BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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ラーテル
  Susan Cadogan ‐ In The Ghetto

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 ただいま選別中~

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 ゴールデンフェザントのクレスト特Aクラス発見。
 ここ一カ月、
 まいにち毎晩こういうのいじくってた。

 フルドレスのサーモンフライ気分が絶好調に高まると、
 もうず~~~~っとそればっかで、
 ほかのことやるヒマなくなるのが困りもの。


 さいきん、
 パソコンの調子がおもわしくなくなって、
 それでもメール交信やインターネット観覧はできるので、
 そのままずっとほったらかしで、
 せっせせっせと巻いておりました。

 それでもつい数日まえ、
 いよいよ仕事に支障をきたすようになったので、
 近所の釣り友だちの古川さんにお伺いをたてたところ、
 「なんとか」ゆうCDソフトをほりこんで、
 それのガイダンスにしたがって、
 な~んも考えずにカチャカチャしたら一瞬で治った。

 「ね、古川さん、ぼくって情報弱者でしょ」
 「ん~~~~……っていうか、情報難民?」

 爆笑したがな。

 と、
 そんな情報難民がお送りする、
 きょうのホットなとっておき情報はコレだ!

 キミはラーテルを知っているか?

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 ウィキペディアから拝借させていただいたラーテルの写真。

 アフリカ大陸にひろく分布している、
 アナグマの仲間に非常に近しいイタチ科の小動物。

 コイツはスッゲーやつやねん。

 じぶんからケンカは売れへんけど、
 売られたケンカはぜんぶかうらしい。
 
 それが徒党を組んでるライオンだろうとハイエナだろうと、
 じぶんの身体の何倍もある複数の相手に、
 たったひとりで果敢にむかっていくらしい。

 で、
 そのケンカに勝つんだってよ。

 しかも、
 コブラが大好物で、
 鎌首もたげて臨戦態勢のコブラに猛然と襲いかかって、
 じぶんもガンガン咬まれながらも急所をかみ砕いて、
 ムシャムシャ食べちゃうんだって。
 
 さらに、
 コブラ食べてる最中に、
 咬まれたときの猛毒が効いてきて「こん睡状態」になるらしい。
 しかし、
 しばらくするとムクッと復活して、
 なにごともなくコブラの残りをたいらげちゃうらしい。

 Kleinman The Reckless Honey Badger
   ↑
 この映像めっちゃおもろい。

 と、
 ここまででも脱帽やけど、
 ラーテルがウルトラスーパーなのは、
 ヤツが「ハニーバジャー(和名ミツアナグマ)」という愛称で呼ばれている所以だ。

 なんでも、
 ラーテルの大好物はコブラのほかにハチミツならしい。
 しかし、
 地上からだとなかなかミツバチの巣を見つけられない。

 それでどうするかというと、
 「ミツシラセ」という小鳥が上空からミツバチの巣を発見すると、
 すかさずラーテルに知らせにいくらしい。
 そして、
 じぶんが発見した巣にラーテルを連れていくらしい。

 巣を発見するやいなや、
 ガッツンガッツン巣を壊していくラーテル。
 怒り狂うミツバチの集団がラーテル総攻撃。
 バッツンバッツン刺されまくるラーテル。
 さすがにメッチャ痛いらしい。

 しかし、
 ラーテルの辞書に「退却」の文字はないらしく、
 巣をボコボコに破壊して、
 蜜をベロベロ舐めて恍惚……。

 そしてとうぜん「ミツシラセ」にもハチミツのおすそ分け。
 じぶんではハチミツを強奪できない、
 ちっちゃな「ミツシラセ」もハチミツでおなかいっぱいウマウマ。
 
 この映像もサイコー。
 HONEY GUIDE BIRD

 と、
 そんなラーテルは、
 こうした習性から「地球上でもっとも怖れをしらない動物」の称号で、
 ギネスブックに載っているらしい。

 ラーテル……、
 オレはアンタにべた惚れだ~

 その性格も習性もブサかわいい容姿も、
 アグレッシヴすぎるくせにどこかズッコケなところも、
 もうぜ~んぶなにもかもがボクのハート直撃。
 ボク基準の「カッコイイ」条件をすべて満たしているばかりか、
 さらにそのナナメうえいってるんだもの野生の王国バンザイ。

 と、
 そんなラーテルの映像や記事を片っ端から検索観覧しまくって、
 カッカと燃えはじめた「男の子ゴコロ」をいさめるために、
 とりあえずタイイングテーブルのまえにすわって……、
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 こんなん巻いた。

 ラーテルとおなじイタチ科の仲間で、
 ひじょうに近しい存在の「バジャー」ことアナグマの背中の毛をつかって、
 ヘアウイング・サーモンフライのド定番「ラスティラット」のヴァリエイション。

 ちなみに、
 画面の左側が「バジャー」の毛。
 右側が本来ラスティラットのウイングにつかわれている「グレイフォックス」の毛。

 こうして見ると、
 パッと見では見分けがつかないほどに色柄が似ている。

 んだけど、
 どちらが優れているとかいう意味ではなく、
 実際にいじくって仔細観察してみると、
 ヘアーのハリやコシあるいは透明感などの質感には、
 「讃岐うどん」と「稲庭うどん」ほどのちがいがある。
 
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 ウォーターメロン色のラスティラットwithバジャー・ヘアー。

 ボディ後半はもちろんシルクフロス。
 リビングは黄緑のファインワイヤー。

 テールのピーコックスウォードは存在感があり過ぎなので、
 少なめにセットするとかえってバランス良くなる。
 ちなみにこの6番サイズで3本くらいにしている。

 そして……、
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 名づけて「ブラッディ・ラーテル」
 ……キミがラーテル好きだと言ったから今夜はラーテル記念日……的リスペクト・フライ。

 シンプルなキール・スタイルのヘアウイング・サーモンフライ。
 
 ボディは「ジョックスコット」風。
 ハックルはナイトヘロンとラベンダーのフラットウイング・サドルを二回転づつ。

 ウイングには、
 いちばんしたに黄緑オレンジ紫ピンク水色のバックテールを2~3本づつブレンドしたものをセット。
 そのうえに赤いシルクフロスの束をのせて、
 いちばんうえが「バジャー」の毛。

 ケモノの毛に挟まれた絹の束が、
 水中でとろけるように毛にしなだれかかって、
 まるで血が滴っているような……。

 

 と、
 ほんまはココで今夜はお別れの予定やってんけど……、


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 これは、
 グレイフォックスの毛をウイングにつかった、
 ラスティラットのヴァリエイション。

 このフライたちは、
 なんと9年前に巻いたもの。
 いろいろ巡り巡って、
 近所の釣り友だちの越田くんが所有していたもの。
 昨年の暮れに我が家に持って来てくれた。

 仕事柄、
 じぶんで巻いたフライはほとんど手元に置いてないので、
 いま見るとたいへんに感慨深いというか微笑ましいというかオラこっぱずかしいだ……。

 ボディ部分に特徴があって、
 ボディ全体をエポキシで約3層くらいにコーティングしてある。
 で、
 一回のコーティングごとにアレコレのヒカリモノを巻くというか封入した多層構造。
 そうすることで、
 まるで万華鏡のようなイメージの乱反射をねらった。

 また、
 エポキシ・コーティングすることで、
 フライの重量が増すだけでなく、
 着水と同時に速やかにストーンと沈んでいくようにもなっている。

 当時住んでいた富士山麓の川で、
 荒瀬のピンスポットに定位しているニジマス狙いにつかっていた。

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 これらのウエットフライも同様のボディ構造。
 もちろんその当時に巻いたもの。

 これらのフライズには、
 たぶん一生忘れない大事な思い出があるねん。

 この話しは、
 じぶんで語るには野暮丸出しだし、
 また相手もあることなので、
 どうしたもんかともおもったけど、
 まあ笑い話でもあるし、
 もう時効だよね……なんたって9年前だもの。

 ちょうどこのころ、
 このテのコーティングしまくりのウエットフライを、
 当時とある雑誌にて紹介させてもらったことがあった。

 まだパソコンも持ってなくて、
 原稿用紙にエンピツで原稿を書いていた時代。

 その記事が掲載されてしばらくして、
 どこでどうやって番号を調べたのか、
 みず知らずの人からとつぜん電話がかかってきた。
 きっとヘベレケに酔っぱらっていたのだろう、
 最初からえらい剣幕だった。

 いわく、
 よりにもよってウエットフライをエポキシでコーティングするとはなにごとか……、
 しかもそれを雑誌に掲載するとは許せない行為だと……、
 それは伝統ある美しかるべきウエットフライの世界を汚す行為だと……、

 もうほとんど罵倒。

 最初はカッチーンときて、
 「アンタこのご時世にナニ言ってるのよ、ちょっと時代に遅れてるよ」
 などと応戦した。

 火に油注いじゃったんだね。

 話題はこれらのウエットフライからはなれて、
 ぼく自身への罵倒とあいなった。

 いわく、
 CDCダンだのパラシュートだのゴミのようなフライを嬉々として雑誌に載せてるバカに、
 ウエットフライを語ってもらいたくねえ……とかなんとか。

 その罵倒を拝聴しているうちに、
 なんだかこの人がかわいそうになってきた。
 だって一生懸命なんだけど、
 それらの意見はすべて他からの受け売りで、
 自分の考えで、
 じぶんの言葉で語ってない。
 ただとっても熱い。
 そしてどこか憎めない。

 そのように思ったころには、
 ぼくもすっかり落ち着いてしまって、
 「あのさあ、そんなにボクのことキライ?」
 「キレ~だよバカ野郎!」
 「でもさあ、ぼくウエットフライもマッチ・ザ・ハッチも、なんならエッグだって、
 フライはみ~んな好きだから、これからも雑誌で紹介するよ。ゆるしてね」
 「ゆるさねえ!」

 なんだか話しは堂々巡り。
 こうして話していてもラチがあかないな~とおもったとき、

 「だいたいなあ、テメーのフライは…テメーのフライは、カッコいいんだよ!だから余計にムカつくんだよ!」

 「え?」

 一瞬、
 聞きまちがいかとおもった。
 そして、
 全身トリハダがたった。
 言葉づかいも変わった。

 「あ、ありがとうございます!」
 「オレは怒ってんだよ!礼なんか言うんじゃねえ!」
 
 しかし、
 そのあとはもうグデグデのまま、
 なんでかお互いにイロイロがんばりましょう…とむすんで電話を切った。

 しばらくドキドキがおさまらなかった。
 もちろん罵倒されまくったことにではなく……。

 …いまに見てろよ、あの人がもっとオレをキライになるようなことを真剣にやったるわい、
 そしてお楽しみのルツボに叩き込んだるからな~…

 いまの仕事に対して、
 はじめてハングリー精神のようなものと、
 自覚を芽生えさせていただいた夜だった。

 この一件がなかったら…などと大げさに言うつもりはないけど、
 自分を奮い立たせたいとき、
 名前も住んでるところも知らない、
 このヒトのことをよく思い出す。

 どないしてはるかな?
 元気にしてるかな?
 いまも熱く釣りしてるかな?
 会いたいな~。

 もっかい「ありがとう」って言いたいな~。

 ってわけで、
 今夜のお別れの映像は、
 もうなんといってもコレ。
 Tribute to the Honey Badger, the most fearless animal on earth. My favorite animal.

 長々読んでくれてアリガト~
 おやすみなさ~い。
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