BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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シェニール
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 シェニール百花繚乱…のうえに、
 古典中の古典「バンブル・パピー」を添えて……。
 かのセオドア・ゴードンの手による、
 ソルトウォーター・フライとしては最初期に当たるフライ。
 ボディにはシェニールがつかわれている。

 こうしたフライを、
 「その当時の釣り気分」に想いを馳せたくて、
 あえてつかってみる……という楽しみの部分では、
 いまでもごくたまにシェニールをつかうことはあった。

 けれど、
 ウン十年前の駆け出しのころはいざ知らず、
 年月が経ってみれば、
 シェニールのお手軽感覚や、
 「ツクリモノ」的安っぽさが、
 いかにもシロートっぽく思えてくる。

 シェニールは、
 いつしか卒業するマテリアルのひとつだった。

 っていうか、
 いまでも釣り具屋さんで売ってる?コレ……。

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 「モンタナ・ストーン」
 モンタナ・ニンフという呼び名のほうが一般的かもしれない。
 その名のとおり、
 アメリカ西部生まれのカウボーイ系。

 シェニールの、
 シェニールによる、
 シェニールのための、
 「カワゲラ系ニンフ」から派生した万能ニンフ・パターンといえば、
 まずはこのフライがほぼ連鎖的に思い出される。

 どでかいニンフ・フライを、
 見栄えの部分は棚上げして、
 それよりもいかに短時間で簡潔に、
 かつ丈夫で良く釣れるように仕上げるにはどう巻くか……、
 という、
 良くも悪くも実用一点張りな風潮が、
 フライフイッシングにひろく浸透することになったキッカケにもなったパターンのひとつではないか?。

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 と、
 そんな「モンタナ・ニンフ」と、
 キャッツキル周辺の古典ニンフとなるクリーパー・タイプのニンフを融合?、
 させたのは明らかな「ジョージ・ハーヴェイ」のストーンフライ。

 60年代~70年代の古き良き時代のアメリカ東部ペンシルバニア州が生んだカリスマもまた、
 アメリカのフライフイッシングが成熟への坂道をかけのぼっていた時代に、
 シェニールをこぞってボディ材につかっていた。

 この時代、
 シェニール素材の台頭が、
 どれほどのインパクトがあったかをうかがわせるフライの典型的な例のひとつ。

 なんだけど、
 このニンフもまた、
 時代の波に飲み込まれてすでに久しい。

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 そんなジョージ・ハーヴェイが活躍した時代とほぼ時を同じくして、
 アメリカ西部周辺の、
「簡単に巻けて誰もが使いやすくて、かつよく釣れるフライ」を考案しようとする、
 なりふりかまわない姿勢は、
 バス・フライだろうとなんだろうと、
 「効く素材」はマス用フライにもバンバン取り込みながら、
 それまでには考えられなかった独自の進化を遂げはじめた。

 「ビッチ・クリーク」は、
 その体裁からも、
 フライのネーミングからも、
 そんな時代を象徴する一本だとおもう。

 「モンタナ・ニンフ」にゴムゴムのシッポと触角をつけて、
 ゆうにことかいてビッチやでビッチ…サノバビッチ……、

 いまだってきっといるだろうけれど、
 この当時このフライを見て眉をしかめた人はたくさんいただろう。

 が、
 「そんなのカンケーねえ」

 この当時の西部発のニンフ・パターンには、
 もはやだれにも止められない勢いと熱気がムンムンムラムラなのだった。

 いま読み返しても、
 その熱気がじゅうぶんに伝わってくるフライフイッシング本の名著あるいは迷著が、
 この時代のニンフ・フイッシングを扱ったものにはた~くさんある、
 というのも象徴的だ。。

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 そしてとどめの「ウーリーワーム」。
 シェニールをボディにした、
 このタイプのフライを巻くのって、
 もう何年ぶりやろか?……。

 ぼくがはじめてフライフイッシングでサカナを釣りあげたフライが「ウーリーワーム」。
 中学1年生のころだったか、
 このフライで手のひら大のブルーギルを釣ったのだった。

 だけでなく、
 その二年後にはじめてニジマスを釣りあげたのも「ウーリーワーム」だった。
 もちろん自分で巻いたやつ。
 すでにルアーでは何匹も釣っていたにもかかわらず、
 フライラインをにぎる手にグググッと来た瞬間、
 心臓が口からボーンと飛びだした。
 無我夢中で川原にひきずりあげたニジマスを押さえつけたとき、
 足はぶるぶる歯はガチガチ……。

 なんちゅうても、
 さんざん苦労してフライロッドとフライラインらしきものを入手してから、
 アブラビレのついたサカナを釣りあげるまで、
 丸3年以上もかかったわけだから、
 その興奮と感動やいかに……。
 

  
 ……川底を転がり流れるカワゲラやヘビトンボなどなどの大型水生昆虫、
 そして、
 倒木のしたや大岩のエグレの奥、
 川底にべったりへばりついて、
 そんなヴォリューム満点のご馳走を虎視眈々と待ちうける巨大なマスたち……。

 「ボク、あの川のヌシが釣りと~てたまらんねん」
 という下心でいっぱいのヘビーウエイテッド・ニンフな気分の今日このごろ。

 それはまた、
 じぶんにとって、
 原点回帰の旅でもあったようだ。

 そして、
 それがまたまったく新しい刺激になっているなんて、
 つくづく時代はグルッとひとまわり…めぐりめぐるものなんですね。

 はるかかつて卒業したはずのシェニールが、
 なんだかとても新鮮に感じちゃう年の瀬です。

 
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