BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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晩秋百景2
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 車中泊の釣り旅は、 
 もちろん昼間の釣りが本番なわけですが、

 ぼくにとっては、
 夜もまた、
 ものすごくお楽しみの時間。

 昼間は釣り呆けて、
 温泉はいって、
 夕ご飯食べて、
 ベッドメイキングして、
 パジャマにきがえて、
 あとは寝るだけってかんじにしておいて、

 こんな半径5キロ以内だ~れもおれへんような樹海の山道を、
 誰はばかることもなく、
 すきな音楽かけながら爆音響かせてチンタラくるま走らせるのが、
 もうね~、
 たまらんのですわ。

 なんちゅうても深夜のこんな山道は、
 天然のサファリパーク。

 鹿にキツネにタヌキお馴染みの北の大地の動物オールスターズたちがワッサワサ。
 
 とくに秋はそんな動物たちが活発に活動しているので余計に面白い。

 この夜は、
 冬をまえにしてボッテボテに膨らんだタヌキどもが、
 そこらじゅうにたむろしていて和んだ。

 1キロくらい走るだけで、
 もう何十匹ものタヌキたちがクルマのライトにおどろいて右往左往。
 ドテドテバタバタ走り回っていた。

 今夜、
 この山のどこかで「秋の腹づつみ大会」でも開催されていたのでしょうか?

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 こお夜はめちゃくちゃラッキーやった。
 この美しい山道で、
 ヒグマにも御対面させてもろた。

 これで、
 これまで都合3回ヒグマに会ったけど、
 今回のがブッチギリでいちばんでかかった。

 顔から肩にかけての金毛が、
 クルマのライトに反射してギラギラギラッと輝いて、
 「うおおおっ!」
 とおもった刹那、
 まるで真っ黒な小山のような巨体が、
 筋肉の塊りをユッサユサ揺らすようにして、
 一瞬で森の奥深くに消えていった。

 あの俊敏さにくらべたら、
 シカなんかのんびりしたもんや。

 タヌキにいたってはトロットロ。

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 翌日の朝早く、
 ヒグマを見かけたあたりを散策して、
 その痕跡がないものかと探してみたら、
 こんなのを見つけた。

 アスファルトにせり出した芝が、
 ここだけベロンとめくれていた。

 めくられた芝の土はまだ湿っていた。

 足跡などは見つけられなかったから、
 これが昨夜のクマの仕業かどうか、
 真偽のほどはわからん。

 けど、

 なんでも、
 朝な夕なにカッキーンと冷え込むこの季節、
 アスファルトのほのかなぬくもりを求めて、
 アリとかもろもろの蟲どもが、
 こうした芝のしたに潜りこむらしい。

 で、
 それを知ってるヒグマが、
 この季節の深夜こっそり道に出てきて、
 この芝をベロッとめくって、
 その裏側でかたまってる蟲どもをごっそり舐め食うらしい。

 ためしに、
 ぼくも芝をめくってみようとトライしてみたけれど、
 はりめぐらされた根っこはカッチカチで、
 とてもじゃないけど無理だった。

 それなのに、
 ここだけ、
 なんか、
 いともたやすく、
 こんなにもキレイに、
 ベロンとめくられてる……スゲエな。

 やっぱプーさんパねえッスよ。

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 いつもの屁こき虫も、
 あたりにいっぱいいた。

 ホット&スパイシー……ですか?


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 話しはぜんぜん変わるんやけど、
 このニジマス釣りあげるの、
 ものすごい苦労した。

 フライが届くか届かないかギリッギリのところで、
 悠然とクルージングしながら、
 定期的にず~っとライズしていて、
 ようやくフライが目の前をイイかんじで流れても、
 見向きもしてもらえなかった。

 が!
 正午過ぎにバタバタッとエルモンのハッチがはじまって、
 こころなしか水面が色めき立ったようなほんの一瞬のときに、
 ミラクルがおこったんですわ~。

 掛けるまでも、
 掛けてからも、
 まさに丁々発止の一本勝負。

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 CDCのフェザーの先端を一枚、
 フラットに巻き止めて、
 そのうえにエアロドライを数束のせただけの、
 ハネオチ・スタイルとも、
 フローティング・イマージャーともとれるような14番。

 コレが、
 ボックンッと吸い込まれたとき、
 アタマのなかパーッと真っ白になった。

 まあ、
 それはええとして、
 この見事にパンパンの魚体の、
 口吻のとこ、
 見てくれる?

 このニジマス、
 口吻が左右両方とも、
 とれてしまってなくなってる。

 その原因はわかるよね?
 口吻のとれぐあいからして、
 きっとおそらくバーブ付きのルアーのシングルフックか、
 フライフックによる欠損かと推察される。

 もう一枚、
 ニジマスの写真いっとこかな……

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 このニジマスは、
 昨シーズンの初夏に釣ったもの。

 じつはこのニジマス、
 そのまえの年に、
 友人が一週間に2度も釣りあげた。

 釣れたポイントと、
 尾ヒレの欠損のカタチから、
 きっとそれで間違いないと思われる。

 友人が釣りあげたときは、
 二度ともパラシュート・パターンにあっさりバックリでた。
 そのときはヒキもすばらしかった。

 んだけど、
 その翌年はもうスレきっていて、
 水面を流れるドライフライのしたでギラッと光って、
 その日はもうそれっきりだった。

 で、
 その翌々日、
 いちばんいい時間帯に、
 忍び寄るようにポイントににじりよっていって、
 ハックルをむしりとったビートル・パターンを30センチほど沈めて流してイチかバチかの一発勝負。

 ギランッときてバシッと合わせてドンッとのって、

 「よっしゃっ!」
 おもわず声高らかに叫んじゃった。
 激しい闘いが予想された。

 んだけど、
 魚体の割にノタノターとあがってきたので?????
 
 取り込んでそのワケがわかった。

 このまえの年、
 友人が釣りあげたあとも、
 何度か釣られたのでしょう、

 尾ビレはネットの網目でザックザクに裂けていた。
 これじゃあ本来のフルパワーは出せないはずだ。
 しかも、
 魚体にはラインが巻きついた跡が、
 火傷のような古傷になっていた。

 そしてやはり、
 口吻が欠損していた。

 このように、
 ツリバリによって口吻がとれてしまったサカナは、
 その傷が証明しているように、
 我々に何度も釣られてくれる、
 まことにありがたいサカナだ。

 そしてまた、
 このような傷を負いながらも、
 たくましく生きているところに、
 胸が熱くなる。
 エライやっちゃとおもう。
 すごいな~とおもう。

 しかし、
 サカナ本来の美観というところで、
 この口吻がないだけで、
 もはや台無しといってもよいくらいに、
 ほんとに気の毒な姿になり果てている。

 釣り心が躍り出すような美しい流れと景観のなかで、
 愉しく苦労に苦労を重ねて、
 作戦を立てて、
 みごとに釣りあげたサカナが、
 このように我々の所業のせいで傷ついていると、
 もうほんとにガッカリだ。

 いや、
 がっかりだというとサカナに失礼だ。
 心の底から申し訳ないとおもう。

 そして残念ながら、
 このような姿にされてしまったサカナは、
 すこしも珍しくなく、
 とくに有名釣り場では体感的に、
 釣りあげた半数以上がこのような姿になっている。
 むしろ、
 口吻の欠損がない完全体のサカナが釣れたら、
 おどろいてしまうくらいの釣り場もある。

 ほんとに残念だ。

 じぶんは、
 全日本バーブレスフック強制委員会の会員になるつもりなんかサラサラない。
 そういうのは、
 他者に強制されるものではない。

 それにサカナからすれば、
 つきつめればバーブがあろうがなかろうが、
 どちらも大迷惑なはなしだ。

 だが、
 我々はサカナが釣りたい。
 なので、
 釣りバリのバーブをどうするかは、
 各釣り人の裁量のもんだいであって、
 「サカナを愛してやまない個人の襟持ち」だとおもっている。

 なんだけど、
 ぼくはものすごく快楽欲が深いので、
 サカナを釣りあげたところでは満足して完結できない。

 そのサカナを、
 最小限のハリ傷におさえて、
 まるでリリースしたサカナから「このボケカス~!」という捨て台詞が聞こえてきそうなかんじで、
 元気いっぱいに脱兎のごとく泳ぎ去っていくその後ろ姿を見届けてこそ、
 めいっぱいシアワセの余韻に浸れる。

 なので、
 フックにバーブがあると、
 そのシアワセに浸れないので、
 じぶんのフライにバーブはいらんとおもってる。

 きわめて自分本位な理由でバーブレスにしてる。

 ごめんね、
 えらそうなこと言っちゃって。
 
 
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