BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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Green Mayfly from F.M. Halford
 時節柄の話題というには、
 だいぶ遅すぎではありますが……、

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 いにしえのモンカゲロウ・フライの足跡を辿る、
 「古典的モンカゲ・フライズ歴史探訪」シリーズ第5弾?…第6弾?…たぶんそのくらい。

 今夜は、
 「英国チョークストリームのドライフライ釣り」にとって、
 すべての元祖でもあり、
 いろんな意味でいまだ先鋭でもある、
 1800年代中頃から1900年代初期の巨人、
 F.Mハルフォードのモンカゲ・ダンをとりあげてみました。

 ディープ&オタッキーに迫りますゾ。

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 グリーンメイフライという名前の、
 英国産モンカゲロウのダンを表現したドライフライ……のレプリカ。
 
 正式なレシピを見ながら、
 かなりの素材を意訳して代用した。

 まずはテール…、
 オリジナルは「非常に濃いチョコレートブラウンに染色したギニア」……???。
 なんだけど、
 ここでは濃厚な茶色ダンダラのブロンズ・マラードのフランク・フェザーで代用。

 そしてショルダ-ハックル……、
 オリジナルの指定は「ネイプル・イエローの中間色に染めたコックハックルを2枚」って???…それどんな色???
 なので、
 ここではホワイティング・アメリカンハックルのジンジャーを黄色に染めたサドルハックルで代用。

 さらに、
 このフライの印象を決定づける核となるウイングにつかわれている羽根……、
 「Rouen Drake」の胸羽根を、
 緑っぽいグレイを明るい色調で染めたものって???…それなに????。

 このわっけわからんハルフォードのダイド羽根・ワールドは、
 模倣しようとしているカゲロウの色合いを正確に表現しようとしていた、
 徹底模倣主義のなによりの証明なんだなあ……、

 という感慨を抱きつつ、
 それはひとまず棚あげしちゃって、
 この「Rouen Drake」という鳥はなんなのか?。
 羽根の色調質感そしてカタチから、
 カモの仲間の羽根であることはわかるけれど……。

 ちなみに写真のフライのウイングが、
 その「Rouen Drake」のインボイス名でパックで購入した羽根。
 10年ほどまえに購入したけれど、
 その時点でかなり経年している風情。
 そうとうに古い時代に売られていたもののよう。

 そんなわけで、
 この「Rouen Drake」、
 もうずっと長いこと謎のカモ羽根だった……、

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 ので、
 この図版を見つけたときはミツグ大感激。

 だったんだけど、
 よくよく見れば、
 これって、
 ごく普通のカモちゃうん?
 いつものハッピーカモカモちゃうん?

 ここで推理……、
 「Rouen Drake」とは、
 当時の家禽としてポピュラーだった品種ではないのか?。
 で、
 品種改良などで、
 現在ではこの名前は使われなくなっているのではないか?。

 という個人的考察を裏付けてくれたのが……、
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 上写真の図版が掲載されていたこの本。

 1950年代にアメリカで刊行された、
 養鶏家のための家禽ガイドライン。

 最初から最後まで、
 当時のニワトリとカモの品種の名前と、
 その姿かたちの特徴が、
 品のある鮮明な図版とともに、
 ズラズラズラ~~ッと並んでいる本。

 昨年の札幌老舗釣具店での恒例タイイングデモのときに来てくださった、
 かつてキジの遺伝の研究をされていたというマシンガントークな美人人妻博士が、
 「この本きっとたまんないよ~」とプレゼントしてくださったのだった大よろこびメガトン・サンクス。

 ページをめくれば……、

 ロードアイランドレッドって、
 こんなに種類があったんや~って発見もあり~の、
 この時代に、
 ウコッケイはまだ出現していなかったんだろうか?、
 などという家禽品種改良の足跡に想いを馳せ~の……、
 羽根好きには見どころ満載の絵本です。

 もはや、
 フツーのグラビアでは抜けなくなっちゃって、
 こんな無修正すみからすみまで見てますねん夜な夜なニヤニヤ……。
 
 どのページにどのニワトリが載ってるか覚えちゃったも~ん。

 なんて、
 おまえ歳いくつやねん?…という自慢はさておき、
 そんな愛読書に添えたサドルハックルが、
 ホワイティング・アメリカンハックル「ジンジャー」のイエロー・ダイド。
 ほんのりオリーブがかったような印象を受けるダーティな黄色が、
 ものすごくモンカゲロウのダンのウイングを連想させるオモシロ・ハックル。

 余談だけど、
 このハックル、
 フラットウイング系のストリーマーの背中につかうと、
 明るい感じの各種ベイトフイッシュの繊細な色調にもぴったりな感じ。

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 ハルフォードの「グリーンメイフライ」は、
 この「Ephemera Danica」というカゲロウのダンのオスがモデル。
 まんま、
 日本のモンカゲロウそのもの、
 という見た目の英国産モンカゲの代表種。

 ボディにつかわれているのは、
 以前にも取り上げたことのあるラフィア繊維。
 色合いだけでなく、
 質感までがモンカゲロウな素材。

 ひょっとしたら、
 このフライがラフィアが使われるようになった大元なのだろうか?。
 だとしたら、
 複雑怪奇な染色の指定といい、
 カゲロウのオスメスごとにフライを巻いていた姿勢といい、
 本物そっくりに巻きたいハルフォードの執念と感性おそるべし。

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 うえのモンカゲロウ図版とともに、
 ハルフォードの名著のひとつ「ドライフライフイッシング」から……。

 ドライフライフイッシングの元祖の本からは、
 どれもこれも「徹底的」という姿勢がヒシヒシ伝わってくる。

 難解な文章がさっぱりわからないのに、
 なんだか情念のようなものが迫ってくる。



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 と、
 そんなハルフォードの「グリーンメイフライ」をモデルにして、
 こんなロングシャンク・ファンウイングのモンカゲ風巻いてみました。

 ウイングには、
 「… drake」つながりでマンダリン・ドレイク、
 つまりオシドリの胸の羽根をつかってみた。

 ハックルは、
 さっきのジンジャー・ダイドの黄色とコック・デ・レオンのあいだに、
 ライトダンのCDCをまるごとハックリング…毛先をそろえたりせずそのままにね。

 こうすると、
 水面での姿勢やバランスなどなどに貢献するだけでなく、
 このような空気抵抗特大のビッグフライを投げるときに、
 ちょうどよい緩衝材になってくれるように思ってます。

 ターンオーバーがスムーズになる気がする。

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 リビング材には、
 ハルフォードのオリジナル同様に、
 茶色の馬のシッポの毛をつかってみた。
 ほんとうの指定は「ペール・マダーブラウン」の毛なのだそうだけど、
 これがその色かどうかはわかりません。

 で、
 ボディ末端テールの付け根に、
 そんな馬のシッポを4回転させているんだけど、
 これはハルフォード・オリジナルの指定でもある。
 これがミソ。

 モンカゲのおしりって、
 茶色っぽく模様がついてるでしょ……、
 リビング材をこのように末端に巻いておくと、
 不思議なことによりモンカゲっぽさが強調された印象に映る。

 ちょっとしたことなんだけど、
 こうしたセンスや着眼点も、
 ハルフォードって「斬新」だな~と感動するところ。

 嗚呼フェチごころ爆走……。
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