BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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ツンデレ竿と川虫毛バリ
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 ん~~~バイオレット。
 お腹もヒレもヤケクソみたいにまっかっか。

 シーズン中は道内各地に麗しく美しいニジマス釣りにいくけど、
 この時期の道南小渓流にてたまに釣れてくれる若者ニジマスの燃えるバイオレットっぷりはじつに独特で、
 目を射るような鮮やかさで斬新だ。
 いつもドキッとする。

 そして春だなあ……とおもう。

 というサカナの話しはおいといて、
 今回は思い切ってそんなサカナのいる小渓流を釣るための、
 現時点でのオレ様の最愛の竿について、
 写真で語るぜ。

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 これはあくまでも持論というか個人的な感慨なんだけど、
 竿の性能云々はひとまずおいといて、
 釣り竿には二種類の性格?がある気がする。

 ひとつは、
 ものすごく有能なんだけど、
 ガンガンつかっているうちに、
 どうしてだかスーッと気持ちが冷めるように飽きてしまう竿。

 そしてもうひとつは、
 竿の性能とはまったく別のところで、
 長く使い込めば使い込むほどに情が移ってしまう竿。

 これを「味」という言葉で表現するには、
 心情的にやや言葉足らず。

 「相性」のほうがまだ近いかもしれない。

 この気持ちは一体全体なんなのだ?

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 7’3”の3/4
 真っ赤な巻き糸以外はなんの飾りもない、
 化粧っけなし、
 愛想もくそもない無愛想な竿でございます。

 我が家のご近所の「アサマ・ロッドワークス」のアサマさんの作によるもの。

 なんだけど、
 この竿をこうして公の場でナニしてもいいものなのかどうなのか?
 作られたご本人が気を悪くされるのではないかと心配。

 じつはこの竿はアサマさんの試作品。
 ご本人にしてみれば、
 この竿を足がかりにさらに進化させていくべき実験作。

 アサマさん、
 そういう試作品や実験作がんがん作ってばんばん破棄しちゃうから。
 いっときもひとつの場所に留まらず、
 ちょっと会わない間にどんどん進化して先に行っちゃうから。

 そのくせ「誰が使っても、使い手のレベルに合わせられるスムーズな竿」を作ろうとするヴィジョンにブレがないから、
 ときとして「混沌」と「迷宮」の世界にどんどん突っ込んで行っちゃって、
 エライことになったりしていらっしゃる。

 かれこれ4年ほどまえ、
 まさにアサマさんがそのような世界を彷徨っていらっしゃるときに、
 御自分のイメージを具現化するべく何本も試作されたうちの一本がこの竿でした。

 バキッと折られて破棄される寸前でした。

 それを友人がこっそり持ち出して釣り場にて
 「ビゼンさん、これちょっとつかってみてよ。アサマさん、この竿ぜんぜんダメっていうんだよ」
 なんつって借り受けて一日振ってみて、
 「どうだった?」
 「ん~~、なんかタルイ。最後のひと振りのとき、フッとラインの感覚がなくなるようなかんじがして不安になりました」
 「あ~、わかるわかるそのかんじ」
 「でもねえ、なんか捨て置けないっていうか、もうちょいジックリ使いたくなるのは、なぜ?」
 「あ~、わかるわかるそのかんじ。アサマさんその竿折るって言ってんだから、どうせならもうすこし貸してもらってつかってみればいいじゃん」

 なんつって早4年。
 過去いちどアサマさん宅に返却にあがった記憶もございますが、
 なし崩しになあなあにしてまた再度持ち帰り、
 ズッコンバッコン使い倒した末に、
 もはやいまや返却の意思はまるでなし。

 というよりも、
 サカナが釣りたくて釣りに行くというよりも、
 この竿が振りたくて、
 わざわざこの竿に合う小渓流にでかけるという本末転倒っぷり。

 どういうこっちゃ?

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 この竿をつかいはじめたころ、
 まだるっこしく感じていた鈍重な鈍い印象。

 アサマさんがこの竿にダメだしをされた理由がよ~くわかる。
 だって単純につかいにくいもの。
 ちょっとリズムが崩れるとメロメロだもの。
 ところが、
 そここそが自分がこの竿にはちきれんばかりの親愛の情を抱くようになった理由のひとつでもあることに、
 ず~~っとこの竿ばっかつかっていて気がついちゃったのでした。

 門前の小僧習うより慣れろ……の伝で、
 ほんっとにつかいにくいなあと思いながらも、
 自分でもよくわからないまま何故だか「この竿が使いたい」という気持ちのまま使い続けていて、
 しらずしらず、
 この竿の持ち味を十二分に活かすリズム?振り方?扱い方?
 が自分の頭でなく身体に染みてきたような気がする。

 竿がいかんなく性能を発揮するストライクゾーンがものすごく狭いんだけど、
 それがわかって慣れてハマると、
 さっきまでのツンデレっぷりはなんだったんだ?
 みたいに従順に気持ちに寄り添ってくれる……そんな感じなんだけど伝わってますか?
 
 ウエイトをかましたニンフを手首だけをうごかすようなロールキャストでデレデレデレッと転がしてピンスポットに運ぶ感覚、
 たとえばキャッツキル・スタイルに巻いたグレイ・フォックスやなんかの12番くらいのを、
 竿の真ん中らへんをク~ンと柔らかく曲げるようなかんじでフワワワワ~~ッと投げてポテッと水面に置くように落とす感覚、

 そしてなによりも、
 掛ったイワナがノンノンノンッと水中で首を振っているのが手の平にダイレクトにくるあのかんじ、

 なんかねえ、
 箱庭のような小さな渓流で、
 せいぜい6~8ヤードくらいの距離を、
 大げさに言うとすべてをコントロールしながら釣っているような感覚、

 たまらないカイカン。

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 後日談というか余談というか、
 こうしたアサマさんの試行錯誤な竿たちの果てに、
 「この竿はいいよ」と御本人もおっしゃっていたらしい、
 ほとんど同スペックな竿を友人のひとりが大事にしていて、
 とうぜん振らせてもらってサカナも釣らせてもらったんだけど、
 あまりにスムーズすぎて、

 「どう?これすっごいいいでしょ」自慢げにのたまう友人に、

 「なによこの八方美人なシルキータッチ。こんなん反則やわ」悔し紛れに言うたった。

 フライロッドって不思議だ。

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