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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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不定期刊行 世界羽根紀行ファーイースト編 第一弾
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 コンニチハ~

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 こうしてみると、
 なんとも地味で華のない灰色の羽根、

 この羽根、
 なんだかわかりますか?。

 、
 









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 で、
 その全貌…コンプリート・スキンがコチラ。

 コーモラントといいます。
 日本でいう「ウ」、
 「鵜」、
 の仲間のことです。

 なんでも、
 世界には亜種もふくめて数種類の「鵜」の仲間がいるそうですが、
 図鑑などで外観を比較するかぎりでは、
 ここでとりあげたコーモラントの羽根は、
 日本にいる「鵜」と非常によく似ています。

 というか、
 ぶっちゃけもうほとんど日本の「鵜」とおなじ質感色調の羽根。

 「鵜」といえば、
 いろんな意味で、
 われわれ釣り人には、
 なんていうかめくるめく愛憎?、
 そこらじゅうの川辺で、
 ものすごく歓迎されないことで、
 おなじみのトリ……、

 でありながら、
 その羽根がタイイング素材として流通することは、
 現時点ではさまざまな諸事情でまずあり得ない、
 身近にたくさんいるのに、
 その羽根はメガトンレアな貴重羽根です。

 というわけで、

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 まずは「にぎやかし」に、
 当社十八番となります奇天烈系バスバグを……。

 「鵜」の背中の羽根をつかった、
 「ウ」形のバード・バグ…トサカつき。

 コチラのアホバカ・バグの背中に重ねた「鵜」の背中の羽根を見ながら、
 話しをすすめてまいりたいとおもいます。

 ごらんのように、
 「鵜」の背中の羽根は、
 まるで微細な粉が散っているような、
 ビロード状の質感をしたウォーム・グレイ色に、
 マットな黒い縁取りが鮮やかな木の葉型の羽根。
 さらに肉厚な分厚い手触りや、
 頑丈で太いストーク部分も印象的。

 これが水に濡れると、
 なんというか、
 非常に艶っぽく、
 また深みを感じさせる鉄色のダークダン、
 といった色調になります。
 
 こうしてみると、
 ありがちな色調ではありますが、
 その独特な質感は「鵜」の羽根ならでは……。
 とても個性的。

 で、
 そんな「鵜」の羽根の個性派っぷりのワケを、
 いつものようにフライタイイング的視線で見てみると、
 まず水鳥でありながら、
 羽根自体の水馴染みが素晴らしく良い。
 スーッと水に同化するように馴染む感じ。
 また、
 羽根自体に含まれる油分?のようなものが、
 極端にすくない気がする。

 たとえば、
 おなじように水辺の鳥であるカモやバンなど、
 羽根に擦り込まれた?油分も利用して水面に浮くトリと比較すると、
 その特異な質感がよくわかる。

 そしてこうした「鵜」の羽根の特質は、
 「サカナを獲ることに特化しまくっている」
 という、
 知れば知るほどに「敵ながらアッパレ」な、
 「鵜」の身体の仕組みに、
 密接に関係しているのではないでしょうか?。

 身体を水面に浮かせる、
 という事項にはまったく重きをおかず、
 獲物を発見するや否や、
 瞬時に水中に潜っていくために、
 水馴染みに優れ、
 かつ水流の抵抗を軽減し、
 さらに川底の石の下などにも潜り込みやすく全身ツルツル、
 かつ肉厚な羽根は身体を保護する役目をも果たしている。

 と、
 そんな羽根が、
 水中での突進力に優れ、
 かつイレギュラーな動きで逃げるサカナにも対応する、
 しなやかで長い首…、

 「飛ぶ」ことよりも、
 「潜水潜行」を重視しているとしかおもえない、
 無駄をはぶいた形状の翼や胴体…、

 トリというよりも、
 サカナのお腹を連想してしまうお腹などなど全身に生えている。

 そしてそのダークな色調は、
 川底の色と同化する、
 「保護色」というよりも「サカナの視界をかく乱する色」。

 ヤバイっすよ
 デビルっすよ
 「鵜」

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 と、
 そんな「鵜」の羽根をつかった、
 チューブ・フライ仕様のジェネラル・プラクティショナー・スタイルのフライ2種。

 下側は、
 シャープなホロゴールドがボディ全体にチラチラのぞき輝くムラサキ色。
 上側は、
 濡れると透明感のある金色に変化するヌルッとしたゴールド。

 どちらも自家製ブレンドのダビング材をつかったボディに、
 「鵜」の背中の羽根を組み合わせたもの。

 たとえば上側の金色ボディのは、
 デビルで邪悪で凶悪に艶クロな「鵜」の羽根の色調質感とあいまって、
 濡れるとなんとも独特なナマナマしいキンクロ…といった風情。
 
 「キンクロ金黒」の効果を信じてやまないワタシにとっては、
 このヌメッと水に馴染んで透明感がありながらメリハリのある配色の妙、
 たまらんものがあります。

 というわけで、
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 そんな「鵜」の背中の羽根を、
 ストリーマーのヘッドにシリコン接着して……

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 ルアーな方々にとっては定番中の定番カラーでもあり、
 必須の「落ち鮎」カラーでもある、
 キンクロ+オレンジ・ベリーで巻いた、
 シリコン・ヘッドのフラットウイング・ストリーマー。

 ホロゴールドのエンジェルヘアーを混ぜたEPファイバーを土台にして、
 ホワイティング・スペイサドルのオレンジと黒をメインウイングにすえ、
 そのうえにホワイティング・フラットウイングサドルのバジャーをフラットに巻きとめてみました。

 にしても、
 「落ち鮎」仕様のストリーマーを、
 よりにもよって「鵜」の羽根で巻くって……
 
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 これぞシュール系タイイングの悦楽?……。

 

 それでは次回、
 仮題「デビルの柔羽根にみる、小悪魔純情編」
 
 にご期待……くださいますか?。
 

 
 

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