BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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From East to West
 クイル・ゴードンやライト・ケイヒル、
 さらにはグレイフォックスにマーチ・ブラウンなどなど……、

 いまからおよそ百年前のアメリカ東部キャッツキル界隈が、
 アメリカの……というよりも、
 世界のフリーストーンな川でのドライフライの基礎を築いた聖地だとすれば、

 そのお隣に位置する、
 ペンシルバニア州の変化に富んだ釣り場群は、
 当ブログでもことあるごとに登場している、
 ヴィンセント・マリナロのソラックスダンや各種テレストリアル、
 それにミッジサイズな釣りの伝道者エド・コックなどなど……、

 …さまざまな状態で流下して、マスに喰われている最中の昆虫を、
 いかにして模倣し、どのように使うか…

 そんな、
 現代フライフイッシングのもっとも核となる世界に、
 まさに直結する道しるべをひろく開いて提示してくれたという点で、
 この地もまたフライフイッシングの歴史にけして欠くことのできない土地だ。

 そんなわけで、
 今宵のBGMは、
 まずはなんといってもこの曲から……、
 Tommy Mccook & The Skatalites - Eastern Standard Time

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 ヘンリービル・スペシャル(Henryville Special)
 
 いまからおよそ80年ほどまえに、
 ペンシルバニア州ポコノ山脈の渓流で生まれた、
 アメリカではもっとも初期型となるカディスのアダルト・パターン。

 キャッツキル・ドライフライのような華々しさとは対極に、
 ひっそりと人知れずデビューしたわりに、
 このカディス・フライがもたらした「その後」のアメリカン・フライフイッシングへの影響は、
 このフライの誕生以後の発展や進化の枝わかれを見れば、
 知ってか知らずか多大なものがあるようだ。

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 もともと、
 赤いシルクで巻かれていたボディは、
 60年代ころから台頭した徹底模倣主義の大家の手によって、
 本物のボディの色に合わせた緑色のソレにとってかわった。

 当時は、
 その改良を「鬼の首をとった」くらいの論調で、
 大家自ら大々的に語っておられた。

 のだが、
 ……それくらい誰でも……って、
 生意気ですねスイマセン。

 というより、
 いまになってみれば、
 赤いボディのエレガントさに非常にそそられる。
 そして、
 考案者がなぜこの色を選んだのか?
 ってところが気になる。

 モロモロの体験で、
 赤っぽい色合いの普遍な効果をも実感し信頼していれば、
 なおさら知りたいと思う。

 ちなみに、
 写真中央の黄色のボディのはオマケです。
 ジャマイカ音楽の至宝レコードのうえにフライを置くのに、
 赤と緑ときて、
 黄色がなかったら片手落ちでしょ。
 
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 クイルウイングを二枚フラットに取り付けて、
 それをちょっと重ねつつ、
 先端がV字に開くような感じに巻いてある。

 本来のオリジナルのウイングには、
 ダッククイルを使うんだけど、
 ここではコック・デ・レオンのダン色のヘン・セカンダリークイルを使ってみた。

 クイルの先端が、
 どうしても上向きに反ったようになってしまうダッククイルとは異なり、
 イイ感じの湾曲で下向きになっているところや、

 なんといってもクイルの厚みとしなやかさが絶妙。
 クイルが重なっていない先端部分が、
 ビミョ~に光を通しているのがわかるでしょうか?。
 このクイル材特有の濃淡入り混じった、
 いかにもなダンダラ感とあいまって、
 陽の光にかざして透かすと……グッとトキメクよ。


 
 「おっと、話しに夢中になっていたらジュークボックスの曲が終わっちまったぜ、
 おいジャンゴ、すまないがこの曲をかけてくれるかい?」

 「リョ~カイだぜ、シェーン」
Tommy McCook - Riding West 12 Mix

 「それじゃあボニー、愛馬トントにまたがって、
 サイコーのチューンを聴きながら、西部のスプリング・クリークに出発だ~」

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 "Hemingway Special"
 
 ヘンリービル・スペシャルを土台にして、
 かのアーネスト・ヘミングウェイのご子息、
 ジャック・ヘミングウェイが考案した「ヘミングウェイ・スペシャル」

 ご自身のホームグラウンドでもあった、
 アイダホ州のシルバークリークからひろまって、
 アメリカ西部のクラシック・カディス・アダルトといえば、
 まずはコレ…といった感じのフライ。

 あの御大マイク・ローソンも、
 ことあるごとに自らのフェイヴァリット・カディスとして、
 愛情いっぱいのオマージュを語っているのもよく知られるところ。

 で、
 ヘンリービル・スペシャルとどこがどう違うのかといえば……、
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 ヘッドハックルのわずかなスペースに、
 ピーコックハールを巻いてるところ。

 それだけ?……、

 が、
 そうすることで、
 なんとなく間延びした印象のフライのヘッド部分に、
 生命感のあるメリハリを感じさせる。

 だけでなく、
 こうすることで、
 ヘッド部分のハックルが、
 写真のようにスカスカにまばらな状態で巻いても、
 フライの体裁がいかにもな感じに仕上がる。

 これって、
 スプリング・クリークなどのフラットな水面のスローウォーターで使うなら、
 ものすごく重要なことなのは、
 マッチ・ザ・ハッチ大好きっ子の我々ならピピーンとくるところ……。

 ちょっとしたひと手間で、
 フライの印象だけでなく、
 ソレをつかう目的や釣り場環境に応じて、
 その性能までが大きく変わる好例でもあるというわけです。

 と、
 そんなヘンリービル・スペシャルなスタイル、
 もうイロイロわんさか私家版ヴァリエイションが出てくるんだけど……、

 
 キリがないので……、
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 とりあえず最後に、
 まずはさもありなん……って感じの「私家版シマトビケラ風マダラ・スペシャル」、
 いっときます。 

 いずれまた近日中に、
 このつづきやらせてくださいね。

 

 
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