BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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Leadwing Coachman & Gold ribbed Hare's Ear
 なんだかここんとこすっかり、
 クラシックなフライばかりたてつづけですが、

 本日は、
 そんな温故知新週間のきわめつけ、

 もはや、
 いつ誰がどこで…というのも定かではない大昔からのスタンダード、
 というよりも原点もしくは最初の第一歩……、

 でありながら、
 いまだ現役というより、
 かの地キャッツキルでは定番中の定番、
 「これがなくっちゃ始まらない」的フライを……、

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 わが心の師ハリー・ダービーの名著”キャッツキル・フライタイヤー”より……

 「ダービーの必殺12本」と題されたコーナーの、
 一番目二番目に挙げられているフライ。

 リードウイング・コーチマン……ナマリ色ウイングのコーチマン、
 そして、
 ゴールド・リブド・ヘアーズイヤー。

 この必殺の12本はまた、
 職業タイヤーだったハリー・ダービーにとって、
 そっくりそのままベストセラー・フライズだったことは容易に想像できる。

 だけでなく、
 十何年前にはじめてキャッツキルに行ったときも、
 昨年ひさしぶりに再訪したときも、
 川で釣りをしている常連さんの釣り姿を眺めたり、
 釣具店を覗いたりしてつくづく思ったのは、
 この地でもっとも長いあいだ、
 そしてもっとも多くのひとに使われているフライは、
 やっぱりなんてったってこの2本なんだなあ……。

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 一番下においたリードウイング・コーチマンのウイングは、
 我が国のウエットフライ的イメージのフォルムとヴォリュームで巻いたもの。

 なんだけど、
 ハリー・ダービーやウォルト・デットらが巻いていたスタイルは、
 もっとウイングがちいさくて華奢で繊細。
 どちらかというと、
 ちいさなウイングをつけたソフトハックル…というイメージのほうがシックリきそうだ。

 ちなみに、
 ここではコック・デ・レオンのダン色をしたヘン・セカンダリークイルを、
 ウイングにつかってみた。

 淡いシルキー・トーンのダン色基調のクイル先端に、
 霜降り状のフレック模様が入っているのが…なんともいえず虫っぽい。

 そしてそんな模様が、
 クイルウイングにつかってもハッキリ浮き出ているのがたまらない。

 たとえば目利きのキャッツキル系タイヤーたちは、
 こうした繊細な生命感を醸し出す模様のハックルを指して、
 "buggy appearance"とこじゃれた表現をして尊ぶんだけど、
 このクイルもまさにこの表現がぴったり。

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 クラレットにダイドされたヘンハックルをつかった私的バリエイション。

 濡れたピーコックと赤紫色の妖艶な感じがグッとくるお気に入り。

 フライが乗っているのは、
 ダン色ヘン・レオンのつばさ部分。
 この部分も、
 ゴマダラ模様レオンとはまたちがう、
 独特の霜降り模様がびっしり……乞うご期待度特大……もうすぐだそうです。

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 そしてゴールドリブド・ヘアーズイヤー。

 現在ではこのフライ名はニンフ・パターンとして、
 当たり前すぎるほどに定着しているけれど、
 その大元を辿るとこんなスタイルだった……、
 で、
 それをさらに掘り下げていくと、
 なななんとルーツはドライフライだった!、
 という話しはまたの機会にしておいて……、

 上側のはウッドダックのフランクフェザーをテールにして、
 ゴマダラ模様レオンのウイングをつかった私的バリエイション。

 
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 スロートハックルの部分に、
 ヘアーズイヤーのガードヘアーを毛羽立たせて、
 ハックルのようにしてあるのが特徴。

 ニンフ・フライのソラックスを毛羽立たせて、
 レッグを表現するお馴染みの手法は、
 もともとはこんなスタイルの名残りというわけ。
 
 細かいことだけど、
 ウイングの根元にクイルの切り口を、
 チョロッと残しているのに気がつきましたか?。
 虫の頭のようなファジーな印象を醸し出すための私的小細工です。

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 キャッツキルを代表する銘川のひとつ「ビーバーキル」。

 こんなやさしい表情の川に、
 ゆっくりウェーディングして、
 使い込まれた飴色のバンブーロッドをゆったり振りながら、
 釣れようが釣れまいがどうでもいいような風情で、
 のんびり釣り下ってくるお爺ちゃんアングラー。

 まるで絵葉書を切り取ったような眺め……、
 きっと、
 ティペットはドロッパーにしてあって、
 そこには「鉛色ウイングのコーチマン」と「金縞野兎」が結んであるんだろう。

 突き詰めれば、
 ここに行き着くんだろうか……と思いながらも、
 ヤング(←ココ強調)なぼくらはコカゲロウにライズするマスに気もそぞろ……。
 最先端ハッチ・マッチャーなフライとハイテク・ティペットの出番です。

 なんだけどその一方で、
 時代おくれではなく、
 どんなに時代が変わろうとも不変であるもの…けして輝きを失わないもの…、
 そんなのが、
 やればやるほどに気になってくるお年頃……ですか?。

 というわけで、 
 アナタが家宝のように慈しんでいるレナードやペイン竿、
 その大切な釣り竿の先代オーナーは、
 きっとこんなフライを結んで、
 こんな川で釣りをしていたのかもよ……というお話しでございました。
  
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