BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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English March Brown Dryfly
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 夏の思い出。

 この竹竿の「竿おろし」初日の記念すべき初イッピキめがこの野武士。
 まことに縁起よろし。

 それにしても、

 竹肌の濃厚な茶色と、
 タモ網の柄につかわれた花梨の赤茶、
 そして、
 ニジマスの体側から滲み出ているような一筋の橙色。

 この色合いの調和、
 これはもう、
 「三紅一体」とでも申しましょうか……、

 ああんもうゴージャス大満足胸いっぱい

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 ツーショットも見せびらかしたい勢いです。

 体長は50センチとちょいで胴周り29センチ!の絵に描いたような「どすこいドラゴン」
 
 しかし、
 全身これ筋肉の塊。
 そして猛々しくシャクレなワルの面構え。
 それでいながら豊饒の大自然に磨き抜かれた無垢の透明感。
 
 理想ですタイプですドストライク好みですスキスキダイスキ。

 公私とわず「サカナはなんでもデブ専!」と常日ごろ公言してはばからないワタシの、
 ポチャ魚体フェチ心とろけさせるイッピキでございました。

 アブラビレなんかもうブルンブルンやでムラムラやでホンマ。

 しかしぼくは変態じゃない。

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 つかっているうちに、
 マシュマロ・エクステンション・ボディの繊維がチョロッと千切れちじれてボディからはみだして、
 サーフェイス・フィルムを歪めながら水面にペチャッと貼りついてる。
 コレとてもいいな~とおもってます。

 本物のコガネムシとかがさあ、
 ブーンと飛んで着地したときって、
 甲羅状の上翅を閉じても、
 半透明な下翅が、
 しばらくオケツのところからチョロッとはみ出てるじゃん。

 あのイメージで……。

 とまあ、
 そんなこんなで熱かった夏も終わり……、

 つい先日、
 この竹竿をつくってくださった、
 大阪出身で現在は十勝地方在住、
 ぼくにとっては「関西生まれ北海道移住的ライフスタイル」の大先輩でもあらせられる橋本さんと、
 夜中までベッチャベチャくっちゃべっていたとき、
 「関西文化育ち視点から見た北海道のあれこれ…」に話題集中。
 お互いそんなんしゃべって伝わるのはアンタしかおらんゆうかんじで盛りあがり……、

 「いや~、ぼくねえ、関西はなれて久しいけど、やっぱウドン文化で育ったウドンの子やったんですよ。
 ウドン好きゆうことに誇りとプライドもってます~ゆうか、
 散歩のついでにコーヒー飲んでく?それともウドン?みたいな……。
 そやけどねえ、
 北海道に来て、これで5年になるんですけど、なにが自分にとって衝撃的やったかゆうたら、
 これほどまでに、
 これほどまでに、
 自分が蕎麦大好きになるやなんて……。
 これってねえ、
 自分にとってはまさに屈服させられた感さえある革命的出来事やったんですわ」

 とまあ、
 力説しておりますと、
 橋本さんの目がキラリとするどく光り、
 口元にやり、

 「いや~、ぼくもねえ、ほんままったくすっかりおんなじで……
 今じゃあ生意気に蕎麦にウルサイことゆうたりするんですわ」

 爆笑。

 「やっぱそうなるっしょ」

 「なるしかないでしょ~」

 ドハハハハーー北海道の蕎麦さいこう!

 そしていま、
 「新そば」の季節まっさかり。

 シロートのくせに調子こいてナマ言いますが、
 「新そば」って、
 北海道の夏の鮮烈な空気感がギューッと凝縮されているような気がする。

 ゆく夏を惜しみつつ、
 「新そば」たぐる北の初秋……たいへんにオツなことでございます。


 と、
 そんなわけで、
 今夜のフライは……、
 
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 マーチ・ブラウンのスタンダード・ドライフライ。

 といっても、
 ウッドダックやマラードのフランク・フェザーをウイングに立てた、
 いつもの見慣れたキャッツキル・クラシックではなく、
 英国産の古典「イングリッシュ・マーチブラウン」 

 フライ中毒30年以上の皆さまなら、
 かつて駆け出しのころ、
 タイイングデスクの手元に欠かせなかった、
 というか、
 この本くらいしか資料がなかった、
 かのジョン・ヴィ二ヤード監修によるパターンブック「500フライ・ドレッシング」
 あのイラスト本のいちばん最初に紹介されていたドライフライです。
 
 なんてことはない、
 シンプルなハックル・ドライフライなんだけど、
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 当時は巻き方が皆目わからんかった。
 悩みに悩んで巻くのはあきらめたフライ。

 ボディには毛羽立たせたヘアーズイヤーのファーをダビングして、
 そこに黄色のシルクまたは金糸でリビングしている。

 ファーネスやダン色のハックルのフロント側には、
 ハックルと同じ長さのパートリッジのバックフェザーが、
 12番くらいのドライフライ・フックに、
 パラパラ~ッとハックリングしてある。

 しかも、
 そのような体裁でありながら、
 ヘッド部分は極小。

 さらにパートリッジのファイバーは、
 いかにもなかんじでオチョコ状に前方を向いている。

 繰り返すけど、
 そんなパートリッジ・ハックルのファイバーの長さと、
 ドライフライ用フックサイズ12番くらいのハックルの長さが同じって……、

 え?、
 それってどういうこと?????
 どうやったらこうなるの???????……みたいな。

 当時はなにか、
 習熟した熟練にしか不可能な超絶技巧……を駆使したフライのような風格だった。

 
 のだが、
 知らず知らずのうちに、
 いまなら巻くのも鼻歌まじり……。

 月日は流れました。

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 そして、
 こうした「古き良き職人芸的フライ」たちは逆に悲しくも、
 そんな月日の流れに埋もれるばかりの昨今ですが……、

 そうは問屋がおろしませんよ、と。

 あれやこれやのフォーゴットン・フライズいろいろ引っぱりだしてきて、
 またシーン再登場大活躍していただきたいものです。

 古典はいつも新鮮。

 それにしても、
 このイングリッシュ・マーチブラウン・ドライフライ。
 元はウエットフライから派生したものなんだけど、
 こうしたフライが最前線だった当時、
 英国のフライフイッシャーにとって、
 「野兎の毛の胴体とウズラの斑羽根ハックルの組み合わせ」
 というのは、
 ほとんど「黄金の組み合わせ」
 ウエットフライのみならず、
 小さなソフトハックルからサーモンフライまで、
 ありとあらゆる分野で主力選手。
 もはや信仰にちかいような確信で愛されていたようだ。

 そうでなければ、
 ちいさなドライフライ・フックに、
 こんなカタチに巻こうとは思わないはず。

 当時のタイイング道具やつかわれていたフックや素材をおもえば、
 それは執念のワザでもあり……、

 ドライフライで釣りと~てたまらん釣り人のをかもしだしているかのようにもおもえる、
 オシャレ・ドライフライの古典です。

  
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