BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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畏敬の念
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 ライトダンのCDCを3枚メインウイングに据えて、
 モルフォファイバー数本をちらしつつ、
 角刈りバッタあたまの形に刈り込んだマドラー・ヘッド。

 ラバーレッグ搭載の、
 ガリガリに痩せたセミ、
 もしくはブクブクに太ったバッタ?。
 まあとにかくどでかい陸生昆虫もろもろ全般なんでも……。

 フックはTMC905BLの6番…ヘビーワイヤ/ロングシャンク・ドライフライフック。

 このテのフライを、
 このくらいの竿をつかって、
 それなりのマスの硬いアゴに、
 ズバッとぶっ刺すには、
 なんちゅうか、
 ハッシとアワセたあとに、
 ダメ押しの追いアワセ?……サオのバット部分に乗せる感じで、
 グイィィッとひと押しいるなあ…つくづく。

 わかっちゃいるけど……、

 「ああっ!いまの惜しかったクソーッ」
 ってくらいのを掛けてすぐにスッポ抜け。

 「ええっ!ななななんで?ええ~~~っ、そんな~~~~」
 地団駄踏んで我が身の未熟を責めたいくらいのを、
 数秒間の格闘ののちバラし……。

 どちらも、
 スポッと抜ける感じで外れた。
 しっかりフッキングしてへんねんなあ……。

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 木漏れ日のした、
 大きいのも小さいのも、
 やる気のあるのはヒラキのカケアガリに陣取って臨戦態勢。

 若い青年部隊を、
 バラしてもバラしても、
 出ても出ても掛からなくても、
 ここは一発ド~ンと漢のフライをぶち込みつづけたい気分。





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 あ……、

 こういうとき、
 ズーム?とかできるカメラいいな~と思う。

 我が安物コンパクト・全自動カメラじゃ、
 いつもはこれで精いっぱい。

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 え?、
 こんなに近寄っても……いいんですか?…。

 あの……、
 できたらもうちょっと……いいでしょうか?やっぱダメですよね?。




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 おおお~~~っ スッゲー

 ありがとうございます!艶姿バッチリいただきました感激です感動ですチョット震えた。



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 ウッソみたい……、

 
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 こうして見ると、
 羽毛を連想させる毛深さ。 

 ここで、
 ソレ風なサーモンフライかなんか並べてみたりとか…いかにもやけど、

 この圧倒されるばかりの神秘の妖艶のまえで、
 そんなんとても畏れ多くて野暮丸出しイタ過ぎ。
 恥ずかしくてできません。

 ウルウルして眺めておりますと、
 「もうおしまいっ」って感じで、
 ヒラヒラ舞い去っていかれました。




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 三度目の正直。

 バラした2尾よりひと回りほどヤングっぽいけど、
 溜飲がさがりました。

 目と鼻の先のヒラキのところから、
 木の葉のような胸鰭をブワッとひろげて浮いてきて、
 まっ白な口の中を見せて、
 水面の巨大なフライをバック~ンと吸いこむのが丸見えで……、

 いちにいの…さんっ、
 でグイイイッッと竿をあおって、
 ズドドドドドッと大岩のエグレに突進しようとするのを、
 強引にいなしながら、
 ダダダダダッと自分から近寄っていって、
 ザバッとネットに押し込みました。

 岸辺に横たえて、
 やれ嬉しやとカメラを引っぱり出したまさにそのとき、
 
 グオオオオオオオ……、

 近くなのか、
 それとも遠くからなのか、
 判然とはしないけれど、
 軽やかな瀬音にもまぎれることなく、
 たしかにケモノの唸り声が響いた。
 姿は見えない。

 グオオオオオオオオ……低いけれど、
 五感に響きわたるたしかな唸り声が、
 また響いた。
 
 アッと思って友人の顔を見ると、
 「引き返しましょう」
 ヤツが決然と言った。

 「そうしよう」

 うまれてはじめて、
 王様の声を聞き、
 その気配をごく身近に感じた。

 骨髄から震えあがるような恐ろしさも、
 もちろんあった。

 けれどその一方で、
 こんな偉大な動物が暮らしていける深い森に自分もいて、
 自然の庭園のように苔むした美しい渓流を歩いて、
 こんな素晴らしいサカナを釣ることができる豊かさとシアワセを、
 あらためて噛みしめた。

 と、
 そんな甘言を言っていられるのは、
 その唸り声の響きが、
 攻撃的な威嚇の響きではなく、
 「ワシ、ここにおるで、アンタらのこと、見てるで……もうそのへんにしといたほうがエエんちゃう?」
 存在を知らせてくれたサインのように聞こえたからだ。

 「すいませ~~ん、すぐ帰ります~~~っ」
 山の奥に向かって叫ぶと、
 笛を吹いていた友人がハハハと笑って、
 「さ、行きましょう」
 と言った。

 調子に乗り過ぎず、
 かといってビビり過ぎず……、
 良い教訓と経験。

 期せずして、
 忘れ得ぬスペシャルな一日。

 余韻は、
 とても甘美だ。

 
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