BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
201704<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201706
FLY LIFE MAGAZINE
 まずは個人的な私信を……。

 140610(1)1.jpg

 Hi Mr,Vince,
 Give Thanks for cool mix CD&some old hooks.




 そ・し・て・
 Special Thanks to Mr,Rob Sloane & Mr,Rick Wallace !

140610(2)2.jpg
 ちょっぴり、
 いや、
 かなりウレシハズカシのお知らせです。

 オーストラリアとニュージーランドを拠点にするフライフイッシング雑誌の老舗でもあり、
 フライフイッシング専門誌としては、
 世界的に見ても誰もが認める名門中の名門「フライライフ」の最新号に、
 イヤンバカバカ……、
 ワタクシの活動についてのインタビュー記事が掲載されております。

 し・か・も・
 雑誌の表紙写真もワイの巻いたフライ。
 クハッ!
 これを光栄と言わずしてなんといおう。

 完治さ~ん、
 山口く~ん、
 ひさし~、
 NZ在住の皆さまにおかれましては、
 速やかに最寄りの書店にて、
 よろしくおねがいいたします。

 というのはさておき、
 この企画を打診された際には、
 ものすごく気楽にかまえておりましたが、
 おくられてきた事前質問をみれば、
 我がニッポン日の丸フライフイッシャーズを代表してお答えしなければならないような質問もあり~ので、
 それが天下のフライライフ誌に掲載されるて……、
 責任重大ヤンケ。
 ちょっと本腰入れてマジ・モードで取り組ませていただきました。

 そしてなによりも、
 日本のフライフイッシング事情をおどろくほどに理解してくれていて、
 かつグローバルな視点をもち、
 フライフイッシングを文化として捉えることのできる記者の方の、
 「熱さ」に呼応するカタチで、
 アレコレのお話をさせていただいたことが、
 自分自身にとっても素晴らしく得難い体験となりました。

 140610(3)3.jpg
 さて、
 そんなわけで、
 以下にコピペしたのは、
 インタビューのまえにあらかじめ頂いた、
 いくつかの事前質問をメモにまとめておいたものです。

 もちろん、
 これ以外にもイロイロしゃべりまくりましたし、
 また逆にライターさんの采配で記事中では割愛している部分もありますが、
 大筋として、
 このようなお話をいたしました。

 Hope you enjoy it.
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 (1)フライタイイング歴は何年になりますか?
 また、フライフィッシングを初めておこなったのは、そしてタイイングを初めておこなったのは、それぞれいつ頃ですか?

 (答え)わたしは現在49歳ですが、うまれてはじめてフライらしきものを巻いたのは、たしか12歳で小学校6年生のころです。なので、そこから数えればフライタイイング歴は37年になります。当時はフックのアイをペンチで挟んで、それを片手でにぎりながらフライを巻いていました。日本の伝統的なフライの「テンカラ毛鉤」が生まれてはじめて巻いたフライです。
 そして、バイスを購入したのは中学2年生のころです。なので、そこから数えればタイイング歴35年ということになります。バイスにフックを挟んでフライを巻くとき、両手が使えるということに、衝撃的なショックを受けました。ちなみに、そのころもっともよく巻いたのはウーリーバガー。マドラーミノーを生まれてはじめて巻いたときは、自分が手品師になったかのような気分でたいへん感激しました。
フライタックルらしきものを揃えたのもこの頃です。もっぱら野池でブルーギルやブラックバスを釣っていました。マラブーが水中で生き物のように揺らめく様子をはじめて見たときの感動も忘れられません。

 (2)ご自身がデザインなさったフライはどのようなものがありますか?

 (答え)自分自身のフライには、仲間内だけで通用するような愛称をつけたりすることはありますが、公の場ではとくに固有の名前をつけたりしていません。なぜかというと、釣りに行くたびごとに、つかうマテリアルやフライのバランスなどが刻々と変化していくからです。
フライ自体のフォルムまで変わることも度々なので、めんどくさくなって名前などはつけないようになりました。
 偉そうなことを言って僭越ですが、より良いフライのための進化を日々求めている姿勢としてご理解ください。

 (3)日本製のフライは大変よくできているという印象をもっております。ご自身が感じる日本のフライの強み、良さとは何でしょうか。

 (答え)そのような印象をもっていただいて、嬉しいです。趣味に対して凝り性な国民性ではないでしょうか。熱心な人は皆それぞれに「こだわり」と「スタイル」をもって追究したフライやタイイング方法を考案するのが好きです。そしてそれを情報発信または交換してひろくシェアするのも好きです。なので、全体的にレベルがあがっていくのではないでしょうか。
 また、日本は熱意があり、そして「まっとうなご商売をされている」マテリアル輸入業者や素材開発メーカーがあるので、世界的に見ても良質なマテリアルが市場にたくさん流通している、という事情もあります。

 (4)日本のフライタイイングがどのように進化・発展を遂げてきたのかを知りたいのですが、欧米の影響を受けずに発展したと思われますか、または何らかの形で欧米の技術を取り入れて発展したと思われますか。

 (答え)もちろん多大な影響を受けました。というよりも、1970年代に黎明期をむかえた日本のフライフイッシングは、欧米の「模倣」をすることで発展してきたと思います。ドライフライでいえば、当時はアメリカ西部のジャック・デニスやダン・ベイリーらのウエスタン・パターンを模倣していました。なぜなら、それらのハックルを厚く巻いたパターンは流れの速い日本の渓流で高い浮力があって良く浮き、かつ良く見えて使い勝手が良かったからです。
 また、もうひとつの流れとして、たとえば英国のクラシック・パターンであるランズ・パティキュラやホートンルビーのような、本来はチョークストリームのゆるやかな流れでつかわれていた小型の繊細なドライフライをアレンジして、ハックルを厚く巻いて日本の渓流に対応するという、あるいみ日本ならではのスタイルもありました。そしてそうしたスタイルは、現在でも根強く愛好している方々がたくさんおられます。

 (5)日本のフライタイヤー達の多くがCDCを使っていますが、それはどうしてなのでしょうか?

 (答え)するどい質問です。CDCは、日本が独自のフライフイッシング文化を発展させていく非常に大きなキッカケになった素材のひとつです。日本にはじめてCDCが紹介されたのは1980年代の後半です。人為的プレッシャーによって賢くなり過ぎたマスが多い日本の川では、ちいさなサイズの繊細なフライが必要な釣り場がたくさんあります。そんな場所で効果を発揮するCDCは、日本では紹介されたと同時にまたたくまに広まりました。それと同時に、とくにマッチ・ザ・ハッチの分野で日本独自のCDCパターンがたくさん生まれました。逆に言えば、日本のマッチ・ザ・ハッチの釣りは、CDCとともに発展してきた、といってもよいかとおもいます。

 (6)日本の(フライタイイング)パターンは、海外の釣り場でも有効に活用できると思われますか?(例:ニュージーランド、ヘンリーズフォーク等)

 (答え)もちろん世界中どこでも、どんな釣り場でも、どんなサカナでも有効だとおもいます。

 (7)フライにおいてどのようなトリガーが重要だと思われますか?

 (答え)これまでの自身の経験をふまえたうえで、個人的な見解を簡潔に述べます。フライや釣り方、そして対象魚を問わず、さまざまな場面でもっとも重要だと思うことが多いのはフライの「サイズ」です。そのつぎがフライの「フォルム」そしてナチュラル・ドリフトも含めたフライの「うごき」ではないかと思います。
 こんな仕事をしているくせに、こういうことを言うのは問題があるかもしれませんが、フライの「色」については、先の三つの重要事項のずっとあとにランクされるとおもっています。

 (8)例えばBob Wyatt氏のように、「2、3種の少数の基本パターンでほとんどのシチュエーションに適応させられる」と主張するフライタイヤーがいますが、これについてどう思われますか?

 (答え)まったく同感です。2~3種類といわず、たとえばマス釣りならヘアーズ・イヤー・ニンフ一本あれば、たいていどこでも釣れると思います。
 しかし、わたしはいろんなフライを巻いてつかうところにこそ、フライフイッシングの楽しみを求めています。またさらに、より良いフライを目指して、さまざまな工夫を凝らしながら試行錯誤を繰り返して釣りをするクリエイティヴなアプローチにこそ、フライフイッシングの醍醐味を感じています。それらの楽しみは、わたしにとっては釣果よりもずっと重要です。

 (9).ご自身が巻かれるフライについて、あくまでも装飾/鑑賞用(実際に使うことを目的としない)として作ることはありますか?

 (答え)もちろんあります。というよりも、鑑賞のためのフルドレス・サーモンフライのタイイングは、フライフイッシングとはべつに、それだけでひとつの独立したライフワークになっています。現在はフライフイッシングとおなじくらい情熱を注いでいます。
 もっといえば、フルドレス・サーモンフライのタイイングをはじめてから、わたしにとってこの分野は、実際の釣りとはまったく切り離してアプローチする、ある種の「開き直り」をしてから以降、より面白く、よりチャレンジしがいのある深い世界が開けたようにおもいます。
 それは、便宜上フルドレス・サーモンフライと呼んではおりますが、もはや自分の意識のなかでは、そうしたジャンルをも越えて「とびっきりカッコイイ釣り針のうえに、この世の奇跡としかおもえない美しい羽根を、いかにして自分のイメージどおりに縛りつけるか……」という、ひとつの世界として捉えています。
 ちょっとこぼれ話をします。観賞のためのフライとして、「ウルトラ・リアリステック・フライ」の分野がありますね。たとえばストーンフライやカマキリ、果てはサソリなどなどの特徴的な生物を「本物そっくり」を目指してタイイングする世界が、欧米などでは確立したジャンルとしてあります。さまざまな化学素材と各種の接着剤、あるいはエアブラシまでも駆使して、昆虫の関節ひとつづつから、途方もない時間をかけて製作していくようなタイイング。もちろんワタシもチャレンジしたのですが、正直に言ってこの分野にたいしてワタシは挫折感を感じています。その理由は、化学素材をつかって長時間にわたって細かい作業をしておりますと、だんだん飽きてくるのです。気持ちが萎えてきてしまう。
 ところが、天然の鳥の羽根をつかって、緻密な作業を延々くりかえしながら、あきれるほどの時間をかけても、すこしも飽きることがない。逆に、羽根を釣り針に縛りつけるプロセスのなかで、じぶんの手によって鳥の羽根が刻々と変化していく、その過程のひとつひとつに、いちいち見惚れるばかりです。極端なことを言えば、完成してしまうのが惜しい…もっと羽根と戯れていたい…という感情さえ芽生えます。
 つまり、ワタシにとってのフルドレス・サーモンフライのタイイングとは、さまざまな鳥の羽根の美しさを愛でる、という行為と同義である、ということになります。

 (10)フライタイヤーとして生計を立てていらっしゃると理解してよろしいですか。

 (答え)フライタイヤーだけではとても生計はたてられませんが、フライ雑誌の記事の執筆や、タイイング講習会でのデモンストレーション、そしてマテリアルの通信販売など、フライタイイングに関すること全般の仕事をして、どうにかこうにか生計を立てています。
 が、正直に言って、自分でもどうしてこれで生活していけているのか不思議で不思議でなりません。
 ひとえに、じぶんを支えてくださる多くの方々のおかげです。ここのところ、記事のなかでいちばん強調してくださいね。

 (11)ご自身が好んで作るパターンを教えてください。

 (答え)とくにありません。でかける釣り場や狙うサカナによって、ミッジからソルトウォーター・ストリーマーまで、なんでも好きです。
 自分のことをものすごく偉そうに、またカッコよく言えば、エッグ・フライからジョックスコットまで、あるいはクイルゴードンからラバーレッグ・アントまで、ありとあらゆるフライに対してまったく偏見がなく、かつ興味の対象である、というところが、わたしの仕事のうえで強味になっているとおもいます。

 (12)日本のフライタイイングの手法やマテリアルが欧米に更に公開されていったらいいと思われますか。

 (答え)もちろんそう思います。というよりも、そうなっているのではないでしょうか。

 (13)ご自身の他に、尊敬するフライタイヤーはどなたかいらっしゃいますか。日本人および日本人以外で名前を挙げていただければ幸いです。

 (答え)島崎憲司郎さんです。TMCフックやドライシェイクなどなどの開発者として、世界中でよく知られておられることとおもいます。唯一無二の発想やアイディアを発信してくださる生粋の本物のクリエイターです。
 フライやタイイングについてはもちろんですが、それ以上に物事の見方、そしてアプローチの考え方、さらにそれに対する姿勢、といった普遍のところで、ものすごい感銘を受け、また影響を受けました。
 わたしがまだ20代になったばかりの学生時代に、島崎さんから教えていただいた言葉を引用します。
 「じぶんのアイレを大切に」
 アイレというのは、フラメンコの世界で「空気」の意味なのだそうです。フラメンコの世界では、どんなに上手に楽器が弾けても、どんなに美しく踊ることができても、そこにその人ならではの「空気」が感じられなければ評価の対象にはならないのだ、と教わりました。これはいまでも、ワタシの座右の銘のひとつです。
 また、国外ではアメリカ・ロードアイランド州のケニー・エイブラムスです。「ストライパー・ムーン」というアメリカ東海岸のストライプド・バス釣りの名著の著者です。数年前、ロードアイランドにて、ケニーとともに数日間を過ごさせていただいた経験は、自分が生きていくうえで「自分がおもうように生きてもいいのだ。このまま突っ走っていってもよいのだ」と、いろいろな迷いを捨てさせてくれるキッカケになりました。光り輝く思い出のひとつです。ろくに言葉も通じない方と「自分らしく生きていく」というところで、心の底から共感し、共鳴できた感動は言葉ではつくせません。
 ケニーから教えてもらった言葉も引用します。
 「あなたの心の釣り針を、いつも研ぎ澄ませておきなさい」

 (14)記者は北海道が大変気に入り数回にわたりフライフィッシングにでかけています。もっと多くの欧米のフライフィッシャーが北海道に来たほうがよいと思いますか?

 (答え)もちろんです。フライフイッシングを愉しむために、海外からたくさんの人々が北海道に来てくれることを望んでいます。
 ただ、自分自身では混雑している釣り場は好きではありませんし、すごく苦手です。釣れなくてもよいので、ひとの少ない静かな場所でのびのび釣りがしたいです。
 ではなぜ、そんなキレイ事を言うのかといえば、それには打算的な思いがあります。おこがましいのは充分承知のうえで個人的な意見を述べます。
 ご存じのように、北海道の釣り場と対象魚は、潜在的に世界でも稀有なほどに豊かで、変化に富んでおり、すばらしい環境です。が、それを管理保全運営すべき行政のシステムは、世界に苦笑されてしまうほどに前時代的で、時代にまったくそぐわない規制にがんじがらめに縛られているだけでなく、やりたい放題の環境破壊もまた深刻です。
 そうしたなかで、世界各国からフライフイッシャーマンたちがこの地にやって来て、注目され、そしてそれが地域の活性化につながって、立派なビジネスになると、お役所の方々が気づいてくれれば、なにかが、良い方向に変わっていくのではないか?とくにより良い釣り場環境というところに、明るい未来が生まれるのではないか?と、淡い期待を寄せているからです。
 ワタシが会った海外のフライフイッシャーたちが異口同音に口にすることがあります。
 「サクラマスって素晴らしいマスだね!ぜひ釣ってみたい!」
 そんな彼らの夢に応えられるのは、資源量から見ても、あるいは釣り場までの容易かつ安全なアクセスといった面から見ても、世界中でここ北海道しかあり得ないのではないかとおもうのですが……現状はご存じのように「宝の持ち腐れ」とても歯がゆく、またさびしいかぎりです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 とまあ、
 こんなかんじでクッソえらそうにクッちゃべりました。

 自分がこのフライライフ誌をはじめて知ったのは、
 10数年前の初ニュージーランド釣行のとき。

 こんなオシャレで、
 こんなに熱くて濃いフライフイッシングの雑誌があったんや、
 世界はつくづく広いな~とおもった。
 ほんとに良い雑誌。
 ヒトの血が通ってるもの。

 そのようにおもって敬愛している雑誌にとりあげていただいたこと、
 タイヤー生活20周年のまたとない素晴らしい記念になりました。

 なんとありがたいことでしょう。
 身に余る光栄です。

 ちなみに、
 表紙に取りあげていただいたフライは、
 高知県のコチラのお店に飾ってもろてます→旬採や「あんぐら」
 
 140610(4)4.jpg

 PEACE
copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.