BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
201704<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201706
1988年
 こんばんは
 きのう釣り旅から帰って来ました。

 グラッと煮えました。
 とにかくメチャメチャメチャメチャ蒸し暑過ぎました。

 そしていきなり容赦なくおそいかかる土砂降り。
 
 ホンマにまったく…やることなすことつくづくツキに見放され過ぎて笑っちゃう。
 かえって開き直ってハイになりました。
 もうイケイケで一週間で2000キロ。
 
 しかしときには、
 「お~~~~ムリして来て良かった」
 とおもう場面や体験ももちろんあり……。

 総合してみると、

 かえってきてヘロヘロやけど、
 ひとり旅ならではの現象、
 ヒマにまかせてアホみたいに撮りまくったスナップ写真を、
 ボ~ッと眺めておりますと……もうムラムラ。
 「またすぐ行きて~~~」

 サイコーやった。

 霧雨のそぼふる丑三つ時、
 圧倒的な存在感でドーンとひろがる、
 のしかかってくるかんじの深い森のなかのちいさなキャンプ場で、
 あらためてコレ聴いてました。
 たったひとり、
 おもうままヴォリュームあげて。
 1973_The Upsetters - Black Panta
 漆黒の夜空から、
 音の破片が降り注いでくるようでした。
 陶酔しました。
 100801(2)2.jpg

 やはり、
 フライフイッシングもレゲエも、
 原点の時点でもはや完成されつくしているのか?……、
 などと大それたことをおもいましたトリハダびりびりで。

 そのままそこで寝て、
 朝目覚めたら雨あがり。
 鈴ガチャガチャ鳴らしながら,
 林道をぶらっと散歩してみると、
 なんか……、
 おっきなンコにチョウチョがいっぱい。

 え?、
 マジ?、
 なんか艶っぽいねんけど。
100801(1)1.jpg
 これ、
 そういった判断でいいんですかね?

 ひとりで無茶するのはもう絶対やめよう……。

 ヘタレでいいですぜんぜん。
 
 
 というわけで、 
 ホントに申し訳ないです。
 今夜はフライの話題はまったくありません。
 おもいきりレゲエのみです……。
 しかもきわめてひときわ個人的な思い出話しです。

 ついこのまえ、
 ひょんなことから、
 いまから22年まえの「ボクのはじめての海外旅行」写真などを発見。
 まえにコレを見たのは果たしていつだったのか?……、
 たいへんに懐かしゅうございました青春でございました。

 そこで今回はおもいきって、
 そのスナップ写真のいくつかを並べてみました。
 いや~もうイタくてカユくて野暮丸出し悪趣味……。

 が、
 いつもこの「フライフイッシング」ブログを見ていてくださる、
 ごくひとにぎりの、
 これはもう腐れ縁ってやつですよ……、
 我が同世代レゲエ愛好会「ボンボクラット・フォーエバー」のみなさまにむけてTime to remember.
 
 あのころキミもイタかった百円ライターすぐ減った。

 というわけで、
 わかるヒトしかわからなさすぎるラバダブ・スタイル。
 ノスタルジック・ムードでお送りいたします。

 ♪Dread Beat & Feathers at the midnight from Yard to london ♪…
 今夜のお相手と選曲は不肖わたくし「コック・デ・ライオン」 aka「むかしの名前ででています♪」

 Galong riddim so nice de pon top.

 というわけで、
 なにはともあれ… Colin Roach - Champion Sound
 そしてまずはこの写真。
100716(1)1.jpg
 1988年初夏、
 「ライオン・ミュージック・デン渋谷支店」ができて、
 まさにこれからいよいよ看板ののろし通りに立てて出してオープンするで、
 というときの直前のレコード壁の写真。

 なんか……
 これだけで音楽も時代も語れちゃいますねウルウルしながらひと晩中。

 時代はジャミーズやったけど、
当店のキャッチコピーは、
 「from UK lovers to JA Rockers」

 この曲もまたライオン・ミュージックデン88年を象徴する一曲。
 「ラブリッシュ」リディム…当店一押しでした。 
 Charlie Chaplin - Respect Due
 
 そして……、
100716(2)2.jpg
 はじめての海外旅行の目的地はココ。
 水産大学を卒業してすぐ、
 23歳の春です。

 ロンドン郊外にあった、
 レゲエのレコードの問屋さん。

 レコード屋の開店にあたって、
 買い付けに来たのだった。

 100716(3)3.jpg
 商店街の一角にあって、
 一見ふつうの住居。
 せまい扉を開けて中にはいると、
 奥にず~~っとちいさな部屋がいくつもつながってる。
 長い年月をかけてつぎはぎしながら、
 どんどん部屋を増設していったよう。

 その床と壁、
 ぜんぶ埋め尽くして、
 レゲエのレコードが地層のようになって重なってました。
 レゲエのレコードで埋まった出口のない「カオスの迷路」。

 はじめて見たときは、
 立ちすくみました。

 ちなみにこの会社は、
 この翌年には完全管理体制の新装近代倉庫にお引っ越しした。
 この会社にとってはおおきく飛躍する年となった。
 レコードもほぼすべて管理整頓された。

 なので、
 この迷路を何日もかけて「探検」して、
 ここでずっと眠っていた手の震えるような「金脈」を、
 まさに「発掘」することができたのは、
 これが最初で最後。
 ぎりぎり。
 
 幸運だったんだなあと、
 いまになってこそつくづくおもった。

 100716(4)4.jpg
 うえの写真の愛娘抱いた兄ちゃん。
 「スターライト・レコード」の若番頭です。
 いまもあるんやろか?。
 スターライトといえば、
 ボクはコレですねん反射的に。
 INVADER-DUB

 通っていた問屋さんのある商店街の並びにあったので、
 まいにち通っていると、
 大将とも若番頭ともすっかり仲良くなって、
 何くれとなく良くしてもらった。

 で、
 夕方の商店街がにぎわってる時刻に、
 そんなスターライトでグダグダお茶よばれてたら、
 「デップリッ」な黒人のオバちゃんが、
 買い物かごウデにぶら下げてはいってきて、
 「いまヒット中のあの曲ちょうだい」
 
 番頭も勝手知ったる感じで「あいよっ」みたいな。
 で、
 オバちゃんは番頭に「ハイこれ」ってバラ銭わたして、
 受け取ったシングル盤をそのまま、
 ネギとか野菜満載の買い物カゴに突っ込んで、
 番頭と近所の世間話とかかるくしてから、
 「じゃ、おじゃまさま~」
 みたいなかんじで出ていってん。

 「うわ~八百屋で買い物してるみたい……レゲエが日常だ」
 と、
 そういうことに感動した。

 そのときオバちゃんが買っていったのはコレ。
 Judy Boucher - You Caught My Eye - Lover's Rock Reggae
 和尚さまもいたくお気に入りです。
 80年後期 UKラヴァーズの大ヒット曲。
 
  100716(5)5.jpg
 左から、 
 ブラッカ・モーウェル、
 アイジャーマン、
 Dr.アリマンタード。
   
 レコードのジャケットで、
 もはや目に沁みてるくらいお馴染みのヒトが、
 ナ・ナ・ナ・ナ・ナマでいてはる~…。
  Dr Alimantado - Love Is

 ボクがはじめて接したヒーローたちが、
 このお3方。

 このとき、
 アイジャーマンは奥様とデュエットした新境地「I Do」がイギリスでロングセラー大ヒット。
 アリマンタードも自身のキイマン・レーベルから「ダブ」シリーズ連発。
 ふたりともバリバリだった。

 かたや、
 往年のカリスマ…ブラッカ・モーウェルはいまちょっとさびしいかんじ。
 むしろ、
 イギリスにいてはったんや~ってかんじ。

 が、
 そんな事情こっちはあずかり知らんやん大ファンやん。

 まさかナマで会うなんて、
 夢に思ってもみなかったディープな大物ですよアナタ。

 「モーウェルズさいこーっす! あなたがプロデュースしたジャー・ロイドとかもメッチャさいこーっ!」
 ブラッカ・モーウェルが関わったレコードで聴いたことのあるヤツ連呼そしてまた連呼。

 本人逆に困惑気味でした。

 なんて、
 これを書こうとおもって検索して、
 いまごろ知ったんだけど、
 ブラッカ・モーウェル…2000年に亡くなってたんやね。
 In Memory
 ああ……。
 The Morwells - I'm Radic

 アイジャーマンにはほんとに得難い体験をさせてもらった。
 
 (え?、こんなとこ、ボク行ってもダイジョウブ?……)
 みたいなレンガの廃墟と雑草の隙間を歩いて、
 これまたプンプン匂う朽ちかけたビルの階段をあがって、
 「ええから来い来い、おもろいとこ連れてくから」
 言われて恐々あがっていくと……、

 ズンズン響いてるんですわ~。

 ガチャっと扉を開けたらそこはパイレーツ・アンセム。
 レゲエ専門の地域密着型海賊ラジオ放送局。
 眼つき根性入ってる若いラガマフィンがふたりでマイク握ってます。
 まさにそのときかかっていたのは、
 Admiral Bailey - Two year old

 アイジャーマンたら、
 いきなりめっちゃイケてるステップ踏んで踊りまくりながらスタジオはいっていってんで……。

 ベイリーでおどるアイジャーマンですよ通のみなさま。
 深いです。

 それはええとして、
 今夜のゲストでお呼ばれしていたらしいアイジャーマン。

 いまのいままで気のエエやさしいラスタのオッチャンやったヒトが、
 マイクもったとたん、
 もう全身からオーラむんむんで、
 自分のレコードをスコンッてかんじでターンテーブルにのせて、
 即興バリバリで、
 しかも”ビゼー・カン・フロン・ジャーパン”入りで!、
 シビれるスカンクかまして、
 この曲かけはったんですわ。
 Ijahman Levi - Closer To You
 この曲をはじめて聴いたのは浪人生のころ。
 レゲエにほんまにハマッた年です。
 つまり、
 キッカケになった多くの曲のなかのひとつ。
 
 その曲をこんな異次元空間で、
 しかもご本人が自ら……、

 なにせ多感なお年頃です。
 ものすごく刺激が強すぎました。

 と、
 そんなこの写真は、
 帰国が近くなってから、
 お3人に「あしたカメラ持ってくるから記念に写させてくださいますか?」とおねがいして、
 やんややんやケンケンガクガクのすえ、
 スターライト・レコード店のまえで写したもの。
 
 「よしわかった、じゃあ明日はエエ服着てくるわ~」
 と言って、
 いつものそのままのカッコだったのがアリマンタード。

 ちなみに、
 このときは「社会の窓」は閉めておられた。
 
 いつものダンディなカッコのまま、
 ジャンパーが垢ぬけてビシッと新しくなっていたアイジャーマン。

 ニッポンの和英辞典をひもとくのが、
 日に日にスムーズになられた。
 ほんとにお世話になりました。

 なんも言わんとだま~って帰ったけど、
 翌日いつものジャージから一変、
 目を見張るような三色に変身してたブラッカ・モーウェル。
 これがまたカッコエエからスゲーっておもった。

 いかついお客さんでごったがえす「ホークアイ・レコード」で、
 たいへんスムーズに隅から隅までじっくりレコード物色できたのは、
 ひとえに御大のおかげでした。
 ぶっちゃけますと、
 「うわ~、オレいまモーウェルズにボディガードしてもろて買い物してる~~。天下とったったで!」
 内心そうおもって震えました。
 
 

 三者三様のアーティスト…そのオトコたちの生きざまとキョ~レツな個性。
 もうクラックラ。

 生まれてはじめて接したレゲエ文化の「怒涛の土石流」の巻。

100716(6)6.jpg
 なんて、
 初めての異国でえらそうにブイブイやってた風ですけど、
 はじめてこの問屋を訪ねて行ったときは悲惨でした。

 バスに乗ったはええけど、
 おカネはなにがなにやら?????、
 そのまえに、
 降りるべきバス停はどこ??????、
 どうやって聞くの?????、
 なんて言えばいいの??????、
 このままボクどこ行っちゃうの??????、

 窮鼠猫をかむ。

 「アイ・ワンツ・ゴー・ハーレスデ~ン」

 かぎりなく本泣きにちかい半泣きで叫ぶと、
 運転手さんがなにか言ってくれたけど、
 まっったくわからない。

 業を煮やした黒人のオバちゃんが、
 噛んで含めるように、
 「ど・こ・い・く・の?」
 みたいに聞いてくれて、
 持ってる小銭を手の平に出せ…みたいなジェスチャーして、
 そこからコインつまんで払ってくれて、
 一緒にバスをおりて、
 ボクのうでをつかむと、
 この道をスタスタ歩いて、
 問屋のまえまで連れて来てくれて、
 呼び鈴を指さしてから、
 「グッドラック、グッドラック」
 言いながらバス停に戻っていきはった。
 オバさんの降りるバス停はココじゃなかってんな。

 鮮明に憶えているヒトこまです。

 で、
 それから二週間滞在して、
 帰国間近になって問屋の社長さんにディナーお呼ばれしたとき、
 アイジャーマンにこんなとこ連れて行ってもろて感動したとか、
 ブリクストンのあのレコード屋さんで自分のレコードいっぱい買ったよとか、
 あのレコードのデッドストックぜんぶ買いたいとか、
 まあアーティストやレコードの名前を連呼してたら通じるような、
 そんな思い出話しして和やかなムードで、
 「英語がまったくわからなくて迷惑かけて申し訳なかったけど今後ともなにとぞ」
 みたいに改まったら、

 ハッキリゆうて最初はビックリして困った、
 みたいなこと言われてんけど、
 社長の奥さまも一緒になって、
 「アナタがアイジャーマンとかアーティストたちが来るたびに大喜びして、
 われわれもスタッフも楽しかった。そして滞在中は毎日ず~っと店に来たのには驚いたしうれしかった。
 キミたちの店の成功のために協力は惜しまないから」
 「それからアナタもわかってるように、新世代の若手アーティストがたくさんいる。
 大物ばかりじゃなく、彼らも日本でプッシュしてね」
 みたいなことを、
 ボクがわかるまでコンコンと言うてくれて……、
 
 まだ、
 気持ちと気持ちで商売が成立する時代だったんやね。

 まあなんせ多感なお年頃……泣くやろ?やっぱ。

 好きこそものの上手なれ……、
 って、
 自分でゆうてたら世話ないやん。

 
 が、
 気持ちが離れるときもあるだってニンゲンだもの……、

 のちのち身をもって身に沁みて痛恨のおもいで学習した。

100716(7)7.jpg
 写真と一緒に段ボール箱に入っていた。
 この旅のとき、
 本店の社長から直々に譲り受けた、
 83年刊行のディスコグラフィ。

 随所に引かれた社長のボールペンの跡……。
 老舗ライオンの歴史のひとつです。

100716(8)8.jpg
 まあ、
 なんか甘ったるい感傷チラつく今回の更新、
 ここで落としとくわ。

 このアーティストとレコードのタイトルだけを延々羅列しただけの本、
 当時はこれが過去を知るほぼ唯一の情報源。
 もう舐めつくすように熟読してほとんど暗記。
 アレはどんなんやろ?
 コレはあんなんやろか?
 とアレコレ想像巡らしてページめくりながら、
 文字ながめて夜ごと悶々ヌイてました……。

 とまあ、
 小学校3年生からこっち、
 ず~~~~~~~~~~っと釣り竿片手の人生現在進行形ですが、
 唯一まっったく釣りを忘れていた数年間の幕開けのころの話しを、
 ココでさせていただくのもまた一興ってことで。

 長くなりました。

 今夜のお別れはこの曲と映像で……。
 画質は悪いけど、
 ソウルは伝わります。
 こんなヒトから信じるに足る何事かを学ばせてもらったこと、
 おおきな誇りです。
 I JAH MAN Are We A Warrior

copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.