BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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パラシュート・アント
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 あつい。
 
 炎天下

 朝もはよから、
 すでにもうカッカと真夏の太陽。

 見あげれば峰々がちかくにひろがる深い森のなか、
 淡い色をした岩盤と白っぽい石の河原のあいだに、
 ジンクリアな水がまがりくねって流れている。

 きょうの気分はコレ…パラシュートアントTMC212Y の11番。
 
 グレイのジーロンとモルフォファイバーを数本混ぜて、
 スペントウイングのように巻き止めてある。
 
 ボディはシールズファーを基調にした自家ブレンド。

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 落ち込みの白泡のキワに投げたらひったくられた。

 金粉をふりかけたような背中が、
 陽の光にキラキラ反射している。

 あの、
 北海道で暮らして3シーズン目、
 ものごっつシロートな物言いしますけど、
 北海道の野性のマスたちって、
 黒くてコロッとしたフライ好きなんだな~って……、
 なんか思ってんですよね。

 アリがどうでコガネムシがこうで……という自然の摂理にくわえて、
 もっとこう…感覚的な釣り人的な直感?のところで。

 と、
 このときもつくづく思ったんだけど、
 このサカナを釣って色めき立った直後、
 すぐ上流にエサ釣りのおじさん。

 ズッコケ。

 しかたないので、
 ちかくの支流にはいる。

 おじさんが、
 「このあたりは巣だから~」
 と言っていたとおり、
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 指のかたちまで、
 濡れた砂のうえにクッキリ。

 いつごろココを通ったのだろう?。

 ビビリまくりの反対側で、
 …こんな動物が闊歩している森で釣りしてんだな~…
 とおもうとゾクゾクする。

 「うおおお~~い」
 あんな足跡のすぐよこで無言もナニかなとおもって、
 アテもなく叫んでみたら、
 すぐ上流で腰をかがめてポイントににじり寄っていた吉田さんが、
 「うおおっ?」とはげしくおどろいて、
 よろけながらこちらを振り向いた。

 ちょっとイラッとした顔だった。

 それもそのはず、
 川を変えてからかれこれ2時間ほど、
 まったく釣れていない。

 それからさらに2時間ほど釣りのぼって、
 まったくなんにも釣れなかった。

 あつい。
 もうとにかくあつい。
 あっつい

 午後おそく、
 「もうあがりましょう」
 と吉田さんが言ったので、
 コレ幸いにそそくさと川からあがった。
 
 もうだいぶまえに持って来たお茶をぜんぶ飲んでしまって喉がカラカラだった。
 里に降りたらコーラ買う。
 買うったら買う。

 が、
 「せったくここまで来たんだから、この先の様子だけ見て行きましょう」
 と吉田さんが言ったので、
 様子見だけならとおもって同意した。

 荒れた林道をひたすら走ると、
 ちいさな渓流にそって林道がのびている。
 その渓流をズタズタに寸断している、
 ひな壇のように立ち並ぶ堰堤の無粋な光景に悪態をつきながら、
 さらに奥に走っていくと、
 ようやくまともな渓相になった。

 「あ、このへん確実にいるでしょ~」
 と吉田さんが言って、
 急角度なガレ場のけっこうしたを流れる渓流を指差した。

 やっぱり行くのね…行っちゃうのね……。

 しかしあつい。

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 吉田さんの予想通り、
 大中小とりまぜてウジャウジャいた。

 朝からつかいつづけているパラシュートアントは、
 すっかりくたびれて、
 ボディが水を吸って重くなり、
 いよいよ浮かなくなってきた。

 けれど、
 そのまま使いつづけた。
 意外にも、
 水中を流れる黒いハックルがよく見えた。
 浮いていたときとおなじように釣れた。

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 いっぽう吉田さんは、
 いつものイマージャー風ウエットフライで、
 基本は水面直下をナチュラルドリフト…のアプローチで、
 開けた場所からゴチャゴチャした難所まで、
 ありとあらゆるポイントからビシビシ釣りまくった。

 釣れなかった昼下がりの仇討の様相を呈していた。

 技術の差もさることながら、
 根本的に集中力がまるでちがう。
 


 
 家に帰ってひと風呂浴びて、
 さっぱりしてから、
 きょう撮った写真を見ていると、
 ちょっとムズッとしてきたので、
 気持ちを鎮めるためにすこしだけフライを巻いた。

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 吉田さんのいつものイマージャー風私家版ソフトハックル TMC200R 12番。

 ウイング材はパラシュート・アントとおなじものをつかった。

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 興がのったので、
 ゴールドリブド・ヘアーズイヤー仕様のバーズネスト風ソフトハックル水面直下用。

 背中の黒いのはジーロン。
 いちおうインジケーターなんだけど、
 現場で「いらないな~」とおもったら、
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 みじかくカットしてウイングケースに……。
 
 羽化直前、
 ぱっくり割れた真っ黒なウイングケースから、
 ジーロンとモルフォファイバーの縮れたウイングが覗いてます…みたいな。

 そんな夏の一日。

 
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