BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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斑点ブルース
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 前々回の記事「金玉ラムズウール」の話題の際に、
 金玉と自家製スパイス・ダブをブレンドした特製ダビング材、
 名づけて「濡れると風呂上がりの柔肌がほんのり火照ったヒト肌ピンク」色をダビングしたボディの作例として、
 さいごに取り上げたフツ~のディアヘア・カディス。

 ラムズウールのタッチダビングでホワホワ質感のボテッとした肌色ピンクのうえに、
 柔らかなジンジャーのヘンハックルをかなり密にボディハックルに巻いている。
 エゾジカのディアヘアーもドサッと大盛り。
 ヴォリューム満点のサイズ8番。
 
 写真は、
 これにフロータントを塗りたくって、
 さあこれから第一投を投じようか、
 というところ……。

 んで、
 そのフロータントを塗布する際、
 ジェル状のフロータントを指先にチョンとつけて、
 フックのゲイプのところを指先でもって、
 フロータントつけた人差し指と親指でフライを両側からはさむようなかんじで、
 ボディの下から上に向かって、
 ハックルやウイングもろとも上方向に揉み上げるようにしてフロータントを塗ると、

 ソフトな質感のヘンハックルのファイバーがぜんぶフックシャンクのうえ半分をむくことになる。
 んだけど、
 とうぜん時間が少し経つとハックルファイバーがパラパラと元に戻ろうとする。

 が、
 すべてのファイバーが元に戻るわけでなく、
 指先でも揉みあげてクセをつけたために、
 ボディハックルの上下比重はボディ上部のほうにファイバーが集中する。

 このように、
 ヘンハックルをびっしり巻いたタイプのいつものカディスに、
 こうしてフロータントを塗りつつ、
 ボディハックルにクセをつけてやると、
 こうなんていうか、
 バサッと浮くのではなく、
 ホワ~ッと水面にはりつくように乗るかんじで浮くファジー感が、
 すごく気に入りました。

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 長いトロ瀬のヒラキのカガミのところ。
 水深は腰くらいで水底は砂。

 ドーンと大きな倒木が横たわっている、
 流れ込みのところが本命なんだけど、
 念のために……、
 とフライをカガミに浮かべたら間髪いれずドバッとでて勝手にフライをひったくっていった。

 掛ってから取り込むまで、
 ず~っと跳ねたまんま。
 ボンボン跳びっぱなし。

 水中にいるより空中で跳んでる時間のほうが長かったのではなかろうか。

 「水面がトランポリンみたいになってたな」
 と仲間に言うと皆ワハハと笑った。

 ものすごく満たされて……、

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 つぎのポイントへ……。
 
 対岸が土壁のような崖になって、
 そこで流れがおおきく湾曲しているプールにて。

 昨年の秋、
 ここでバラした大物が思い出される。
 このとき、
 4人で抜きつ抜かれつ交互に釣りのぼっていた。
 このポイントにさしかかったとき、
 ヒラキのバンク際のところでライズ発見!
 14番のクリンクハマー・スペシャルでもう一撃一投目!
 ゆ~っくりおおきなアタマが水面に突き出てバック~ンッと喰ってバシッ!とアワセた。

 ら、
 想定よりもはるかにでかいニジマスがドバドバッと水飛沫をあげた。

 いまのオレ、
 さいこうにイケてるじゃんっ。
 
 心のなかで、
 みんな~集合~~~見て~~~オレのカッコイイ姿をガン見してくれ~~……とおもった。

 余裕しゃくしゃくで取り込んだろ、
 エエとこ見せたろ…とおもった。

 が、
 オサカナがおっきすぎて、
 ぜんぜんいうこときいてくれなかったの……。

 で、
 ようやくサカナが手前に寄ってきて、
 背中にクリップでぶら下げただけのネットに手を伸ばして、
 ……ああんもう、こんなときになんでクリップ外れへんのや~……、
 おもっきりモタつくイライラ。 

 そのとき、
 自分が川に立ち込んでいる背後で、
 ポチャッって水音がして、
 フッと背中が軽くなった。

 と同時に、
 ぼくのうしろで「ああっ!」と声があがった。

 ハッと振り向くと、
 いつの間にやら河原に並んでカッコわるいボクをガン見している三人と、
 ぷかぷか浮いていまにも流れ去ろうとするボクのネット。

 アワワとザバザバ水蹴散らしてネットを追いかけるボクびしょぬれ。
 そしてさらに悲劇がおそう。
 やれ追いついた、
 とネットを拾い上げたまさにそのとき、

 「ああっっっ!」

 スコーンとバレちゃったのだった。
 文句なしこの日一番の大物。

 「いまの、見てました?」
 「ええ、ぜんぶ見ました」
 「さいしょからさいごまで?」
 「はい」

 嗚呼・・・・・・・・・・・・

 と、
 そんな痛恨ハズカシ因縁のポイントに1年ぶりに立ってみれば、
 残念ながら昨年の台風で土砂が流れて、
 かなり浅くなっている。

 それでも、
 下流からメチャクチャ丁寧に探る。
 まったく出ない。

 やっぱもうおらんのやろか?

 そんなふうに諦めかけながら、
 さいごのさいごプール流れ込みのいちばん上流の肩のところに投げたカディスに、
 ジュバッと出た。

 で、
 す~ごかったのは、
 ガンッとフッキングしたとたん、
 そのまんまプールの流れ込みの上流の荒瀬に、
 ギューーーーーーーンとのぼっていった。
 かなりの急流をまったくものともせずギュンギュンのぼっていった。

 斑点が全身にびっしり。
 手足のようにスラッと延びた各ヒレの縁にもびっしり。
 口吻の先っちょまで黒点が散りばめられたマダラ戦士は力持ち。

 「いや~ものすごいパワーやったなあ」
 とヤツの闘いぶりを称賛しながらハタと気がついた。

 このニジマス、
 一回も跳ばんかった。

 いずれにせよ、
 昨年の雪辱を晴らして大いに溜飲がさがった一幕……終始ごきげんでした。

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 その夜、
 網目から、
 ほんのり漂う野性ののこり香にウットリ。

 あしたもザバッと掬いたいな。



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 ぼくのおニューロッドのお気に入り写真3点。

 釣り竿の好みには、
 性能とかアクションとか釣り味とかいった具体的な理由のほかに、

 感覚的にも生理的にも、
 なにか言葉にならない、
 自分との相性、
 のようなものが介在しているなあと常々おもっているんだけど、

 この竿と共に一夏を過ごして、
 またさらにつくづくそうおもった。

 やっぱりボクは色んな意味で滋味に溢れた味わい深い竿が好き。


 
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