BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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B's Fly Works Presents 「北海ダブ」シリーズ第1弾!
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 この毛皮、
 なんだかわかりますか?

 これはSEA LIONこと「トド」のスキン。

 レア素材とかどうとかいうよりも、
 タイイング素材として、
 このようなカタチで紹介されるのは、
 世界的にみてもかぎりなく本邦初登場だと思われます。

 そしてもちろん、
 現在ではトドは保護すべき対象として、
 毛皮の類が現行品として流通することはありえない存在。

 これは、
 まだ規制がなかった何十年もまえに、
 毛皮をつかった加工品の原料としてスキンの状態になめされたものだそうです。
 で、
 それがなぜか加工されることもなく、
 トド一頭丸ごとコンプリート・スキンのまま、
 低温低湿度を保った倉庫のなかで、
 陽の光を一切浴びることもなく、
 ミラクルな保存状態で保管されていたもの。

 そしてそれが、
 良き方々とのご縁のおかげで、
 めぐりめぐってぼくのところにやって来てくれたというわけです。

 なんといっても、
 世界中のレアな鳥獣群のなかでも、
 「いつか出会えるかもしれない」クラスではなく、
 まさか入手出来るとは思ってもいなかった素材。

 ぶっちゃけ、
 ヒンヤリと薄暗い倉庫のなかで、
 この毛皮と出会ったときは、
 バックバクに高鳴る胸の鼓動と動悸を鎮めるのに、
 ハアハアものすごく苦労した。

 「これ、フライの素材になるの?」
 もちろん、
 そのように聞かれた。
 「いや、なんちゅうても生まれてはじめて触ったから、まだぜんぜんわかりません」
 「えっ?わかんないの?」
 「でもいいの、タイイングに使えようと使えまいと、そんなこともうどうでもいいから、コレめっちゃ欲しい」

 と、
 そんなトドの毛皮、
 ちょっとビビりながら仔細観察して、
 ただならぬオーラがビンビンで……あらためて感動。

 この北海の帝王の堂々たる獣毛に、
 最大限の敬意を表したい気持ち。

 まずは、
 アンダーファーをボディにダビングして、
 最初に巻いてみたのがコチラ、
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 キャッツキル・クラシックの代表格「ケイヒル」シリーズ私家版。
 ハックルにはトドのアンダーファーの色調に合わせて、
 ちょっと濃いかんじのホワイティング・ヒーバート「ハニーダン」ヘンをハックリング。

 ん~~~艶っぽい……。
 美熟鱒の口元にピッタリ?
 ちょっぴりエロかもし出すエレガントっぷり、

 かつて、
 キャッツキル・ドライフライ全盛期、
 かのプレストン・ジェニングスやアート・フリックは、
 キャッツキル・ドライフライのモデルとなっている、
 ヒラタカゲロウやマダラカゲロウの仲間のボディの質感を表現する素材として、
 レッド・フォックスの下腹部のファーを推奨していた。
 なかでも、
 キツネがオシッコをするたびに、
 それがファーにかかって酸性変化して、
 淡い赤褐色に変色しているチンコ周辺のファーこそが極上のブツ、
 だったらしい。

 飴色?
 アズキ色?
 あるいは褐色の人肌色?、

 トドのアンダーファーの、
 他に比較対象がない、
 独特な色調を見て、
 まずはこの「ションベンたれの赤キツネ」逸話を思い出して…ほくそ笑んだ。

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 そんな、
 トドのアンダーファーの質感は、
 たとえばヌートリアやオッターなどの水辺の動物に共通する印象がある。
 非常に細かな繊維状のファーが、
 濃厚な密度でビッシリ生えている。

 なので、
 通常の方法でドライフライ用にダビングすると、
 化学繊維系のようにキッチリビシッと固くダビングされるのではなく、
 ものすごく細かいファーが微妙に毛羽立って、
 細身の繊細なボディでも、
 どこかフワッとした印象になる。

 こうしたクラシックなドライフライに雰囲気満点グッときちゃう。

 と、
 このように、
 繊細系ドライフライのダビング材として、
 異彩を放つトドのアンダーファーではございますが……、
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 この、
 毛皮全面をビッシリ覆い尽くしている、
 白黒ソルト&ペッパーな模様のガードヘアー。

 艶っぽくしっとりソフトな質感で、
 あるいみ女性的なイメージのアンダーファーに対して、

 ガードヘアーの剛毛加減はたいへん男らしい。
 極太でコシをかんじるガードヘアー。
 それはまるでバンカラ番長の学ラン?を思わせる「漢の毛」

 この毛をぜひとも活用しつくしたい、
 と思わせるカッコ良さだ。

 そこでまずは……、
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 この獣毛の特性や性質、
 あるいは使い勝手、
 さらにはぶっちゃけ釣れ具合、

 などなどなどなどを、
 手っ取り早く把握するために、
 このようなディアヘア・カディスを巻いて、
 手持ちのフロータントをアレコレ使い分けて、
 擦り込んだり振りかけたりしながら、

 水面高く浮かせたり、
 水面に絡ませたり、
 半沈姿勢で浮かせたりして、
 酷使してみた。

 このシンプルな作りのディアヘア・カディスは、
 トドの毛をアンダーファーとガードヘアーもろとも、
 ループダビングを用いてファー・ハックリングしながらボディを巻いているのがミソ。

 こうして写真で見ると、
 ボディにパーマ・ハックルを巻いたように見えるけれど、
 ボディ・ハックルはぜんぶトドのガードヘアー。

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 と、
 このような、
 ボディ素材こそがフライの性能を決定づける働きをするフライで、
 トドの毛をつかってみて、

 そのポテンシャルの高さ面白さを、
 得々と語りまくりたい気持ちが逸りますが、
 なんといっても、
 自分自身が使いはじめたばかり。

 そして!
 このようなことをやっておりますと、
 必然的に脳裏にウジャウジャ湧いてくる妄想アイディアの数々……。
 もはや現時点では、
 ここにご紹介したのは、
 「トドの毛ワールド」のほんの入り口。

 で、
 いましばらく、
 このイジクリがいのある素材をこねくり回したのち、
 また再度、
 さまざまなトドの毛フライやオモシロ活用方法とともに、
 皆さまにご紹介&ご案内したいとかんがえております。

 今回はプロローグ、
 まずはカル~クご紹介ってことで……。

  
 というわけで、
 これからまたしばらく、
 でかけてまいります。

 またちょいの間、
 メール交信が途絶えますが、
 いつものように帰宅後すぐに返信いたしますので、
 モロモロご注文メールなどご心配なくお気軽に送信してください。

 どうぞよろしくお願いいたします。 
  
 
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