BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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marabou stork
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 「マラブー・ストーク」
 和名はアフリカハゲコウ。
 アフリカはサハラ砂漠以南のどこにでもいるらしい、
 コウノトリの仲間。

 体長は1.5メートルから2メートルの怪鳥クラス。
 そのうえ頭部は生々しい汚ピンクの皮膚剥き出し。

 動物の屍肉腐肉に、
 ズルムケの首を突っ込んで群がり喰らうサバンナの掃除屋。

 その容姿と習性から、
 グロいイメージで定着しているアグリー系。

 が、
 そんなアフリカハゲコウの羽根を、
 タイイングな視線で見ると……、
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 アフリカハゲコウの羽根各種。
 
 細かく繊細に起毛した、
 粉雪のように白い繊毛(フリュー)が、
 淡いダン色のファイバー全体を覆っている。
 それはまるで精巧なビロードのようだ。

 と、
 そんな羽根だけを見ていると、
 なんとも上品でエレガント。
 洗練された柔らかな印象。

 が、
 ここでハタと想像を巡らせてみる……、

 なんでも、
 アフリカハゲコウのハゲチャビン頭は、
 死肉に首を突っ込んだときに、
 血や腐肉が羽根に染みてしまわないようにとの、
 衛生上の進化だと言われている。

 そして、
 彼らの翼の長い羽根……、
 この羽根の美しさを際立たせている、
 羽根全体を覆う細かく起毛した微細な繊毛。

 この繊毛もまた、
 血や腐肉汁が、
 羽根や身体に染みてしまうのを防ぐ役目をしているのではないか?。
 そうした汚汁を弾くために、
 このような羽根の組成になっているのではないか?。

 この羽根でフライを巻いて、
 水面あるいは水中で、
 乾いたフリューが水を弾いている様子を見ると、
 そう思えてしかたがない。

 と、
 この醜い怪鳥がまとっている美しい羽根、
 この羽根をこよなく愛用していたのが、
 なんとハルフォードとスキューズの元祖ふたり。

 100年以上前のイギリスのチョークストリームを舞台に、
 ドライフライの教祖とニンフフイッシングの父の両巨匠が、
 この羽根のファイバーをクイルボディに使って、
 ちいさなカゲロウのダンやイマージャーを巻いていたらしい。

 さらに、
 ハルフォードに至っては、
 アフリカハゲコウの現地名「アジャタント」を引用して、
 淡く繊細なアイアン・ブルーダン色を指して、
 「アジャタント・ブルー」というイカした名前までつけていたとの由。

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 白とグレイのグラデーションがなんともいえないラビットファーのボディ全体を、
 ビッシリとガードヘアーを立てながらダビングして、
 ロー・ウォーター・スタイルに巻いた、
 アフリカハゲコウ・スプリット・ウイングのサーモンフライ大小。

 ダン色のコック・デ・レオンのヘンハックルをつかった、
 スロートやテールの風情とあいまって、
 白っぽく目に映るブルーダンなサーモンフライ。

 ウイングを巻きとめたとき、
 あまりをカットするまえに、
 その複雑な色あいの変化をずっと眺めて胸をときめかせた。

 さて、
 アフリカハゲコウの英名「マラブー・ストーク」だけど、
 その名前からぼくらはやはり、
 あのお馴染みのタイイング素材を連想する。

 その連想は的を外していない。
 もともとあのマラブーは、
 このアフリカハゲコウのフワフワしたチョビ羽根こそが、
 その大元の素材だったらしい。

 のだが、
 現在マラブーは入手の容易なターキーの未成熟羽根で代用され、
 それが一般的になった。
 マラブーという名前が、
 いにしえの名残のようにいまも使われている、
 というわけだ。

 また、
 なんでもこの「マラブー」の語源は、
 イスラムの導師である隠者を意味するフランス語ならしい。
 なんかようわからんけどディープな感じやろ?。 

 と、
 そんな魅惑の怪鳥羽根は、
 「ストーク」という商品名で、
 数年前からけっこう見かけていたので、
 いまでも入手は容易……なのかな?。

 もし手に入れたら、
 数本のファイバーを巻きとめて、
 それをスレッドによじっておいて、
 ボディに巻いてみてください。

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 表現のしようがない繊細なブルーダン、
 アジャタント・ブルー……胸キュン必至。
 
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