BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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歴史小渓流ロマンその4
 ネバーシンクスケーターについて、
 どうのこうの語らせてもらうつもりが、
 どんどんどんどん違う方向にいっちゃってるけど、
 
 今夜のフライはコレ…ポンツーンホッパー
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 ヴィンセント・マリナロの盟友ビル・ベネット発案による、
 リアリステックなバッタ・フライ路線の草分けとなっただけでなく、
 テレストリアルな分野の発展と進化を、
 一歩も二歩も推し進めることになったフライ。

 中空構造になっている、
 ターキークイルの根元のところの芯をボディに使って、
 そこにコルクのヘッドを突っ込んで巻いたバッタ。
 キッカーレッグも、
 グースやなんかの細いクイルの芯を使ってある。

 そんなわけで、
 餌釣りのウキのように沈まない。
 しかも水面での姿勢はバッタそのもの、
 当時としては画期的なアイディアだったそう…。

 もともとは、
 ビル・ベネットが必殺のバス釣りフライとして使っていたものを、
 マリナロが湧き水の川でバッタを狙うマスに使って成功。
 そして二冊の著書で、
 このフライと、
 それを使ったエキサイティングな釣りを、
 熱く紹介したのだった。

 おそらく、
 昨日取り上げたヤマアラシのトゲ棘ボディのモンカゲ・スピナーは、
 このフライがアイディアの源泉になったのではないか?。
 模倣した虫の形や、
 使った素材はまったく違うけれど、
 中空構造の素材の浮力を利用して水面に浮かせる…という、
 求める機能はまったく同じだからだ。

 というわけで、
 このポンツーンホッパーも取り上げてみたんだけど、

 もともと、
 1950年~60年当時の、
 ペンシルバニア界隈の湧き水の川で使われていた、
 テレストリアル系のローカルフライを見渡してみると…

 コルクを成型したビートルやバッタは序の口、
 コーヒービーンズをフックにくくりつけたコガネムシ、
 ターキークイルのファイバーのところをハサミでギザギザにカットして、
 それを芯ごとフックに接着した毛虫やカメムシ、
 ピーコックの芯を数珠繋ぎにして着色したアリンコなどなど…

 巻く…っていうより成型する、
 って印象のフライがたくさんあった。

 これらに共通するのは、
 フライ自体にそこそこの浮力もあるけど、
 かなり重量があるということ。

 で、
 そんなフライが使われていた場所は、
 倒木や水面に覆いかぶさった草の下など、
 ピンスポットを狙い撃ちすることになる、
 牧場や森の中を流れる湧き水の川…、
 ポチャッと落とした次の瞬間にガボンッと出す、
 いわゆるリアクションバイト…反射食いの釣りだったはず。
 だからこそ、
 工作系テレストリアル・フライズが、
 この地で盛んに作られた…という見方も出来る…のではないか?。

 普通のフライには見向きもせず、
 バンク際でバッタが落ちてくるのを待っている巨マスが、
 このポンツーンホッパーがチャポンと水面に落ちた瞬間、
 グワボンッと飛び出すのを、
 人知れず発見したマリナロの想いはいかに…
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 その興奮のストーリーは、
 前回前々回にも挙げた、
 マリナロの二冊の本でみっちり語られている。 
 いかにも頑固厳格なお顔立ちのお方が書いた、
 「すっっげ~~んだよバッタ!」物語。

 辞書片手にわかるとこだけナナメ読みして、
 書いた人の熱気が伝わるのって、
 なかなかないよね。

 そして、
 こんな紳士が、
 こんなラブリーお茶目なフライに、
 大真面目に取り組んでいたってところも、
 「やっぱフライって豊かな世界やな~」
 って思えるねんな~。

 ぼくにとって、
 ヴィンセント・マリナロは、
 そんなことも教えてくれた先達のひとりです。

 
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