BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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Gled Wing Deefly 4inch Mugnum Size !!
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 これはきわめて個人的な感慨なんだけど、
 いまからおよそ150年ちかくまえ、
 英国アバディーンシャー地方ディー川の畔でうまれたディーウイング・スタイル・サーモンフライは、
 神秘のベールに包まれたその出生や生い立ちを知れば知るほどに、
 ニッポンの「テンカラ毛ばり」のソレとイメージがダブる。

 黙して語らず、
 粗野にして清貧、
 つきつめられそぎ落とされ削り取られるところから生まれる「機能美」

 タータンチェック柄の野武士魂ってわけですよ。
 わっかるかなあ?

 で、
 それと比較すれば、
 かのケルソンやタナットらの絢爛豪華フルドレス・サーモンフライなんかは、
 その精神や意義、
 あるいはそのステイタス、
 さらには過度の華美を競っためくるめく人間模様まで、
 なにもかもが「加賀百万石」時代の「アユ釣り毛鉤」に流れていた底流とダブるわけですが、
 「お武家さま、本日はどの毛バリをおつかいあそばされますか?」
 ちゅう具合なわけですが、
 そんなゴージャス貴族日記はまたの機会にくっちゃべるということで、

 今回は「武士はくわねど高楊枝」フライでいきます。

 ディーウイング・スタイルの長い歴史の第一歩となった最初期モデルとなる「グレッド・ウイング」
 
 写真下のちっこいほうが、
 現在のグレッド・ウイングのレシピとフォルムに忠実に巻いたもの。

 もともと、
 グレッド・ウイングというのは、
 「スワロー・テイルド・レッドカイト」と呼ばれている鷹の羽根の呼び名でもあった。
 のだが、
 現在というよりも、
 1800年代後半~1900年代初期のケルソン時代には、
 もはやその羽根を入手することはままならず、
 で、
 その代用として、
 濃いタン色や淡い赤茶のターキー・クイルに白羽の矢が立てられ、
 それが現在にも伝えられているわけですが……、

 そしてディーウイングの特徴でもある長いフィラメント・ハックルは、
 かの時代から「ブラック・ヘロン」の背中の羽根サイコーとされており……、

 さらに、
 ティールやウィッジョンの白黒チェックなフランクフェザーをつかったスロートハックルや、
 各色のモヘアやシールズファーを並べたボディ、
 そしてそのうえに各種ティンセルをクロスさせたリビングの風情は、
 「こうした色調とフォルムが効く」
 というよりも、
 ふと気がついてみれば、
 これらの色柄は、
 そのまんま英国人独特の色柄センスとなるタータンチェック柄をこそ表現している、
 としかおもえない。

 あくまでも推測と想像ですが……当たらずとも遠からず?

 さらに、
 ほとんど水平に取り付けられたV字型ウイングとあいまって、
 着水と同時に速やかな沈下を促進するためにも、
 また美観の点からも、
 ヘッドはかぎりなく小さく、
 むしろヘッドを感じさせないヘッドこそが、
 尊ばれていたらしい。

 という、
 ディーウイングならではの基本フォルム&色調をふまえたうえで、
 写真上の私家版グレッド・ウイング見てください。

 どでかいべ?

 ちなみに、
 写真下のオリジナル版グレッド・ウイングにつかったフックは、
 パートリッジのロングシャンク型バートリートの3/0サイズ。

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 テール末端からガットアイ先端までのサイズがちょうど10センチ!

 規格外のマグナム・サイズです。
 だからなんなのよ?
 と言われればそれまでではございますが……、

 オレは、
 オレは、
 アバディーンシャー生まれの暴れん坊将軍
 が巻きたかったんじゃ。

 これが言いたいがために、
 このフライを巻いたようなもんです。

 ぼくなりの、
 かの地のかの時代への最大限のオマージュというわけ。

 で、
 それはいいとして、
 このサイズを巻くために、
 まず難儀して思案したのがボディハックル。

 このサイズだと、
 ボディ・ハックルにヒョロ長いヘロン・ハックルをつかっても、
 存在感も躍動感もな~んもない。

 あれかこれかととっかえひっかえして、
 ピコーンときたのは、
 ブルーイヤー・フェザントの通常使われているボディハックル部分ではなく、
 テールフェザーの黒光りしているところを細工して丸ごとハックリング。

 あの扇子かウチワみたいな尾羽根のストークを、
 カミソリで削ってナニしてハックリング。

 結果、
 10センチのボディを包み込むような、
 存在感ビンビンのボディ・ハックル完成。

 大満足

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 ほんの心もちバーチカル気味に、
 ボディ上半分を覆うように巻き止めたウイングには、
 ブラック・クラウンド・クレイン(←ここクリックでwikipedia にリンク)
 和名「カンムリツル」のセカンダリークイルをつかってみました。

 10センチちかいクイル・ウイングが採れることにも感動するけれど、
 その色合いがまた絶妙に最高にすっばらしい。
 もうなんともいえず艶っぽいミルクチョコレート色。

 グレッド・ウイング・バレンタイン・スタイルというわけです。

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 というシェンロン・サイズでありながら、
 ヘッドのおおきさは、

 たとえれば、
 ハードシェル・アント18番のオケツくらいの極小オチョコ・ヘッド。

 じつは今年の春ごろだったかに、
 このフライの写真を、
 かねてよりつねづね敬愛して尊敬している、
 アバディーンシャー在住のとあるサーモンフライ・タイヤーさんに批評していただく機会があった。

 マテリアル選択はもちろん、
 テールの位置と向きから、
 ボディの造作に至るまで、
 厳しくも愛情いっぱいのご批評をいただいて感激。
 
 さらにまた、
 ぼくが古式ゆかしい正統派手法ではなく、
 最先端スレッドの旨味を最大限に利用しかつ駆使して、
 自分なりの方法でクラシックを巻いていること、
 モダン・クラシックこそ自分が目指していることを、
 言葉ではなくフライを見て充分にご理解くださったうえで、

 そのありがたいご批評メールの追記として、
 「ところでキミ、このフライのヘッドを巻くのを忘れているぞ、ハハハハハハ」
 としたためてくださっていた。

 「よっしゃ!」
 おもわず声に出して、
 ちいさくガッツポーズ。

 本年の、
 ひっじょ~に数少ない良い思い出でございましたワハハハハハハハハ。
 
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