BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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丸福
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 ワシミミズクのクイル・ウイングのしたに、
 毛の根元から先端まで抜けるような真っ金色のヒグマの毛をアンダーウイングとして、
 どっさりひろげて巻き止めた、
 ドライフライ・タイプのフルチューン・カスタム仕様なマドラーミノー。

 ついでにヘッドはディアヘアーの質感模様長さ共に、
 マドラーのためにあるような毛質をしたエゾジカの背中の毛。

 ずっぽり道産子マドラーですねん。

 と、
 そんなヘッドの刈り込みは、
 左が通称「ホッパー・カット」つまりバッタ刈り。
 そして右がマドラーミノーの標準タイプ、
 紡錘型に刈り込んだ「ダン・ベイリー・カット」

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 今シーズンの初夏、
 ひょんなことからココ北海道にて愉しい釣りの数日間を共にさせていただいた、
 骨の髄から浪速人気質であらせられるウエットマンお玉はんとバタやんが、
 釣りを終えた夜のキャンプ場にて、
 なんでか妙にかしこまって言うのであった。

 「ビゼンくん、マドラーていろんなヘッドのカタチがあるねんな、
 ぼくら、アンタの書いた記事を見てソレ勉強さしてもろてんけど……、
 ほんで、マドラーミノーには常々たいへんお世話になって愛用さしてもろてるねんけど……、
 あんな、
 くれぐれも気ィ悪うせんで怒らんと聞いてくれる?
 ウエット用につかうマドラーのヘッドのカタチあるやん、
 ダン・ベイリー・カットとかゆうやつ、
 ぼくら、
 あのカタチのヘッドに刈り込んだマドラーのこと、
 いつからかボラギノールてゆうてるねんけど、
 わかる?」

 「ウハハハハハハハハハハめっちゃわかりまんがな!」

 「うっそマジで?ちゅうことはアンさんもかつて地獄を味わいはったクチでっか?」

 お玉はんは、
 なんでかものごっつ晴れ晴れした顔で、
 おお同志よ!
 みたいな口調で聞くのであった。

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 なんでこんな模様になるん?

 グリズリーとコック・デ・レオンを掛けあわせたので、
 「グリズリー・パルド」という命名には諸手を挙げて賛成するけれど、
 はじめてこのサドルを見たとき、
 もはやこれはニワトリの遺伝子を借りてヒトが創り出したアートやなとおもった。

 そしてそんなアートは創り手にさえも予測不可能。
 予想や、
 目論見や、
 計算など軽々と飛び越えて、
 よもやこのような模様になろうとは……、

 いま、
 ぼくの机のうえには、
 この珍奇なハックルの進化?変化?の過程にある3枚のサドル・スキンが鎮座している。
 眺めるたびにど~しても時間を忘れて見入ってしまうので、
 この師走の季節にはヒジョ~に困った宝物だ。

 なぜならこの3枚の摩訶不思議なハックルは、
 これまでおもいもしなかったカオスでキテレツな模様だけではなく、
 その質感もまた、
 我々がおおいにそそられる方向に進化しつつあることがうかがえるからだ。

 かれらは、
 変化を重ねるごとに、
 なにゆえにファイバーのテカリキラメキ光沢透明感をもナマナマしく増していくのか?

 たまらないのだ!

 これからは、
 「アーティステック・ハックル」という分野も必要になるのではないのか?

 おおいにこうご期待。

 今回はとりいそぎチラ見せってことで……。

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 先々週末、
 渋谷サンスイにてタイイングデモに呼んでいただいて上京した際、
 大病を患った友人の快気お祝いにも参加させてもらって、
 皆でなごやかにワイワイ盛りあがった。

 その席にて、
 フライフイッシングとおなじくらいハンティング大好きならしい姐さんが、
 「きょうはねえ、ミツグちゃんにプレゼントもってきたんだあ」
 と言ったので、
 「え?マジ?うれしいな~ナニナニ?」

 すると、
 聞くだに恐ろしい病気から見事回復されてもはやノリノリの大先輩が、
 「あ、アレだな、アレわたすんだな、そんなのビゼンくんいっぱいもってるのに、っていうよりビゼンくんソレ売ってるんだよ」
 と姐さんが言うまえに早々とプレゼントの中身を言ってしまった。

 「も~~なんで先に言うのよ~~~」
 「野暮なこと言っちゃダメじゃ~~ん」

 二人がかりで責められて先輩はシュンとした。

 「これねえ、ついこのまえアメリカ行って鴨撃ちでドンパチしたときにブチブチッて抜いてきたんだ。
 抜きたてホヤホヤだよ。よかったらつかってね」
 「うん、もちろんつかう。ホントありがと~」

 愉しい夜だった。
 英気とやる気をたっぷり養って、
 あしたのデモもがんばるぞっとおもえた夜だった。

 と、
 その渋谷サンスイでのタイイングデモを終えてから、
 関西にある実家にも帰省した。

 その機会に、
 お玉はんとバタやんと心斎橋で待ち合わせをして、
 お玉はんの友人がやっておられるというフランス料理店でランチと洒落こんだ。
 なんとこの大阪ミナミで40数年の歴史のあるお店。
 なんだけど、
 まったく気どっていない雰囲気が居心地よく、
 びっくりするほどお財布にやさしいのに、
 前菜からメインから食べ放題の絶品のパンからデザートまでおいしく堪能してすっかりご満悦。

 食後、
 タバコ一服したいので、
 「みなさん、まだお時間よろしい?よかったら丸福行きまへんか?」
 「ああ~~、ソレいま言おうとおもたとこやったのにい…なんで先にゆうんよホンマにもう」
 と、
 お玉はんがくやしそうに言った。

 ンハハハハ、
 なめたらアキまへんで。
 この界隈は、
 まだ「鰻谷」とかオシャレな地名が並んでいたころ、
 ワイの青春の遊び場でもあったんやでえ。
 ちゅうてもレコード屋めぐりばっかしててんけど……。

 すっかり様変わりしてしまった心斎橋の商店街を難波のほうにすこし歩いて、
 なつかしの丸福珈琲店へ……。

 あのころとおなじように、
 アイス珈琲を注文。

 フレッシュを注いで、
 ストローで吸うと、
 あのころとおなじように、
 そのままストローを口から離すことができず一気飲み。
 あいもかわらず麻薬のような珈琲だ。

 20代になったばかりのあのころ、
 丸福珈琲店にて、
 やはりストローが口から離せず、
 アイス珈琲を一気飲みしてしまったぼくの様子を見て、
 隣の席に座っていたオッチャンが言った。

 「な、いったんストローくわえたら、もうストロー離されへんやろ。チュ~~~~ッといってまうやろ、
 ここの珈琲はキケンな味やねん」

 1990年、
 25年まえ、
 なんの記念やったのかすっかり忘れてしもたけど、
 丸福でもろた屋号が印字された灰皿は、
 あれからず~~~っとぼくの机の上に置いてある。

 灰皿としてはつかわずに、
 大切なものを入れておく小皿になっている。

 ときどき、
 ハ~ッと息を吹きかけてキュッキュと磨く。
 これからも……、
 
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