BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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浪漫なんだぜ。
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 マーヴェリック社屋にて……、

 ホワイティング社から届いたばかりのギニアフォウルのコンプリート軍団を、
 ドバサッと箱から全部出して検品しながら、
 スタッフの皆さんと今後の展開について、
 あ~だこ~だとディスカッションしているところ。

 それにしても改めてでっかいなこのギニア。
 床に広げると圧倒される。

 「これさあ、たとえばマンモス・ギニアとかマキシマム・ギニーとか、
 なんかそういう勇ましくてビッグな名前で販売したいくらいだよね」

 おもえば、
 かれこれ一年前、
 ホワイティング博士から「今、こんなのも養鶏してんだけど、どうかな?ちょっとつかってみてくれる?」
 との打診と共に、
 このギニアが我が家にやってきたとき、
 その巨大さにビックリしながらも、
 とくに需要のもんだい、
 そして価格面からも、
 そのときはあまり色よい返事はしなかった。

 のだが、
 これまでにも当ブログにて紹介したように、
 8/0サイズの特大フックにさえ余裕でハックリングできること、
 それにとうぜん小さなサイズに向いた羽根も盛りだくさん。
 そして、
 ナチュラルもダイドもふくめてホワイティングらしい冴えた発色。

 一年間みっちりつかってみて、
 考えがガラリとかわった。

 正直言って、
 商売する側から見れば、
 けしてバンバカ売れるものではないかもしれない。

 が!、
 たとえばフルドレス・サーモンフライを巻いている方や、
 イントルーダー系やストリーマーなどで本流一発の方、
 あるいはウエットフライにドハマリしている方、
 なんならこれからウエットフライやサーモンフライに挑戦してみたいとおもってる方、

 そういう方々が現在どれくらいおられるのかはまったくわからないけれど、
 そんな少数派にとってこのギニアは、
 たまらない副音かつ超強力な素材になりえるはず。

 そして、
 こうしたコンプリートの素材をはじめて手にされる方なら、
 全身すべて「有効活用」できるギニアならば、
 いろんな部位の羽根にダイレクトに触れながら自分のタイイング・イメージを自由に膨らませる、
 あの喜びと醍醐味を体感するには、
 またとない最初の教材にもなり、
 その後もず~っと使いつづけられる素材になる。

 「このギニアはいろんな意味で現在社会への挑戦やで。羽根屋がコレ売らんでどうするねん?」

 おもっくそ大口たたいて直談判。

 「あんたがそう言うなら、わしらもモロ肌ぬぎまっせ」
 とお応えしてくれた博士とマーヴェリックのみんな。

 そして今回の運びとなりました。

 このギニアには、
 我々の現代フライフイッシングとタイイングへの、
 いろ~んな想い、
 そして願いがこもってますねん。

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 と、
 そんなことを話しあって、
 ギニアの検品も終えて、
 ちょっと一服しようかというとき、

 玄関のところでイッピキさびしそうに寝ていたルナと目があったので、
 「ルナ~、こっちおいで」
 と呼ぶと、
 ルナがガバッとおきあがって(え?いいの?遊んでくれるの?ウッヒョ~~~いくいく~~)みたいなパッとした顔になって、
 テッテッテとぼくの足元まできて、
 太ももにズリズリ~ッと身体を撫でつけながら、
 いつものようにその場でデングリ返ししながらドテッ腹おっぴろげ、
 (さ、なでて、グワングワンなでて…)という顔をしてボクを見あげた。

 「ル~~~ナ~~~、ほんまにも~~メチャメチャかわええな~~~」

 デレッデレでしゃがみこんで、
 ワシャワシャしながらジャレまくっておりますと、

 「は~い、ビゼンさ~ん、ルナー、お顔あげてコッチ見てスマイルしてくださ~い。写真撮りますよ~」

 といきなり声をかけられて、
 「んあっ?」
 みたいなかんじで、
 顔をあげた瞬間にパシャリと撮られちゃったツーショットで~す。

 写真見て大爆笑。
 どっちもまったくおんなじ表情になってんじゃん。

 ボッケ惚けお間抜けフェイス満開のひとりとイッピキでえ~す。

 帰宅してからも、
 ちょっと気分が沈んだりダレたりすると、
 この写真を眺めちゃうワタクシ。

 だって平和なんだもの。

 これはぼくの経験から得た真理のひとつだとおもってんだけど、
 そこのお宅で飼われているワンちゃんと気が合うと、
 かならずその飼い主の方とは末長い親密なお付き合いになる。

 これ、
 これまでに例外がひとつもないんだよね。

 
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 コック・デ・レオンのコンプリートウイングの話しもしよっか?

 まずはコレを見てくれる?
 これはメスのコンプリート・ウイングなんだけど、
 もう羽根全体がグッチャグチャ。
 肝心のセカンダリークイルのところなんか、
 先端はすべて千切れてファイバーもバッラバラ。

 もはや崩壊、
 といった有様だ。

 もちろん、
 こうなってしまうと残念ながら商品にはならないので破棄するんだけど、
 参考にしたいとおもってゴミ箱から持ち帰ってきた。

 でも、
 これがレオンたちの普通のありのままの姿なんだよ。

 なんちゅうてもヤツらは「生まれながらの戦闘鶏族」
 スーパーサイヤ人もドン引きの気性の荒さ。
 ケージのなかでさえ、
 死ぬまでバッサバサ暴れながら何者かにケンカ売ってはるから、
 羽根がぜんぶ擦れ切っちゃって、
 養鶏されている何百何千のレオンのほとんどはこの惨状となる。

 なので、
 商品になるクオリティのものなんか、
 全体の数パーセントだろう。

 という事情を知っている者からすれば、
 商品として流通されるレオン各種のコンプリートウイングは、
 もはやほとんど奇跡ではないか?
 としか思えないのだった。

 そして、
 こんなバッサバサにちぎれ果てたレオンのなかから、
 ほんの数羽しか採れない「奇跡のウイング」を探しだし、
 しかるべき手間と処理を経て、
 ようやく日本に送られてくるんだけど……、

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 そこでもまたさらに徹底的に選別されて……、

 乱れているのが普通なレオンのクイルに蒸気を当てて、
 すこしでも美しい状態にクイルを直して……、

 「ぐわ~~、この作業、気が遠くなるなあ。
 あのさ、この作業ってコンプリートからクイルをバラした状態だとメチャ簡単にできるわけやん。
 しかも、個人でやるぶんには「クイルの蒸気当て」ってメチャたのしい作業になるじゃん。
 なので、そのへんの解説をみっちりやってさあ、
 購入された方各自で修復作業をやっていただくっていうほうが効率的ちゃうの?」

 などと御意見してみましたところ、

 「それはダメ!やっぱさあ、すこしでもキレイにして、ちょっとでも美しくお店に陳列してもらいたいじゃん。
 そのためにコチラでできる労は惜しまないっていうのが基本だし、大事なことだとおもうんだよね」

 一刀両断で却下されました。

 頭が下がる。

 約一週間、
 どこにもいかず作業場に缶詰めになって、
 朝から晩まで山のように積み上げたレオンやブラマーの翼にまみれて、
 一羽一羽の羽根に蒸気を当て、
 乱れ切ったウイングの修復作業。
 それが一段落したら、
 こんどはグレーディング……。

 たいへんな作業やなコレ…などとお互い労をねぎらいながら最終日の夜。

 気心の知れた仲間たちが三々五々集まってくれて、
 みんなで晩餐会。

 そのとき、
 この一週間ぼくらの仕事っぷりを折りに触れて見ていた女性スタッフの方が、
 みんなにこんなことを言っていた。

 「もうねえ、傑作だったよ。いっぱしのオッサンたちがさあ、机のうえに鳥の羽根をドバ~ッとひろげて、
 それを囲んでず~っとワイワイワイワイやってんの。
 それがもう、ほんっとにたのしそうで……あんまり可笑しかったから、
 その様子をこっそり写真撮っちゃったわよ」

 「ドハハハハハハ」

 ほんとに心底楽しいとおもえる、
 血湧き肉躍るようなプロジェクトの末端に関わらせてもろて、
 なんとシアワセなことだろうか。

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 「でもこれさあ、ビゼンさんが最初のキッカケつくったんだよ」

 「あれ、何年前やったっけ?まだ静岡におったときやから10年くらいまえだったっけ?」

 「そうそう、はじめて一緒にコロラドのホワイティング行ったとき、
 ホワイティングの連中がここぞとばかりにキレイな羽根や工房見せようと案内してるのに、
 ビゼンさん、とつぜん焼却炉のとこ走っていって、
 スキニングされてバラバラになったレオンの御遺体が積み上がってる山のまえにしゃがみこんで、
 血まみれのレオンのウイングをいきなりつかみあげたかとおもうと、

 コレすっげえ!コレ欲しい!コレちょうだい!

 つって叫んだんだよ。おぼえてる?
 あの瞬間がすべてのはじまりだったんだよ」

 「あのときの衝撃と感動。忘れるわけないじゃん。でもさあ、そんなに皆ビックリさせたの?」

 「ん~~~、ぶっちゃけあのときあの場にいた全員ドン引きしてたね。このひと、なに考えてんだ?っておもったもん」

 「ウハハハハハハハ」

 
 ウエットフライのウイング素材として定番中の定番素材、
 たとえばヘンフェザントやターキークイルなんていう古典的素材もまた、
 かれこれ百年以上もまえは、
 その時代を象徴するような最新のクイル素材だったわけだ。

 そしてそれらの素材は、
 過去の遺物として歴史に埋もれることなく、
 現在も我々に脈々と受け継がれている。

 しかし、
 それ以降、
 現在に至るまで、
 そうした古典に匹敵する素材がでてきたかといえば、
 レア素材やアンユージュアルな素材をのぞけば、
 定番になりえる革命的といえるようなクイルウイング素材は見当たらない。

 つまり、
 ウエットフライのクイルウイング素材に限っていえば、
 何百年もまえからたいして事情は変わっていない。
 変化も進化も、
 その時代からほとんど変わらないと見ることもできる。

 古きを尊ぶ遊びなんだから、
 それが悪いとはまったく思わない。
 むしろ、
 すごく大切におもっている。
 
 しかし、
 コック・デ・レオン各種のクイルウイングは、
 そうした古典的定番素材と比較しても、
 その効果、
 そそられる独特の模様と質感、
 扱いやすさなどなど、
 ありとあらゆる点から検証して、
 なんら遜色がない。

 だけでなく、 
 ウエットフライ独特の大切な世界観となる古典的ムードを色濃く継承しているところも見逃せない。
 それでいて、
 これまでにまったくなかった新しいクイルウイング素材。

 そんなのって他にある?
 
 そんなわけで、
 たったいま、
 現在の、
 モダン・フライフイッシング時代にこそ、
 定番中の定番クイルウイング素材として気軽につかえて、
 広くつかわれて愛用され進化していくべき定番クイルウイング素材だと、
 個人的に強く確信している。

 これからも、
 重要なライフワークのひとつとして、
 コック・デ・レオンにはず~~っと深く関わっていきたい。
 しらずしらず、
 ぼくにとってはもはや他人ごととは到底思えない素材になってしまいました。

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 ちょっと面白そうなのもチラ見しちゃおっか?

 これ、
 コック・デ・レオンとグリズリーを交配させた、
 噂のグリズリー・パルドのコンプリートウイング。

 博士から、
 サンプルとして預かったもの。

 これはまだ誕生したばかりなので、
 これからコッテリ使い倒してみて、
 まずは自分が「これはイケる!イクべきでしょ!」とおもえたら、
 ガッツーンといきたいとおもってる。

 全体的にグリズリーの血が色濃くなっているようで、
 クイルウイング全体の色調が、
 純正ブルーダンを髣髴する青味がかったダンと、
 白みがかった淡いダン色がランダムにグラデーションがかっており、
 そのなかにレオンの名残りのマダラ模様が羽根の奥から浮き出ているような色調が、
 グリパルのクイルウイングの基本的特徴。

 なんだけど、

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 これはもう一羽のグリパルのコンプリート・ウイング。

 これ、
 一羽のレオンから採ったウイングのはずなんだけど……、

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 完全に、
 確実に左右対称のセカンダリークイルでありながら、
 この模様と質感のちがいはなんなのだ?

 で、
 さっそくこのクイルに沸かしたヤカンから立ち昇る蒸気をあてて……、

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 クイルのファイバーを修正しつつ、
 蒸気をあてることで羽根に潤いと艶をよみがえらせておいて……、

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 レオンのウイングとスロートハックルをつかって、
 古典的ウエットフライの定番のひとつ「アルダー」巻いてみた。
 サイズは6番。

 こうしてみると、
 グリパルのクイルのダン色って、
 北海道ならではの重要水生昆虫であらせられる、
 道民のぼくらには初夏の風物詩としてお馴染みの、
 あの「センブリ」のアダルトの翅の質感と色ですね。

 それで「アルダー」巻いてみたんだけど……、

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 クルッと反対側を向けてみれば……、
 
 「ヌハハハハハハハ」

 そんなわけで、
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 マンモス・サイズなギニアフォウル各色を我が家の床にひろげっぱなしにして、
 なにか思いついたらすぐ羽根をプチッと抜けるようにしつつ……、

 水玉模様や霜降り模様やゴマダラ模様に、
 あらためてドップリ浸りきっている春です。

 あ、
 それから、
 こんなお話しはしましたけれど、
 このギニアとレオンに関してワタシがやってるのは、
 「コレおもろいよ~こうやって使ってみて~」などなど、
 この羽根に関する解説と御提案とちょっとしたお手伝いだけです。

 販売しているわけではないので念のため。

 お求めは全国の優良プロショップでね…。



 
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