BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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おニューのロッド
 きのうの話題からのつづきだぜ。

 おととし、
 信じがたいことに、
 とうとう齢50歳になってしまった.。
 で、
 その記念にフライロッドを一本新調しようとかんがえた。

 と、
 そんな不惑の記念の一本をぜひともおねがいしたいのは、
 やはり敬愛するこのお方しかいないとおもって、
 いつも仲良くしていただいている「アサマ・ロッドワークス」のアサマさんに、
 ガッツーンとオーダーかましたった。

 そんなわけで、
 アサマさんちに遊びに行ったときに、
 工房でお茶とお菓子をいただいて、
 友人と三人でベチャベチャしゃべりながら、
 「アサマさん、渾身の一本つくってください!」
 とたのむと、
 アサマさんは「え?マジ?」みたいな顔をした。

 日ごろ、
 ぼくがいかに釣り道具に対して無頓着というか、
 気に入ったものをず~~~っと延々使い続ける一途タイプなのを、
 よく知っておられるからだ。

 「アレコレ注文つけません。
 アサマさんがたったいま興味と情熱をもって取り組んでおられるスペックとアクションで、
 すべてお任せしますんで……」

 といった舌の根が乾かないうちに、

 「それでアサマさん、ぼくの希望はですね、ピンスポットにフライをビシッと着水させるというよりも、
 こうなんちゅうか、空気抵抗のおおきなスタンダード・ハックリングのドライフライを、
 フワワ~~ッと運んでポトッと水面に落とす、みたいなアクションがいいな。
 それで、30センチ前後のレギュラー・サイズな野性のニジマスを掛けると、さいっこうにたのしい竿なんだけど、
 それでいながら不意の一発をドカン!と掛けて、巨マスにズガガガガーッと激走されても、
 その抵抗をバットのところでドーンと受け止めて、
 ぶっこ抜くんじゃなくて、うま~くあしらうようにいなせる竿がいいな、そういうの作って……」

 「ビゼンさん、ものすごくうるさい注文つけるねえ、それって魔法の竿じゃん」
 と友人が苦笑した。

 「まあ、寸分たがわずそのとおりになるってことはありえないけど、
 まかせてみてよ」
 とアサマさんが含みのある言い方をした。

 おおいに期待した。

 かくして昨年のはじめ、
 オレさまのおニューなアサマロッドが完成したのだった。
 
 家にこもりっぱなしの冬のあいだじゅう、
 タイイング机の横のすぐ手に取れるところに置いて、
 いじくったり眺めまわしたりして春を待った。
 
 7’6” の 3~5番。
 
 アナタの気に入った番手のラインを乗せて自由に振ってね……、
 もしくはフライのサイズやフォルムやリーダーの長短など使用目的に応じて……、
 
 というマニアック心わしづかみの魅惑のスペック。
 
 たとえば5番のラインでぶ厚くハックリングした6番のロイヤルウルフなんかを、
 フワ~ッと投げて倒木の下にストンッと入れる……っていうのもいいし、

 4番ラインで8番~10番フックの常用サイズとなるテレストリアル系のボテッと巻いたパラシュートなんかを、
 軽快にやや遠目に投げながら瀬を釣る……っていうのこそ真価を発揮、

 はたまた3番ラインに10番前後のヘアカディス系なんかをつかって、
 トリックキャストの自在感を堪能する……っていうのもなかなかにシャレオツ。

 たいへんにものすごく気に入った。
 長いおつきあいになりそうだ。

151205(1)1.jpg

 と、
 そのような竿とともに昨シーズンの夏を釣り過ごして、
 そのキャスタビリティやプレゼンテーション能力、
 あるいは釣り心地というところにも、
 もちろんたくさんの感想を抱いたりもした。

 けれど、
 それよりも、
 自分にとっての好きな竿を決める最大の関心事でもある、
 「バラしたくないサカナが掛ってからどうなのか……」
 というところで、
 自分にとってはあるいみ開眼ともいえることを、
 この竿で掛けたサカナたちから学ばせてもらった。

 それは、
 一言で表現すれば、
 「竿は曲がって荷重を受け止めてナンボ」

 もうアッタリマエのこんこんちきすぎて、
 ハア?ナニ言ってんの?
 ってかんじでしょ、

 でもねえ、

151205(2)2.jpg

 この見事にぶっといアメマスの口から外したばかりのフライです。
 濡れそぼった姿はまるでファジーなファー・ニンフのよう。
 でもコレ、
 いったんジェル状フロータントを塗布すると、
 まるで不沈艦隊とでも呼びたいドライフライ。

 みごとに沈まないの。

 が、
 そんなフライの話題はまたの機会にしておいて、

 なにはともあれフックにご注目を……、
 ヘビーワイヤのウエットフックに巻いたにもかかわらず、
 フックのゲイプがビロ~ンと延ばされている。

 たかだか50センチにも満たないアメマスの所業とは信じがたいことなんですけど、
 この季節のこの釣り場で掛けたアメマスたちの爆裂パワーには、
 ただただ圧倒されるばかりだった。

 そんなチカラ自慢が、
 カポッとかチュパッとか、
 ものすご~く控えめに水面のドライフライに出るんだけど、
 それをバシッと掛けると、
 いきなりドーンとのしかかるように水中深く潜られて、
 流れの圧力がドンとくる流芯の川底にビタ~ッとへばりついて、
 そのまま川底の岩の切れ目に沿うようにズガガガガーッと上流にむかって力任せに突進していく。

 で、
 その爆走を食い止めるために、
 フロロ3Xのティペットにものをいわせて、
 これでもかとグーッと竿をためてギリギリふんばる必要があるんだけど、
 そうやってどうにかこうにかアメマスを浮かせて取り込んでみれば……、

 あれまビロ~ンとのびきってしまうフックのゲイプ。
 こんなのが一度二度ではなく、
 何度も何度もつづくと……、

 「しかし、こんな曲げられちゃったフックで、なんで取り込めちゃうの?」

 素朴な疑問。

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 「なんかアフリカのサイみたい」
 と笑っちゃうようなパワーのアメマスたち。
 
 そのしゃにむな力走を、
 なんていうかネバ~~ッと受け止めてくれるようにズ~ンとくる竿のバット付近。

 そして、
 イレギュラーに川底をあっちこっち走り回るサカナのうごきに、
 ノワワ~~ンノワワ~~ンといった印象で曲がりながら、
 やさし~くいなすようなかんじで、
 粘っこく追従してくれる竿の真ん中よりうえの先っちょのところ。

 こうやって、
 竿の曲がりにまかせるようにしながら、
 サカナの抵抗を満喫しつつ耐えていると、
 華奢にさえかんじていた竿のくせに、
 いつのまにかボワ~ンと浮いてイヤイヤしながらも手元に寄ってくる、
 極太ワイヤのフックを簡単にひん曲げちゃう白点模様の爆裂チカラ持ちたち。

 そのくせ、
 サカナが息も絶え絶えヘロヘロに弱り果てるということもなく、
 充分な余力を残したうえで、
 ドッタンバッタンしながら、
 いかにもくやしそ~に水辺に横たわる。

 ドハハハハハこれだよな!

 これまで、
 このような場面でフックをのばされ弾かれふり外されつづけて、
 苦渋を飲みまくっていたワタシ、
 高笑いが止まりまへん。

 たとえてみれば、
 そうそうあるわけではない巨マスとの激闘ココ一番!の場面では、
 その暴力的な引きをまるで風に揺れる柳のようにいなしてくれて、
 なんとか無事に取り込める竿、
 なんだけど、
 いつもの日常の釣果の大多数を占めることになる、
 20センチ30センチ40センチ前後のアベレージな元気っ子が掛ったときにこそ、
 十二分に真価を発揮してくれて、
 そんな元気っ子たちの引きを慈しむように愉しめる竿、
 やっぱボクはそんな竿が好きなんやなあ。

 この欲張りさんめ。

151205(9)9.jpg

 んが、
 そうはいえ、
 この竿はあくまでも当初の目的どおりアベレージ・サイズをたのしく釣るために作ってもらった竿。
 それを、
 こうして限界ギリギリの場面でばかりつかってみて、
 予想以上のたのもしさに、
 この竿を作ってくれたアサマさん共々おどろいて感心しきり。
 だったのだが、
 シーズン本番を終えて診断していただくと、
 やはりどうしても竿の要所にわずかにほころびが見え隠れ。
 酷使しすぎるのも、
 なんだか竿にもサカナにも申し訳なくもおもえてきた。

 が!

 サカナの爆裂パワーをバットで受け止めティップでいなす……。

 と、
 そんな竿こそがじぶんの好きな竿なのだと確信したいま、
 
 「そんなテイストの竿でじぶんの相性にピタッとくるのんは他にないのんか~~」
 などと、
 興味と探究心がメラメラしてきた……、

 そんな至福の夏でした。

 で、
 余談というか後日談を……、
 ひと夏でガッツンガッツンに使い倒しまくって、
 とくに竿のつなぎ目のところがへたばり気味で、
 アサマさんに診断と修理をおねがいしたわけですが……、

 元気になって戻ってきた竿の修繕箇所を見て感動というか感涙というか、
 たんに修理補強されただけじゃなくて、
 がっつり進化しちゃってんの。

 ほんとにまったくもう……ありがとうございます。

 今年もまたもうすぐブイブイ言わせまくるで~~。

 この愛竿とともに過ごした昨夏の思い出ウレシハズカシ写真もオマケでもっと掲載するで~~。
 ぼくのホッペタの緩みにご注目を・・・・・・。

 ウハハハハハハハハ

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 SPECIAL PHOTO by 田口くんマンモス・めちゃサンクス!

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