾多の経験を背景にして意図的にそのようにやっているからこそのパワーを感じさせる造形で、
 だからこそグッとくるねんで。

 機能とフォルムの相乗効果を目指しての個性的作品こそ、
 こゆくて深いバスバグの醍醐味であり愉しみではないでしょうか?

 しつこいようやけど、
 バスバグはディアヘアの塊の彫刻とちゃうねんで。

 そして、
 この特異な世界は、
 マス釣りとおなじ感覚で、
 まったく同じものを量産するもんでもないとじぶんはおもう。

 ひとつひとつのフライを情念込めながら刈り込んで、
 一期一会この世でたったひとつのフライに、
 ポップでダイブなソウルを吹き込みなはれ。

 だってバス釣りだもの。

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 現時点での、 
 我がスプーンヘッド・ベイトの最終形態に近いかも……、
 というのがコチラ。

 っていうかこれ以降、
 先述の理由でなんも取り組んでいないから、
 ここから10年ちかくぜんぜん進化してないの。

 テイルウイングには、
 ヘンサドルのシェラッペンに近いところの両脇部位のハックルをつかった。
 そのハックルを根元からそのまんまストークごと、
 フックシャンクにくくりつけてある。

 この部位のハックルって、
 骨太なわりに弾力を感じさせる幅広扁平のストークが根元から、
 バナナ形状に丸くカーブして湾曲している。

 この湾曲ストークのハックルをこのように巻き止めておいて、
 スプーンヘッドをグイッとやると、
 フライがジュボッとバランスを崩してヒラを打ちつつ、
 湾曲したハックルが水流の抵抗を受けて、
 ビラララララッと激しく揺れ踊ってくれる。

 で、
 ハックルの水流抵抗を受けて、
 フライがより激しくグラッとイレギュラーによろけてくれるというわけです。

 そんな、
 元になったモデルはクレイジーに踊るダンシングなイカなのか、
 はたまた酔っ払って千鳥足の間抜けな火星人なのか、
 なんなのかよくわかんないけど、
 ヘビーでグラスアイちっくな手作りカスタム目玉が印象的な、
 よろめき上手なかわいいやつです。
 
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 なんつって、
 じぶんにとっては過去のバスバグとか、
 秘蔵の宝物プラグとか、
 唐突に引っ張り出してきて、
 なにゆえエラそうにいきなり独り語りしたかというと……、

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 その引き金の直接のきっかけは、
 これらの簡素に巻いたニンフたち。

 もっというと、
 このニンフたちを、
 水中に立ちこんだ足元にポチャッと落としてスッと動かしたとき。
 
 その迫真のリアリティを目撃した瞬間から脳内にワラワラ湧いてきた創作意欲が、
 エンドレスにどんどんどんどんふくらんで、

 イメージと妄想のコップがたちまちなみなみと溢れはじめ……、

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 とめどもなく、
 つきることなく枝葉をのばし派生して、
 あっちこっちに食指が伸びて、
 もはや収拾がつかなくなっちゃって……困ってません。

 どうかこのテンションの気分のまま、
 ネガティヴにとらわれず、
 そして足元をすくわれず、
 なにごともなく今シーズンを猛進したいものです。
 
 みなさん、
 おたがいご自愛しながら、
 来たる春を平穏無事にむかえましょうね。

 たのしみだ。


 
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