BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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師走真っ盛り特大号 ユスリカン・オータム
 ストマックポンプは必需品だと思ってる。
 そこから得られる「たった今」のたしかな情報……、
 そしてなにより、
 小さな白い皿のうえにぶちまけた、
 胃内容物が垣間見せてくれる自然の摂理の豊かさ深さそして神秘、
 そこにこそいつも感動する。

 そんなわけで、
 ポンプはいつもベストのポッケに入れている。

 にもかかわらず、
 その存在をいつも忘れてる。
 ほとんど使わないからだ。

 べつに主義主張があるわけでもなんでもなく、
 たんに非常にめんどくさい、
 という理由なんですけど……、

 と、
 そんなぼくでさえ、
 「アンタいったいなに食ってたのよ、悪いけどちょっと吸わせてんか」
 と思うときもある。

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 目と鼻の先の、
 落ち葉が沈む泥っぽい水底で、
 数十匹のまっ白い口が、
 そこかしこでパフッパフッとひらくのを、
 数えきれないくらい見ながら、
 ジレッジレしながらようやく釣ったイッピキ。

 「すまんのう……」
 と思いながら、
 遠慮がちにチュパッと吸ったら、
 ジュバババッとでてきた。

 ズ~~~ムイン……
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 羽化直前のユスリカ対策として、
 いまや誰もが当たり前のようにやっている、
 イマージングガス状態を表現しているユスリカのイマージャー・フライズ……、

 ボディ自体がキラメクやつ、
 はたまたボディが水を弾いてるように見えるやつ、
 そうしたキラッと輝く系は、
 この日は見向きもされなかった。

 なんちゅうか、
 視界にさえ入ってないような態度…眼中になし…って感じ。

 富士山麓にいたころ、
 激クリアーでドシャローの止水でのユスリカの釣りでも、
 とにかくヒカリモノ系は嫌われた。

 しかしそのときは、
 いつもチラッと横目で見るそぶりだった……。
 ので、
 サカナたちは、
 なんらかの判断基準があって、
 そうしたキラキラ・フライを無視していたわけだ。

 つまり、
 この止水の釣り場では、
 フライを食う食わないは別にして、
 サカナたちは水中をやんわり漂うフライに、
 敏感に反応していたことになる。
 ここに、
 示唆するものは多々あるけれど、
 それはおいといて……、

 ところがこの日この場所では、
 そうした態度すら見せてもらえない。
 
 しかたがないので、
 そんな富士山麓の止水で頻繁につかっていた、
 写真のような黒スレッドとコパーワイヤのみの22番を沈めてみると、
 ようやくパフッと口が開いた。

 そしてこの胃内容物。
 なんちゅうか、
 ユスリカの仲間のなかでは、
 とっても極太たくまし系。
 サイズもでかい。

 これに似たようなユスリカのイマージャーに気がつくまで、
 さんざっぱら苦労した釣りの思い出がある。
 10年くらいまえに、
 飛騨高山にいたころに通っていた川での、
 ビール瓶の色そっくりのでっかいユスリカの釣り。

 これってオオユスリカの仲間なの?。
 よくわからないけど、
 この日のユスリカも、
 色調が異なるだけで、
 あのころのビール瓶色ユスリカを見たときの印象とまったく同じに思えた。
 
 で、
 ハタと思いついたというか、
 もうこれしかないやろ……というか、
 いつものお馴染みの古女房くされ縁そのままの私家版フェザントテール18番。
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 サカナの態度がさっきまでとまるっきりガラリ変わったことが、
 自分の読みが当たらずとも遠からずなことを実感させてくれる。
 
 ホンモノとフライの色合いがちがうことは、
 この日はまったく関係ないように思えた。

 カギは、
 サイズの一致と、
 それからフライの動かし方……というか誘い方。
 
 ジンワリゆっくりたっぷり沈めておいて、
 フワワ~~~ンとほのかにフライを浮上させる……、
 かつての飛騨高山の釣り場で、
 このユスリカに反応しているときの釣りとして、
 ほとんど必殺と思っていた釣り方。

 あの懐かしい日々の釣り場と、
 本日の釣り場では、
 いかんせんサカナの絶対量がまったくちがう、
 ということを含みおいてもらって、
 以下の刺激的な自慢表現スイマセン。

 見えてるサカナは、
 ことごとくパフッとフライを吸いこみ、
 あろうことか、
 どこからともなくスイ~ッとフライに泳ぎ寄って、
 ためらいなくスパッとフライをくわえる哀れな子羊も多数。

 その場にいた、
 見えているなかでいちばん大きいのを、
 苦もなく掛けたところで、
 「今日はこれくらいにしといたろ……」

 あんまりうまいこといくと、
 なんだか切なくなっちゃう。

 つくづく損な性分だ。
 でも、
 だからいいのだ。

 林道の路肩に止めてある車まで戻って、
 着替えているあいだにヒーターガンガンにしておいて、
 ぬっくぬくになったところで、
 車の中でずっと万年床になっている布団にねっころがって、
 暮れなずむ冬枯れの山と森を眺めながら、
 ちいさなクーラーボックスに冷やしておいたプリンを食べた。

 「たっぷりプルプルプリン」のチョコレート味うまい。

 これぞ至福といわずしてナントヤラ。

 飛騨高山~富士山麓~北海道……ずっと連なったユスリカの輪……。
 きわめて個人的釣りの変遷ではあるけれど、
 それだけに感慨深いねんな。

  
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