BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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Himarayan Wing
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 ひさびさにフルドレスのサーモンフライを……。

 すでに当ブログのライフワークにもなっている、
 ニジキジのウイングカバーの部分をメイン・ウイングに据えた、
 フルフェザーウイング・スタイル。

 ギランギランに青光りしているウイング・カバーを、
 ウイング片側に5枚づつ、
 両側と併せて計10枚かさねて巻いた、
 ぼくにとってはこれまでにない大作……。

 そんなウイングと、
 ボディ全体を覆っているインディアンクロウのトウガラシ色を対比させながら、
 両方の羽根をおたがいに引き立てあうようにと目論んでみた。

 話しは前後するけれど、
 前回とりあげたゴキブリ・フライにつかった、
 グリーンやコパーにかがやくニジキジの背中や首の羽根は、
 本来はこのサーモンフライにつかおうと思って用意したもの。
 
 青光りするウイングカバーのうえに、
 グリーンやコパーの背中の羽根をならべて、
 色が変化するように仕上げるつもりだったんだけど……、

 素材を吟味しているとき、
 ふと思いたって机のうえでウイングカバーだけを数枚重ねて眺めてみた。
 するとアラ不思議、
 ウイングカバー1枚だけよりも、
 こうして羽根を重ねると、
 もうだんぜん青光り具合がより濃厚に、
 そしてより重厚で妖艶な印象に映った。

 コレすげえ……。

 が、
 そうかといって、
 ニジキジの良質なウイングカバー部分は、
 状態の非常に良いコンプリートスキンからでも、
 数えるほどしかとれないスーパー貴重品。

 それを惜しげもなく10枚もつかうのか自分?……。

 しかも、
 扱いにくさ巻きにくさではピカイチのウイングカバー。
 闘いは今までにないほど非常に困難なものになるだろう……。

 やるのか自分?……。

 さらに、
 このフライはお客さんからご注文をいただいたもの。
 もしかしたらお客さんは、
 ニジキジの各部位のいろんな色調の羽根をつかって、
 色とりどりのフライを期待されておられるかもしれない。
 勝手なことをして期待を裏切るようなことになったら……。

 いいのか自分?……。

 机のうえで、
 「いちま~い、にま~い、さんま~い……」
 何度も何度も羽根を重ねて、
 それをず~っと眺めながらツラツラ思案すること数日……。
 
 しかし、
 なんでボクの気持ちは困難なほうへ困難なほうへと向かいたがるのか?、
 
 んが、
 華奢な一本の釣り針に、
 この世のものとは思えない宇宙的青光りの羽根が、
 ドーンと重なりあいながら載っているのを妄想すると……、

 どうにもこうにも抑えがたいこの欲求。
 
 なんて、
 そんな気持ちの揺れも持て余しながら、
 10枚のウイングカバーと闘った数日間の結晶です。

 うえの写真は、
 そんなフライを額装して、
 上方向からライトを当てて写真に撮ったもの。

 そして、
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 ライトを真正面から当てて撮ったもの。

 羽根の輝き具合の変化がわかるでしょうか?。
 ここ、
 じれったいところなんだよね。

 ニジキジの羽根の妖艶さや迫力は、
 ナマと写真ではもうぜんぜんちがう。

 ちなみに、
 ボディのダンダラ模様のシルクフロスの処理は、
 すこしまえに取り上げた「マクジンティ」のシェニール・ボディを巻く方法とほとんど同じ。
 ただ、
 コチラのボディを巻くときは、
 気ィ張りつめ過ぎて呼吸するのも忘れそうになる……。

 ご新築の記念に、
 新しい部屋に飾るためのフライとして、
 ご注文をいただいたフライ。

 新築されたお住まいの、
 あたらしい材木の木肌の香りや、
 目に心にくすぐったかった新しい環境が、
 もうすっかり馴染んだころになって、
 ようやくのお届けでした。
  
 本当にありがとうございました。

 人生の節目や新しい門出への記念として、
 あるいは大切な方への贈り物……、

 そうした、
 ここ一番の場面に、
 我がフライを選んでいただけるというのは、
 「マジかよ?ほんとにいいの?ボクのフライでもいいの?後悔しない?」
 とちょっとビビってしまう反面で、
 これ以上の身に余る光栄はありません。

 あえて下司なこと言うけど、
 こうしたフライはどうしてもそれなりの金額になる。
 まずはそれが気がひける。

 しかし、
 それにかかる時間と材料費をかんがえると、
 効率の悪さもまたハンパでない。

 にもかかわらず、
 こうした額装フライのご注文をいただくと、
 もうメチャメチャうれしいバリはりきっちゃう……のはなんでか?。

 それは、
 あってもなくてもぜんぜん困らないモノに対して、
 それを見てくださった方が、
 そうしたフライを手元に置いて飾りたいと思ってくださる気持ち、
 それに対して対価を支払ってもいいと思ってくださる気持ち、
 そして、
 そうしたモノをこそ製作したいと思ってる自分の気持ち……。
 そんな、
 双方のいろんな熱い気持ちが交錯するからなんだね。

 ニジキジにかぎらず、
 リクエストに応じて、
 キレイな羽根、
 希少で貴重な羽根、
 もう湯水のごとくバンバカつかっちゃいます。

 というわけで、
 今夜もまた、
 
 オレさまのカエル自慢第二弾
 いってみたいと思います。

 今回は、
 ご紹介させていただいたフライがフライなので、
 カエルのほうもいきなり真打ちの登場です。

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 16年前に、
 アメリカのミシガン州にて、
 全米ヴィンテージ・ルアー展示即売会のような催しがあって、
 そこで購入したカエルのプラグ。

 その即売会自体には、
 ボクはそんなに興味もなく、
 知人の付き合いのようなかたちで、
 ひやかしみたいな感じだったはずなんだけど……、

 その会場でこのカエルを一目見たとき、
 ズッコーンッとやられました。

 「なんなのなんなのなんなのこのぶっ飛びセンス!」

 会場を埋め尽くす何十万ものルアーたちのなかで、
 このカエルは燦然とひときわ輝いて見えた。

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 フォルム、
 カラーリング、
 表情……、

 もうなにもかもがボクの琴線にメガトンパンチ瞬殺。

 もひとつ言えば、
 そのプレミア価格にもズッコーンと打ちのめされました。

 当時の自分の置かれていた状況は、
 長年やっていた仕事を辞めて無収入状態。
 次に計画していた仕事だってなんだか不透明。
 微々たるお金も、
 けしておろそかにできない状況。

 こんなカエルごときに財布開けてられる身の上じゃありません。

 それはわかるねんけど……。 

 このカエルが展示されているブースに、
 三日間ず~っと通いつめて……、
 カエル眺めまくって……、

 そこのブースのオッチャンに、
 このカエルがおそろしくレアな貴重品であること、
 さらにこのコンディションを保っているものになると、
 もひとつレア度数アップなこと、
 なのでこのプレミア価格はけしてダテではないこと、
 などなどの説明を受け、
 そして殺し文句……「これを逃すと今後はかなり入手困難ですよ」と……。

 そんな煽り文句にもそそのかされ……、
 チャリ~ンと心と財布の留め金が外れてしまいました。

 そして、
 ちょい震えながら札束をオッチャンにわたして、
 このカエルを紙袋に入れてもらったとき、
 その留め金ははるか彼方に飛んで行きました。

 「フロッグマ~ン、このカエルいいだろ?超レアだぜ、買わない?」

 いつのまにやらアダ名までついていて、
 会場のあちこちから暖かいお誘いを受けました。

 あのニッポン人…英語はからきししゃべれんくせに、
 珍しいカエルのルアー見せたったら目の色変えて買いよるぞと……。

 すっかり絵に描いたようなカモ。
 
 切なくも懐かしい、
 良い思い出です。

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 と、
 そんなカエルの作者は、
 活躍しているときからすでにレジェンドとして、
 ハードコアなコレクター連中に崇拝されていた、
 ミシガン州の「バッド・スチュワート」。

 この孤高のルアー・ビルダーについては、
 いつかまた改めてジックリご紹介させていただくとして、
 今夜は、
 「モノも価格もぶっ飛んでるものを購入する」という、
 一見とっても無駄づかい……、
 しかしそれによって得られる満たされまくったココロと所有欲。
 あるいみ「背徳の蜜の味」について語ってみました。
 
  
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