BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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バレンタイン・タップス
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 もう15年くらいまえのことやねんけど、
 東京から飛騨高山に引っ越して、
 いまの仕事をはじめてまだ数年目くらいのこと。

 来る日も来る日もシンシンと雪が降り積もる、
 ひとりぼっちの真冬の飛騨高山。
 それはもうあまりに孤独で、
 しかもお金はない。
 仕事もない。

 ってわけで、
 そのころ関東の小都市にある公営住宅みたいなところで、
 ぼくとおなじように「やもめ暮らし」をしていた、
 気心の知れた釣り友だち兼レゲエ友だちの家にしばらく居候して、
 なんやかんやと昔のツテをたどって小銭稼いだりしていた。

 プチ出稼ぎ…みたいな。

 で、
 その日はおたがい用事がなにもなかった。
 「きょうはなんかして遊ぼか」ゆうことになった。

 そいつの家の近所に管理釣り場があって、
 なんでも「ペヘレイ」が釣れるらしい。

 ペヘレイぜひ釣ってみたいやんけ……。
 ってことで出かけてみた。

 ふつ~の住宅街の真っただ中にある管理釣り場。
 
 この季節にしては小春日和で、
 冷たい風も吹いてなくて、
 お日さまのやわらかい日差しが気持ちよくて、
 サカナは適度にスレていてほどよく手ごわい。
 釣り場のシュールな環境とあいまって、
 けっこう気に入って夢中で釣りした。
 ニジマスとヤマメをほどほどに釣った。
 ペヘレイはなかなか釣れなかった。

 それでもようやく
 「生活につかれて、すっかりやつれたシシャモ」
 みたいな風情のペヘレイが釣れた。
 気がすんだので公営住宅にかえってきた。

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 「今夜の晩ごはん、なに食べる?」
 「焼きそばパーティしよか」

 ってことになって、
 夕方ふたりで近所のスーパーにでかけて、
 ソバやらキャベツやら豚コマやら、
 焼きソバの材料を買った。

 そのかえりみち……。
 歩道のよこが児童公園になっていて、
 こどもたちの歓声が聞こえてくる。

 車の往来や人通りもほとんどない、
 ふるくからの住宅街をぬける歩道には、
 ちいさな植木が並んでいて、
 小春日和の一日の夕暮れどきとあいまって、
 なんともイイ感じだった。

 暮れなずんでいく陽の光をかんじて、
 「なんだかすこし、日が長くなったね」
 とか、
 言葉少なに話しながら、
 その歩道をスーパーの袋をぶらさげて、
 三十路にはいったばかりのオトコふたりで並んで歩いた。


 (コイツ、ちょっと笑かしたろ……)
 そうおもった。

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 うつむいて、
 伏し目がちに、
 照れたかんじで、
 チラッとヤツの顔を見て、

 「あのさあ……、」

 「ん?」

 「…………手ェ、つないでもいい?」





 「ど、ど、どどどどど、どしてっ?」





 ヤツが、
 電気仕掛けのようにビコーンッと跳ねながら、
 ぼくのよこから飛びのいた。
 ヤツの顔面いっぱいに、
 「驚愕」の文字がはりついているようだった。


 「あのなあ、オマエ、そんなにオレのことキライか?」

 「いや、好きだよ。好きだけど……ごめん!ビゼンに対してそういう気持ちにはなれない!」

 「アホ!…オレもじゃ。笑かそとおもたんやがな。なにを真面目にゆうてるねん」

 「あ~ビックリしたあ。マジな顔して言うからさあ。ひょっとしてそうだったのかと思っちゃったよ~」

 「ウハハハハ…。オマエはほんまにピュアな子ォやのう。だましがいあるわ」

 「あ、でもさあ、オレ、同性愛肯定派だから。オレはきわめてノンケだけど、
 そういう恋愛もぜんぜんありって考えだからね」

 「オレも~」

 「だよね~。ホモだろうとレズだろうと、人それぞれだよね」

 「あ、でもオレ、そういう人たちのこと差別してるかもしれへん」

 「え?どして?」

 「なんちゅうかさあ、そういうひとって、くっだらね~時代遅れの偏見とかのせいで、
 ふつうなら考えもしないでいい悩みや苦しみとか背負って、
 えげつない孤独感のなかで暮らしてはるひともいてるわけやん。
 それって、ホンマにえらいな~すごいな~つよいな~って思うねん。
 なんかこう、もうそれだけで一目置いてしまうねん。
 オレなんか、友だちもおらん高山で、ひとりでおるだけでもメッチャさびしいのに……。
 そういうふうに見てしまうのも、あるいみ差別ちゃうかと思ってしまうねん。
 わかってくれる?このきもち……」

 「わかる。でもさあ、それって差別じゃないじゃん。むしろ尊敬?」

 「ん~…っていうか敬愛?」

 「そうだね、その言葉のほうがいいね」

 「…………」
 「…………」

 「あっ!そういえばきょうってさあ、バレンタイン・デイだよ。どうする?」

 「どうするってアンタ、オレらふたりでどないせえゆうねん?」

 「ほんとにねえ……」

 「…………」
 「…………」

 「じゃあ、ミツグちゃんと手ぇつないで帰ろっかな?」

 「どどどどどどどど、どして?」

 「グハハハハハ」
 「ウハハハハハ」

  Freddie McGregor "Tommorow Is Like Today

 アナタにも、
 忘れられないバレンタイン・デイはありますか?

 って、
 グハハハ笑わなしゃあないでホンマ……。

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 というわけで本日は、
 おカイコさんの繭糸や、
 アザラシの赤ちゃん毛や、
 メリーさんの羊毛や、
 そのほかアレヤコレヤの毛を混ぜ合わせて、
 「ほてった人肌のようにほのかなピンク地に、赤やオレンジの血管が透けているような……」
 毛玉を量産しておりました。



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 ここのところこればっか、
 ホワイティングのジンジャー系ハックルケープのうしろのほうのハックルをリバースにハックリングして、
 コック・デ・レオンのネック中央の両側からとれる極上テール材をシッポにした、
 私的「タップス・インディスペンサブル」

 マッチ・ザ・ハッチ系ではなく、
 大型サイズの「浮いてもいいし、そのまま沈んでもいい」
 アトラクター型釣り上り用として巻いた。

 自家製ダビングのソラックスのみならず、
 黄色のボディにもイタズラあり……。
 こうして見るとなんてことはないフツ~の細身な黄色バディですが、
 濡れると、
 たちまちキャラメル色っぽい黄色な感じになって、
 ヌルンッと透けますねんエッチスケッチワンタッチ。



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 それにしても、
 草木芽吹く春はいつ訪れますか?

 寒中の折くれぐれもご自愛ください。


 
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