BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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Napoleon , Lee blue & gray
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 種類を問わず、
 こうしたサドルスキン後方に生えている、
 ウェヴがハックル先端まで入っているシェラッペン状のハックル。

 このウェヴ・ハックルのファイバーをパラッパラにバラけさせてハックリングできるって……、
 それがどれだけ革命的なことか、
 君知るや?

 ハックル・セパレーターの登場は、
 ぼくにとってフルドレス・サーモンフライ・タイイングの分野でも、
 というよりも、
 むしろこの分野でこその秘密兵器になった。

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 これはグリズリー・パルドのシェラッペン。
 サドルスキンをひっくりかえしてスキンの後方を見れば、
 色の濃いのや薄いのや、
 いろんなシェラッペン状ハックルがわんさと生えている。

 で、

 それをハックル・セパレーター処理して、
 かつダブリングしたもの。

 こうしてみると、
 黒っぽいスペイハックルといったかんじなんだけど、

 ナマでみると、
 グリズリーの名残りのような黒い縞模様が、
 まるで崩れて白地に溶けだしているようにグラデーションがかって、
 明るいダン色や鉄錆色に変化してテカッている。

 この色合い、
 まんまケルソンの時代に持て囃されたハックル、
 いまや幻ですよと聞いていたハックル、
 あの、
 「アイリッシュ・グレイ」そのものではなかろうか?

 このそそられまくりのハックルの発見と、
 ことしの干支となるエテコの毛を組みあわせて、
 2016年にこそ巻きたい古典フライを、
 自分の色に染めまくって巻いてみました。

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 NAPOLEON Variation #6/0

 なにゆえに、
 このモッサリしたフライが「ナポレオン」と命名されたのでしょうか?

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 LEE BLUE & GRAY Variation #6/0

 このフライもナポレオン皇帝も、
 さいしょ見たときは「えっらいモッサリした垢抜けんフライやな~」
 とおもって、
 まったく食指はうごかなかった。

 やっぱ駆け出しの頃はさあ、
 ビッとしてシュッとしたフォルムで極彩色ムンムン煌びやか、
 っていうフライにこそ魅かれ憧れてこの世界に飛び込んだわけだし。

 キレイなウイングを苦労して巻き止める土台になるべきボディが、
 なんでこないに地味でモッサイねん?

 タグなんかキリッと引き締まったいつものシルクちゃうねんで、
 わざわざ豚の毛をモジャッとダビングするねんで。
 モッサイでソレ。

 ほんで、
 このボディにダビングされたエテコの毛、
 シルバーモンキーとスクイレルテイル、
 ダビングしたらどっちがどっちか全然わからんやんけ。
 
 それでもシルバーモンキーなんですね?
 なんで?

 しかも、
 そんなエテコの毛のあいだに、
 アイリッシュ・グレイなるハックルを5回転て……、
 モッサイくせに難しい注文しはるやんけ、
 そこ、
 グリズリーでええんちゃうの?
 
 アカンの?

 っていうよりも、
 このナチュラル・グレイなボディ、
 モッサイねんソレ。

 などとおもっておりました、

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 が、

 下手の横好きなんとやら、
 経験の蓄積は、
 ヒトの嗜好をガラッと変えますね。

 そしてなにより年月を積み重ねれば
、知らず知らず審美眼が磨かれる。

 磨かれるのはけっこうなことやけど、
 無駄に磨き過ぎて、
 てめえのいま現在のスキルよりも、
 理想はいつも常に遥か先にあって、
 もどかしいときも多々ある。

 まあそれはおいといて、
 毛羽立たせたシルバーモンキーのボディから、
 さっきのグリパルのシェラッペンの縞々がチラ見え。
 これ、
 ナマでみるとボディにパーマークが浮いてるように見える。
 モダン・クラシック度数がグッと増してウレシイ。
 そして、
 そんなおサルのオケケに柳の枝のようにしなだれかかっている、
 黄色やクラレットや水色のスロートハックルは、
 ホワイティング社フラットウイング・サドルのスキン後方から採ったシェラッペン・セパーレート処理ハックル。
 
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 アンダーウイングとして、
 水玉模様のアーガスのセカンダリーをぶ厚めに巻き止め、
 そのうえに、
 星屑のように斑点散らしまくったド派手なマリッドウイングをドッサ~とのせた。
 本来、
 この部分にはゴールデンフェザントの尾羽根をつかうのが正しい作法なんだけど、
 それだと、
 「洗練」されすぎちゃう。
 カッコよすぎるの……。
 そうじゃなくて、
 あえてバタ臭くイモっぽく、
 あつくるしいかんじにしたかった、

 そうじゃないと、
 まるでフックから毛が生えているかのように、
 モッサ~~~と巻いたおサルのボディの重量感と存在感に負けて、
 ウイングの印象が霞んでしまう。

 古典に忠実に巻くべきか、
 それとも我が脳内イメージを具現化するべきか……、

 この葛藤、
 わかっていただける方は、

 あ~~ビゼンさんおもいきって冒険しはってんな~~と、
 微笑んでいただけるかしら?

 たかが羽根ひとつ、
 あっちにするかこっちにするかで、
 ここまでウジウジ愉し悩めるのって、
 シアワセだよね。
 
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 カラーワイヤをねじってつくったアイと、
 タグの部分の対比にも注目してネ。

 目指したのは、
 モッサモサの本毛皮のコートのしたから、
 ド派手なパステルじゃらじゃらぶらさげて、
 きっつい豹柄のセーターのぞかせた、

 海千山千の浪速の厚塗りのベッタベタのお姉さん。
 もちろん場末系。

 コッテコテに盛りたくってまっけど、
 うちのココロはいつも乙女ですねん。


 
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