BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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匠の染物 インディアン・クロウ編
 インディアン・クロウの本名は「Red-Ruffed Fruitcrow」
 っていうんだよ。
 なんて美しい名前。
 この鳥にこそふさわしい名前。

 南米アマゾンの神秘の鳥。

 フルドレス・サーモンフライ・タイヤーにとっては、
 その世界を知れば知るほどに、
 やはりこの羽根がなくては……とおもわせる羽根。

 しかし、
 その希少性と、
 運よく見つけたとしてもブッチギリの天井知らずな突き抜けプライスが、
 ドーンと立ちはだかる羽根。

 世界中のフルドレス・サーモンフライに魅せられた羽根中毒たちの、
 あまりにも切ない吐息とため息を、
 一身に集めている鳥の羽根。

 こんなちいさな羽根が、
 大のオトナの人生を狂わしちゃうんだよ魔性だよ……。

 そこで、
 ほかの鳥の羽根をソレッぽく染めた代用品をつかうわけだけど、
 本物のインディアン・クロウの羽根の、
 オレンジ色から唐辛子のような色に変化する、
 息をのむほどに絶妙なグラデーションをおもうと、
 たんに白い羽根を赤くしただけでは…やっぱり…切なくなっちゃう。
 
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 ちょうど一か月まえ、
 しばらく東京周辺に滞在していた。

 そのとき、
 もはや「くされ縁」状態で長年お付き合いしている、
 マテリアル業者のシャチョーと数年ぶりに再会した。

 こんなご時世だというのに、
 いっっこも儲かれへんのに、
 おたがい全然枯れませんな~、
 むしろいまを盛りに燃えさかってまんなメラメラと……。

 ということを確認しあえただけでも、
 万難排して都合もつけて、
 こうして再会した価値があるというもの。

 「シャチョー、なんかオモロイ羽根ないの?」

 そう聞くやいなや、

 「コレ、どうおもう?いつものかんじで言いたい放題で批評してよ」

 ちいさな小袋パックを渡された。

 それを見た瞬間、
 もう感動しすぎてグハハと爆笑した。
 このシャチョーの長年にわたる染色技術の集大成が小パックされていた。

 インディアンクロウの色調や質感そしてフォルムを、
 「脱帽です」クラスのクオリティで再現してあった。

 ハッキリゆうて、
 個人レベルで時間と手間ひまをかけるだけかければ、
 おなじようなことはできるかもしれない。

 だがしかし、
 商売ってところで、
 大量に同じ品質でコレを染めつづけるなんて……、
 控え目にいって、
 その労力と気力と忍耐は、
 たんに商売ってだけじゃとても出来ないっしょ。
 それプラスなにかいるでしょメンタルんとこで。

 そこがグレート。

 かくして我々は、
 「これならマンゾク」とおもえるインディアン・クロウのサブを、
 きわめて容易に、
 かつた~くさん入手できるようになった。

 うれしい。

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 ウエットフライというよりも、
 引き波バリバリのスケーティング・フライ。
 ヘッドの仕様がミソなんだけど、
 それはまた別の機会に……。

 「オレンジ&パートリッジ」の効果にあやかりたい下心丸出しで、
 シッポに一枚巻き止めたヒゲナガ・サイズ。

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 配色だけみれば「ガバナー」のヴァリエイション?

 コッパー・リビングのピーコックハール・ボディに、
 レオンのヘン・クイルをウイングにして、
 ハックルはナイトヘロンのバックフェザー。

 まるごと一枚、
 ウェブの部分も巻き止めたテールには、
 とうぜんのこと、
 水中での「ゆらめき」も期待している。

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 ジェネラル・プラクティショナーの背中のシェルバック・フェザーには、
 もともとインディアン・クロウの羽根がつかわれていたらしい。

 しかし時代が変わって、
 その代用としてゴールデン・フェザントのバックフェザーがつかわれるようになって、
 それが一般化したわけだけど……、

 インディアン・クロウのサブを3枚甲羅に巻き止めた「ゆでエビ」
 雰囲気ムンムンちゃう?
 ええんちゃう?とっても……。
 
 ちなみに、
 ハックルにはオレンジに染めたコック・デ・レオンのサドルをつかってダンダラ模様を強調。
 さらに、
 フィーラーと呼ばれるテールウイングにはラスト色のスペイサドルを一枚巻き止めて、
 その横っちょに赤く染めたゴールデンフェザントのクレストを寄り添わせて、
 エビちゃんのハサミを表現してみた。

 なんだかとってもクラシックな佇まいなのに、
 つかった素材はモダンな羽根素材ばっか……痛快やね。

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 ディーウイングのテールにもつかってみた例。

 ここでは、
 二枚の羽根をあわせてアップライトにセット。

 こうした、
 額装用のフルドレス・サーモンフライばかりでなく、
 実戦投入用のサーモンフライの各所にインディアン・クロウな羽根を、
 だれもが惜しげもなくつかえるのって……。

 ほんとにすごいことだとおもう。

 これって、
 ちょっとした革命ですよ。



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 そして、
 かたや額装して飾るためのフルドレス・サーモンフライ。

 素材をすべて縛り終えて、
 あとはヘッドを処理してもうすぐ完成……の状態。

 このフライに関しては、
 また後日あらためて紹介させていただくとして、
 ここではチークの部分にご注目を……。

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 ジャングルコックのうえに、
 インディアン・クロウのサブをかさねて、
 さらにそのうえからキングフイッシャーのバックフェザーをかさねた。

 ど~よ?このインディアン・クロウっぷり。
 ああんもう……。

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