BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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日記
 朝おきて、
 ターンテーブルにレコード乗せて針落として、
 コーヒーいれて飲んで、
 「さあ、仕事しよかな~」と思ったら、
 竿を抱えた少年が、
 窓から部屋の中を覗いていた。

 ひとまわり以上も年下の、
 もっぱらルアー釣り専門のバカ友…。

 「午前中しか遊ばれへんで」
 「いいっすいいっす、あのさ、フライのキャスティング教えてくんない?」
 
 なんでも先日、
 ウエットフライででかいニジマスを釣ったらしく、
 もうすっかりその気…中古の竿とリールを購入して意気盛ん。

 「あそこの漁港でボイルしてるスズキ、ルアーよりフライのほうが釣れるっすか?」
 「そやな~、水面でちっこいベイト喰ってるからな…うまいこといったら入れ食いやけどな」
 「マジすか!釣れるフライも教えてくれる?、あと潮見表の見方とポイントも教えてほしいっす」

 「ん~~、昼ごはんはお好み焼きと焼きそばやな」
 「おごるっす!、スペシャルお好み焼きおごるっす~」

 そんな年下のヤツにおごらせる中年どないやねん?
  
 さっそく家の裏の池で竿を振る。
 ヤツの竿を借りて振ってみる。

 「マジすか!この竿、そんなに飛ぶんすか!」

 たいへん気分よろしい。

 ダブルフォールをマスターしたいとほざくヤツが竿を振るのを見て、
 ちょびっとレクチャー。

 「あんな、オマエの場合、難しいことはな~んも考えんとやな、うしろに竿振るときは耳の横でピタッと止めるつもり…前に振るときは、ナナメらへんでピタッと止めるつもり…だけ考えて振っといたらええわ」
 「そんなんでいいの?」
 「いまはそれでいいの…とにかくピタッと止めるつもり…でやれよ」

 「これやってれば、ダブルフォールできる?」
 「できる。オマエは頭で考えたら絡まる。身体で覚えたらええねん」

 「トリプルフォールもできるっすか?」
 「シックスフォールくらいできるようになるで…」
 「マジすか~、早く出来るようになりたいっす」

 これやからコイツと遊ぶのおもろい。

 当地では、
 焼きソバ入りのお好み焼きを「しぐれ焼き」と呼ぶ。
 なんか風流な響き……。
 エビ肉イカ卵オールスターの入った、
 スペシャルしぐれ焼き大判食べてお腹パンパン。

 「あそこの釣り道具屋さん、オバアチャンもうしんどいから店閉めるって…いま安売りやってるんすけど、帰りに寄っていきましょうよ。フライボックス売ってたから買うっす」
 「マジかよ、そんなこじゃれたモン売ってるんか」

 商店街のはずれの、
 場末の釣り道具屋さん。
 ガキのころからの知り合いらしく、
 勝手知ったるナンとやら…。

 「オバチャン、これ安くしてくれる?」
  
 棚の奥深くに、
 まさしくホコリをかぶって眠っていた、
 ふた昔前くらいに見たようなフライボックス。
 フタを開けてみると……、
 20071102145424.jpg
 「あれまあ、毛鉤も入ってたねえ。アンタ、これごと買っていきなさい。オマケしたげるから…」
 「え~どうしよう…ビゼンさんこれどう?釣れる?」
 「釣れる釣れる…このへんのニジマス絶滅できるんちゃうか?」
 「じゃ買う」

 ニヤリとぼくを横目で見るオバアチャン…、
 お役に立ててなによりです。

 それでも、
 破格というよりタダ寸前でご購入…ヤツご満悦。
 「いや~、いい買い物したっす」

 そういえば、
 ぼくが小学生だったかそのくらいのころ、
 近所の釣具屋さんの店頭に並んでいた、
 これとまったく同じようなフライ……、
 見るたびに光り輝いて神秘のベールに包まれとった。

 「このフライ、どうやって使うんすか?」
 「ドライみたいなんもあるけど、みんなウエットで使ったらええやん」

 「ウエットっていいっすよね~、ただ流してアタリ待ってればいいんだもん」
 「そやな~」
 いろいろ言いたいことはあるけれど、
 そんなのをいまクドクド言うのは野暮……。
 自由に思うようにやったらええねん。
 せっかく自分で楽しみと喜びの回り道をしようとしてるヤツに、
 近道を教えたらもったいない。

 「コンビニでアイス食ってかない?」
 「食う食う…」
 「ビゼンさん、いつもチェリオっすよね」
 「ん~、おごりやったらハーゲンダッツ」

 アイス食いながら我が家に帰る。

 「あの漁港で使うフライ、まだあったかな~?」
 棚の奥でホコリかぶっとった。
 一年ぶりにフタを開けると……、
20071102145442.jpg
 「スマン、なんか使い古したフライの残骸しか残ってないわ…そんなんでエエんやったら何本かあげるわ」
 「いいっすいいっす、これって実績あるっしょ?」
 「もちろんや…精鋭部隊やで」

 「これはどうやって使うの?」
 「浮かべてほっといたらええねん」
 
 「これは?」
 「スーーッてひっぱったららええねん」

 「これは?」
 「フワ~ッて漂わせるねん」

 「あんな、水面のフライにグワボッ!って出るねんで」
 「ウッハ~」

 川が禁漁になって、
 ちょっと枯れた気分になってたけど、
 また釣りの気分盛り上げてくれてホンマおおきに……。

 来週くらい、
 こんどはきっと、
 なかなかフライにフッキングしないジレンマを抱えて、
 元気いっぱいでまた来るやろから、
 そしたらこんどはトンカツ行こうぜ。
 つぎはぼくがおごるで~。
 
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