BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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Erin-Go Brah
 roots man skanking madoo dub plate original
「人はパンのみに生きるにあらず」

 世知辛すぎる浮世の憂さをやり過ごすために、
 ときにヒトは、
 含蓄と示唆に富んだ深い名言に、
 心をうたれ、
 励まされ、
 慰められるものでございます。

 新企画 「わたしの魂を揺さぶった、至高の言葉たち」 第一回目

 ここでは、
 つつましくまっとうに暮らす、
 名もなき市井の人々が、
 日々の暮らしのなかで我知らずフトもらした「名言」を、
 じぶんが思い出すたびに不定期でご紹介させていただこうかと思います。

 記念すべき第一回目は「サキちゃんの癒しの名言」です。

 サキちゃんは、
 もうずっとながいこと仲良くしている釣り友だちの愛娘。
 当時は小学校4年生だったかと思います。
 もしかしたら、
 3年生だったかも。

 「サキちゃんさあ、学校行ったらぶっちゃけマジで自分のクラス牛耳ってるやろ?はむかうヤツおらんやろ?」
 と質問いたしますと、
 「うん、まあね~……」
 との由。

 そんな少女なのでございます。

 この歳にして、
 どことなく重厚感をかんじさせる貫禄。
 そのくせシャイ。
 感情細やかな、
 おしとやかな一面を随所にのぞかせてくれます。
 と、
 そのバランスがサイコーに絶妙で、
 めっっちゃエエ子です。

 サキちゃん家族みんなと私とで、
 夕ご飯に「焼き肉」を食べに行ったときのことでした。

 座席についてメニューを開きますと、
 なんだか「レバ刺し」気合い入ってるようなことが書いてあったので、

 「ぼく、レバ刺しも頼むわ~」
 と言いますと、
 「わたしも~!」

 隣に座っていたサキちゃんが、
 すかさず元気いっぱい手を挙げたのでオジチャンどびっくり。

 「マジでっ?サキちゃんて、レバ刺し好きなん?」


 「うんっ、大好き。ツゥルルンッ♪ってかんじでイケるよね」


 小学校3年生だか4年生だかの、
 あどけなさいっぱいの少女が、
 貫禄充分に、
 自信満々で、
 ほざきよったのでございます。



 ああヒトって……すばらしい。



 あれからもう何年も経っていますが、
 いまだに時折思い出しては、
 ひとり「ププッ」と吹きだしてしまうのでございます。

 レバ刺しは、
 サキちゃんとふたりで三皿食った。
 ツゥルルンッ♪ってかんじで。

 

 それはそうと、
 コレおぼえてる?
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 ジョン・ベッツの「メタリックス」フェザーズ。

 いろんな羽根に、
 金銀銅の粉をナニしてアレして貼りつけてある。

 ちょうど10年前、
 マニアな方々のあいだでちょっとだけ話題になりましたね。

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 メタリックスのコッパーをボディにハックリングして、
 アーガスフェザントのテールとセカンダリーとウイングカバーのクイルを、
 それぞれスプリットウイングにして片側三枚計六枚のウイングをとりつけてみた。
 名づけて「3Dディースタイル・コッパーアークロイド」げったーぼろ。

 っちゅうのはええけど、

 フリースタイルの「Dee fly」を巻こうとしたけど、
 宇宙の果てまでハズした大失敗作。

 「木を見て森を見ず」
 の典型的な例です。

 各パーツ随所の取り付け&処理は、
 自分で言うとナニですが非常に丁寧な仕事してますが、
 作業のあいだじゅう、
 そういうピンポイントにしか視線がいってないのが丸わかり。

 全体をまったく見てなかったので、
 出来あがるとこの体たらく。

 ダメダメじゃん。

 羽根にあやまれ。
 

 が、
 憎めないねん出来の悪い子。


 

 転んでもただでは起きまヘンのや。
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 1800年代半ば、
 ヴィクトリア・エイジ・フルドレスサーモンフライ幕開けの旗手、
 「エフェメラ」ことエドワード・フィッツギボンの代表作のひとつ「Erin-Go Brah」

 アーガスフェザントのクイルウイングがとても映える古典。
 また、
 フルドレスサーモンフライの古典にハマっている方にとっては、
 重要な通過点のひとつとして、
 避けて通れないフライでもある。

 なんでも、
 「Erin-Go Brah」というのは、
 「アイルランドよ永遠に……」という意味の唱和言葉なのだそうだ。
 
 つねづね響きのよい言葉だなあと、
 フライの名前もたいへん気に入っていたので、
 ソレを知ったときは感動した。

 と、
 そんな「Erin-Go Brah」の、
 コレはおもいっきりヴァリエイション全長16センチくらい。

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 もうなにがなんやらのマダラ曼荼羅。
 すべてアーガスフェザントの各部位のクイル。

 フライに巻き止めたウイングの下から順に、
 センターテール、
 サイドテール、
 テールカバー、
 セカンダリー、
 の各スプリットウイング4段重ねにしたった。

 で、
 その等間隔にかさなった細いウイングのあいだから、
 トッピングが流れ落ちるようなかんじで覗いている。


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 つかった素材はオリジナル・レシピに従ったが、
 赤いスロートハックルのしたに、
 ピーコックハールの未成熟羽根をハックリングした。



 などと、
 アレコレ入魂しまくりなわけですが、
 このフライの各パーツでもっとも私的に重要なのが……、
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 ボディハックル。

 オリジナル・ヒーバートの「ナチュラル・ブラック」のネックハックルをつかった。

 このハックルをつかって、
 なにか記念碑的なフライを巻きたいと思って、
 コレを巻いた。

 まるで「墨の色」のようなナチュラルブラックのハックル。
 
 このハックルは、
 もはや17年前にテッド・ヒーバートさんから直接いただいたもの。

 それからのち、
 いろ~~んなナチュラルブラックを実際に見てバンバカつかった。

 そして今になって、
 ようやくわかったこのハックルの貴重さ。
 なんていうか、
 いろいろあるんだけど、
 なによりもこのサイズのハックルをこのように巻いて、
 ちゃんとビシッとシャープに黒を主張するナチュラルのネックハックルは、
 古今ぼくはコレしかもってない。

 テッドさんはあのとき、
 ものすごい奮発してくださったのだなあ。
 これも今になってわかった。

 ありがたくてセンチメンタル。

 
 「メタリックス」やないけど、
 10年ひとめぐり。

 あれから10年やなんて、
 光陰矢のごとし……どころやない気分です。

 言葉は悪いですが、
 塵芥が積もるがごとく積もり積もったマテリアル。
 まだ使ってないモノもたくさんある。
 そのすべてにハサミを入れたいし、
 いろいろカタチに残したい……なんだかこのごろ急に焦るような気持ちです。

 モノ思うことの多い年ごろなのね。


 
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