BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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歴史小渓流ロマンその1
 う~ん、
 ポコポコヘッドは男のロマン…。

 というわけで、
 前回のネバーシンク・スケーター話しのつづきを、

 のまえに、
 まずはこんなフライから…
20070819210121.jpg
 ご存知「ソラックス・ダン」
 いかにもカゲロウなドライフライの定番中の定番。

 なんだけど、
 ハックルの巻き方やウイングの造作など、
 現在のソラックス・ダンとはかなり違ってる。

 んが、
 このスタイルがソラックス・ダンの原型だった。
 考案したのは、
 ヴィンセント・マリナロという人物。
 いまから60年ちかく前のことだ。

 現在知られているソラックス・ダンとの違いとして、
 X状に巻かれたハックルも気になるところだけど、
 まずはウイングにご注目を…。

 フックシャンクのサイズに対して、
 かなり大きめのカットウイングが、
 ほとんどシャンクの中央付近に据えられているフォルム…。

 斬新ではある…。

 が、
 これはマリナロを筆頭に、
 先人たちの試行錯誤の恩恵で、
 いまでこそ当たり前な考え方になった、
 トラウト・ウインドウの理論…
 つまり、
 マスには流下してくる餌が、
 どのように視界に入ってくるのか?
 そして、
 なにをキッカケにして餌と認識するのか…
 水面を流れる餌は、
 マスからどのように見えているのか…

 を、
 ペンシルバニア州のライムストーンの湧き水の川を舞台に、
 その美しい流れでライズする気難しいマスを相手に、
 マリナロ独自の詳細な観察に基づいての、
 このソラックス・ダンのバランスというか作りなのだった。

 カゲロウのダンが、
 マスの目前に流れてきて射程距離に入ったとき、
 もっとも特徴的に目立って捕食の引き金になる鍵は、
 水面のフィルターを通して映るウイングでは…というわけだ。

 マッチ・ザ・ハッチという言葉さえ曖昧だった時代、
 イミテーションフライ創作のためのこうしたアプローチは、
 それまでにも行われていた。
 が、
 二冊の本にまとめられたマリナロの発表は、
 現場での詳細な観察と裏づけ、
 それをもとにしたフライの創作。
 そして、
 これらをわかりやすく伝える豊かな表現力を背景にして、
 このソラックス・ダンを含めて革新的でさえあったはず。

 それは、
 その後のマッチ・ザ・ハッチな釣りの流れに、
 今もなお多大な影響を及ぼしていることからも、
 うかがい知ることができる。  
20070819210140.jpg
 で、
 このバツの字型の独特のハックル形状。

 これもまた、
 カゲロウのダンの足が水面にどのように乗っているのか…
 どうハックリングすればそれを再現できるのか…

 の、
 マリナロ独自の方法だった。

 ちなみに、
 いまソラックス・ダンとして広く知られている体裁。
 まばらに巻いたハックルの下側をフラットに刈り込むやつ…
 このスタイルを定着させたのは、
 たしか西部の雄マイク・ローソンだったはず。

 この御大もまた、
 自身がことあるごとに本や雑誌で書いているけど、
 マリナロの二冊の本に多大な影響を受けた、
 ライズするマスに人生捧げちゃったマスターのひとり。

 と、
 マリナロのフライはコレに限らず、
 模倣性を高めた写実主義的な印象が濃いのだが…。

 にもかかわらず、
 通称「イースタン・グリーン・ドレイク」、
 アメリカ東部版モンカゲロウの羽化の釣りで、
 ものすごく利くフライの筆頭として、
 ななななんと…あのネバーシンク・スケーターを挙げている。

 もともと、
 ペンシルバニアのローカルな少数の釣り人が、
 モンカゲの釣りの必殺として密かに使っていた、
 ネバーシンク・スケーターのモンカゲ効果を、
 本や雑誌で広く紹介したのがマリナロだった、
 というわけ。

 ちなみに写真のフライは、
 マリナロのモンカゲ型ソラックス・ダン。

 かたや、
 ハックルのオバケ…なネバーシンク・スケーター。

 なんでやねん?

 って話しではあるんだけど…。

 キーワードは、
 ハックルの、
 カゲロウのウイング同様に、
 光を透過する透明感。
 そして、
 ハックルのファイバーが水面を押さえて、
 水面幕を乱す生命感…。

 ネバーシンク・スケーターの、
 そうしたハックルの旨味を最大限に強調した作り…
 そのフライサイズもあわせて、
 先に挙げたマリナロの提唱した、
 マスの目にはカゲロウのどこが目立つのか、
 を併せて考えてみると……

 いや~、
 ニワトリの首の羽根が大好きな皆さま~、
 ハックルって…たまりまへんな~

 余談ですが、
 今日ぼく誕生日…。
 期せずして誕生日特大号になりました。

 長々読んでくれてありがと~。

 でも、
 まだまだこの周辺の話題で、
 次回もいきたいです。
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